JP2662447B2 - 磁気記憶部付きフィルムを使用することのできるカメラ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、フィルムに備わった磁気記憶部に対し、情
報の書き込み或いは読み出しを行うための磁気ヘッドを
有する、磁気記憶部付きフィルムを使用することのでき
るカメラ等の装置に関するものである。

［従来の技術］ 近年、磁気記憶部を有するフィルムを使用し、この磁
気記憶部にシャッタ秒時、絞り値、年月日、タイトル等
の撮影情報を磁気ヘッドにより書き込み、かつ必要に応
じてこの撮影情報を読み出すようにしたカメラが米国特
許第4,864,332号等にて提案されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記従来例においては例えば磁気記憶
部はフィルムの長手方向に平行に所定位置に配設されて
おり、書き込み及び読み出しされる情報量の増加とあい
まって、磁気ヘッドはフィルムの前記所定位置に常に制
度良く位置決めさせる必要がある。ところが、フィルム
は給送中にうねりながら走行するので、次のような問題
点が発生していた。

（１）フィルムの磁気記憶部と磁気ヘッドとの間に位置
ずれが生じるため、撮影情報の正確な書き込み及び読み
出しができない。

（２）磁気ヘッドの磁気ギャップの方向はフィルムの磁
気記憶部に対しなるべく垂直に当接させる必要がある
が、前述のフィルムのうねりのためにフィルムの走行方
向に対する磁気ヘッド磁気ギャップの方向の垂直度が低
下してしまう。

［問題点を解決するための手段］ ［課題を解決するための手段］ 本発明は、以上の事情に鑑み為されたもので、フィル
ムカートリッジに設けられたフィルム供給手段を駆動す
ることにより該カートリッジからフィルムを送り出すフ
ィルム送出手段及び前記フィルム送出手段により送り出
されたフィルムを巻き取るフィルム巻取手段を有するフ
ィルム送り手段と、フィルムの磁気記憶部に対し情報の
書き込み及び読み出しの少なくともいずれか一方を行う
ための磁気ヘッドと、フィルムの動きに追従できるよう
に前記磁気ヘッドを揺動自在に保持する保持手段とを有
し、フィルム送り中のフィルムのうねりに対して、磁気
ヘッドによるフィルムの磁気記憶部に対する情報の書き
込み或いは読み出しが適正に行える磁気記憶部付きフィ
ルムを使用することのできるカメラを提供しようとする
ものである。

また、本発明は、フィルムカートリッジに設けられた
フィルム供給手段を駆動することにより該カートリッジ
から写真フィルムを送り出すフィルム送出手段及び前記
フィルム送出手段により送り出された写真フィルムを巻
き取るフィルム巻取手段を有するフィルム送り手段と、
写真フィルムの磁気記憶部に対し情報の書き込み及び読
み出しの少なくともいずれか一方を行うための磁気ヘッ
ドと、写真フィルムの動きに追従できるように前記磁気
ヘッドを揺動自在に保持する保持手段とを有し、写真フ
ィルム送り中の写真フィルムのうねりに対して、磁気ヘ
ッドによる写真フィルムの磁気記憶部に対する情報の書
き込み或いは読み出しが適正に行える磁気記憶部付き写
真フィルムに適用されるフィルム追従装置を提供しよう
とするものである。

［実施例］ 第１図乃至第６図は本発明の一実施例を示すもので、
第１図は背蓋を省略して示すカメラの背面図、第２図は
第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線断
面図、第４図は第１図のカメラの圧板とフィルムの位置
関係を示す平面図、第５図及び第６図は第１図のカメラ
のフィルム未装填時の圧板の異なる作動状態を示す平面
図である。

第１図において、１はカメラ本体、２は不図示のフィ
ルムカートリッジを収納するためのカートリッジ室、３
はフィルムカートリッジの軸（不図示）に係合するフィ
ルム給送用フォークである。前記カートリッジ室２とア
パーチャ（不図示）をはさんで反対側には、フィルムを
巻き取るためのフィルムスプール４が配設されている。
５、６はそれぞれ両端部をカメラ本体１の適所に固着し
た支持軸で、該支持軸５、６は互いに平行であり、かつ
フィルムの走行方向に対し垂直に配設されている。な
お、本実施例における支持軸５、６は第２図に示すよう
に円形断面の円柱状となっている。第２図において、圧
板７の上面（フィルムに当接する面とは反対側の面）に
は一対の係止部7a、7bが設けられている。該係止部7a、
7bは圧板７に垂直な垂直部と、該垂直部から直角に外側
方向に折れ曲がる水平部からなり断面略Ｌ字形を呈し、
全体として光軸方向に突出している。なお、この係止部
7a、7bは第１図に示すように平面視では圧板７の略中央
部を中心とする対称位置に円弧状に配設されている。こ
こで、係止部7a、7bの垂直外側間の距離1₂（第２図）
は、前記支持軸５、６の内側間の距離1₁（第１図）より
やや小さく設定されていて、支持軸５、６は係止部7a、
7bの垂直部、水平部と圧板７にはさまれた凹状の空間内
に位置するようになっている。従って、圧板７は支持軸
５、６に対し第１図の上下方向（フィルムの走行方向に
対し直交方向）に摺動可能、なおかつ圧板７の略中央部
を中心に回動可能となっている。また、前記係止部7a、
7bの水平部は第２図に示すように、支持軸５、６をはさ
み込み圧板７の光軸方向の前後位置を規制している。

第４図に示すように、圧板７の裏側の４隅にはガイド
部7c、7d、7e、7fが設けられている。さらに８は第３図
に示すように、圧板７の裏側の下方位置に埋め込まれて
固着された磁気ヘッドで、該磁気ヘッド８の磁気ギャッ
プがフィルム走行方向と垂直になるように構成されてい
る。９は、前記カートリッジ室２に収納されるフィルム
カートリッジ（不図示）より引き出されたフィルムを示
している。前記ガイド部7c、7d、さらにガイド部7e、7f
はそれぞれ組になってフィルム９の幅方向両端部をはさ
み込んでいる。すなわち、フィルム９に対する圧板７の
位置関係が常に一定になるように構成されている。な
お、フィルム９の圧板７側の面には、磁気記憶部（不図
示）が形成されていて、前記磁気ヘッド８により撮影に
関する種々の情報が書き込みあるいは読み出されるよう
になっている。

フィルム９が、圧板７の前記ガイド部7c、7dの間、さ
らにガイド部7e、7fの間に位置していない状態では、第
５図あるいは第６図に示すように圧板７の上下端部がカ
メラ本体１のストッパ1a、1bに当接するまでの範囲内で
自由に回動するようになっている。この時の圧板７の最
大傾き角を、角度βで示している。第４図に示すように
フィルム給送時に生じるフィルム９のうねりによる圧板
７の傾き角を角度αとすると、当然のことながら前記角
度βは角度αより大きなものに設定してある。なお、前
記ガイド部7c、7dおよびガイド部7e、7fには第４図に示
すようにカートリッジ室２側へ広がるテーパ面がそれぞ
れ形成されている。従って、カートリッジ室２に収納さ
れた不図示のフィルムカートリッジから引き出されたフ
ィルム９がガイド部7c、7dの間、及びガイド部7e、7fの
間の空間にスムーズに嵌り込むようになっている。

次に以上の構成から成る本発明の作用について説明す
る。まず、カメラ本体１の片側端部に枢着された背蓋
（不図示）を開放し、カートリッジ室２にフィルムカー
トリッジ（不図示）を装填する。こうしたカートリッジ
としては、本出願人による特願昭63−220049号に示すよ
うに、非使用時はフィルムリーダ部を含むフィルム片全
部がカートリッジ内に収納されていて、カメラ本体内に
カートリッジが装填され背蓋が閉じられて、始めてカー
トリッジの軸の回転によりフィルムが始めてカートリッ
ジ外へ送られるようにしたものを用いる。次に、不図示
のモータにより前記フィルム給送用フォーク３が第２図
の時計方向に回転すると、該フォーク３に係合したフィ
ルムカートリッジの軸（不図示）が同方向に回転する。
従って、フィルム９がカートリッジ外へ送り出されその
リーダ部は圧板７とカメラ本体１との間の隙間Ｇ（第２
図）へ入り込んでゆく。さらにフィルム９が第１図の右
方向へ移動すると、まず２つのガイド部7c、7dとでフィ
ルム９の幅方向両端部の位置を規制し、さらにフィルム
９が移動すると他の２つのガイド部7e、7fとでフィルム
９の幅方向両端部の位置を規制する。この途中でフィル
ム９は、磁気ヘッド８の位置を通過するので、該磁気ヘ
ッド８の先端部がフィルム９の磁気記憶部（不図示）に
摺接し、撮影情報の書き込みあるいは読み出しが可能と
なる。最終的にフィルム９の先端のリーダ部は、前記フ
ィルムスプール４に巻き付けられる。その後は、不図示
のモータによるフィルムスプール４の回転のみでフィル
ム９の巻き上げ動作が行なわれるが、これは公知のカメ
ラと同様である。

なお、フィルム給送中にフィルム９にうねりが発生し
ても、圧板７はカメラ本体１に対しフィルム走行方向と
垂直に移動可能かつカメラ面と平行の面上で回動可能と
なっているので、前記うねりに正確に追従することがで
きる。この時、磁気ヘッド８は圧板７と一体であると共
に、圧板７に設けられたガイド部7c、7d、7e、7fにより
フィルム９の幅方向両端分をはさみ込んでいるため、磁
気ヘッド８を常にフィルム９の磁気記憶部に垂直に当接
させることができる。

第７図は本発明の他の実施例を示すカメラの背面図
で、第７図において、圧板７の上下両端部にフィルム９
の幅方向両端部に摺接する一対のガイド部7g、7hを設け
たものである。該ガイド部7g、7hは圧板７を例えば絞り
加工したリブ状でもよいし、別部材を取り付けてもかま
わない。なお、フィルム９の挿入を容易にするため、カ
ートリッジ室２側へ広がるテーパ面がガイド部7g、7hの
右端部に形成されている。こうした構成においても、前
記第１実施例と同様の効果が得られる。

（発明と実施例の対応） 以上の実施例において、フィルム給送用フォーク３及
びフィルムスプール４が本発明のフィルム送り手段に、
磁気ヘッド８が本発明の磁気ヘッドに、支持軸５、６及
び圧板７が本発明の保持手段に、ガイド部材7c、7d、7
e、7f、7g、7hが本発明の位置決め手段に、それぞれ相
当する。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、フィルム送り
中のフィルムのうねりに対して、磁気ヘッドによるフィ
ルムの磁気記憶部に対する情報の書き込み或いは読み出
しが適正に行える磁気記憶部付きフィルムを使用するこ
とのできるカメラを提供できるものである。

また、本発明によれば、写真フィルム送り中の写真フ
ィルムのうねりに対して、磁気ヘッドによる写真フィル
ムの磁気記憶部に対する情報の書き込み或いは読み出し
が適正に行える磁気記憶部付き写真フィルムに適用され
るフィルム追従装置を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は背蓋を省略して示す本発明の実施例に係るカメ
ラの背面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図
は第１図のＢ−Ｂ線断面図、第４図は第１図のカメラの
圧板とフィルムの位置関係を示す平面図、第５図及び第
６図は第１図のカメラのフィルム未装填時の圧板の異な
る作動状態を示す平面図、第７図は本発明の他の実施例
における圧板とフィルムの位置関係を示す平面図であ
る。 １……カメラ本体、２……カートリッジ室 ４……フィルムスプール、５、６……支持軸 ７……圧板、7a、7b……係止部 7c、7d、7e、7f、7g、7h……ガイド部 ８……磁気ヘッド、９……フィルム

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フィルムカートリッジに設けられたフィル
   ム供給手段を駆動することにより該カートリッジからフ
   ィルムを送り出すフィルム送出手段及び前記フィルム送
   出手段により送り出されたフィルムを巻き取るフィルム
   巻取手段を有するフィルム送り手段と、フィルムの磁気
   記憶部に対し情報の書き込み及び読み出しの少なくとも
   いずれか一方を行うための磁気ヘッドと、フィルムの動
   きに追従できるように前記磁気ヘッドを揺動自在に保持
   する保持手段とを有することを特徴とする磁気記憶部付
   きフィルムを使用することのできるカメラ。
2. 【請求項２】前記保持手段は、前記磁気ヘッドを前記フ
   ィルムに対して位置決めするための位置決め手段を有す
   ることを特徴とする請求項１記載の磁気記憶部付きフィ
   ルムを使用することのできるカメラ。
3. 【請求項３】フィルムカートリッジに設けられたフィル
   ム供給手段を駆動することにより該カートリッジから写
   真フィルムを送り出すフィルム送出手段及び前記フィル
   ム送出手段により送り出された写真フィルムを巻き取る
   フィルム巻取手段を有するフィルム送り手段と、写真フ
   ィルムの磁気記憶部に対し情報の書き込み及び読み出し
   の少なくともいずれか一方を行うための磁気ヘッドと、
   写真フィルムの動きに追従できるように前記磁気ヘッド
   を揺動自在に保持する保持手段とを有することを特徴と
   する磁気記憶部付き写真フィルムに適用されるフィルム
   追従装置。
4. 【請求項４】前記保持手段は、前記磁気ヘッドを前記写
   真フィルムに対して位置決めするための位置決め手段を
   有することを特徴とする請求項３記載の磁気記憶部付き
   写真フィルムに適用されるフィルム追従装置。