JP2661170B2 - 種子の発芽改良方法 - Google Patents
種子の発芽改良方法Info
- Publication number
- JP2661170B2 JP2661170B2 JP20683288A JP20683288A JP2661170B2 JP 2661170 B2 JP2661170 B2 JP 2661170B2 JP 20683288 A JP20683288 A JP 20683288A JP 20683288 A JP20683288 A JP 20683288A JP 2661170 B2 JP2661170 B2 JP 2661170B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seeds
- treatment
- coated
- germination
- ethylene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は種子、特にコーティング種子の発芽率や発芽
速度を向上させる方法に関するものである。
速度を向上させる方法に関するものである。
<従来の技術> 近年、野菜などの栽培において、施設栽培の規模拡大
に伴って省力化や生育の安定化を計るための精密機械播
種にコーティング種子が利用されている。
に伴って省力化や生育の安定化を計るための精密機械播
種にコーティング種子が利用されている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、種子は採種される際の気象条件や採種
技術、種子固有の特性等により発芽率や発芽速度に変動
を生じやすく、優れた発芽性能を有する種子を安定して
得ることは困難である。
技術、種子固有の特性等により発芽率や発芽速度に変動
を生じやすく、優れた発芽性能を有する種子を安定して
得ることは困難である。
更に、発芽性能の不安定な種子を天然鉱物等でコーテ
ィングした種子は、その被覆により、裸種子以上に発芽
性能が不安定になりやすい。
ィングした種子は、その被覆により、裸種子以上に発芽
性能が不安定になりやすい。
特に、近年間引き労力を低減させるために、一粒播き
に適した付加価値の高いコーティング種子が必要とされ
るようになり、そのための発芽改良処理が必要とされて
いる。
に適した付加価値の高いコーティング種子が必要とされ
るようになり、そのための発芽改良処理が必要とされて
いる。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、コーティング種子の発芽率を向上させ
る方法について鋭意検討した結果、種子をコートするに
先立って、浸透圧処理とエチレンまたはエチレン発生剤
処理との両方の処理を行うことにより、コーティング種
子の発芽率と発芽速度が向上し、発芽が促進されること
を見出し本発明に至った。
る方法について鋭意検討した結果、種子をコートするに
先立って、浸透圧処理とエチレンまたはエチレン発生剤
処理との両方の処理を行うことにより、コーティング種
子の発芽率と発芽速度が向上し、発芽が促進されること
を見出し本発明に至った。
本発明において、浸透圧処理とは、種子を硝酸塩、燐
酸塩、塩化物等の無機塩類、マニトール、ソルビトール
等の糖類、ポリエチレングリコール等の高分子化合物な
どの浸透圧剤の水溶液で処理することである。このと
き、処理濃度は、通常無機塩類で0.1〜10重量%、好ま
しくは1〜4重量%、糖類または高分子化合物で1〜20
重量%、好ましくは2〜10重量%、である。
酸塩、塩化物等の無機塩類、マニトール、ソルビトール
等の糖類、ポリエチレングリコール等の高分子化合物な
どの浸透圧剤の水溶液で処理することである。このと
き、処理濃度は、通常無機塩類で0.1〜10重量%、好ま
しくは1〜4重量%、糖類または高分子化合物で1〜20
重量%、好ましくは2〜10重量%、である。
また、エチレン発生剤としては、例えば2−クロロエ
チルホスホン酸(エテホン)が挙げられ、エチレン処理
の場合処理濃度は通常0.1〜100ppm、好まくは1〜50pp
m、エテホン処理の場合処理濃度は通常0.1〜1000ppm、
好ましくは100〜500pmmである。
チルホスホン酸(エテホン)が挙げられ、エチレン処理
の場合処理濃度は通常0.1〜100ppm、好まくは1〜50pp
m、エテホン処理の場合処理濃度は通常0.1〜1000ppm、
好ましくは100〜500pmmである。
上記の浸透圧処理とエチレンまたはエチレン発生剤処
理とは、通常同時に行われ、その処理時間は対象種子に
より異なるが、通常1時間〜10日間、好ましくは5時間
〜3日間である。また、処理温度は15〜35℃の範囲が好
ましい。
理とは、通常同時に行われ、その処理時間は対象種子に
より異なるが、通常1時間〜10日間、好ましくは5時間
〜3日間である。また、処理温度は15〜35℃の範囲が好
ましい。
更に、エチレンまたはエチレン発生剤処理の際に、炭
酸ガスが存在しないことが好ましく、そのため、例えば
処理方法としては、所定濃度の浸透圧剤で湿潤させた種
子を容器に密封し、該容器内には炭酸ガス吸収剤として
水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ水溶液を別容器に
入れておき、所定濃度のエチレンを外部から注入すれば
よい。また、エチレン発生剤を用いる場合は、例えば所
定濃度のエテホンおよび浸透圧剤の水溶液で種子を湿潤
させ、上記と同様に炭酸ガス吸収剤を入れた容器と共に
密閉すればよい。
酸ガスが存在しないことが好ましく、そのため、例えば
処理方法としては、所定濃度の浸透圧剤で湿潤させた種
子を容器に密封し、該容器内には炭酸ガス吸収剤として
水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ水溶液を別容器に
入れておき、所定濃度のエチレンを外部から注入すれば
よい。また、エチレン発生剤を用いる場合は、例えば所
定濃度のエテホンおよび浸透圧剤の水溶液で種子を湿潤
させ、上記と同様に炭酸ガス吸収剤を入れた容器と共に
密閉すればよい。
以上の処理を行った種子は、例えば特開昭60−12905
号公報等に記載の通常の方法で被覆成形されてコーティ
ング種子となる。本発明の処理方法が適用される種子と
しては、例えばレタス、ゴボウ、ニンジン、セロリ、パ
セリ、ナス、ピーマン、トマト等の野菜種子が挙げられ
る。
号公報等に記載の通常の方法で被覆成形されてコーティ
ング種子となる。本発明の処理方法が適用される種子と
しては、例えばレタス、ゴボウ、ニンジン、セロリ、パ
セリ、ナス、ピーマン、トマト等の野菜種子が挙げられ
る。
尚、本発明の処理方法を種子に施すことによる、発芽
直後から本葉展開期の植物体の異常性は全く認められな
い。
直後から本葉展開期の植物体の異常性は全く認められな
い。
<実施例> 以下、本発明を加工例および試験例にて説明するが、
本発明は下記の例のみに限定されるものではない。
本発明は下記の例のみに限定されるものではない。
加工例1 レタス(Lactuca sativa L.)種子に15〜20℃で、浸
透圧剤としてのマニトール1重量%、エチレン1ppmの濃
度で同時に処理した。処理中、炭酸ガス吸収剤として0.
2Nの水酸化ナトリウムを入れた容器を密封した。処理中
の温度は15〜20℃で、処理時間は16時間であった。この
後、種子を特開昭60−12905号公報に記載の手法に従っ
てコート加工した。
透圧剤としてのマニトール1重量%、エチレン1ppmの濃
度で同時に処理した。処理中、炭酸ガス吸収剤として0.
2Nの水酸化ナトリウムを入れた容器を密封した。処理中
の温度は15〜20℃で、処理時間は16時間であった。この
後、種子を特開昭60−12905号公報に記載の手法に従っ
てコート加工した。
加工例2 実施例1と同様に、但しエチレンの処理濃度を1ppmの
かわりに10ppmとしてレタス種子をコート加工した。
かわりに10ppmとしてレタス種子をコート加工した。
加工例3 ニンジン(Daucas carrota L.)種子に浸透圧剤とし
て硝酸カリウム5重量%、エチレン10ppmの濃度で同時
に処理した。処理中、炭酸ガス吸収剤として0.2Nの水酸
化カリウムを入れた容器を密封した。処理中の温度は15
〜25℃で、処理時間は3日間であった。この後、種子を
特開昭60−12905号公報に記載の手法に従ってコート加
工した。
て硝酸カリウム5重量%、エチレン10ppmの濃度で同時
に処理した。処理中、炭酸ガス吸収剤として0.2Nの水酸
化カリウムを入れた容器を密封した。処理中の温度は15
〜25℃で、処理時間は3日間であった。この後、種子を
特開昭60−12905号公報に記載の手法に従ってコート加
工した。
加工例4 実施例2と同様に、但しエチレンの処理濃度を10ppm
のかわりに100ppmとしてニンジン種子をコート加工し
た。
のかわりに100ppmとしてニンジン種子をコート加工し
た。
試験例1 加工例1および加工例2で得たコーティング種子と無
処理裸種子および無処理種子をコーティングした無処理
コーティング種子とを用いて、国際種子検査規定に基づ
き、シャーレ内の発芽試験を行った。その結果を第1表
および第2表に示す。
処理裸種子および無処理種子をコーティングした無処理
コーティング種子とを用いて、国際種子検査規定に基づ
き、シャーレ内の発芽試験を行った。その結果を第1表
および第2表に示す。
加工例1および加工例2で得たコーティング種子は15
℃の発芽温度において通常の無処理裸種子に比べて1〜
1.5日、無処理コーティング種子に比べて1.5〜2日発芽
が速められた。また、レタス種子に二次休眠が誘導され
る発芽温度領域である35℃では、無処理裸種子の発芽率
が0〜40%であるのに対して、加工例1および加工例2
で得たコーティング種子は95〜100%の発芽率を示し
た。尚、これらのコーティング種子は、発芽直後から本
葉展開期の植物体の異常性は全く認められなかった。
℃の発芽温度において通常の無処理裸種子に比べて1〜
1.5日、無処理コーティング種子に比べて1.5〜2日発芽
が速められた。また、レタス種子に二次休眠が誘導され
る発芽温度領域である35℃では、無処理裸種子の発芽率
が0〜40%であるのに対して、加工例1および加工例2
で得たコーティング種子は95〜100%の発芽率を示し
た。尚、これらのコーティング種子は、発芽直後から本
葉展開期の植物体の異常性は全く認められなかった。
試験例2 加工例3および加工例4で得たコーティング種子と無
処理裸種子および無処理種子をコーティングした無処理
コーティング種子とを用いて、国際種子検査規定に基づ
き、シャーレ内の発芽試験を行った。その結果を第3表
および第4表に示す。
処理裸種子および無処理種子をコーティングした無処理
コーティング種子とを用いて、国際種子検査規定に基づ
き、シャーレ内の発芽試験を行った。その結果を第3表
および第4表に示す。
加工例3および加工例4で得たコーティング種子は15
〜35℃の発芽温度範囲において通常の無処理裸種子に比
べて1〜1.5日、無処理コーティング種子に比べて2〜
3日発芽が速められた。また、発芽率は、通常の無処理
裸種子と同等以上で85〜90%の発芽率を示した。尚、こ
れらのコーティング種子は、発芽直後から本葉展開期の
植物体の異常性は全く認められなかった。
〜35℃の発芽温度範囲において通常の無処理裸種子に比
べて1〜1.5日、無処理コーティング種子に比べて2〜
3日発芽が速められた。また、発芽率は、通常の無処理
裸種子と同等以上で85〜90%の発芽率を示した。尚、こ
れらのコーティング種子は、発芽直後から本葉展開期の
植物体の異常性は全く認められなかった。
<発明の効果> 本発明の種子処理方法により、コーティング種子の発
芽が改良された。
芽が改良された。
Claims (3)
- 【請求項1】浸透圧処理とエチレンまたはエチレン発生
剤処理との両方の処理を行った種子を被覆成形すること
を特徴とするコーティング種子の製造法。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の方法により製
造されるコーティング種子。 - 【請求項3】浸透圧処理とエチレンまたはエチレン発生
剤処理との両方の処理を行った種子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20683288A JP2661170B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 種子の発芽改良方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20683288A JP2661170B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 種子の発芽改良方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0257111A JPH0257111A (ja) | 1990-02-26 |
JP2661170B2 true JP2661170B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=16529810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20683288A Expired - Lifetime JP2661170B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 種子の発芽改良方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2661170B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4490664B2 (ja) * | 2003-09-25 | 2010-06-30 | 住友化学株式会社 | 種子の発芽改良方法、発芽改良種子、コーティング種子および発芽改良剤 |
JP2009202279A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Nachi Fujikoshi Corp | スラッジ回収装置 |
-
1988
- 1988-08-19 JP JP20683288A patent/JP2661170B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0257111A (ja) | 1990-02-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1146939A (en) | Composition having hormonic activity and process for the preparation of the active ingredient | |
Eno et al. | Gamma radiation compared with steam and methyl bromide as a soil sterilizing agent | |
SU965337A3 (ru) | Способ стерилизации пыльников и подавлени вегетативного роста растений | |
Hopkins | Relation of low temperatures to respiration and carbohydrate changes in potato tubers | |
JPS63243001A (ja) | 植物および植物質をストレスから保護する方法 | |
KR20100129409A (ko) | 과실의 연화방지제 및 이를 이용한 과실의 연화방지방법 | |
Davies et al. | Physiological differences among populations of Anthoxanthum odoratum L. collected from the Park Grass Experiment, Rothamsted. III. Response to phosphate | |
JPH0856423A (ja) | ナス科種子の発芽改良方法 | |
Hunter et al. | The effects of urea, biuret, and ammonia on germination and early growth of corn (Zea mays L.) | |
JP2661170B2 (ja) | 種子の発芽改良方法 | |
Orgell et al. | Influence of some ions on foliar absorption of 2, 4-D | |
Holstun et al. | Leaching and decomposition of 2, 2–dichloropropionic acid in several Iowa soils | |
SE9402200D0 (sv) | Fröbehandling med hjälp av fosforsyrlighet eller ett av dess salter och därmed behandlade frön | |
US6117815A (en) | Plant growth promoter | |
Whitehead et al. | The effect of ethylene and short-chain saturated fatty acids on ethylene sensitivity and binding in ripening bananas | |
JPWO2005094557A1 (ja) | 過酸化水素を根部から吸収させる植物の糖度向上及び収量増加方法 | |
Brown et al. | The effects of alkali salts on nitrification | |
Nichols et al. | Reversal of ethylene inhibition of tulip stem elongation by silver thiosulphate | |
JPH0870626A (ja) | 硬実種子の発芽改良方法 | |
US4597883A (en) | Composition and method for minimizing frost damage to plants | |
KR20060103402A (ko) | 종자의 처리 방법 | |
JPH0870624A (ja) | セリ科種子の発芽改良方法 | |
US2416198A (en) | Growth promoting substances | |
SU577940A3 (ru) | Фунгицидное средство и способ профилактической или лечебной обработки растений | |
US3397999A (en) | Process for holding olives before processing |