JP2661081B2 - 流量開閉弁 - Google Patents

流量開閉弁

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JP2661081B2
JP2661081B2 JP62314415A JP31441587A JP2661081B2 JP 2661081 B2 JP2661081 B2 JP 2661081B2 JP 62314415 A JP62314415 A JP 62314415A JP 31441587 A JP31441587 A JP 31441587A JP 2661081 B2 JP2661081 B2 JP 2661081B2
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悟志 松浦
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、流体の流通量を調節し、且つ流体の流通方
向をも変更しうるような流量開閉弁に関するもので、特
に液体の流出口をシール可能にした流量開閉弁に関する
ものである。 [従来の技術] 従来より、自動車等においてエンジン冷却用の流体を
ヒータ通水回路に導くべく温水等の流体の通水のために
少なくとも1個の流入口と2個の流出口が開口する弁室
をもつ弁ケースとこの弁ケースの弁室内に回動自在に保
持され、その回動により、流出口を開閉する弁体をもつ
流量開閉弁が使用されている。 [発明が解決しようとする問題点] かかるタイプの従来の流量開閉弁においては、流出口
を開閉する弁体が、一方の流出口すなわちヒータ側への
流出口の開弁位置にあるとき、他方例えばエンジン側へ
の流出口は閉弁状態でなければならないが、流体の漏れ
量が多く、完全にこの他方の流出口をシールすることが
困難であった。これら弁体を収納する弁ケースは一般に
は超音波溶着により接合されている。この超音波溶着に
よる接合の際、弁体と弁ケース部に上下方向の力を加え
るのは好ましくないことと、弁ケースを形成する樹脂の
膨張、膨潤のため、クリアランスを設けねばならずこの
溶着時に設けたクリアランスを通じて漏水が発生する。
本発明はこの知見に基づいてなされたもので、弁体が一
方の流出口を開弁する位置にあるとき、他方の流出口を
良好にシールしうる流量開閉弁を提供することを目的と
するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明の流量開閉弁は、円筒形状の弁室と、この弁室
の周面の回転対称位置に開口される流入口及び第1の流
出口と、前記弁室の端面の偏心位置に開口される第2の
流出口とを有する弁ケースと、 周面に両端開口を有して貫設されて所定の回動位置に
て前記流入口と前記第1の流出口とを連通する貫通孔
と、前記弁ケースの前記端面に面して開口されて前記第
1の流出口が閉状態となる所定の回動位置にて前記貫通
孔と前記第2の流出口とを連通する通水孔と、この通水
孔とは異なる部位にて前記弁ケースの前記端面に凹設さ
れる圧力室と、この圧力室と前記貫通孔とを連通する圧
力導入通路とを有し、前記弁室内に回動自在に保持され
る弁体と、 前記第2の流出口を囲覆可能な形状を有して前記圧力
室に収容されるとともに、前記第2の流出口が閉状態と
なる所定の回動位置にて前記貫通孔から前記圧力導入通
路を通じて前記圧力室に導入される流体圧力により前記
第2の流出口側へ付勢されて前記第2の流出口をシール
する薄板形状のシール弁と、 を備えることを特徴としている。 〔作用〕 上記構成した本発明の流量開閉弁は、次のように動作
する。 まず、弁体の第1角度位置にて、弁体の貫通孔は弁ケ
ースの流入口と第1の流出口とを連通させ、第1の流出
口を開とする。このとき、第2の流出口に面する弁体の
圧力室に収容されたシール弁は圧力導入通路を通じて貫
通孔から導入された流体圧力により付勢されて弁ケース
の第2の流出口の周縁を覆って密着し、第2の流出口へ
の漏れが阻止される。 また、弁体の第2角度位置にて、弁体の貫通孔の出口
は弁ケースの第1の流出口から遮断され、かつ、貫通孔
は通水孔を通じて第2の流出口に連通し、流路が切り換
えられる。 [実施例] 以下、本発明の流量開閉弁を一例として自動車のヒー
タ部に適用した場合について、その実施例を図面に基づ
いて説明する。 (第1実施例) 本発明の流量開閉弁の一実施例の縦断面図を第1図
に、第1図のII−II線矢視断面図を第2図に、第2図の
III−III線矢視断面図を第3図に、弁体の作用状態を説
明する第1図の部分断面図を第4図にそれぞれ示す。
又、本発明の流量開閉弁の弁体の斜視図を第5図及び第
6図に示す。 本実施例による流量開閉弁は、弁ケース1と、弁体2
と、シール弁3とを基本構成要素とする。 弁ケース1は樹脂で成形されており、温水の流入口5
と2個の流出口6、7が形成された弁室8を有してい
る。なお本実施例では1個の流入口5と2個の流出口
6、7を設けた場合を示しているが、流入口および流出
口ともに2個以上設けることも可能である。弁室8の前
記流入口5をもつ壁側には図示しないヒータ部との間を
流通する温水を通水させる入口側筒状部8aが一体に設け
られている。又弁室8の前記流出口6をもつ壁側には、
流入口5から流入された温水をヒータ部へ導くための出
口側筒状部8bが弁室8と一体に成形されている。更に弁
室8の前記流出口7をもつ壁側にはカバー9が超音波溶
着等の方法で一体に接合されている。このカバー9には
前記筒状部8a、8bに交差するとともに、この入口側筒状
部8a及び出口側筒状部8bとともに略T字形状を形成する
バイパス筒状部8cが一体成形されている。バイパス筒状
部8cはエンジン内に通じており、エンジン内に温水を導
くため前記流出口7と整合した位置に配置されている。 弁体2は、第5図及び第6図に示すように、全体的に
円筒状にあって、第2図に示すように前記弁ケース1の
弁室8内において軸部2aの軸心0が前記入口側筒状部8a
及び出口側筒状部8bと交差する方向に設置されている。
この弁体2は軸心0を中心として弁室8内で回動自在に
保持されている。弁体2の下端部2bの中心の円形凹部2c
がバイパス筒状部8cのカバー9の軸部9aと嵌合するとと
もに、弁体2の上端面2dの軸部2aが弁ケース1の円形穴
10を貫通して外部へ突出している。そして、この軸部2a
の突出端には弁操作用レバー11がビス12によって締付け
固定されている。又、軸部2aと弁ケース1の内壁との間
にはシール用のゴム製0リング13が介装されている。 弁体2には、その軸方向と直角方向に流量調整用の貫
通孔2gが形成されており、この孔2gは弁室8の流入口5
側の入口から流出口6側の出口側に向って断面積が徐々
に減少する形状(第1図、第4図)である。又、同時に
一方の側壁に凹面部201が設けられている。また第1図
の紙面垂直方向下方に貫通した通水孔2f(第3図参照)
が弁体2の回転軸心0より偏心した部分に設けられてい
る。前記凹面部201が設けてある理由は、第1図のごと
き開弁状態にある弁体2がA矢印方向へ約20゜回動した
場合、もしも凹面部201が設けていないときには、流水
による渦が貫通孔2g内に生じ、これによる騒音を防止す
るためである。また弁体2の下端部2bには第5図及び第
6図に示すように圧力室4が形成されている。この圧力
室4は、流出口7と対向する表面部に、流出口7より大
きい開口14を有する。流入口5と圧力室4とを連通させ
るため圧力室4の壁面2eには小穴24が設けられている。
更に弁体2の下端部2bには、流出口7への通水を可能に
するため通水孔2fが設けられている。 本実施例では弁体2の下端部2bは隔壁20、21および22
により区画されている。このうち隔壁21、22は前記流出
口6、7を開閉するに要する弁体2の回動角に対応して
設けられている。即ち、これら隔壁21、22のいずれかに
カバー9に設けた図示しないストッパが当接することに
より弁体2の回動角が所定値(例えば72゜)に規制され
る。なお、前記隔壁20、21および22は、円形凹部2cと一
体につながっているが、第7図及び第8図に示すよう
に、突部20a、21a、22aとして形成することも出来る。
なお、4aは圧力室である。 シール弁3は、樹脂、ゴム等で成形され前記弁体2に
形成された圧力室4内に着脱自在にとりつけられ、隔壁
20と21の内面により保持される。そして、前記小穴24を
通じて圧力室4内に導かれる流体圧力と、前記流出口7
内との差圧により、圧力室4内で摺動自在に保持されて
いる。 第1図のごとき、開弁状態にある弁体2が軸心0の回
りに回動して、第4図のごとき閉状態になったとき、流
出口7が前記通水孔2fを介して貫通孔2gと連通するため
入口側筒部8a、弁室8の流入口5を介して流入する水は
出口側筒状部8b内へは流れず、バイパス筒状部8c内に流
入し、図示しないエンジン部へ戻る。なお弁室8の出口
側筒状部8bと弁体2との間にはゴム製のパッキング材15
が介在されており、板バネ16により常時弁体2の外周面
2h(第5図および第6図参照)に押圧されるようになっ
ている。 本発明の流量開閉弁は以上の構成によりなり、次にそ
の作用を説明する。 操作用レバー11を回動操作することにより、弁体2が
0軸回りに回動し、それによって弁体2の貫通孔2gの開
口面積が変化して、ヒータに通じる温水の流量が調整さ
れる。 操作用レバー11が第1図の位置に回動操作された場
合、入口側筒状部8a、流入口5を経て弁室8に流入した
温水は、弁体2の貫通孔2gが流入口5、流出口6、及び
出口側筒状部8bと整合するため、温水がヒータへ通水さ
れる。このときエンジン側へ通じるバイパス筒状部8cの
カバー9に設けられた流出口7は、圧力室4の小穴24と
対向するシール弁3が、圧力室4内へ流入する流体圧力
とバイパス筒状部8c内の圧力との差圧により流出口7側
に付勢されることにより閉じられる。従ってヒータ側へ
通水がなされているとき、流出口7を通じてバイパス筒
状部8cへの温水の漏水は圧力室4とシール弁3との作用
により確実に防止される。 次に操作用レバー11の回動操作によって第4図図示の
状態まで弁体2を回動させた場合には、入口側筒状部8a
からの温水は通水孔2f、流出口7を経て、すべてバイパ
ス筒状部8c内に流すことが出来、ヒータへ流さずエンジ
ン側へ温水を戻すことができる。また弁体2を第1図と
第4図の中間状態に回動させたときは、ヒータ側への温
水とエンジン側へ戻す温水の比率を任意で調整すること
ができる。なお、操作用レバー11の第1図の状態から第
4図の状態へ、およびこの逆方向への回動操作による弁
体2の回動は弁体2の下端部2bに設けた隔壁21、22によ
り、その回動角が一定の範囲に規制される。 [発明の効果] 本発明の流量開閉弁によれば、弁体が一方の流出口を
閉止する位置にあるとき、他方の流出口は、弁体に形成
した圧力室と、該圧力室内の流体圧力により該他方の流
出口側へ付勢されるシール弁により確実に閉じられる。
従って、自動車用ヒータに適用した場合従来のように本
流であるヒータ側への通水時に、バイパスであるエンジ
ン側へ漏水が発生して温水がエンジン側へ戻るといった
不具合が解消される。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の流量開閉弁のヒータ回路が開いた状態
の一実施例を示す縦断面図であり、第2図は第1図のII
−II線矢視断面図であり、第3図は第2図のIII−III線
矢視断面図である。第4図は第1図の弁体のバイパス回
路が開いた状態を示す部分断面図である。第5図は本発
明の実施例による弁体のシール弁を取り付けた状態を示
す斜視図である。第6図は本発明の実施例による弁体か
らシール弁を取り外した状態を示す斜視図である。第7
図は、本発明の弁体の変形例で、シール弁を取付けた状
態を示す斜視図である。第8図は第7図の弁体からシー
ル弁を取外した状態を示す斜視図である。 1……弁ケース、2……弁体 3……シール弁 4、4a……圧力室、5……流入口 24……小穴 6、7……流出口 8……弁室

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.円筒形状の弁室と、この弁室の周面の回転対称位置
    に開口される流入口及び第1の流出口と、前記弁室の端
    面の偏心位置に開口される第2の流出口とを有する弁ケ
    ースと、 周面に両端開口を有して貫設されて所定の回動位置にて
    前記流入口と前記第1の流出口とを連通する貫通孔と、
    前記弁ケースの前記端面に面して開口されて前記第1の
    流出口が閉状態となる所定の回動位置にて前記貫通孔と
    前記第2の流出口とを連通する通水孔と、この通水孔と
    は異なる部位にて前記弁ケースの前記端面に凹設される
    圧力室と、この圧力室と前記貫通孔とを連通する小穴と
    を有し、前記弁室内に回動自在に保持される弁体と、 前記第2の流出口を囲覆可能な形状を有して前記圧力室
    に収容されるとともに、前記第2の流出口が閉状態とな
    る所定の回動位置にて前記貫通孔から前記小穴を通じて
    前記圧力室に導入される流体圧力により前記第2の流出
    口側へ付勢されて前記第2の流出口をシールする薄板形
    状のシール弁と、 を備えることを特徴とする流量開閉弁。
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