JP2660583B2 - 印刷版用アルミニウム支持体の電解処理方法 - Google Patents
印刷版用アルミニウム支持体の電解処理方法Info
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Description
応を最適に制御しうる電解処理方法に関するものであ
り、特に、印刷版用アルミニウム支持体の電解処理方法
に関するものである。
版用支持体としてはアルミニウム板(アルミニウム合金
板を含む)が用いられている。
して使用するためには、感光材との適度な接着性と保水
性を有していることが必要である。
砂目を有するように粗面化しなければならない。この粗
面化処理は製版後実際にオフセット印刷をおこなったと
きに版材の印刷性能や耐刷力に著しい影響をおよぼすの
で、その良否は版材製造上重要な要素となっている。
電解エッチング法が一般的に採用されており、電流とし
ては、普通の正弦波交流電流、矩形波などの特殊交番波
形電流が用いられている。そして、黒鉛等の適当な電極
を対局として交流電流により、アルミニウム板の粗面化
処理をおこなうもので、通常一回の処理で行われている
が、そこで得られるピット深さは全体的に浅く、耐刷性
能に劣るものであった。このため、その直径に比べて深
さの深いピットが均一かつ緻密に存在する砂目を有する
印刷版用支持体として好適なアルミニウム板が得られる
ように、数々の方法が提案されている。その方法として
は、特殊電解電源波形を使った粗面化方法(特開昭53−
67507号公報)、交流を使った電解粗面化時の陽極時と
陰極時の電気量の比率(特開昭54−65607号公報)、電
源波形(特開昭55−25381号公報)、単位面積あたりの
通電量の組み合わせ(特開昭56−29699号公報)などが
知られている。又、一般的な電流波形は矩形波で第2図
のようなものを用いていた。
分の多い材料を前記印刷版用アルミニウム板に大量に用
いる場合、Alロット間の合成成分の微量成分のばらつき
によって、生成する砂目の形状が変化し、印刷性能のば
らつきが生ずることがった。更に近年汚れ性能の良い平
版印刷版が求められ、ピットの大きさのばらつきを少な
くする必要があった。
に応じ、ピットの大きさのばらつきを少なくし、耐刷性
能の優れたしかも汚れ性能の良い平版印刷用支持体を製
造するための電解処理方法を提供することにある。
果、以下の発明を見出したのである。
に交番電流を供給して電気化学的粗面化処理を施す電解
処理方法において、1サイクル当りの陽極時間をtF,陰
極時間をtR,1サイクル当たりの陽極時電圧、陰極時電圧
の平均電圧をそれぞれVF,VRとする時、陽極、陰極反応
開始時間からそれぞれ0.05tF〜0.4tF、0.05tR〜0.4tRの
時間における陽極時電圧、陰極時電圧の各絶対値がそれ
ぞれ2.4VF、2.4VR以上となるような条件で電解粗面書処
理を行うことを特徴とする印刷版用アルミニウム支持体
の電解処理方法。
として電解処理の対象となる金属のイオンを当初より含
む処理液のことで、その金属のイオン濃度は電解処理品
質に大きな影響を与える。本発明の場合アルミニウムイ
オン濃度としては2〜20g/が好ましい。
塩酸を主体とした液で、硝酸の場合濃度5〜50g/、そ
の時の電解浴内のアルミニウムイオン濃度は2〜20g/
、または塩酸の場合の濃度5〜100g/、その時のア
ルミニウムイオン濃度は2〜30g/が望ましい。また電
解電流の電流密度10〜80A/dm2、電解浴温度30℃以上の
条件が均一に砂目立てするには望ましい。
体としてJIS1050材,JIS1100材,JIS3003材またはMnを0.3
%以上含有する合金板のように純アルミニウム板または
アルミニウムを主成分とする合金板などがあげられる
が、アルミニウムを主成分とする合金板を使用するにあ
たってその効果が著しい。アルミニウムを主成分とする
合金板としては、特にJIS3003材に材表されるような、M
nを0.3%以上含有するアルミウム板があげられる。
波,三角波など、正負の極姓を交互に変換せしめて得ら
れる波形の電流であり、限定されるものではないが、特
に矩形波が好ましい。
つた電圧の絶対値を平均化したものであり、第1図での
陽極時の平均電圧は、 と定義する。
最小値である。
0Hzであることが大量生産を行う場合に好ましい。
0.05tF〜0.4tF,0.05tR〜0.4tRの時間にそれぞれ絶対値
が2.4VF,2.4VR以上の電圧であるということは、時間と
して0.05tF又は0.05tR以下の場合が効果が少なく、0.4t
F又は0.4tR以上の場合はそれ以上の効果が臨めないから
であり、電圧は絶対値が2.4VF又は2.4VR以上でなければ
効果が充分に発揮されず、この場合の上限は電源能力上
適当に選定される。この様な電源の制御を行うために
は、様々な方法があるが、入力のトランスを組み合わせ
て、電圧ならびに時間を変化させるのが一般的である。
理材とされるアルミニウム支持体は、まずアルカリエッ
チングされる。好ましいアルカリ剤は、苛性ソーダ,苛
性カリ,メタ珪酸ソーダ,炭酸ソーダ,アルミン酸ソー
ダ,グルコン酸ソーダ等である。濃度0.01〜20%、温度
は20〜90℃、時間は5秒〜5分間の範囲から選択される
のが適当であり、好ましいエッチング量としては、0.01
〜5g/m2である。
合、エッチング量としては0.01〜1g/m2が適当である。
表面にアルカリに不溶な物質(スマット)が残存するの
で、必要に応じてデスマット処理を行っても良い。
酸性電解液中で、交番波形電流を使用して電気化学的に
粗面化する。
主体とした液で、硝酸の場合の濃度3〜150g/、より
好ましくは5〜50g/、電解処理液中に含まれるアルミ
ニウムイオン濃度は50g/以下であり、より好ましくは
2〜20g/である。塩酸の場合の濃度は2〜250g/、
より好ましくは5〜100g/、電解処理液中に含まれる
アルミニウムイオン濃度は50g/、より好ましくは2〜
30g/である。この硝酸水溶液又は塩酸水溶液にアンモ
ニウムイオン等添加物を入れても良いが、大量生産をす
る場合、液濃度制御などが難しくなる。電解浴温度とし
ては30〜60℃、均一に砂目立てするには30℃以上の条件
がより好ましい。
であるが、15〜30A/dm2がより好ましい。またこの様な
条件は電気量と共に、求める品質、使用されるアルミニ
ウム支持体の成分などによって随時選択される。
を考えたとき、アルミニウム板が陽極時の電気量QFまた
は陰極時の電気量QRを周期Tで割った値を、更に処理面
積Aで割った商をいう。
面が得られず、10〜120秒の範囲にあることが好まし
い。本発明に使用される電解電流の周波数は10〜100Hz
である。
反連続法、連続法のいづれでも実施することが出来る。
アルミニウム支持体は、酸またはアルカリを含む水溶液
中に浸漬し、電気化学的に粗面化処理で生成した水酸化
アルミニウムを主体としたスマットの除去と軽度のエッ
チングをおこなうことで、更に優れた印刷版用アルミニ
ウム支持体とすることが出来る。軽度のエッチングは、
リン酸や硫酸電解液中での電解研磨処理をおこなっても
よい。
る。平均電圧VFに比べて2.4倍以上の電圧を電解反応開
始後僅かな時間与えることによって、均一なピットを得
ようとするものである。第1図には、tF/3,tR/3の時間
のみそれぞれ3VF/3,VRのピーク電圧を与えた時の電圧波
形を示す。
図を示す。第3図において、1はアルミニウムウエブで
あり、2はドラムローラで主対極6とアルミニウムウエ
ブ1とのクリアランスを一定に保つものである。3はパ
スロール,4は電解液であり、平版印刷版用支持体のアル
ミニウムウエブを粗面化する場合、硝酸、または塩酸を
主体とする液が用いられる。5は電解液の排出口であ
り、ここの液面を保つことで、電解セル10内の液面を一
定に保つ。
た、この電極の劣化防止の為、補助対極を付設すること
が好ましい。補助対極は、白金,鉛など各種使用出来る
が、フェライト電極が望ましい。7は電解セル10へ電解
液4を送液するポンプで、本実施例には付設されていな
いが、物性測定用の機器,温度制御用のコントローラ
ー,異物除去の為のフィルター等を、ポンプ後の配管に
付設しても良い。8は電源であり、第1図の様な電圧波
形を発生させる装置であり、周波数については求める品
質によって変化するが、平版印刷版用支持体について
は、15Hz以上が望ましい。9は電解液のストックタンク
であり、ポンプ7によって電解液供給口11から電解セル
10に電解液4を供給する。
材アルミの粗面化処理を行った。電解液中の硝酸濃度8g
/,アルミニウムイオン濃度4g/,温度40℃の電解液
を作成して、ポンプ7を介して電解セル10に送液した。
陽極時電気量400c/dm2,平均電圧VF=VR=10V,周波数50H
z,陽極時,陰極時それぞれ3msecの間、30Vの電圧を与え
た。粗面化後のピットを電子顕微鏡で観察したところ、
平均ピット径1.5μmのハニカム状の均一なピットが生
成していた。これをサンプル−Aとする。
=VR=10V,陽極時電気量400c/dm2,周波数50Hzにて粗面
化を行った。粗面化後のピットを電子顕微鏡で観察した
ところ、不均一なピットしか生成出来なかった。
ト除去、陽極酸化処理、水洗、親水化処理をおこなった
後、感光層を塗布し、印刷版を製造し、印刷評価(汚れ
評価,耐刷評価)を行った結果、サンプル−Aは耐刷性
5万枚,汚れ評価優,に対し、サンプル−Bは耐刷性4
万枚,汚れ評価良であった。
リス系印刷機、耐刷評価はスプリント系印刷機で行っ
た。
0.4tF,0.05tR〜0.4tRの時間に絶対値がそれぞれ2.4VF,
2.4VR以上の電圧で電解処理を行うことを特徴とする電
解処理方法により、合成成分の多い材料であっても電解
処理によって生じるピットの大きさのバラツキを少くす
ることが出来、上記の様に耐刷性能の優れた、しかも汚
れ性能の良い平版印刷版用支持体を製造することが出来
るようになった。
圧波形図、第2図は従来の電圧波形の態様を示す電圧波
形図、第3図は本発明の電解処理方法を行う装置の概略
側面図である。 1……アルミニウムウエブ 2……ドラムローラ 3……パスロール、4……電解液 5……電解液排出口 6……主対極、7……ポンプ 8……電源 9……ストックタンク 10……電解セル 11……電解液供給口
Claims (1)
- 【請求項1】金属イオンを含む電解液中で、被処理材と
対極との間に交番電流を供給して電気化学的処理を施す
印刷版用アルミニウム支持体の電解処理方法において、
1サイクル当たりの陽極時間をtF,陰極時間をtR,1サイ
クル当たりの陽極時電圧、陰極時電圧の平均電圧をそれ
ぞれVF,VRとする時、陽極、陰極反応開始時からそれぞ
れ0.05tF〜0.4tF、0.05tR〜0.4tRの時間における陽極時
電圧、陰極時電圧の各絶対値がそれぞれ2.4VF、2.4VR以
上となるような条件で電解粗面化処理を行うことを特徴
とする印刷版用アルミニウム支持体の電解処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1216124A JP2660583B2 (ja) | 1989-08-24 | 1989-08-24 | 印刷版用アルミニウム支持体の電解処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1216124A JP2660583B2 (ja) | 1989-08-24 | 1989-08-24 | 印刷版用アルミニウム支持体の電解処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0382800A JPH0382800A (ja) | 1991-04-08 |
JP2660583B2 true JP2660583B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=16683635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1216124A Expired - Fee Related JP2660583B2 (ja) | 1989-08-24 | 1989-08-24 | 印刷版用アルミニウム支持体の電解処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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JP2007123552A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Nichicon Corp | 電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法 |
JP5323677B2 (ja) | 2007-03-02 | 2013-10-23 | 古河電気工業株式会社 | 表面粗化銅板の製造方法及び装置、並びに表面粗化銅板 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01154797A (ja) * | 1987-12-11 | 1989-06-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版用アルミニウム支持体の電解粗面化処理方法 |
-
1989
- 1989-08-24 JP JP1216124A patent/JP2660583B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0382800A (ja) | 1991-04-08 |
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