JP2660537B2 - 醤油用原料の製造法 - Google Patents

醤油用原料の製造法

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JP2660537B2 JP63074651A JP7465188A JP2660537B2 JP 2660537 B2 JP2660537 B2 JP 2660537B2 JP 63074651 A JP63074651 A JP 63074651A JP 7465188 A JP7465188 A JP 7465188A JP 2660537 B2 JP2660537 B2 JP 2660537B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は醤油用原料の製造法に関し、更に詳細には、
窒素溶解利用率を低下させることなく、、特に酢酸
、煮沸の発生しない、更にはグルタミン酸の生成量
の多い醤油を得ることのできる醤油用原料の製造法に関
する。
〔従来の技術〕
従来、醤油のの発生防止に関する提案は種々なされ
ているが、これらの技術のほとんどは対象とするが、
諸味から生醤油を圧搾した時に発生する「生」や火入
れ工程の時に発生する「火入れ」或いは製品醤油の希
釈加熱時に発生する「N性」に関するものである。
一方最近、食生活の多様化に伴い、醤油はこれに酢酸
を加えて調味料としたり、醤油を更にめんつゆ、そばつ
ゆ等に加工することが多い。而して、これらの加工時、
すなわち、酢酸の添加による「酢酸」、めんつゆ、そ
ばつゆを作るために長時間煮沸することによる「煮沸
」が発生する。しかし、これらのの防止について
は、これまであまり検討されておらず、わずかに、脱脂
大豆を加圧蒸煮する際、通常よりも更に高温高圧下に長
時間蒸煮する方法〔「醤研」5,4,165(1979)〕、及び
小麦又は小麦粉の熱処理において、高温高圧下で蒸煮す
る方法が提案されているに過ぎない。
しかしながら、これらの方法は、処理エネルギーを熱
源のみに求めているため、原料は長時間高温高圧下に置
かなければならず、その結果、蛋白室の過変性等をきた
し、醤油を醸造する場合の窒素溶解利用率が低下すると
いう問題点があつた。
一方、醤油用原料の前処理をエクストルーダーを用い
て行う種々の検討がなされ、多くの方法が報告されてい
る。しかし、これらの報告は、原料をエクストルーダー
から押し出して加工する際の圧力、バレル温度等につい
てのそれであつて、その他の運転操作条件については検
討されていない。しかも、上記条件の規定のみでは、蛋
白質の変性を適度に調節することが困難であると共に、
特にの発生防止は解決されていない。
更にまた、当該エクストルーダーによる蛋白原料と澱
粉質原料との同時処理あるいは各々の単独処理は、得ら
れる加工原料の窒素利用率は高いが、グルタミン酸の生
成量が少ないと云う欠点を免れなかつた。
〔発明が解決しようとする課題〕
従つて、本発明は窒素溶解利用率を低下させることな
く酢酸、煮沸の発生を防止し、更にはグルタミン酸
の生成量の多い醤油用原料を簡単な操作で製造する方法
を提供せんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実状において、本発明者は上記課題を解決すべ
く、二軸エクストルーダー処理による醤油用原料の製造
について、その運転操作条件を種々検討した結果、蛋白
質原料及び/又は澱粉質原料を後記式(I)で表わされ
る軸動力エネルギー及び滞留時間を特定の範囲に規定す
れば、窒素溶解利用率を低下させることなく酢酸、煮
沸の発生を防止し得ることを見い出した。さらに、特
に蛋白質原料を単独で処理する場合や蛋白質原料及び澱
粉質原料を同時に処理する場合は前記範囲内の更に特定
範囲内で処理すれば、グルタミン酸の生成量が多く、し
かも窒素溶解利用率の高い醤油用原料が得られることを
見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、蛋白質原料及び/又は澱粉質
原料を二軸エクストルーダーを用いて加熱加圧処理を行
う方法において、当該加熱加圧処理を、次式(I) 〔式中、Esmは軸動力エネルギー、Wは駆動モーターに
かかる負荷電力(キロワツト)、mは原料投入量(キロ
グラム/時)を示す〕で表わされる軸動力エネルギー
(キロジユール/キログラム)と滞留時間(秒)が、第
1図に示す次の各点、A(1000,5)、B(600,5)、C
(250,10)、D(200,90)、E(600,90)及びF(650,
10)を結んでできる六角形の内側(各辺を含む)にある
条件下で行うことを特徴とする醤油用原料の製造法を提
供し、更に、蛋白質原料の加熱加圧処理を前記記載
の式(I)で表わされる軸動力エネルギー(キロジユー
ル/キログラム)と滞留時間(秒)が、第2図に示す次
の各点、A2(850,5)、B(600,5)、C(250,10)、D
(200,90)、E2(450,90)及びF2(500,10)を結んでで
きる六角形の内側(各辺を含む)にある条件下で行うこ
とを特徴とする前記記載の醤油用原料の製造法を提供
すると共に、蛋白質原料及び澱粉質原料の加熱加圧処
理を前記記載の式(I)で表わされる軸動力エネルギ
ー(キロジユール/キログラム)と滞留時間(秒)が、
第3図に示す次の各点、A3(750,5)、B(600,5)、C
(250,10)、D(200,90)、E3(350,90)及びF3(400,
10)を結んでできる六角形の内側(各辺を含む)にある
条件下で行うことを特徴とする醤油用原料の製造法を提
供するものである。
本発明において、蛋白質原料としては大豆、脱脂大豆
等が、また澱粉質材料としては小麦、大麦、米、とうも
ろこし等が挙げられ、これらはそのままでも又割砕、粉
砕、造粒したものでも使用できる。また、これらの蛋白
質原料及び澱粉質原料は単独でも、また2種以上の混合
物としても使用できる。二軸エクストルーダーとは断面
が眼鏡型の空洞を有するバレル内に回転する二本の長軸
のスクリユウを平行に軸支し、該スクリユウのネジ溝が
相互に噛み合いかつそのネジ溝の構造が順次異なるもの
で、スクリユウの回転に伴い供給された原料が捏和、圧
縮、加熱されながらバレル内を移動し、バレル出口にあ
るダイスよりバレス外に放出されるものを云う。この二
軸エクストルーダーにおいて、原料に所定の軸動力エネ
ルギーを与えるためには、上記バレル内に少なくともピ
ツチ数が1つ以上の逆送スクリユウ又はカツトフライト
を設けることが必要である。
本発明を実施するには、原料をコンベアなどの移送手
段によつて原料供給口から供給し、同時に必要により注
水口より原料の性状に応じて所定量の水を供給する。加
水は行わなくてもよいが、加水量が50重量%(以下、単
に%で示す)を超えると所定の軸動力エネルギーを与え
るのが困難となるため、加水量は50%以下が好ましい。
エクストルーダーは、軸動力エネルギー及び滞留時間
が第1図のA〜F点を結んでできる六角形の内側になる
ような条件で運転される。軸動力エネルギー(キロジユ
ール/キログラム)は原料の投入量(キログラム/時)
と駆動モーターにかかる負荷電力(キロワツト)によつ
て規定されるが、これは原料の投入量、逆送スクリユウ
又はカツトフライトのピツチ数、スクリユウの回転速度
及び加水量等によつて調整される。
本発明において、の発生しない醤油用原料を得るた
めには、原料の粒度によつても異なるが、軸動力エネル
ギーが200キロジユール/キログラム以上であることが
必要である。また一方、軸動力エネルギーが前記範囲の
上限値を超えると蛋白質が過変性をきたし窒素溶解利用
率が低下するので好ましくない。更にまた、本発明の醤
油用原料を得るのに好ましい軸動力エネルギー及び滞留
時間は原料の粒度によつて異なり、例えば60メツシユよ
り小さい粒度の場合には、第1図に示す各点、A1(900,
5)、B(600,5)、C(250,10)、D(200,90)、E1
(500,90)、F1(550,10)を結んでできる六角形の内側
にある条件が好ましく、また60メツシユ以上の粒度の場
合には、第1図に示す各点、A(1000,5)、B1(700,
5)、C1(350,10)、D1(300,90)、E(600,90)、F
(650,10)を結んでできる六角形の内側にある条件が好
ましい。
また、本発明において、特にグルタミン酸の生成量の
多い醤油用原料を得るためには上記第1図に示す範囲内
に於て、更に特定の範囲内で処理する必要がある。
すなわち、蛋白質原料を単独で処理する場合は、軸動
力エネルギー及び滞留時間が第2図のA2、B、C、D、
E2及びF2点を結んでできる六角形の内側になるような範
囲内で二軸エクストルーダーを用いて処理すれば、約14
00mg/100ml以上のグルタミン酸を生成し得、特に有利で
ある。更に、この条件は蛋白質原料の粒度によつて異な
り、例えば60メツシユより小さい粒度の場合には、第2
図に示す各点A3(750,5)、B(600,5)、C(250,1
0)、D(200,90)、E3(350,90)、F3(400,10)を結
んでできる六角形の内側にある条件が好ましく、また60
メツシユ以上の粒度の場合には、第2図に示す各点A2
(850,5)、B1(700,5)、C1(350,10)、D1(300,9
0)、E2(450,90)、F2(500,10)を結んでできる六角
形の内側にある条件が好ましい。
更にまた、蛋白質原料及び澱粉質原料を同時に処理す
る場合は、軸動力エネルギー及び滞留時間が第3図のA
3、B、C、D、E3及びF3点を結んでできる六角形の内
側になるような範囲内で二軸エクストルーダーを用いて
処理するのが特に有利である。更に、この条件は蛋白質
原料及び澱粉質原料の粒度によつて異なり、例えば両原
料が60メツシユより小さい粒度の場合には、第3図に示
す各点A4(650,5)、B(600,5)、C(250,10)、D
(200,90)、E4(250,90)、F4(300,10)を結んででき
る六角形の内側にある条件が好ましく、また両原料が60
メツシユ以上の粒度の場合には、第3図に示す各点A3
(750,5)、B1(700,5)、C1(350,10)、D1(300,9
0)、E3(350,90)、F3(400,10)を結んでできる六角
形の内側にある条件が好ましい。尚、蛋白質原料が60メ
ツシユ以下で、澱粉質原料が60メツシユ以上の粒度の場
合には、前記各点A3、B、C、D、E3、F3を結んででき
る六角形の範囲内と同一条件が好ましい。
〔発明の効果〕
叙上の如く、本発明方法によれば、窒素溶解利用率を
低下させることなく、酢酸、煮沸の発生しない、更
にはグルタミン酸の生成量の多い醤油用原料を製造する
ことができると共に、従来の如きダイス付近の温度、圧
力等を管理して運転する必要がないので操作も極めて簡
単である。
そして、本発明で得られる醤油用原料は、水分を調整
後、常法によつて種麹の接種、製麹、醸造を行つての
ない、しかも旨味のある高品質の醤油を製造することが
できる。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて説明する。
尚実施例中の第4〜7図において、R2とは逆送スクリ
ユウのピツチ数が2ピツチであることを意味し、また○
は酢酸が発生しないことを、●は酢酸が発生するこ
とを意味する。
実施例1 60メツシユ以下に粉砕した脱脂大豆粉50重量部(以下
部と云う)と、小麦粉50部とを二軸エクストルーダー
(Werner&Pfleiderer社製C37型)に30kg/hrにて連続的
に供給しながら、同時に水を6/hrにて連続供給し原
料中の蛋白質の変性と澱粉のα化とを行い醤油用加工原
料を得た。尚、この時二軸エクストルーダーのスクリユ
ウには逆送スクリユウを3ピツチ装着し、スクリユウの
回転数は300rpmとした。その結果投入原料の滞留時間は
約18秒で、水を含む供給全原料の単位重量当たりに290K
J/kgのエネルギーが投入された。得られた加工原料の酢
酸の発生(以下、酢酸性という)はマイナスで窒素
溶解利用率は93.2%であつた。
尚、二軸エクストルーダースクリユウの逆送スクリユ
ウピツチ数とスクリユウ回転数を第4図に示す条件に代
えた以外は実施例1と同様にしてエクストルーダー処理
を行つた時の滞留時間と軸動力エネルギー及び得られた
製品の酢酸性の測定を行つた。結果は第4図のとおり
であつた。
実施例2 実施例1にて用いた原料を、同じく実施例1にて用い
た二軸エクストルーダーに30kg/hrにて連続的に供給
し、蛋白質の変性と、澱粉のα化とを行い醤油用加工原
料を得た。尚この時、加水は行わず、また二軸エクスト
ルーダーのスクリユウには逆送スクリユウを3ピツチ装
着し、スクリユウの回転数は300rpmとした。その結果投
入原料の滞留時間は約24秒で、供給原料単位重量当たり
に350KJ/kgのエネルギーが投入された。得られた加工原
料の酢酸性はマイナスで、窒素溶解利用率は90.1%で
あつた。
尚、二軸エクストルーダースクリユウの逆送スクリユ
ウのピツチ数とスクリユウ回転数とを第5図に示す条件
に代えた以外は実施例2と同様にして処理を行つた時の
滞留時間と軸動力エネルギー及び得られた製品の酢酸
性の測定を行つた。結果は第5図のとおりであつた。
実施例3 実施例1に用いた原料を同じく、実施例1にて用いた
二軸エクストルーダーに15kg/hrにて連続的に供給し、
同時に水を7.5/hrにて連続供給し、押出し膨化処理を
行い醤油用加工原料を得た。この時二軸エクストルーダ
ーのスクリユウには逆送スクリユウを10ピツチ装着し、
スクリユウの回転数は200rpmとした。その結果投入原料
の滞留時間は約76秒で水を含む全供給原料単位重量当た
りに400KJ/kgのエネルギーが投入された。得られた加工
原料の酢酸性はマイナスで、窒素溶解利用率は92.5%
であつた。
尚二軸エクストルーダーの逆送スクリユウのピツチ数
と、スクリユウ回転数とを第6図に示す条件に代えた以
外は実施例3と同様にして処理を行つた時の滞留時間
と、軸動力エネルギー及び得られた製品の酢酸性を測
定した。結果は第6図のとうりであつた。
実施例4 何れも60メツシユ以上のミール状加工脱脂大豆50部と
小麦50部とを、実施例1にて用いた二軸エクストルーダ
ーに30kg/hrにて連続的に供給し押出し膨化処理を行い
醤油用加工原料を得た。この時二軸エクストルーダーの
スクリユウには逆送スクリユウを5ピツチ装着し、スク
リユウの回転数は300rpmとした。その結果、供給原料の
滞留時間は約37秒で、水を含む供給全原料の単位重量当
たりに440KJ/kgのエネルギーが投入された。得られた加
工原料の酢酸性はマイナスで、窒素溶解利用率は91.8
%であつた。
尚二軸エクストルーダーの逆送スクリユウピツチ数
と、スクリユウ回転数とを第7図に示す条件に代えた以
外は実施例4と同様にして処理を行つた時の滞留時間
と、軸動力エネルギー及び得られた製品の酢酸性を測
定した。結果は第7図のとうりであつた。
実施例5 60メツシユ以下に粉砕した脱脂大豆粉を、実施例1に
て用いた二軸エクストルーダーに30kg/hrにて連続的に
供給しながら、同時に水を6/hrにて連続供給し、加
圧加熱処理を行い醤油用加工原料を得た。尚、この時二
軸エクストルーダーのスクリユウには逆送スクリユウを
3ピツチ装着し、スクリユウの回転数は300rpmとした。
この醤油用加工原料と、常法により得られた炒熬割砕
小麦とを用い醤油麹とし、常法に従い塩水と混合し仕込
み6ケ月間醸造後、圧搾、火入、濾過し醤油を得た。
尚、二軸エクストルーダースクリユウの逆送スクリユ
ウピツチ数とスクリユウ回転数を第1表比較例1及び2
に示す条件に代えた以外は実施例5と同様にして処理を
行い得た加工原料を、更に実施例5と同様の工程を経て
醤油とした。この時の二軸エクストルーダー処理時の滞
留時間と軸動力エネルギー及び得られた醤油の窒素溶解
利用率、グルタミン酸生成量及び酢酸発生についての
測定を行つた。結果は第1表のとおりであつた。
実施例6 加水を全く行わない以外は実施例5と同様に処理して
醤油用加工原料を得た。尚、この時二軸エクストルーダ
ーのスクリユウには逆送スクリユウを2ピツチ装着し、
スクリユウの回転数は400rpmとした。その結果投入原料
の滞留時間は約17秒で供給全原料の単位重量当たりに30
0KJ/kgのエネルギーが投入された。この加工原料を用い
実施例5と同様にして醤油を得た。この時の窒素溶解剤
用率は92.5%、グルタミン酸量は1640mg/100mlで酢酸
性の発生は無かつた。
実施例7 原料供給量を15kg/hr、加水量を7.5/hrとした以外
は実施例5と同様に処理して醤油用加工原料を得た。
尚、この時二軸エクストルーダーのスクリユウには逆送
スクリユウを10ピツチ装着し、スクリユウ回転数は100r
pmとした。その結果投入原料の滞留時間は85秒で水を含
む供給原料の単位重量当たりに362KJ/kgのエネルギーが
投入された。この加工原料が用い実施例5と同様にして
醤油を得た。この時の窒素溶解利用率は93.3%、グルタ
ミン酸量は1610mg/100mlで酢酸の発生は無かつた。
実施例8 60メツシユ以上のミール状加工脱脂大豆を原料として
用いた以外は実施例5と同様に処理して醤油用加工原料
を得た。尚、この時二軸エクストルーダーのスクリユウ
には逆送スクリユウを4ピツチ装着し、スクリユウの回
転数は300rpmとした。その結果投入原料の滞留時間は約
31秒で水を含む供給全原料の単位重量当たりに約401KJ/
kgのエネルギーが投入された。この醤油用加工原料を用
い常法に従い醤油を得た。この時の窒素溶解利用率は9
3.3%、グルタミン酸量は1560mg/100mlで、酢酸の発
生は見られなかつた。
実施例9 何れも60メツシユ以上のミール状脱脂加工大豆50部と
小麦50部とを、実施例1にて用いた二軸エクストルーダ
ーに30kg/hrにて連続的に供給し同時に水を6/hrにて
連続供給し、加圧加熱処理を行い、醤油用加工原料を得
た。尚この時二軸エクストルーダーのスクリユウには逆
送スクリユウをピツチ装着し、スクリユウの回転数は30
0rpmとした。その時滞留時間は23秒、投入原料(水を含
む)単位重量当りの軸動力エネルギーは377KJ/kgであつ
た。この醤油原料を用い、常法により醤油を得た。この
時の窒素溶解利用率は91.8%、グルタミン酸量は1580mg
/100mlで、酢酸の発生は無かつた。
実施例10 60メツシユ以下に粉砕したミール状脱脂加工大豆50部
と、60メツシユ以上の小麦50部とを用いた以外は実施例
9と同様に処理し、醤油用加工原料を得た。この時、逆
送ピツチ数は4、スクリユウ回転数は300rpm、滞留時間
は25秒、水を含む投入原料単位重量当たりの軸動力エネ
ルギーは306KJ/kgであつた。この醤油原料を用い常法に
より醤油を得た。この時の窒素溶解利用率は92.6%、グ
ルタミン酸量は1610mg/100mlで酢酸の発生は無かつ
た。
実施例11 60メツシユ以下に粉砕したミール状脱脂加工大豆と、
同じく60メツシユ以下に粉砕した小麦とを用いた以外は
実施例9と同様に処理し醤油用加工原料を得た。この時
逆送ピツチ数は4、スクリユウ回転数は200rpm滞留時間
は約34秒、水を含む投入原料単位重量当たりの軸動力エ
ネルギーは255KJ/kgであつた。この醤油原料を用い常法
により醤油を得た。この時の窒素溶解利用率は92.1%、
グルタミン酸は1630mg/100mlで酢酸の発生は無かつ
た。
試験例 二軸エクストルーダーのスクリユウ回転数、逆送スク
リユウピツチ数と、加水量を第2表に示す条件に代えた
以外は実施例5と同様にして処理を行い得た醤油加工原
料を、更に実施例5と同様の工程を経て醤油とした。こ
の時の二軸エクトルーダー処理時の滞留時間と軸動力エ
ネルギー及び得られた醤油の窒素溶解利用率、グルタミ
ン酸生成量及び酢酸の発生についての測定を行つた。
結果は第2表のとうりであつた。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明における二軸エクストルーダー処理
の軸動力エネルギー及び滞留時間を示す図、第4〜7図
は本発明の実施例の軸動力エネルギー及び滞留時間と酢
酸性との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有留 美明 神奈川県横浜市鶴見区下末吉5丁目24番 9号 (72)発明者 岸 圭一 神奈川県横浜市鶴見区向井町3丁目72番 1号

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白質原料及び/又は澱粉質原料を二軸エ
    クストルーダーを用いて加熱加圧処理を行う方法におい
    て、当該加熱加圧処理を、次式(I)、 〔式中、Esmは軸動力エネルギー、Wは駆動モーターに
    かかる負荷電力(キロワツト)、mは原料投入量(キロ
    グラム/時)を示す〕で表わされる軸動力エネルギー
    (キロジユール/キログラム)と滞留時間(秒)が、第
    1図に示す次の各点、A(1000,5)、B(600,5)、C
    (250,10)、D(200,90)、E(600,90)及びF(650,
    10)を結んでできる六角形の内側(各辺を含む)にある
    条件下で行うことを特徴とする醤油用原料の製造法。
  2. 【請求項2】蛋白質原料を二軸エクストルーダーを用い
    て加熱加圧処理を行う方法において、特許請求の範囲第
    1項記載の式(I)で表わされる軸動力エネルギー(キ
    ロジユール/キログラム)と滞留時間(秒)が、第2図
    に示す次の各点、A2(850,5)、B(600,5)、C(250,
    10)、D(200,90)、E2(450,90)及びF2(500,10)を
    結んでできる六角形の内側(各辺を含む)にある条件下
    で行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の醤
    油用原料の製造法。
  3. 【請求項3】蛋白質原料及び澱粉質原料を二軸エクスト
    ルーダーを用いて加熱加圧処理を行う方法において、特
    許請求の範囲第1項記載の式(I)で表わされる軸動力
    エネルギー(キロジユール/キログラム)と滞留時間
    (秒)が、第3図に示す次の各点、A3(750,5)、B(6
    00,5)、C(250,10)、D(200,90)、E3(350,90)及
    びF3(400,10)を結んでできる六角形の内側(各辺を含
    む)にある条件下で行うことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の醤油用原料の製造法。
JP63074651A 1987-06-25 1988-03-30 醤油用原料の製造法 Expired - Lifetime JP2660537B2 (ja)

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