JP2660225B2 - シリコン鋳造装置 - Google Patents

シリコン鋳造装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、太陽電池等に用いられる多結晶シリコンの
一方向性凝固鋳塊を製造するための、電磁鋳造によるシ
リコン鋳造装置に関する。
〔従来の技術〕
従来より、金属鋳造の分野においては、電磁鋳造と呼
ばれる鋳造法が知られており、インダクトスラグ溶解法
(注)して実用化された経緯がある。
(注)P.G.CLITES and R.A.BEALL:Proc.the Fifth Inte
rnational Conf.on Electroslag and Special Melting
Technology(1975)P477 これは、第2図に示されるように、誘導コイル8内
に、周方向で複数に分割された導電性の無底ルツボ6を
設置し、この中で材料20を溶解しながら順次下方に引き
抜いて凝固させる方法である。なお、本明細書における
電磁鋳造には、無底ルツボ6を使用せず、誘導コイル7
を筒状に形成して、誘導コイル7に無底ルツボ6を兼用
させるものも含まれる。
第2図の方法によると、無底ルツボ6が周方向で複数
に分割されていることから、誘導コイル7を流れる電流
により個々のルツボ分割片60に電流が生じ、これがルツ
ボ6内の材料20に電流を生じさせ、材料20を加熱溶解す
るとともに、ルツボ分割片60を流れる電流と材料20を流
れる電流との間に反発力が生じて、ルツボ6に対して材
料20を非接触の状態に維持することができるとされてい
る。
このような電磁鋳造は、無底ルツボとの間で材料接触
がないので、多結晶シリコンの一方向性凝固鋳塊の製造
に利用した場合に、シリコン鋳塊の外部からの不純物汚
染を完全に防ぐことが期待できる。ルツボからの汚染が
なければ、ルツボの材質を低級化でき、鋳型を必要とし
ないこととあいまって設備コストが著しく低下し、大容
量の電源装置と組合せることによって大型で高品質のシ
リコン鋳塊が連続的に低コストで製造できる。また結晶
学上もルツボ側壁からの結晶化が抑制できるので非常に
好ましいものとなる。
米国はこのような考えに立って、電磁誘導によるシリ
コンの連続鋳造法を特開昭61−52962号公報にて我国に
特許出願している。また、本発明者らも電磁鋳造による
多結晶シリコンの一方向性凝固鋳塊の製造についての研
究を続けており、既に幾つかの成果を挙げている(特願
昭62−211551号、同62−211552号、同63−93684号、同6
3−93685号等)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかるに、従来の電磁鋳造による多結晶シリコンの一
方向性凝固鋳塊の製造においては、論理上は鋳塊製品が
連続的に製造できるにもかかわらず、実際はバッチ式と
言わざるを得ない程度の規模でしか開発が進められてい
ない。それは鋳造中にチャンバーから鋳塊を取り出すの
が困難なことによる。
すなわち、多結晶シリコンの一方向性凝固鋳塊の製造
においては、鋳塊製品の品質確保の上からチャンバー内
を10〜20Torr程度に減圧することが必須とされている。
このように減圧されたチャンバー内から鋳塊製品を抜き
出そうとすると、鋳塊製品を抜き出し得る程度でしか製
品を固定できないシール構造では、シール部からチャン
バー内に外部空気が侵入するのを阻止し得ない。多結晶
シリコンの一方向性凝固鋳塊の製造において、チャンバ
ー内への空気の流入が鋳塊製品の品質に決定的なダメー
ジを与えることは、周知のとおりである。
そこで、チャンバー内で鋳塊を切断し、それを2室構
造の取り出し部を経てチャンバー外へ取り出すことが考
えられる。その場合も、チャンバー内の鋳造雰囲気を汚
染させないことが前提となることは言うまでもない。
鋳造雰囲気を汚染させない切断法としては、レーザー
や電子ビームによるものがある。しかし、これらの切断
法は非能率であり、チャンバーを鋳塊の引出し方向に極
端に延長しない限り、鋳塊の引出しに追従しながら鋳塊
を切断し終えることはできない。また、これらの切断法
は、加熱溶解によるので汚染はないものの、熱歪等によ
る品質低下を発生させてしまう。このようなことを考慮
すると、工業的規模での鋳造においてはダイヤモンドカ
ッター等の機械的切断手段に頼らざるを得ない結論に達
する。
しかるに、機械的切断手段においては水等の潤滑剤が
使用される。水は空気と同様、鋳塊品質に決定的なダメ
ージを与える。従って、機械的切断手段を採用する場合
は、チャンバー外で切断を行うことが前提となる。しか
し、鋳塊を鋳造中にチャンバー外へ引出すことは、前述
したとおり現状の技術レベルでは不可能である。
本発明は、チャンバー内で鋳造された多結晶シリコン
の一方向性凝固鋳塊をチャンバー外へ問題なく抜き出す
ことができるシリコン鋳造装置を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、電磁鋳造による多結晶シリコンの一方
向性凝固鋳塊の製造法の実用化に向けて研究開発を行う
過程で、鋳造雰囲気が不活性であるならば、減圧の必要
がなく大気圧で鋳造を行っても品質上問題のない鋳塊が
得られることを知見した。その根拠は次の3つである。
多結晶シリコンの一方向性凝固鋳塊の品質を低下させ
る要因は、周知のとおりSiO2、O2およびその他のP等の
不純物である。これらは従来はルツボと多結晶シリコン
素材とから持ち込まれ、鋳込み法では鋳型からも持ち込
まれる。
電磁鋳造による多結晶シリコンの一方向性凝固鋳塊の
製造では、ルツボを使用せず、またシリコン融液および
鋳塊は鋳型とも接触しないので、鋳塊製品に含まれる不
純物は、全て多結晶シリコン素材から持ち込まれること
になる。多結晶シリコン素材としては通常CVD法により
製造された多結晶シリコン棒が使用される。
この素材においては、製造過程で不純物が排除される
べく多大の努力がはらわれているが、水素や塩素などの
元素は、そのまま鋳塊製品として使用できる不純物レベ
ルには到底達し得ていないのが現状である。従って、鋳
造過程で不純物の排除を図る必要性が生じる。
電磁鋳造による場合、SiO2については、ルツボや鋳型
からO2の供給がないので、減圧をしなくても問題となる
程度にSiO2が生じることはない。これが、大気圧で鋳造
を行ない得る第1の根拠である。
O2については、鋳造雰囲気を不活性ガス雰囲気に保持
している限りにおいては、減圧をしなくても、減圧をし
た時とほぼ同じレベルにまで鋳塊製品中のO2含有量が低
減されることが判明した。これはO2の除去については、
雰囲気圧力よりも雰囲気中の酸素分圧が支配的なためと
考えられる。これが第2の根拠である。
P等の不純物については、大気圧中ではほとんど除去
されない。しかし、P等が除去されないのは、鋳込み法
が行われている10Torr程度の圧力の場合にも言えること
でいる。多結晶シリコンの一方向性凝固鋳塊の場合は、
多結晶シリコン素材中のP等がそのまま鋳塊製品に持ち
込まれても、製品品質上は許容される。これが第3の根
拠である。
以上の3つの根拠により、電磁鋳造による多結晶シリ
コンの一方向性凝固鋳塊の製造の場合は、鋳造雰囲気を
不活性ガス雰囲気に保持しておく限りにおいては、大気
圧もしくはそれ以上の雰囲気圧力が許容され、この条件
下でも従来の鋳込みによる場合よりも高品質な鋳塊製品
が得られるのである。
本発明のシリコン鋳造装置は、斯かる知見を基礎に開
発されたもので、内部に電磁鋳造手段を備え、電磁鋳造
手段によって鋳造された鋳塊の引出し口を下部に備えた
チャンバーと、外チャンバーに接続された不活性ガス供
給手段と、上記引出し口に付設され、引出し口より引出
される鋳塊との間を実質的に非接触でシールするシール
部材とを備えている。
〔作用〕
チャンバー内を不活性ガス供給手段からの不活性ガス
で置換した状態で、チャンバー内の電磁鋳造手段により
鋳造を行うと、鋳造された鋳塊がチャンバー下部の引出
し口よりチャンバー外へ導出される。
この時、引出し口に設けた実質的な非接触のシール部
材は、鋳塊の導出を阻害しない。また、不活性ガス供給
手段からの不活性ガス供給によりチャンバー内を大気圧
より僅かに高く調整しておけば、鋳塊と非接触のシール
部材との間からチャンバー外に不活性ガスが流出するこ
とはあっても、チャンバー内に外部空気が流入すること
はない。
チャンバー内への外部空気流入が回避されれば、チャ
ンバー内では大気圧以上の不活性ガス雰囲気中で鋳造が
行われる。大気圧以上の不活性ガス雰囲気中で、電磁鋳
造による多結晶シリコンの一方向性凝固鋳塊の製造を行
っても、十分な鋳塊品質が確保されることは前述したと
おりである。
製造された鋳塊を鋳造中にチャンバー外へ抜き出すこ
とができれば、チャンバー内で鋳塊を切断する必要がな
くなり、電磁鋳造手段の周囲のみをチャンバーで包囲す
ればよく、チャンバーを著しく小型化できる。また、チ
ャンバー外で切断ができれば、チャンバー内の汚染を考
慮する必要がなくなり、ダイヤモンドカッター等の高能
率な機械的切断手段が採用できる。
チャンバーの下方ではチャンバーから抜き出されてく
る鋳塊を切断すれば、チャンバー下方に大きなスペース
を確保する必要がなくなる。また、ダイヤモンドカッタ
ー等の機械式切断手段は、鋳塊を高速で切断できるの
で、鋳塊の引き下げに同期して切断を行なうにしても切
断手段の移動ストロークは短くてすみ、熱歪等による品
質低下を鋳塊に発生させることもない。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳しく説明す
る。
第1図は本発明の一実施例を示す鋳造装置の縦断図面
である。
チャンバー1は、内部の発熱から保護されるように二
重壁構造の水冷容器になっており、上部に遮断装置2に
よって仕切られた原料装入室3を有し、底部に鋳塊を抜
き出すための引出し口4を有している。チャンバー1の
上部側壁に設けた不活性ガス導入口5には、図示しない
不活性ガス供給手段が接続されている。
チャンバー1のほぼ中央部には電磁鋳造手段としての
無底ルツボ6、誘導コイル7および徐冷装置8が設けら
れている。無底ルツボ6は銅製の水冷筒体で、上部を残
して周方向に複数分割され、その内周面は分割部にルツ
ボ内材料が差し込まれ、鋳塊の引き下げが困難になるの
を防止するため、下方に向かって外周側へ広がるテーパ
ー面となっている。誘導コイル7は、無底ルツボ6の外
周側に同芯に周設され、図示されていない同軸ケーブル
にて電源に接続される。徐冷装置8は、無底ルツボの真
下に同芯に連設され、無底ルツボ6から引き下げられる
鋳塊を加熱して、その軸方向に所定の温度勾配を与え
る。
チャンバー1内の原料装入室3下方には原料ホッパー
9が設けられ、ホッパー9内に装入された粒状、塊状の
多結晶シリコン素材10が旋回式の装入ダクト11を経て無
底ルツボ6内の溶解シリコン13aに供給されるようにな
っている。無底ルツボ6の直上にはグラファイト等から
なる抵抗性の発熱体12が昇降可能に設けられ、下降した
状態で無底ルツボ6内に挿入されるようになっている。
徐冷装置8の下方には、シリコン鋳塊13bを支えなが
ら下方へ引き出す支持および引き抜き装置14が設けられ
ている。支持および引き抜き手段14としては、クランプ
ロール形式のものでもよいが、シリコン鋳塊13bに与え
る影響を考慮すると、シリコン鋳塊13bをスリップなく
把持し、所定距離下降した後、シリコン鋳塊13bを解放
して元の位置まで上昇するクランプ体を、位相をずらせ
て複数同時に駆動させるものが好ましい。
チャンバー1の下部に設けられている引出し口4は、
上記電磁鋳造手段に対して同芯であり、シール部材とし
てのラビリンスパッキン15を有している。この引出し口
4は、ラビリンスパッキン15の下方でゲート弁16により
開閉される。ゲート弁16の下方には遮蔽板17が設けられ
いる。
ラビリンスパッキン15は、シリコン鋳塊13bの外径よ
り僅かに大きい内径を有しており、該シールとその中を
通過するシリコン鋳塊13bとの間のすき間を流れるガス
が、寸法の異なる何段ものすき間を通過する間に流速エ
ネルギーを失い、最終的にはガス圧がOとなってシリコ
ン鋳塊13bとの間を非接触でシールする。ラビリンスパ
ッキン15からのガスの流出量は次式で与えられる。
Qはガスの流出量、Aは狭いすき間面積、gは重力加
速度、Rは気体の定数でアルゴンでは2.15cm/0K、nは
すき間の断数、T0はガスの温度、P0は高圧側のガス圧
力、Pnはn段後のガス圧力、αは流量係数で0.6〜0.9の
範囲内にある。
遮蔽板17下方のチャンバー1外には、機械的切断手段
としてのダイヤモンドカッター18と鋳塊支持部材19が設
けられている。これらはシリコン鋳塊13bの引き下げ速
度に同期して下降できるようになっており、前記引出し
口4よりチャンバー1外に引き出されてくるシリコン鋳
塊13bをその移動に追随しながら切断する。
第1図の装置による鋳造方法の具体的手段を次に説明
する。
多結晶シリコンからなる円柱状の種鋳塊を支持および
引抜き装置14によって種鋳塊の上端が無底ルツボ6の高
さ方向の中央にくるように設置した後、チャンバー1の
中を真空置換により不活性ガスとしてのアルゴンガスで
完全に置換する。
無底ルツボ6の上方にある装入ダクト11を横方向に退
避させ、ゲート弁16を閉じた状態で、グラファイト等か
らなる発熱体12を無底ルツボ6の中に降下し、挿入して
種鋳塊の直上に接近設定し、誘導コイル7に通電を開始
する。
誘導コイル7の中の種鋳塊の上端面が溶解され、発熱
体12を上昇させて元の位置に戻し、種鋳塊をるつぼ6内
で上昇させると、溶解シリコン13aが初期形成される。
溶解シリコン13aを初期形成した後、直ちに粒状の多
結晶シリコン素材10を装入ダクト11から溶解シリコン13
aの溶融表面に添加し、多結晶シリコン素材10を溶解す
るとともに、徐冷装置8を作動させた状態で、支持およ
び引抜き装置14を作動させることによって、種鋳塊を含
むシリコン鋳塊13bを無底ルツボ6および徐冷装置8か
ら引き出す。
これにより、溶解シリコン13aは電磁力の作用する領
域から順次引き離され、シリコン鋳塊13bと接触してい
る部分から連続的に凝固するとともに、凝固まもない部
分に対して徐冷装置8により所望の軸方向温度勾配が付
与される。
シリコン鋳塊13bの下端がラビリンスパッキン15を通
過し終えると、チャンバー1内を大気圧よりも僅かに加
圧した状態で、ゲート弁16を開ける。チャンバー1内が
加圧されているので、シリコン鋳塊13bとラビリンスパ
ッキン15との間から、チャンバー1内のアルゴンガスが
外部へ流出することはあっても、外部空気がチャンバー
1内へ流入することはない。
チャンバー1内を大気圧より僅かに加圧した状態を維
持しながら、鋳造を継続する。チャンバー1外へ引き出
されたシリコン鋳塊13bの長さが所定長になると、シリ
コン鋳塊13bを鋳塊支持手段19で支持しながら、ダイヤ
モンドカッター18で切断する。ダイヤモンドカッター18
および鋳塊支持手段19は、シリコン鋳塊13bの移動に追
随し、その移動を阻害しない。切断中に使用される潤滑
剤としての水や、切断部から生じる切粉は、遮蔽板17で
遮蔽され、ゲート弁16やラビリンスパッキン15に悪影響
を与えない。切断が終了すると、ダイヤモンドカッター
18および鋳塊支持手段19は元の位置に上昇し、次の切断
に備える。
切断を繰り返しながら、鋳造を継続することにより、
1回の操業で大量のシリコン鋳塊13bを製造できる。操
業を停止するときは、無底ルツボ6内への素材供給を停
止し、そのままシリコン鋳塊13bを引き下げる。原料ホ
ッパー9には、原料装入室3より適宜多結晶シリコン素
材10が補充される。
以上の如き手段で実際に鋳造を行った結果を次に説明
する。シリコン鋳塊13bの目標直径は100mmである。
無底ルツボ6は内径100mmで、内周面に下方に向かっ
て外周側へ0.5゜の角度で広がるテーパーが付与されて
いる。誘導コイル7は内径140mm、高さ50mmの4ターン
コイルで、最大出力120kW、周波数30kH2の高周波電源に
接続されている。徐冷装置8は内径110mm、長さ200mmの
抵抗発熱体を内蔵する炉体で、内周側に上部で約1200
℃、下部で約600℃の温度勾配を付与できるように構成
されている。
ラビリンスパッキン15は、狭いすき間の部分が101mm
幅、広いすき間の部分が110mm幅であり、これらを3.5mm
のピッチで15段に重ねたものを使用した。このラビリン
スシール15の中を直径100mmのシリコン鋳塊13bが通過す
る場合、チャンバー1内の圧力が大気圧より0.1Torr高
くなるようにチャンバー内にアルゴンガスを供給する
と、シリコン鋳塊13bとラピリンスシール15との間から
は約70/分のアルゴンガスが流出することになる。
チャンバー1内へのアルゴンガス供給量を種々変更し
て、鋳造速度1.5mm/分、高周波電源出力75kWの条件で鋳
造を行った時の、シリコン鋳塊13bの酸素濃度および窒
素濃度を第1表に示す。多結晶シリコン素材9中の酸素
濃度は1.5×1018atoms/cc、窒素濃度は分析不可であ
る。
第1表から明らかなように、チャンバー1内に10/
分のアルゴンガスを供給しておけば、品質上問題のない
シリコン鋳塊が製造される。
ダイヤモンドカッター18による切断条件としては、例
えばカッター直径450mm、回転数1000rpm、切込み速度25
mm/分の条件で問題のない切断を行うことができた。
本発明において、実質的に非接触なシール部材とは、
鋳塊の引出しを阻害しない程度の圧力で鋳塊の接触する
接触式シール部材を含むことを意味している。チャンバ
ー内が減圧されている場合は、このようなシールではチ
ャンバー内に外部空気が侵入することを阻止し得ない
が、チャンバー内が大気圧に対して正圧であれば、この
ようなシール部材でも外部空気の侵入を阻止し得る。
予め引出し口4に種鋳塊を挿入した状態で鋳造を開始
するならば、鋳造中にゲート弁16を開閉する必要性はな
くなる。
〔発明の効果〕
本発明のシリコン鋳造装置は、鋳造中に鋳塊をその品
質を低下させることなくチャンバー外に引き出すことが
できる。従って、チャンバーの容量に制限されることな
く大量の鋳塊を連続的に製造することができる。その結
果、チャンバーの小型化を可能にし、製造能率も向上さ
せる。
更に鋳塊の両端は低品質となるため、バッチ式の場合
はこれが歩留りを大きく低下させていたが、本発明のシ
リコン鋳造装置で鋳造が連続化されることにより、この
歩留り低下は極小となる。また、チャンバー外で鋳塊品
質に悪影響を与えることなく鋳塊を切断できるようにな
り、チャンバー下方のスペースに制限されることなく長
時間連続鋳造を続行でき、鋳造時間、鋳造長さを増大さ
せて、連続化による効果を一層増大させる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示すシリコン鋳造装置の縦断
面図、第2図(イ)および(ロ)は電磁鋳造の基本原理
を示す平面図および縦断面図である。 図中、1:チャンバー、4:引出し口、6:無底ルツボ、7:誘
導コイル、15:ラビリンスパッキン(シール部材)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に電磁鋳造手段を備え、該電磁鋳造手
    段によって鋳造された鋳塊の引出し口を下部に備えたチ
    ャンバーと、該チャンバーに接続された不活性ガス供給
    手段と、上記引出し口に付設され、引出し口より引出さ
    れる鋳塊との間を実質的に非接触でシールするシール部
    材とを備えていることを特徴とするシリコン鋳造装置。
  2. 【請求項2】上記引出し口の下方に設けられ、引出し口
    から引出される鋳塊の移動に追随して下降する鋳塊の機
    械的切断手段を具備していることを特徴とある請求項1
    に記載のシリコン鋳塊装置。
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