JP2660031B2 - 水中油滴型乳化飼料ならびに発情促進および強精剤 - Google Patents

水中油滴型乳化飼料ならびに発情促進および強精剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、従来の飼料とは含まれる原料および組成が
大きく異なる水中油滴型乳化飼料に関する。さらに、本
発明は、水中油滴型乳化物からなる発情促進および強精
剤に関する。
[従来の技術] 従来、動物用および魚類用の配合飼料は、とうもろこ
し、マイロ、小麦、大麦、えん麦、大豆、小麦粉、きな
粉、とうもろこし粉等の穀類;米ぬか、ふすま等の糟糠
類;大豆油粕、あまに油粕、綿実油粕等の植物性油粕
類;魚粉、肉粉、肉骨粉、血粉、脱脂粉乳、乾燥ホエー
等の動物性飼料;ビタミン、ミネラル、糖分、食塩等の
その他の材料のうちから数種を、動物や魚の種類、日令
等に応じて選択し、各々の必要量を配合することによっ
て調製されている。
[発明の内容] 本発明者は、動物用および魚類用の飼料について長年
研究を続けてきた。その結果、上記従来の配合飼料とは
原料および組成が著しく異なり、油脂類、有機酸、乳化
剤および水を主たる成分とする水中油滴型乳化飼料が、
上記従来の配合飼料と比較して、動物や魚類による嗜好
性が良好でかつそれらの成長促進や体重増加に効果があ
ることを見出した。さらに、本発明者は、かかる飼料と
同様の配合を有する水中油滴型乳化物が、全く予想外な
ことに、動物や魚類の雌の発情を促進し且つ雄の強精効
果があることを見出した。
したがって、本発明は、かかる発見に基づいてなされ
たものであり、全重量に基づいて、油脂類20〜85%、有
機酸0.01〜5%、乳化剤0.1〜70%および水分5〜65%
を含有する水中油滴型乳化飼料である。
さらに、本発明は、該水中油滴型乳化飼料と同様の配
合からなる発情促進および強精剤、すなわち、全重量に
基づいて、油脂類20〜85%、有機酸0.01〜5%、乳化剤
0.1〜70%および水分5〜65%を含有する水中油滴型乳
化物を有効成分とする発情促進および強精剤に関する。
ここで、本発明でいう「発情促進および強精剤」と
は、動物および魚類の雌の発情を強くする、および/ま
たは排卵周期を短縮させる作用を有する剤をいい、また
動物および魚類の雄の精液の分泌量の増加、精液中の精
子数の増加および/または精液中の精子活力の増加をも
たらす剤をいう。
本発明では、油脂類として、動物および魚類が食し得
る油脂類であれば植物性油脂および動物性油脂のいずれ
もが使用できる。使用し得る油脂類の例としては、綿実
油、ごま油、なたね油、トウモロコシ油、大豆油、ピー
ナツ油、米油、ひまわり油、サフラワー油、オリーブ
油、やし油、パーム油等の植物油、ラード、ヘッド、バ
ター、肝油、魚油等の動物油脂を挙げることができる。
それらの油脂は、単独で使用しても、または2種類以上
を組み合わせて使用してもよい。上記油脂類のうちで
も、植物油が乳化安定性、動物や魚類による嗜好性、成
長促進作用、発情促進および強精効果等の点から好まし
く、植物油のうちでも特に、大豆油、なたね油、米油、
ひまわり油、トウモロコシ油等が、上記の諸特性の外
に、さらに入手のし易さ、価格等の点から特に好まし
い。
また、本発明における有機酸としては、動物や魚類が
食し得るものであればどのようなものでも使用できる。
そのような有機酸の例としては、酢酸、クエン酸、乳
酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フマール酸を挙げる
ことができ、有機酸は単独で使用しても、または数種を
組み合わせて使用してもよい。有機酸としては、上記の
もの以外に、上記の有機酸の1種または数種を含有する
米酢、酒粕酢、麦芽酢(モルトビネガー)、果汁を原料
とするフルーツビネガー、アルコール酢等の醸造酢や合
成酢等の食酢、レモン果汁、サワークリーム等の食用有
機酸も使用することができる。
さらに、乳化剤としては、飼料用または食品用として
使用が許可されているものは総て使用でき、乳化剤の例
としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、卵黄、レシチン、大豆リン脂質、アラビアガ
ム、アルギン酸、ゼラチン、大豆リン脂質を含むおから
等を挙げることができる。一般に、卵では、卵黄は乳化
作用を有するのに対して卵白はあまり乳化作用を示さな
いとされているが、本発明で卵黄を乳化剤として使用す
る際には、全卵から分離された卵黄を使用しても、全卵
をそのまま使用しても、または分離されている卵黄と卵
白の再混合物を使用してもよい。全卵、卵黄および卵黄
/卵白混合物は、通常、割卵前の殻付き卵ならびに割卵
後の液卵、乾燥卵および冷凍卵のいずれかの形態で流
通、販売されているが、本発明では、調製される乳化物
の乳化安定性等の点から、卵黄、全卵または卵黄/卵白
混合物を液状で使用するのがよい。この点で、冷凍卵は
解凍、液化して使用できる。乾燥卵も本発明で使用でき
るが、加熱乾燥卵は乳化力が弱い傾向にある。
上記したように、本発明の水中油滴型乳化飼料ならび
に発情促進および強精剤は、全体の重量に基づいて、油
脂類20〜85%、有機酸0.01〜5%、乳化剤0.1〜70およ
び水分5〜65%を含有することが必要である。ここで、
有機酸や乳化剤が、例えば水溶液または水性分散液の形
態で使用される場合は、該水溶液または水性分散液中の
水分は、上記の水分含有5〜65%に含めて計算する。ま
た、乳化剤として、卵黄、全卵またはおからを使用する
場合は、卵黄、全卵またはおから中に元々含まれている
水分は上記の水分含量5〜65%の内には含めない。
本発明の水中油滴型乳化飼料ならびに発情促進および
強精剤は、そこに含有される油脂類、乳化剤および水分
の相対的な割合に応じて、粘稠な半固体状からやや粘稠
な乳化液状を呈するが、本発明では、それらのいずれも
が有効に使用でき所期の目的を達成することができる。
例えば、油脂類の含有量が65%以上で、かつ水分含量が
30%以下の場合には、粘稠な半固体状(ペースト状)を
呈する。
上記の配合割合のうち、本発明では、油脂類を30〜82
%にし、且つ乳化剤を0.1〜50%にするのが好ましい。
本発明の水中油滴型乳化飼料ならびに発情促進および
強精剤は、上記した成分以外に、食塩、糖類、澱粉、果
汁、調味料、香辛料、香料、着色料、乳製品、薬剤、ア
ルコール、ビフィズス菌、乳酸菌、ビタミン、ミネラ
ル、アミノ酸等の栄養強化剤、酸化防止剤等の他の添加
剤の1種または数種を必要に応じて含有させることがで
きる。
そして、本発明の水中油滴型乳化飼料ならびに発情促
進および強精剤を得るためには、油脂類、有機酸、乳化
剤、水および必要に応じて他の成分を上記した割合で混
合し、安定な水中油滴型の乳化状態が達成されるまで充
分に撹拌混合することが必要である。これらの撹拌混合
は、油脂類が可視的な粒子状態から粒径が数μの微細粒
子に細分化されるまで適当な撹拌・乳化装置を使用して
撹拌数を選んで行う。この場合に、油脂類粒子の粒径が
数μに達した後にも更に撹拌を続けると油脂粒子の会合
を生じ乳化破壊につながり望ましくない。撹拌・乳化
は、バッチ的に行っても連続的に行ってもよい。撹拌・
乳化に際しては、油脂類の乳化物を調製するのに通常使
用されている、例えばインペラータイプミキサー、ホイ
ッパータイプミキサー、ワイヤータイプミキサー、ター
ビンタイプミキサー、デクスブレンダー、ホモジナイザ
ー、コロイドミル等を使用することができる。この撹拌
・乳化は、通常、約5〜35℃で行うとよく、温度が低過
ぎても高過ぎても乳化が円滑に行われない。油脂類が高
融点の時には、多少熱を加えながら行うとよい。
撹拌・乳化時には、上記した各成分は、同時に混合し
てもまたは逐次に混合してもよいが、乳化を正常に行う
ためには水と有機酸とから予め連続した均一な水性分散
媒相を形成しておき、これに油脂類を注入して分散、乳
化させる方法を採るのがよい。この場合に、乳化剤およ
びその他の添加剤は、有機酸(すなわち有機酸を含有す
る水性分散媒相)に予め混合しておくと乳化がより良好
になる。
本発明の水中油滴型乳化飼料ならびに発情促進および
強精剤を給与できる動物および魚類としては、牛、馬、
豚、羊、山羊、鶏、七面鳥、アヒル、ホロホロ鳥、ウズ
ラ等の家畜および家禽類、犬、猫等のペット類、ハマ
チ、アジ、ヒラメ、タイ、マダイ、ウナギ、コイ、ニジ
マス、アユ、テラピア等の魚類を挙げることができる。
そのうちでも、特に豚、牛、馬、犬、猫等の動物および
ウナギ、コイ、ハマチ等の魚類による嗜好性が高く、摂
取量の増加、体重増加、飼料要求率(一定の体重増に必
要な飼料の量)の低減が大きく、かつそれらの発情促進
および強精を効果的に達成できる。
本発明の水中油滴乳化飼料ならびに発情促進および強
制剤は、任意の方法で動物および魚類に給与することが
でき、例えば、そのまま直接給与する、または従来の飼
料や配合飼料と混合して給与する、さらには従来の飼料
や配合飼料の上に層状に重ねて給与する方法が採られ
る。
適切な給与量は、動物や魚の種類、日令、体重、本発
明の水中油滴型乳化飼料ならびに発情促進および強精剤
の組成等によって当然異なるが、例えば、豚、牛、馬、
犬、猫等の場合は、通常、体重1kg当たり1日に約0.03g
〜100g、魚類の場合は体重1kg当たり1日に約0.1g〜100
gの割合で給与するとよい。しかしながら、給与量は上
記の値に限定されない。
[発明の効果] 本発明の水中油滴型乳化飼料は、従来の飼料に比べ
て、油脂を乳化しているため、油脂の消化吸収に優れ、
さらに動物および魚類による嗜好性が高く、動物や魚類
に給与したときに飼料摂取量が増加し、成長を大きく促
進させ且つ体重の増加をはかることができる。また本発
明の水中油滴型乳化飼料は、飼料要求率が低くて済み、
少ない飼料の給与量(摂取量)で大きな体重増加を図る
ことができる。
さらに、上記水中油滴型乳化物からなる本発明の発情
促進および強精剤を動物や魚類に給与した場合には、動
物および魚類が雌であると、その発情を強くしたり、排
卵周期を短縮させる効果を有する。そして給与する動物
および魚類が雄の場合には、精液の分泌量の増加、精液
中の精子数の増加および精液中の精子活力の増加をもた
らす。その結果、本発明の発情促進および強精剤を動物
や魚類に給与すると、受精率を向上させることができ、
さらに出産回数を増やすことができる。
また、本発明の水中油滴型乳化飼料ならびに発情促進
および強精剤は、これらを構成する成分の内容から見て
も油脂を多く含む飼料製造が可能で、高エネルギー飼料
ならびに発情促進および強精剤を製造することができ、
さらに安全性が高く、それを給与される動物および魚類
にとっても、ひいてはそれらの肉、卵、乳等を飲食する
人間にとっても安全である。
以下に例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本
発明はこれらの例に限定されない。
以下の例中、「%」および「部」は特別のことわりが
ない限り全て重量によるものである。
実施例1−1、1−2および比較例1 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化飼料を準
備した。
[水中油滴乳化型飼料配合1−1] 大豆油 65部 卵 黄 17部食 酢(酢酸4.5%含有) 18部 100部 [水中油滴型乳化飼料配合1−2] 大豆油 65部 グリセリン脂肪酸エステル 10部 クエン酸水溶液(クエン酸2%含有) 18部 食 塩 2部 砂 糖 2部澱粉粉末 3部 100部 さらに、下記の配合からなる基礎飼料を準備した。
[基礎飼料配合] とうもろこし 465部 マイロ 310部 大豆粕 146部 なたね粕 30部 肉骨粉 10部 イエローグリース 18部 炭酸カルシウム 5部 リン酸カルシウム 8部 食 塩 3部プレミックス 5部 1000部 また、3週令の子豚を各群10頭づつ3群用意した(平
均体重5.8kg/頭)。
上記の水中油滴型乳化飼料1−1の子豚に対する給与
量が50g/頭/日になるようにして該水中油的型乳化飼料
1−1を上記の基礎飼料の上に載せたものを、第1群の
子豚に2週間給与した。このとき子豚はまず上方にある
水中油滴型乳化飼料1−1の方を全部食べ、その後に下
方の基礎飼料を食べた。この際に、基礎飼料の摂取は自
由に行わせた。2週間後の子豚の体重、1日当たりの増
体重、1日当たりの飼料摂取量(水中油滴型乳化飼料1
−1および基礎飼料の合計)ならびに飼料要求率[1kg
の増体重を得るのに対して摂取した総飼料量(kg)]を
調べた(実施例1−1)。得られた結果の下記の表1に
示す。
上記実施例1−1と同様にして、上記の水中油滴型乳
化飼料1−2の子豚に対する給与量が50g/頭/日になる
ようにして該水中油滴型乳化飼料1−2を上記の基礎飼
料の上に載せたものを、第2群の子豚に2週間給与し
た。2週間後の子豚の体重、1日当たりの増体重、1日
当たりの飼料摂取量(水中油滴型乳化飼料1−2および
基礎飼料の合計)ならびに飼料要求率を調べた(実施例
1−2)。得られた結果を下記の表1に示す。
比較のため上記基礎飼料のみを第3群の子豚に上記と
同様にして2週間自由に摂取させた。2週間後の子豚の
体重、1日当たりの増体重、1日当たりの飼料摂取量お
よび飼料要求率を調べた(比較例1)。得られた結果を
下記の表1に示す。
上記表1の結果から、本発明の水中油滴型乳化飼料を
給与した実施例1−1および実施例1−2では、基礎飼
料のみを給与した比較例1に比べて、子豚による飼料の
摂取量が大きく(すなわち、子豚による嗜好性が高
く)、体重増加が大きいこと、しかも1kgの体重増加を
得るのに少ない飼料量ですむ(すなわち、飼料要求率が
低くてすむ)ことが理解される。
実施例2−1、2−2および比較例2 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化飼料を準
備した。
[水中油滴型乳化飼料配合2−1] なたね油 81.19 部 卵 黄 9.5 部 食 酢(酢酸5%含有) 9.3 部 亜鉛バシトラシン 0.003部 クロルテトラサイクリン 0.003部硫酸コリスチン 0.004部 100.0 部 [水中油滴型乳化飼料配合2−2] なたね油 80 部 ショ糖脂肪酸エステル 5 部 アラビアガム 2 部 レモン果汁 4 部 グルタミン酸ナトリウム 0.2部 香辛料 2.8部乳酸水溶液(乳酸4.5%含有) 6 部 100 部 さらに、下記の配合からなる基礎飼料を準備した。
[基礎飼料配合] とうもろこし 300 部 マイロ 135 部 大豆粕 246 部 イエローグリース 7 部 炭酸カルシウム 14.5部 第3リン酸カルシウム 11 部 ふすま 70 部 小麦粉 180 部 糖 蜜 30 部 食 塩 5 部ビタミン・ミネラルミックス 1.5部 1000 部 また、6週令の子牛を各群10頭づつ3群用意した(平
均体重71.0kg/頭)。
上記の水中油滴型乳化飼料2−1の子牛に対する給与
量が100g/頭/日になるようにして該水中油滴型乳化飼
料2−1を上記の基礎飼料の上に載せたものを、第1群
の子牛に1週間給与した。このとき子牛はまず上方にあ
る水中油滴型乳化飼料2−1の方を全部食べ、その後に
下方の基礎飼料を食べたいだけ自由に摂取させた。1週
間後の子牛の体重、1日当たりの増体重、1日当たりの
飼料摂取量(水中油滴型乳化飼料2−1および基礎飼料
の合計)ならびに飼料要求率を調べた(実施例2−
1)。得られた結果を下記の表2に示す。
上記実施例2−1と同様にして、上記の水中油滴型乳
化飼料2−2の子牛に対する給与量が100g/頭/日にな
るようにして該水中油滴型乳化飼料2−2を上記の基礎
飼料の上に載せたものを、第2群の子牛に1週間給与し
た。1週間後の子牛の体重、1日当たりの増体重、1日
当たりの飼料摂取量(水中油滴型乳化飼料2−2および
基礎飼料の合計)ならびに飼料要求率を調べた(実施例
2−2)。得られた結果を下記の表2に示す。
比較のため上記基礎飼料のみを第3群の子牛に上記と
同様にして1週間給与して自由に摂取させた。1週間後
の子牛の体重、1日当たりの増体重、1日当たりの飼料
摂取量および飼料要求率を調べた(比較例2)。得られ
た結果を下記の表2に示す。
上記表2の結果から、本発明の水中油滴型乳化飼料を
給与した実施例2−1および実施例2−2では、基礎飼
料のみを給与した比較例2に比べて、子牛による飼料の
摂取量が大きく(すなわち、子牛による嗜好性が高
く)、体重増加が大きいこと、しかも飼料要求率が低く
て済むことが理解される。
実施例3−1、3−2および比較例3 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化飼料を準
備した。
[水中油滴型乳化飼料配合3−1] 米 油 35 部 全 卵 50 部 食 酢(酢酸5%含有) 14 部 アルギニン 0.1部 ヒスチジン 0.1部 リジン 0.1部 メチオニン 0.5部 スレオニン 0.1部トリプトファン 0.1部 100 部 [水中油滴型乳化飼料配合3−2] 米 油 35部 ソルビタン脂肪酸エステル 4部 ゼラチン 12部 リンゴ酸水溶液(リンゴ酸5%含有) 30部 エチルアルコール 16部 ビフィズス菌製剤 1部乳酸菌製剤 2部 100部 さらに、下記の配合からなる基礎飼料を準備した。
[基礎飼料配合] とうもろこし 420部 小麦粉 250部 脱脂米ぬか 30部 ミートミール 150部 大豆粕 80部 ビタミンミックス 20部 ミネラルミックス 30部大豆白絞油 20部 1000部 また、2〜3才の犬を10匹用意した。
上記の水中油滴型乳化飼料3−1と上記の基礎飼料と
を重量比で1:9になるように混合して、第1の飼料をつ
くった(実施例3−1)。
また、上記の水中油滴型乳化飼料3−2と上記の基礎
飼料とを上記と同様に重量比で1:9になるように混合し
て、第2の飼料をつくった(実施例3−2)。
比較のため上記基礎飼料のみからなる第3の飼料を用
意した(比較例3)。
上記実施例3−1、実施例3−2および比較例3の飼
料を各々別の容器に入れて並べて上記10匹の犬に7日間
自由に摂取させた。その結果、実施例3−1の飼料の7
日間の合計摂取量は14.8kg、実施例3−2の飼料の7日
間の合計摂取量が14.4kg、そして比較例3の飼料の7日
間の合計摂取量が1.8kgであった。
この結果から、犬が比較例3の従来の飼料よりも本発
明の水中油滴型乳化飼料を含有する実施例3−1および
実施例3−2の飼料を好んで摂取することがわかる。
実施例4−1、4−2および比較例4 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化飼料を準
備した。
[水中油滴型乳化飼料配合4−1] ひまわり油 80部 卵 黄 6部 食 酢(酢酸6%含有) 12部水 2部 100部 [水中油滴型乳化飼料配合4−2] ひまわり油 80 部 卵 黄 6 部 食 酢(酢酸0.84%含有) 12 部 CaCO3 0.005部 MnSO4・H2O 0.005部 ZnSO4・5H2O 0.005部 FeSO4・7H2O 0.005部 NaCl 1.97 部 KIO3 0.005部CaHPO4・2H2O 0.005部 100 部 また、2〜3才の猫を10匹用意した。
上記の水中油滴型乳化飼料4−1と実施例3−1およ
び3−2で使用したのと同じ基礎飼料とを重量比で1:19
になるように混合して、第1の飼料をつくった(実施例
4−1)。
また、上記の水中油滴型乳化飼料4−2と上記の基礎
飼料とを上記と同様に重量比で1:19になるように混合し
て、第2の飼料をつくった(実施例4−2)。
比較のため上記基礎飼料のみからなる第3の飼料を用
意した(比較例4)。
上記実施例4−1、実施例4−2および比較例4の飼
料を各々別の容器に入れて並べて上記10匹の猫に7日間
自由に摂取させた。その結果、実施例4−1の飼料の7
日間の合計摂取量は4.3kg、実施例4−2の飼料の7日
間の合計摂取量が4.1kg、そして比較例4の飼料の7日
間の合計摂取量が0.8kgであった。
この結果から、猫が比較例4の従来の飼料よりも本発
明の水中油滴型乳化飼料を含有する実施例4−1および
実施例4−2の飼料を好んで摂取することがわかる。
実施例5−1、5−2および比較例5 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化飼料を準
備した。
[水中油滴型乳化飼料配合5−1] ひまわり油 30 部 卵 黄 60 部 食 酢(酢酸10%含有) 6 部 魚 油 3.96部 オキシテトラサイクリン 0.01部 オキソリン酸 0.01部アンピシリン 0.02部 100 部 [水中油滴型乳化飼料配合5−2] ひまわり油 35部 コハク酸水溶液(コハク酸1%含有) 10部 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 2部 水 52部ビタミンミックス 1部 100部 また別に下記の配合からなる基礎飼料を準備した。
[基礎飼料配合] 魚 粉 69.4部 ビール酵母 2.0部 α化澱粉 23.0部 ビタミン 3.6部ミネラル 2.0部 100 部 また、ウナギを各群100匹づつ3群用意した(平均体
重30g/匹)。
第1群のウナギに上記水中油滴型乳化飼料5−1をウ
ナギ1匹当たり1日に0.2gの量で上記の基礎飼料ととも
に4週間給与したところ、4週間の体重増加量は21g/匹
であった(実施例5−1)。
また、第2群のウナギに上記の水中油滴型乳化飼料5
−2を同様にウナギ1匹当たり1日に0.2gの量で上記の
基礎飼料とともに4週間給与したところ、4週間の体重
増加量は19g/匹であった(実施例5−2)。
比較のため上記基礎飼料のみを第3群のウナギに上記
と同様にして4週間自由に摂取させたところ(比較例
5)、4週間の体重増加量は15gであり、本発明の水中
油滴型乳化飼料に比べて体重の増加が少なくウナギによ
る嗜好性が劣っていた。
実施例6−1、6−2および比較例6 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化飼料を準
備した。
[水中油滴型乳化飼料配合6−1] トウモロコシ油 70部 卵 黄 16部 食 酢(酢酸15%含有) 8部 チキンオイル 2部 牛 脂 2部豚 脂 2部 100部 [水中油滴型乳化飼料配合6−12] トウモロコシ油 70 部 レシチン 0.1部 大豆リン脂質 0.1部 おから 2.8部 プロピレングリコール脂肪酸エステル 4 部 アルギン酸 2 部 酒石酸水溶液(酒石酸1%含有) 5 部 フマール酸水溶液(フマール酸1%含有) 5 部 生 乳 9 部脱脂粉乳 2 部 100 部 また別に下記の配合からなる基礎飼料を準備した。
[基礎飼料配合] 魚 粉 65.0部 タラ肝油 5.0部 小麦粉 17.4部 ビタミン 3.6部 ミネラル 4.0部カルボキシ・メチルセルロース(CMC) 5.0部 100 部 また、コイを各群20匹づつ3群用意した(平均体重20
0g/匹)。
第1群のコイに上記の水中油滴型乳化飼料6−1をコ
イ1匹当たり1日に0.8gの量で上記の基礎飼料とともに
4週間給与したところ、4週間の体重増加量は121g/匹
であった(実施例6−1)。
また、第2群のコイに上記の水中油滴型乳化飼料6−
2を同様にコイ1匹当たり1日に0.8gの量で上記の基礎
飼料とともに4週間給与したところ、4週間の体重増加
量は120g/匹であった(実施例6−2)。
比較のため上記基礎飼料のみを第3群のコイに上記と
同様にして4週間自由に摂取させたところ、4週間の体
重増加量は101gであり(比較例6)、本発明の水中油滴
型乳化飼料に比べて体重の増加が少なくコイによる嗜好
性が劣っていた。
実施例7−1、7−2および比較例7 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化飼料を準
備した。
[水中油滴型乳化飼料配合7−1] なたね油 65部 卵 黄 8部 食 酢(酢酸5%含有) 13部 食 塩 2部 グルコース 2部 ペクチン 1部 グアガム 1部 果 糖 2部 マルトース 1部 魚 粉 1部 小麦粉 1部 トウモロコシ粉 1部フスマ 2部 100部 [水中油滴型乳化飼料配合7−2] なたね脂 65部 卵 黄 18部 食 酢(酢酸15%含有) 6部生 薬 11部 100部 また別に下記の配合からなる基礎飼料を準備した。
[基礎飼料配合] 魚 粉 74.4部 コーンスターチ 6.0部 タラ肝油 10.0部 ビタミン 3.6部 ミネラル 1.0部CMC 5.0部 100 部 また、ハマチを各群40匹づつ3群用意した(平均体重
150g/匹)。
第1群のハマチに上記の水中油滴型乳化飼料7−1を
ハマチ1匹当たり1日に2gの量で上記の基礎飼料ととも
に4週間給与したところ、4週間の体重増加量は150g/
匹であった(実施例7−1)。
また、第2群のハマチに上記の水中油滴型乳化飼料7
−2を同様にハマチ1匹当たり1日に2gの量で上記の基
礎飼料とともに4週間給与したところ、4週間の体重増
加量はやはり150g/匹であった(実施例7−2)。
比較のため上記基礎飼料のみを第3群のハマチに上記
と同様にして4週間自由に摂取させたところ、4週間の
体重増加量は136gであり(比較例7)、本発明の水中油
滴型乳化飼料に比べて体重の増加が少なくハマチによる
嗜好性が劣っていた。
実施例8−1、8−2および比較例8 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化物を準備
した。
[水中油滴型乳化物配合8−1] 大豆油 85 部 ショ頭脂肪酸エステル 0.1部食 酢(酢酸5%含有) 14.9部 100 部 [水中油滴型乳化物配合8−2] 大豆油 80 部 卵 黄 9.9部 クエン酸粉末 0.1部水 10 部 100 部 分娩した種豚を各群20頭づつ3群用意した。第1群の
種豚には、分娩した次の日から上記の水中油滴型乳化物
8−1を豚1頭につき1日に150gと実施例1−1で用い
たのと同じ基礎飼料を1頭につき1日に4kgを離乳日ま
で3週間給与した。その結果、第1群の豚の離乳日(分
娩3週間後)から再発情期までの平均日数を調べたとこ
ろ6.6日であった(実施例8−1)。
また、第2群の種豚には、同様にして分娩した次の日
から上記の水中油滴型乳化物8−2を豚1頭につき1日
に150gと実施例1−1で用いたのと同じ基礎飼料を1頭
につき1日に4kgを離乳日まで3週間給与した。その結
果、第2群の豚の離乳日(分娩3週間後)から再発情期
までの平均日数を調べたところ、6.8日であった(実施
例8−2)。
さらに、第3群の豚には基礎飼料のみを豚1頭につき
1日に4kgを同様にして分娩後3週間に亘って給与し豚
の離乳日から再発情期までの平均日数は10.2日であった
(比較例8)。
上記の結果から、本発明の水中油滴型乳化物は動物の
排卵周期を短縮する作用を有することがわかる。
実施例9−1、9−2および比較例9 下記の配合からなる本発明の水中油滴型乳化物を準備
した。
[水中油滴型乳化物配合9−1] 大豆油 70部 卵 黄 15部 食 酢(酢酸1%含有) 13部食 塩 2部 100部 [水中油滴型乳化物配合9−2] なたね油 39部 卵 黄 10部 食 酢(酢酸10%含有) 50部食 塩 1部 100部 種雄豚を各群10頭づつ3群用意した。
第1群の種雄豚には、上記の水中油滴型乳化物9−1
を種雄豚1頭につき1日に200gと実施例1−1で用いた
のと同じ基礎飼料を1頭につき1日に2.5kgを15日間給
与した。その時点で全頭より精液を採取し、下記により
平均精子数および精子活力を調査した(実施例9−
1)。
精子活力 A:最活発な前進運動 B:活発な前進運動 C:緩慢な前進運動 D:回旋または振子運動 また、第2群の種雄豚には、上記の水中油滴型乳化物
9−2を種雄豚1頭につき1日に200gと実施例1−1で
用いたのと同じ基礎飼料を1頭につき1日に2.5kgを15
日間給与し、その時点でこの10頭より精液を採取し、上
記と同様にして平均精子数および精子活力を調査した
(実施例9−2)。さらに、第3群の種雄豚には、上記
基礎飼料のみを1頭につき1日に2.5kgを15日間給与
し、その時点でこの10頭より精液を採取し、上記と同様
にして平均精子数および精子活力を調査した(比較例
9)。
上記実施例9−1、実施例9−2および比較例9の結
果は、下記の表−3のとおりであった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全重量に基づいて、油脂類20〜85%、有機
    酸0.01〜5%、乳化剤0.1〜70%および水分5〜65%を
    含有する水中油滴型乳化飼料。
  2. 【請求項2】全重量に基づいて、油脂類20〜85%、有機
    酸0.01〜5%、乳化剤0.1〜70%および水分5〜65%を
    含有する水中油滴型乳化物を有効成分とする発情促進お
    よび強精剤。
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