JP2000512154A - 乳牛の圧搾乳にドコサヘキサエン酸を強化する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ＤＨＡおよび乳牛の第１胃におけるＤＨＡの微生物による分解のインヒビターを含む乳牛のための飼料添加物を開示する。乳牛に本発明の飼料添加物を含む飼料を少なくとも約１４日間給餌し、ＤＨＡを強化した牛乳を得るために乳牛を搾乳することを含む、ＤＨＡを強化した乳牛の牛乳を製造する方法もまた開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 乳牛の圧搾乳にドコサヘキサエン酸を強化する方法技術分野 本発明は動物管理の分野、特に飼料添加物および乳牛の圧搾乳におけるドコサ ヘキサエン酸を強化する方法に関する。発明の背景技術 ドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）として知られるオメガ−３（またはｎ−３）高 級不飽和脂肪酸は脳および網膜に豊富に見られる。ＤＨＡは、それぞれ最良の知 的機能（学習能力など）および視力（視覚作業）のために脳および網膜において 高水準で必要とされることが見出されている。それゆえ、食物ＤＨＡ(dietary D HA)は乳児（妊娠中および分娩後の両方）および混合食の幼児に必須の食物栄養 分としてみなされている（英国栄養財団（British Nutrition Foundation）：ア ンサチュレイテッド・ファッティー・アシッズ（Unsaturated fatty acids）： ニュートリショナル・アンドフィジオロジカル・シグニフィカンス（Nutritiona l and Physiological Significance）.アンドーバー（Andover）、英国:チャッ プマン（Chapman）およびホール（Hall）、１９９２および英国栄養財団；レコ メンデーションズ・フォー・インテイク・オブ・アンサチュレーテッド・ファッ ティ・アシッズ（Recommendations for Intakes of Unsaturated Fatty Acids） 、１９９２））。 研究により、オメガ−３高級不飽和脂肪酸ＤＨＡおよびエイコサペンタエン酸 (EPA)を含む魚および魚油が消費される場合に、心臓脈管疾患(CVD)の多様な危険 因子の有意な軽減が示された。疫学的研究はまた、集団におけるＤＨＡ水準（食 物／血液）およびCVDの危険率の間に反比例を示した（レング（Leng，G.C.）ら 、Arterioscler．Thromb．１９９４；１４：４７１−４７８、シモン（Simon，J ．A.）ら、Am．J．Epidemiol．１９９５；１４２：４６９−４７６）。従って、 オメガ−３高級不飽和脂肪酸含有魚／魚油の心臓保護効果の一部は、EPAに加え て、DHAによるものである。オメガ−３脂肪酸の心臓保護効果は、複数 の生理学的／生化学的メカニズムによって媒介されると考えられている。研究は DHAに富む心臓組織が、心停止および一層高次のDHA状態（食物／身体において） を保有する者における突然心臓死の減少を説明するであろう抗不整脈性の効果を 提供する（ピープ（Pepe，S.）およびマクレンナン（McLennan,P．L.）J．Nutr. １９９６；１２６：３４−４２）ことを示した。さらに、食物DHA摂取および身 体中の増大した状態は、注意欠損障害への好ましい効果（スティーブンス（Stev ens，L．J.）ら、Am．J．Clin．Nutr．１９９５；６２：７６１−７６８）、抑 圧および不安障害への好ましい効果（ヒベルン（Hibbeln，J．R.）およびセイレ ム（Salem，N.）、Am．J．Clin．Nutr．１９９５；６２：１−９）、ならびに閉 経後の女性における乳癌に対する防護への好ましい効果（ズ（Zhu，Z．R.）ら、 Nutr．Cancer．１９９５；２４：１５１−１６０）に関与している。 DHAは魚および魚油に豊富である（卵および数種の肉類には非常に少量含まれ る）ことがわかっているが、植物油を含むすべての植物由来食品には欠如してい る。ある種の植物油（例えば大豆油）は、きわめて限られた程度ではあるが、体 内で最適に近い量のDHAを提供するように代謝により変化させることができる、 別のオメガ−３脂肪酸、α−リノレン酸（LNA）を適量含む（エムケン（Emken， E．A.）ら、BBA．１９９４；１２１３：２７７−２８８およびセイレムら、Proc ．Natl．Acad．Sci．１９９６；９３：４９−５４）。 北米およびその他多くの場所における母乳は、一般的に約０.１４〜０.２重量 ％の脂肪／脂肪酸をＤＨＡとして含有する（チェン（Chen，Z.-Y.）、Lipids． １９９５；３０：１５−２１およびマクリデス（Makrides，M.）ら、Am．J．Cli n．Nutr．１９９５；６１：１２３１−１２３３）。母乳（ＤＨＡ源）によって 育てられる幼児は、北米で一般的に使用されるＤＨＡ欠乏調合乳（formulae）で 育てられる幼児より視力試験で良好な成績である（ネトレトン（Nettleton，J． A.）、J．Am．Diet Assoc．１９９３；９３：５８−６４およびマクリデスら、L ancet．１９９５；３４５：１４６３−６８）。知能指数もまた幼い時期にＤＨ Ａ含有母乳を授乳された児童において、より高得点であった（ルーカス（Lucas ，A.）ら、Lancet．１９９２；３３９：２６１−２６４）。ＤＨＡは、日本およ び近年ではヨーロッパにおいて選択された幼児用調合乳製品に添加され、幼児用 調 合乳における直接的なＤＨＡの食物源を提供し、それによって幼児に対する最適 なＤＨＡ水準およびその関連した利益を提供している（JP０４３４１１号；WO９ ２１２７１１号；EP４０４０５８号；US４６７０２８５号）。不幸にも、牛乳に はＤＨＡは欠乏しており、わずかに非常にささやかな量のLNAのみを保有するに すぎない。結果的に、混合食の子供にとってのＤＨＡの推奨される食物水準（英 国栄養財団；レコメンデーションズ・フォー・インテイク・オブ・アンサチュレ ーテッド・ファッティ・アシッズ、１９９２参照）は、牛乳および乳製品（チー ズ、アイスクリームなど）で充足されることはできない。これは、特に、積極的 に学習し、情報を処理し、知的発達が起こる発達段階において重要である。 多様な食物にＤＨＡを添加または混合することによって、ＤＨＡの日常的摂取 を増加させるための努力がなされてきている。牛肉（US５２９０５７３号）、豚 肉（US５１０６６３９号；DE３８０８８８５号；トウグボル（Taugbol，O.）ら 、Zentralbl．Veterinarmed．A.、４０（６）：４３７−４４３、１９９３）、 鳥肉（US５０１２７６１号；JP０４２７１７５４号；US５１３３９６３号；US５ ０６９９０３号）および卵（KR９３１１３９６号；US５０６９９０３号）におけ るオメガ−３脂肪酸の水準を増加させるよう方法が開発されてきている。ＤＨＡ はまた、上記で議論されたような幼児用調合乳および牛乳に栄養補助食品として 添加される。補助牛乳または幼児用調合乳のＤＨＡ源には、魚製品、微生物油（ US５３７４６５７号；US５３９７５９１号；US５４０７９５７号）または卵黄お よびココヤシ油の混合物から抽出された脂肪酸（US４６７０２８５号）が含まれ る。 研究者たちはヒト（ハリス（Harris，W．S.）ら、Am．J．Clin．Nutr．40(4): 780-785、１９８４；ヘンダーソン(Henderson，R.A.)、Lipids、２７（１１）： ８６３−８６９、１９９２；US５０６９９０３）、ブタ（タウグボルら、Zentra lbl、Veterinarmed．A．４０（６）：４３７−４４３、１９９３）およびラット （Yonekubo，A.）ら、J．Nutr．１２３（１０）１７０３−１７０８、１９９３ ）の圧搾乳におけるＤＨＡ含有量を高めることができた。しかしながら、研究者 らは、牛乳のＤＨＡの水準を有意に高めるために難渋した（ヘベイセン（Hebeis en，D．F.）ら、Int．J．Vitam，Nutr．Res.、６３（３）：２２９−２３３、１ ９９３）。発明の要約 本発明者らは、ＤＨＡ（ドコサヘキサエン酸）が、ＤＨＡおよび畜牛の第１胃 におけるＤＨＡの微生物による分解のインヒビターを含む新規飼料添加物を与え た乳牛の牛乳中に発現していることを見出した。該飼料添加物は、畜牛の正常の 共生消化によって飼料を消化する能力に影響を及ぼさない。該飼料添加物はまた 畜牛の嗜好にも合致し、それゆえ、食餌消費は減少しない。結果的に畜牛の健康 状態は維持され、かつその生産性は減少しない。 本発明者らは、乳牛が乳汁分泌期間中に該飼料添加物を与えられる場合に、圧 搾乳におけるＤＨＡの水準が、牛乳における長鎖脂肪酸の０.２％と０.５％間に あること見出した。これらのＤＨＡ水準は牛乳におけるＤＨＡの世界保健機関推 奨の水準（０.２〜０.３％）と同等かまたはそれより高い。ＤＨＡを有する魚粉 のみを含む飼料添加物は、新規飼料添加物で得られた水準を相当下回るＤＨＡ量 という結果となる。 概して、本発明は、ＤＨＡおよび乳牛の第一胃におけるＤＨＡの微生物による 分解のインヒビターを含む、乳牛への飼料添加物に関する。本発明の一態様にお いて、該飼料添加物はＤＨＡ含有羽毛粉、血粉および魚粉を含む。本発明はまた 、該飼料添加物を含む飼料を考える。 本発明はまた、乳牛に本発明の飼料添加物を含む飼料を少なくとも約１４日間 給餌し、ＤＨＡを強化した牛乳を得るために乳牛を搾乳することを含む、ＤＨＡ を強化した乳牛の牛乳の製造方法にも関する。 本発明はさらに、畜牛に本発明の飼料添加物を含む飼料を少なくとも約１４日 間給餌し、ＤＨＡを強化した牛乳を得るように乳牛を搾乳することによって製造 されるＤＨＡを強化した乳牛からの圧搾乳に関する。 本発明の他の目的、特徴および利益は以下の詳細な記載から明らかとなるであ ろう。しかしながら、本発明の好ましい態様が示される詳細な記載および具体的 な実施例が例示によってのみ与えられると理解されるべきである。というのは本 発明の精神および範囲内の多様な変更および修正が、本詳細な記載から当業者に 明らかとなるであろうからである。好ましい態様の詳細な記載 前記のとおり、本発明は、ＤＨＡおよび乳牛の第一胃におけるＤＨＡの微生物 による分解のインヒビターを含む、乳牛のための飼料添加物に関する。 飼料添加物中に存在するＤＨＡは、５〜９８％のＤＨＡを含むであろうＤＨＡ 濃度であるか、またはＤＨＡを含むと知られる源からの抽出成分であろう；例え ば、魚粉などの魚類から得られる抽出成分であろう。ＤＨＡ濃度は例えば、ライ フ・プラス・インターナショナル、インク（Life Plus International，Inc.） （バテスビル（Batesville）、アーカンザス（Arkansas））、ノルスク・ヒドロ ・アズ（Norsk Hydro As）およびニッポン・オリス・アンド・ファッツ株式会社 （Nippon Olis and Fats KK.）およびからの市販元から得られるであろう。 本発明の一態様において、飼料添加物はＤＨＡを含む羽毛紛、血粉および魚粉 を含む。該魚粉は、サバ、カラフトシシャモ、タラピア（talapia）、マンハー デン（manharden）またはニシンから製造されるであろう。好ましくはニシンか ら製造され、本明細書で記載するように飼料中の総脂肪酸の約５〜１２重量％の ＤＨＡを提供するであろうＤＨＡ量を含む。魚粉は７６.７％のタンパク質およ び８.２％の総脂肪量（乾燥計測に基づく）を有するものが選択されるであろう 。該魚粉はブロイラーの羽毛から製造され、血粉はウシまたはブタ血液から製造 されるであろう。羽毛紛は９３.９％のタンパク質および２.６％の総脂肪量（乾 燥計測に基づく）を含むものが選択され；血粉は８７.７％のタンパク質および １.８％の総脂肪量（乾燥計測に基づく）を含むものが選択されるであろう。該 魚粉、羽毛紛および血粉は、例えばラルストン・プリナ（Ralston Purina）、シ ュルゲイン（Shurgain）、マスターフィーズ（Masterfeeds）、ADM & Purina Mi llsから市販されており入手できると認識されるであろう。 好ましい態様において、飼料添加物は１０〜３５％の羽毛紛を含み、好ましく は総飼料添加物の２０〜２５重量％を含み；１〜２０％の血粉、好ましくは総飼 料添加物の８〜１０重量％を含み；および３０〜５５％の魚粉、好ましくは総飼 料添加物の４０〜４５重量％を含む。 飼料添加物は軟精白小麦（soft white wheat）またはトウモロコシなどの炭水 化物画分を含むかもしれない。好ましくは、該飼料添加物は軟精白小麦を含む。 該飼料添加物は、炭水化物画分、タンパク質画分およびビタミン／ミネラル画 分塩を含む基本食餌に添加されるであろう。炭水化物画分の成分例は、コーンサ イレージ、アルファルファ干草、チモシー干草、小麦わら、大麦粒、キャノーラ 粉（canola meal）、オート麦粒、混合わらおよびトウモロコシが含まれる。ビ タミン／ミネラル画分の典型的な成分には、酸化マグネシウム、石灰石、塩化カ リウム、塩化ナトリウムおよび亜鉛、銅、マンガン、セレン、ビタミンＡ、Ｄお よびＥを含む微量ミネラル補足物を含む。これらの成分の市販元は、ラルストン ・プリナ、シュルゲイン、マスターフィールズ、ADM & Purina Millsである。典 型的なタンパク質食餌には、大豆粉、トウモロコシグルテン粉（corn gluten me al）、蒸留乾燥粒子（distillers dried grains）および肉粉（meat meal）を含 む。 飼料添加物を含む飼料は、乳牛の給餌のために小さくされるかまたは、該飼料 添加物および基本食は、総混合率または別個の成分として畜牛に与えられるかも しれない。 本発明の一態様において、飼料は（ａ）２〜１０％、好ましくは５〜７％の混 合わらを含む基本食；４０〜５５％、好ましくは４５〜４７％のコーンサイレー ジ；３５〜５０％、好ましくは４２〜４５％の高湿度トウモロコシ、および２〜 ４％のビタミン／ミネラル画分を含み、各パーセンテージは基本食餌の総重量に 対するパーセンテージである；および(b)０.５％〜５％羽毛紛、０.２％〜２％ の血粉および１〜８％のニシン粉（各パーセンテージは飼料の総重量に対するパ ーセンテージである）を含む飼料添加物を含むものであって、該飼料が提供され る。本発明の好ましい態様において、食品添加剤は４％羽毛紛；２％血紛および ８％ニシン粉（各パーセンテージは総食糧の総重量に対するパーセンテージであ る）を含み、提供される。 本発明はまた、乳牛に本発明の飼料添加物を含む飼料を少なくとも約１４日間 給餌し、ＤＨＡを強化した牛乳を得るために乳牛を搾乳することを含み、ＤＨＡ を強化した乳牛における牛乳を製造する方法にも関する。該畜牛は、飼料添加物 を含む基本食を与えられるか、または飼料添加物および基本食は総混合率または 別個の成分として畜牛に食餌を与えられるであろう。 畜牛は、好ましくは乳汁分泌期間中少なくとも１４日間、好ましくは１７日間 ずっと、牛乳中の長鎖脂肪酸の０.２％より多いＤＨＡ成分を有する圧搾乳を得 るために食餌を与えられる。典型的には、該畜牛は飼料添加物（基本食の一部を なすであろう）を飼料に入れて給餌され、１日２回与えられる。畜牛に与えられ る飼料添加物の量は、１日１動物当たり６００グラム〜７.５kgの範囲にわたる 。 ＤＨＡを強化した圧搾乳を製造するための本発明の方法は、乳牛の任意の血統 、例えば、エアシャー、ガーンジー、ホルシュタイン、ジャージー、ブラウンス イス、ダッチベルテッド（Dutch Belted）、カナディアン（Canadienne）および ミルキングショートホーン（Milking Shorthorn）のいずれかに応用されるであ ろう。本方法はまた、ＤＨＡを強化した圧搾乳を製造するために、ヒツジおよび ヤギなど他の反芻動物種に応用されると認識されるであろう。 本発明の方法によって製造されたＤＨＡを強化した乳牛からの圧搾乳は、概し て牛乳中の長鎖脂肪酸の０.１５％〜０.５５％の範囲にわたるＤＨＡ水準を含有 する。これらの水準は、ヒト圧搾乳水準と同等またはそれより高い。本発明の方 法を使用して得られた圧搾乳のＤＨＡ成分は、牛乳中のＤＨＡの世界保健機関推 奨レベル（０.２〜０.３％）と合致するかまたはそれを超えている。本発明の方 法によって製造されたＤＨＡを強化した牛乳の風味は変化せず、従ってヒトの消 費に適している。 他のＤＨＡ強化乳製品は、本明細書に記載の方法を用いて製造されることがで きると認識されるであろう。例えば、ＤＨＡを強化したチーズ、ヨーグルト、ク リーム、アイスクリーム、粉乳、エバミルク、幼児用調合乳およびバターは、本 発明の方法によって調製されたＤＨＡ強化圧搾乳を用いて製造されるであろう。 ＤＨＡを強化した本発明の牛乳および乳製品は、従来の乳製品より栄養学的に 優れている。該牛乳および乳製品は、脳の発達、視力および心臓脈管疾患に関す る多様な因子に関して特に利益となるであろう。本発明の利益はまた、ヒトの消 費に関するＤＨＡを強化した食品の製造を越えて拡張する。例えば、本発明の飼 料を与えられた乳牛は、ＤＨＡが動物において成長、発達および神経機能に必須 の栄養素であるので、オメガ−３脂肪酸に関連した改善された健康上の効果を示 すことを期待されることができる。 以下の非制限的な実施例は、本発明の例証である： 実施例実施例Ｉ−三つの別個のレベルの補足物でのＤＨＡ製造 ６頭の多重産ホルシュタイン乳牛のピークを過ぎた乳汁分泌が処理の３×２階 乗組み合わせでラテン方格にランダムに割り当てられた。ラテン方格法は残余効 果のためにバランスがとられている。その処理は：慣習的な反芻動物第一胃非分 解タンパク質補足物の３つの食餌水準および慣習的な反芻動物第一胃タンパク質 の基本率の２つの異なる食餌摂取水準であった。各６つの期間の長さは２１日間 であった。各２１日期間は３つの時期に分けた：（１）処理適応およびアドリブ 摂取のための７日間、（２）制限されたまたはアドリブの食物摂取（処理による ）のための１４日間、および（３）データ収集のための（２）の時期の最終５日 間（適切な測定が記録される）。 ウシは約６００および１４００時間で等量の１日２回の給餌される。搾乳は５ ００および１６００時間で１日２回行われた。個々の乳サンプルは午前および午 後の搾乳の両方から得られ、後者は各ウシからの各日の代表サンプルを得るため に製造に基づき保管される。 表１および２は、基本食の成分および慣習的な飼料補足物の成分をそれぞれ示 す。該タンパク質補足物を、総摂取量（食餌に基づく）の３つの水準での基本食 に添加した：低２.５％、中８.８％および高１８.５％である。表３は、飼料の パーセントとして、３つの補足物レベルにおける羽毛紛、血紛、およびニシン粉 の量を示している。 表１．低粗タンパク質飼料食糧表２．タンパク質補足物中の成分 表３．飼料中のパーセントとしてのタンパク質補足物の成分 飼料補足物を消費する動物において全く病的効果は観察されなかった。表４は 、飼料の消費をウシが初めて開始した２週間後の圧搾乳におけるＤＨＡ成分量を 示す（牛乳中の長鎖脂肪酸％）。牛乳産生および飼料の消費は、ウシが従来の飼 料を給餌された時に観察された産生／消費割合と同様であった。 オメガ−３脂肪酸分析をタンパク質補足物を含む飼料に関して行った。ＤＨＡ 、ＥＰＡ、ＤＨＡ＋ＥＰＡおよび飼料中の総オメガ−３は、それぞれ飼料におけ る総脂肪酸の６.５、４.３、１０.８および１２.９％であった。 表４．牛乳におけるＤＨＡ水準への慣習的な飼料補足物の及ぼす影響 実施例II−魚粉補足のみ ペレット化した魚粉を５頭のホルシュタイン乳牛に３週間与えた。魚粉を除い た飼料で、比較の目的で５頭のコントロールウシに与えた。 牛乳のサンプルを、すべてのウシからいずれの群にも全く魚粉が与えられてい ない０日で、脂肪酸分析のために採取した。牛乳のサンプルを、５頭が魚粉を食 べ尽くした２１日に、すべてのウシから採取した。結果は両日に関して両群で比 較した。ＥＰＡおよびＤＨＡをすべての長鎖脂肪酸の脂肪酸の基本パーセントに 関して表し、表５に示す。 表５．魚粉実験の結果 ＥＰＡの消費に関してコントロール群と魚粉群との間には有意差は見られなか ったが、第２１日の牛乳中のＤＨＡ濃度に関して両群間に有意差が存在した。 この実験において魚粉を補足したウシからのＤＨＡの平均濃度は、実施例Ｉの 魚粉補足同じ水準に関して報告されている０.１５レベルより有意に少なかった 。 好ましい態様における本発明の原理を例証および記載したので、当業者は本発 明がそのような原理から逸脱なしに配合および詳細において改変することができ ることを認識すべきであろう。本発明者らは以下の請求の範囲内に起こりうるす べての改変を請求する。 すべての刊行物、特許および特許出願を、各個々の刊行物、特許または特許出 願が具体的に、個々に全体として参照により包含されるべきであると示されるか のごとく、完全に同等程度まで参照のため本明細書に包含する。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年８月２１日（１９９８．８．２１） 【補正内容】 請求の範囲 １．羽毛粉および血粉を含むドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）源および乳牛の第１ 胃におけるドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）の微生物による分解のインヒビターを 含む乳牛のための飼料添加物。 ２．該ドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）源が魚粉である請求項１に記載のドコサヘ キサエン酸（ＤＨＡ）源を含む乳牛のための飼料添加物。 ３．請求項１または２に記載の飼料添加物含有飼料。 ４．羽毛紛および血粉を含むドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）源およびドコサヘキ サエン酸（ＤＨＡ）の微生物による分解のインヒビターを含む飼料添加物を含む 飼料を乳牛に少なくとも約１４日間給餌し、ドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）を強 化した牛乳を得るために乳牛を搾乳することを含む、乳牛におけるドコサヘキサ エン酸（ＤＨＡ）を強化した牛乳の製造方法。 ５．該ドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）源が魚粉である請求項４に記載の牛乳の製 造方法。 ６．請求項１に記載の飼料添加物を含む飼料を乳牛に少なくとも約１４日間給餌 し、該牛乳を得るために乳牛を搾乳することによって製造される、ドコサヘキサ エン酸（ＤＨＡ）を強化した乳牛からの圧搾乳。 ７．該飼料添加物が請求項２に記載される飼料添加物である請求項６に記載の乳 牛からの圧搾乳。 ８．請求項１に記載の飼料添加物を含む飼料を少なくとも約１４日間給餌し、ド コサヘキサエン酸（ＤＨＡ）を強化した牛乳を得るために乳牛を搾乳することに よって製造されるドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）を強化した乳牛からの圧搾乳を 用いて製造されたドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）強化乳製品。 ９．該飼料添加物が請求項２に記載されるものである請求項８に記載のドコサヘ キサエン酸（ＤＨＡ）強化乳製品。 １０．チーズ、ヨーグルト、クリーム、アイスクリーム、紛乳、エバミルク、幼 児用調合乳、またはバターである請求項８または９に記載のドコサヘキサエン酸 （ＤＨＡ）強化乳製品。 １１．該牛乳中の長鎖脂肪酸のパーセンテージとして０.２％〜０.５％のドコサ ヘキサエン酸（ＤＨＡ）を含む請求項６または７に記載の圧搾乳。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ， ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ， ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ライト，トーマス・シー カナダ、エヌ１ジー・２ダブリュー６、オ ンタリオ、グエルフ、スコッツデイル・ド ライブ437番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ＤＨＡおよび乳牛の第１胃におけるＤＨＡの微生物による分解のインヒビタ ーを含む乳牛のための飼料添加物。 ２．ＤＨＡ含有羽毛紛、血紛および魚粉を含む請求項１に記載の飼料添加物。 ３．請求項１または２に記載の飼料添加物含有飼料。 ４．乳牛に本発明の飼料添加物を含む飼料を少なくとも約１４日間与えて、ＤＨ Ａを強化した牛乳を得るために乳牛を搾乳することを含む、乳牛におけるＤＨＡ を強化した牛乳の製造方法。 ５．請求項１に記載の飼料添加物を含む飼料を少なくとも約１４日間与えて、Ｄ ＨＡを強化した牛乳を得るために乳牛を搾乳することによって製造される、ＤＨ Ａを強化した乳牛からの圧搾乳。 ６．請求項１に記載の飼料添加物を含む飼料を少なくとも約１４日間与えて、Ｄ ＨＡを強化した牛乳を得るために乳牛を搾乳することによって製造されるＤＨＡ を強化した乳牛からの圧搾乳を用いて製造されたＤＨＡ強化乳製品。 ７．チーズ、ヨーグルト、クリーム、アイスクリーム、紛乳、エバミルク、幼児 用調合乳、またはバターである請求項６に記載のＤＨＡ強化乳製品。 ８．該牛乳中の長鎖脂肪酸のパーセンテージとして０.２％〜０.５％のＤＨＡを 含む請求項５に記載の圧搾乳。