JP2658790B2

JP2658790B2 - エアバッグ装置

Info

Publication number: JP2658790B2
Application number: JP4352650A
Authority: JP
Inventors: 野正次水
Original assignee: IKEDA BUTSUSAN KK
Current assignee: IKEDA BUTSUSAN KK
Priority date: 1992-12-10
Filing date: 1992-12-10
Publication date: 1997-09-30
Anticipated expiration: 2012-09-30
Also published as: JPH06171449A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両等の衝突の際に乗
員を保護するエアバッグ装置に関し、更に詳細に説明す
ると、ベースプレートに固着されたガス発生器と、該ガ
ス発生器よりのガスが流入するガス注入口を有し、前記
ベースプレートに固着されたエアバッグ本体と、前記エ
アバッグ本体を収納状態で被覆し、前記ベースプレート
に周縁部が固着されたカバー部材とを備えるエアバッグ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、車両等の乗員の保護装置とし
てエアバッグ装置が知られている。この保護装置として
は、特公昭５６−４３８９０号公報や、実開昭６１−１
８５６４２号公報等が存在する。

【０００３】図５及び図６に示す如く、助手席側のエア
バッグ装置１１はコンソールボックス１２の上方に配設
され、且つ、インストルメントパネル１３の一部に設け
たディプロイメントドア１５の内側と対向する位置に配
置されている。このエアバッグ装置１１の配設方式とし
て、前記コンソールボックス１２の物入れスペースを減
少させる縦長状態のミッドマウント方式と、前記コンソ
ールボックス１２の物入れスペースを減少させない横長
状態のトップマウント方式とが存在する。

【０００４】図５に示す如く、エアバッグ装置１１は、
車体フレーム１７に固定ブラケット等を介して固定され
たベースプレート１を有し、このベースプレート１にガ
ス発生器２が固着され、ガス注入口４を有するエアバッ
グ本体３がリテーナ５を介してリベット６またはボルト
等により固着され、前記ガス発生器２が所定の条件のも
とで作動した場合に、ガス発生器２から発生するガスが
瞬間的にエアバッグ本体３内に流入し、エアバッグ本体
３が瞬時に膨出するようになされている。

【０００５】前記エアバッグ本体３は折畳んだ状態で、
合成樹脂製のカバー部材７により被覆され、位置規制さ
れ、車両等のインストルメントパネル側の部品等にエア
バッグ本体３が当接しないようになされている。前記カ
バー部材７の周縁部７ａがベースプレート１の端部１ａ
に押えプレート９を介してリベット８またはボルト等に
より固着されている。そして前記エアバッグ本体３の膨
出時にカバー部材７の上面に形成された薄肉部７ｂが破
断し、エアバッグ本体３が前方に膨出するようになされ
ている。

【０００６】従来のエアバッグ装置１１においては、エ
アバッグ本体３の膨出時に、カバー部材７の上面に形成
された薄肉部７ｂが破断し、インストルメントパネル１
３の一部に設けたディプロイメントドア１５がヒンジ部
１５ａを中心に回動し、このディプロイメントドア１５
の展開によりエアバッグ本体３が膨出し、着座者を拘束
し得るようになされている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、従来のミッ
ドマウント方式のエアバッグ装置１１を横長状態のトッ
プマウント方式で使用する場合においては、図６に示す
如く、エアバッグ本体３が膨出展開する際に、ディプロ
イメントドア１５がヒンジ部１５ａを中心に回動し、デ
ィプロイメントドア１５の先端がフロントガラス１８に
衝突し、フロントガラス１８を破壊する虞れを有してい
た。

【０００８】また、エアバッグ本体３が膨出展開する際
に、ディプロイメントドア１５のヒンジ部１５ａを直撃
し、ヒンジ機能を破損させ、インストルメントパネル１
３を所望としない状態で破壊する虞れを有していた。ま
た、ミッドマウント方式のエアバッグ装置１１において
も、エアバッグ本体３の膨出方向を規制することができ
ず、乗員の確実な拘束性を得ることができないものであ
った。

【０００９】本発明の目的は、エアバッグ本体の膨出方
向を規制することができ、乗員の確実な拘束性を得るこ
とができ、またエアバッグ装置を横長状態のトップマウ
ント方式で使用する場合において、ディプロイメントド
アの受圧面を小さくし、且つ開口部を小さくすることに
より、ディプロイメントドアの先端がフロントガラスに
衝突するのを防止し、フロントガラスが破壊するのを防
止することができる安全性に優れたエアバッグ装置を提
供するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のエアバッグ装置
は、上述せる課題に鑑みてなされたもので、ベースプレ
ートに固着されたガス発生器と、該ガス発生器よりのガ
スが流入するガス注入口を有し、前記ベースプレートに
固着されたエアバッグ本体と、前記エアバッグ本体を収
納状態で被覆し、前記ベースプレートに周縁部が固着さ
れたカバー部材とを備えるエアバッグ装置において、前
記カバー部材の周縁部にエアバッグ本体の膨出方向を規
制するガイドプレートが設けられ、前記ガイドプレート
が前後に分割された前部ガイドプレート及び後部ガイド
プレートより形成され、前部ガイドプレート及び後部ガ
イドプレートの先端間に開口部が形成されていることを
特徴とする。

【００１１】また、本発明のエアバッグ装置は、ガイド
プレートにエネルギー吸収用の複数の小孔が穿設され、
且つ補強用のビードが形成されていることを特徴とす
る。

【００１２】

【作用】本発明に依れば、カバー部材の周縁部にエアバ
ッグ本体の膨出方向を規制するガイドプレートが設けら
れ、エアバッグ本体の膨出方向を規制することができ、
乗員の確実な拘束性を得ることができ、ディプロイメン
トドアの受圧面を小さくし、且つ開口部を小さくするこ
とができ、ディプロイメントドアの先端がフロントガラ
スに衝突するのを防止し、フロントガラスが破壊するの
を防止することができる。また、トップマウント方式の
エアバッグ装置に用いることができ、この場合コンソー
ルボックスの物入れスペースを増大させることができ
る。また、ガイドプレートが前後に分割された前部ガイ
ドプレート及び後部ガイドプレートより形成され前部ガ
イドプレート及び後部ガイドプレートの先端間に開口部
が形成されているので、形状や強度の設計変更を部分的
に行うことができ、また複雑な形状であっても製造を簡
易に行える。

【００１３】更に、本発明によれば、ガイドプレートに
エネルギー吸収用の複数の小孔が穿設され、且つ補強用
のビードが形成されているので、ガイドプレートを薄く
形成でき、軽量化が図れ、またエアバッグ本体の膨出時
にガイドプレートが適度に変形することができ、このガ
イドプレートの適度の変形により、ディプロイメントド
アに与えられる衝撃を緩衝させることができる。

【００１４】

【実施例】以下本発明に係るエアバッグ装置を図面を参
照して詳述する。図１（ａ），（ｂ），（ｃ）及び図２
（ａ），（ｂ）には本発明の一実施例の概略が夫々示さ
れており、エアバッグ装置２１はインストルメントパネ
ル側である助手席側のエアバッグ装置として説明する
が、ステアリング側またはサイドドア側及び後席側等を
固定側として取付けられるエアバッグ装置に用いること
もできる。

【００１５】図１（ｃ）に示す如く、助手席側のエアバ
ッグ装置２１は、本実施例ではトップマウント方式のエ
アバッグ装置に適用したものであり、このエアバッグ装
置２１はベースプレート２２と、このベースプレート２
２にリテーナ２５を介して固着されるエアバッグ本体２
３及びカバー部材２７等から構成されている。尚、リテ
ーナ２５及びエアバッグ本体２３にはビス止め用の透孔
が夫々形成されている。

【００１６】前記ベースプレート２２には２個のガス発
生器３１，３１がボルト，ナット等により固着され、ガ
ス噴出口３３側がベースプレート２２に形成された透孔
２２ａから前方に突出するようになされている。尚ガス
発生器３１は１個または３個以上とすることも勿論可能
であり、またガス発生器３１はディスクタイプ、シリン
ダータイプの何れを用いることもできる。

【００１７】前記エアバッグ本体２３の端部はリテーナ
２５を介してリベット３５等によりベースプレート２２
に固着され、エアバッグ本体２３は折り畳んだ状態でカ
バー部材２７により被覆されている。このカバー部材２
７は下方が開放された箱状に形成され、その周縁部２７
ａに穿設された複数のビス穴２７ｂにビス３７が挿通さ
れてベースプレート２２に固着されている。

【００１８】ベースプレート２２の周縁部２２ｂにビス
穴２２ｃが穿設され、このビス穴２２ｃに前記ビス３７
が挿通され、カバー部材２７が固着されている。前記カ
バー部材２７の周縁部２７ａにはエアバッグ本体２３の
膨出方向を規制するガイドプレート４１が前記ビス３７
により一体に取付られている。尚ビス３７に代えて異な
るビスを用いてもよい。

【００１９】本実施例におけるガイドプレート４１の下
部側の外周縁は前記カバー部材２７の周縁部２７ａの略
全周に亘って形成された場合が示されており、且つ、ガ
イドプレート４１が前後に分割された前部ガイドプレー
ト４２及び後部ガイドプレート４３より形成されてい
る。

【００２０】また、前部ガイドプレート４２及び後部ガ
イドプレート４３の先端間に開口部４５が形成されてい
る。前部ガイドプレート４２は後部ガイドプレート４３
に比較して大きく形成され、また前部ガイドプレート４
２は、図３に示す如く、フロントガラス１８側のベース
プレート２２に固着され、また後部ガイドプレート４３
は着座者側のベースプレート２２に固着されている。

【００２１】前記前部ガイドプレート４２及び後部ガイ
ドプレート４３には補強用のビード４７が横方向に延び
または傾斜して適宜の形状で形成されている。尚、図１
（ａ），（ｂ），（ｃ）及び図２（ａ），（ｂ）中、符
号４８，４９は車体フレーム１７に固着するための固定
ブラケットである。また補強用のビード４７と共に、後
述するエネルギー吸収用の複数の小孔５１を穿設するこ
とができる。

【００２２】前記前部ガイドプレート４２及び後部ガイ
ドプレート４３の下部側の外周縁は、前記カバー部材２
７の周縁部２７ａに沿って形成され、図２（ａ）に示す
如く、平面より見て略コ字状に形成されている。この略
コ字状の両端部が夫々オーバーラップされて溶着され、
カバー部材２７の周縁部２７ａの全周に亘ってガイドプ
レート４１の下部側の周縁部が固着されるようになされ
ている。

【００２３】前記前部ガイドプレート４２は図１（ｂ）
に示す如く、側断面略円弧状に形成され、カバー部材２
７の上端位置より更に後部ガイドプレート４３の上端位
置方向に延びて形成されている。また、後部ガイドプレ
ート４３はカバー部材２７の上端位置まで延び、比較的
緩やかな弯曲面に形成されている。

【００２４】尚、前部ガイドプレート４２及び後部ガイ
ドプレート４３の形状は図示のものに限定されるもので
はなく、種々変形することができるものである。また、
ガイドプレート４１は前後に分割されるものに限定され
るものではなく、一体に形成されたものであってもよ
い。

【００２５】従って、図３に示す如く、エアバッグ本体
２３が膨出した際に、前部ガイドプレート４２及び後部
ガイドプレート４３からなるガイドプレート４１によ
り、エアバッグ本体２３の膨出方向が規制され、ディプ
ロイメントドア１５の受圧面を小さくし、且つ開口部４
５を小さくすることができ、ディプロイメントドア１５
の先端がフロントガラス１８に衝突することがない。

【００２６】図４（ａ）及び（ｂ）には、本発明に係わ
るエアバッグ装置２１の異なる実施例が示されており、
前述せる実施例と対応する部分には同一符号を付して、
これ以上の詳細説明は省略するも、ミッドマウント方式
のエアバッグ装置２１に本発明を適用したものである。

【００２７】このエアバッグ装置２１のガイドプレート
４１は、カバー部材２７の周縁部２７ａの一部である下
部側に設けられ、ミッドマウント方式のエアバッグ装置
２１のエアバッグ本体２３が下部側に膨出し過ぎないよ
うになされている。

【００２８】カバー部材２７の下部周縁部２７ｃにエア
バッグ本体２３の膨出方向を規制するガイドプレート４
１が設けられている。このガイドプレート４１は平面か
ら見て略コ字状に形成され、前記カバー部材２７の下部
周縁部２７ｃの略コ字状部に沿って固着される。またガ
イドプレート４１が設けられていないカバー部材２７の
上部周縁部２７ｄには押えプレート５３が設けられ、カ
バー部材２７の上部周縁部２７ｄがベースプレート２２
の上部周縁部２２ｂに押圧状態で固着されている。

【００２９】更に、本実施例に依れば、ガイドプレート
４１にエネルギー吸収用の複数の小孔５１が穿設されて
いる。この複数の小孔５１により、エアバッグ本体２３
の膨出時にガイドプレート４１が適度に変形することが
でき、このガイドプレート４１の適度の変形により、デ
ィプロイメントドア１５に与えられる衝撃を緩衝させる
ことができる。尚、このエネルギー吸収用の複数の小孔
５１を前記実施例における前部ガイドプレート４２及び
後部ガイドプレート４３に形成することもでき、また小
孔５１と補強用ビード４７を共に設け、または選択的に
設けることができる。

【００３０】

【発明の効果】以上が本発明に係るエアバッグ装置の一
実施例の構成であるが、斯る構成に依れば、カバー部材
の周縁部にエアバッグ本体の膨出方向を規制するガイド
プレートが設けられ、前記ガイドプレートが前後に分割
された前部ガイドプレート及び後部ガイドプレートより
形成され、前部ガイドプレート及び後部ガイドプレート
の先端間に開口部が形成されているので、エアバッグ本
体の膨出方向を規制することができ、乗員の確実な拘束
性を得ることかでき、ディプロイメントドアの受圧面を
小さくし、且つ開口部を小さくすることができ、ディプ
ロイメントドアの先端がフロントガラスに衝突するのを
防止し、フロントガラスが破壊するのを防止することが
できる。またガイドプレートの形状や強度の設計変更を
部分的に行うことができ、また複雑な形状であってもプ
レス工程等を著しく簡易に行え、またフランジ部等のプ
レス工程を精度よく行え、品質の安定性が得られる。更
にガイドプレートが前後に分割構成されているので、略
コ字状の片面設定タイプのものと、カバー部材の外周全
面設定の何れにも兼用することができる。

【００３１】更に、本発明に依れば、ガイドプレートに
エネルギー吸収用の複数の小孔が穿設され、且つ補強用
のビードが形成されているので、ガイドプレートを薄く
形成でき、軽量化が図れ、またエアバッグ本体の膨出時
にガイドプレートが適度に変形することができ、このガ
イドプレートの適度の変形により、ディプロイメントド
アに与えられる衝撃を緩衝させることができ、安全性を
更に向上させることのできるエアバッグ装置を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るエアバッグ装置を示すもので、
（ａ）は側面図、（ｂ）は側断面図、（ｃ）はガイドプ
レートを取り外した状態の分解斜視図。

【図２】本発明に係るエアバッグ装置を示すもので、
（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図。

【図３】本発朋に係るエアバッグ装置の作動状態の側面
説明図。

【図４】本発明に係るエアバッグ装置の異なる実施例を
示すもので、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図。

【図５】従来のエアバッグ装置を示す概略断面図。

【図６】従来のエアバッグ装置の作動状態の側面説明
図。

【符号の説明】

２１エアバッグ装置２２ベースプレート２２ａ透孔２３エアバッグ本体２５リテーナ２７カバー部材２７ａ周縁部２７ｂビス穴２７ｃ下部周縁部２７ｄ上部周縁部３１ガス発生器４１ガイドプレート４２前部ガイドプレート４３後部ガイドプレート４５開口部４７ビード５１小孔５３押えプレート

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ベースプレートに固着されたガス発生器
と、該ガス発生器よりのガスが流入するガス注入口を有
し、前記ベースプレートに固着されたエアバッグ本体
と、前記エアバッグ本体を収納状態で被覆し、前記ベー
スプレートに周縁部が固着されたカバー部材とを備える
エアバッグ装置において、前記カバー部材の周縁部にエ
アバッグ本体の膨出方向を規制するガイドプレートが設
けられ、前記ガイドプレートが前後に分割された前部ガ
イドプレート及び後部ガイドプレートより形成され、前
部ガイドプレート及び後部ガイドプレートの先端間に開
口部が形成されていることを特徴とするエアバッグ装
置。
【請求項２】前記ガイドプレートにエネルギー吸収用
の複数の小孔が穿設され、且つ補強用のビードが形成さ
れていることを特徴とする請求項１に記載のエアバッグ
装置。