JP2658689C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、人体等の体腔内に挿入されて、超音波送信号の受信を行うことによ
って、体内組織の状態を検査するための超音波プローブに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 超音波検査装置としては、体外皮から体内に向けて超音波信号の送受信を行う
ものが用いられているが、近年においては、より高精度な検査を可能ならしめる
ために、体内に挿入して、体腔内壁から直接検査を行う部位に向けて超音波信号
の送受信を行う構成としたものが用いられるようになってきている。ここで、体
内挿入タイプの超音波検査装置は、一般に、術者が把持して操作するための操作
部に、体腔内に挿入される挿入部を連設してなる超音波プローブと、超音波送受
信回路,受信信号の信号処理回路及び超音波画像を表示するモニタからなる超音
波観測装置とで大略構成される。 【0003】 超音波プローブにおける挿入部は、その大半が挿入経路に沿って自由に曲がる
軟性部からなり、この軟性部の先端には超音波振動子が装着されている先端硬質 部が連設されている。また、挿入部における軟性部と先端硬質部との間にアング
ル部を設けたものもある。このアングル部は節輪構造からなり、このアングル部
に挿通した操作ワイヤを押し引き操作することによって、超音波振動子を装着し
た先端硬質部を所望の方向に向ける構成となっている。ここで、アングル部は、
超音波プローブをそれ自体単独で体内等に挿入する場合には設ける必要はあるが
、内視鏡等のガイド手段によって所定の超音波検査を行う部位にまで先端硬質部
を導くことができる場合にはアングル部を設ける必要はない。 【0004】 而して、超音波プローブの挿入部を体内における所定の超音波観測を行う位置
にまで導いて、超音波送受信回路からの信号に基づいて超音波振動子を作動させ
て、体内に向けて超音波パルスを入射して、その反射エコーを受信し、この受信
信号を信号処理回路において、所定の信号処理を行った上で、モニタに超音波画
像が表示される。このようにして体内の組織細胞の状態の検査が行われるが、超
音波の送受信インピーダンスを大きくして、送受信効率を向上させるためには、
超音波振動子にコイルを並列に設けて、超音波振動子の制限容量に対して等しい
共振周波数となるようにするが、このコイルは、通常、挿入部の小型化等の見地
から、操作部内に中継基板を設け、この中継基板に搭載するようにしていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、超音波振動子から中継基板までの間は、例えば同軸ケーブルが介装
されるようになっており、この同軸ケーブルには分布容量が存在する。従って、
コイルによる共振特性は、この同軸ケーブルの分布容量等によって当然に影響を
受けることから、コイルの巻き数等をこの分布容量を考慮して設定しなければな
らず、回路設計が困難になると共に、共振特性に十分な安定性が得られない等と
いった不都合を生じる。この結果、目的とする送受信インピーダンスが得られず
、送受信効率が低下して、S/Nが悪化するという等といった欠点がある。 【0006】 本発明は、以上のような従来技術の持つ欠点や問題点を解決するために、コイ
ルを同軸ケーブルの分布容量等の影響を受けない位置に配設することを目的とし てなされたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために、本発明は、体腔等の内部に挿入される挿入部を、
少なくとも内部にケーブルを挿通した軟性部材からなる軟性部と、超音波振動子
を装着した先端硬質部とから構成し、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通さ
れる超音波プローブにおいて、前記軟性部の先端側であって、前記先端硬質部が
前記内視鏡の処置具挿通チャンネルから最も突出した状態に組み込まれた時にそ
のアングル部より基端側の位置にコイルを設け、このコイルを前記超音波振動子
の両電極からの配線に接続する構成としたことをその特徴とするものである。 【0008】 【作用】 コイルを超音波振動子に近接させて設けることによって、同軸ケーブルの分布
容量等の影響を排除する。ここで、超音波振動子の配設位置に最も近い位置は挿
入部における先端硬質部である。ただし、先端硬質部は、その性質上、太径化さ
せてはならない。このことは、超音波プローブが、それ自体で体腔内に挿入され
るタイプのものであれ、内視鏡の処置具挿通チャンネル等のガイド手段を利用し
て体腔等の内部に挿入されるタイプのものであれ、挿入部の細径化は必須の要件
である。また、この細径化ほど重要ではないが、先端硬質部が軸線方向に長くな
っても、やはり挿入操作性に問題が生じる。 【0009】 いま、超音波プローブによる検査の方式を考えた場合において、代表的なもの
として、Aモード,Mモード及びBモード画像を取得する方式がある。これら各
種のモードによる超音波画像取得方式のうち、Aモード及びMモードの超音波画
像を取得するには、単板の超音波振動子を設ければ良い。また、Bモード画像を
取得する場合にあっても、その走査方式がメカニカル走査では、単板の振動子が
用いられる。ただし、Bモード超音波画像を取得する場合のうち、電子走査方式
は、多数の振動子を並べて設ける必要があり、この場合だけは複数の超音波振動
子を並べる関係から、複数のコイルを設けるか、またはコイルと超音波振動子と の間に電子スイッチを設けなければならない。 【0010】 以上のことから、単板振動子が用いられるAモード,Mモード及びメカニカル
走査のBモードの各方式で作動するタイプの超音波プローブにあっては、コイル
は1個設ければ良いことから、その配置如何によっては、挿入部を太径化するこ
となくコイルを超音波振動子の近傍位置に配設することは可能である。ここで、
超音波プローブの挿入部は、先端硬質部に超音波振動子が装着されるが、この超
音波振動子は、それから出射される超音波ビームのパワーを大きくするために、
ある程度の表面積及び厚みが必要であり、かつその超音波の送受信面側に超音波
ビームを絞るための音響レンズが装着され、また裏面側にはバッキング部材が装
着される関係から、この超音波振動子が装着される先端硬質部の外径寸法はある
一定の大きさを必要とする。これに対して、軟性部の内部には超音波振動子に接
続したケーブルを挿通させなければならないが、このケーブル以外の部材は必ず
しも挿通させる必要はない。しかも、単板振動子の場合には、同軸ケーブル1本
を挿通させれば良いことになり、従ってこの軟性部にはかなりの余分なスペース
を有する。軟性部を先端硬質部の直径より小さくしたとしても、先端硬質部の直
径を変えない限り、体腔内または内視鏡の処置具挿通チャンネル内への挿入操作
性が改善される訳ではない。 【0011】 そこで、本発明においては、軟性部における余分なスペースを利用するように
している。而して、超音波プローブを内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通し
て、先端硬質部がこの処置具挿通チャンネルから最も突出した状態に組み込まれ
た時に、その軟性部の先端近傍位置であり、かつ内視鏡のアングル部より基端側
の位置にコイルを配設する構成とした。即ち、超音波振動子からの配線を軟性部
内にまで導いて、この軟性部における先端硬質部に近い位置に配設したコイルに
接続する。そして、このコイルからの配線を同軸ケーブルに挿通して、操作部に
まで延在させる。これによって、コイルは超音波振動子に極めて近い位置に配置
されることになって、その共振特性が安定し、送受信インピーダンスを高められ
て送受信効率が向上して、S/Nが良好となる。 【0012】 ここで、コイルは比較的小さな電子部品であることから、軟性部内のスペース
に十分収まるために、挿入部が太径化することはない。また、コイルの配設部分
は硬質となるが、このコイルの配設部分は先端硬質部とは離れた位置で、挿入部
全体における硬質部分が分散されることになり、しかもこのコイルを設けること
により生じる軟性部内における硬質部分の長さは極めて小さい。従って、軟性部
にコイルを配設しても、挿入部の体腔内への挿入操作性、または内視鏡の処置具
挿通チャンネルへの挿入操作性が損なわれるおそれはない。 【0013】 超音波プローブの挿入部は内視鏡のアングル部を通過するが、このアングル部
は、例えば180°以上というように、急激な角度で湾曲されることになる。従
って、コイルはこのように急激な角度で湾曲される部位を避けた位置に配設する
のが、アングル操作の操作性及びコイルの保護といった観点から必要となる。こ
のように、内視鏡の処置具挿通チャンネルをガイドとする場合には、超音波プロ
ーブの先端を処置具挿通チャンネルから最も突出させたときに、内視鏡側の挿入
部におけるアングル部の位置より基端側の位置に配置する。 【0014】 【実施例】 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 まず、図1に超音波プローブの概略構成を、図2にその挿入部の構成をそれぞ
れ示す。ここで、同図に示されている超音波プローブPは、内視鏡Sの挿入部I
に設けた処置具挿通チャンネルCに挿通されてガイドされるものであり、かつ先
端部分が回転可能となったものである。 【0015】 而して、同図から明らかなように、超音波プローブPは、操作部1と、挿入部
2及び超音波観測装置(図示せず)に接続されるケーブル3とから大略構成され
る。挿入部2は、その基端部側に操作部1に着脱可能に連結されるコネクタ20
が設けられ、この基端側から大半の部分は可撓性チューブからなる軟性部21で
あって、この軟性部21の先端部には先端硬質部22が連設されている。先端硬 質部22には、その中間部分を切り欠くことにより平坦部22aが形成されてお
り、この平坦部22aには単板からなる超音波振動子4が装着されている。この
超音波振動子4の超音波送受信面側には音響レンズ5が積層され、また裏面側に
はバッキング部材16が装着されている。 【0016】 超音波振動子4は、図3にも示されているように、圧電素子4aの一面側に表
側電極4bを設け、これとは反対側の面には裏側電極4cが設けられている。そ
して、これら両電極4b,4cに接続した配線5a,5bは軟性部21内にまで
延在されて、超音波振動子4の制限容量と共振周波数となるようにするためのコ
イル6に接続されている。このコイル6は軟性部21内に装着されており、また
コイル6からの配線7a,7bは軟性部21内に挿通した同軸ケーブル8に挿通
されて、操作部1から超音波観測装置に接続されるケーブル3にまで引き回され
ている。 【0017】 ここで、超音波プローブPは内視鏡Sの処置具挿通チャンネルCをガイドとし
て体内に挿入されるが、この内視鏡Sにおける挿入部Iには、その軟性部Fにア
ングル部Aが連設されて、処置具挿通チャンネルCの開口部が設けられている先
端硬質部Rを所望の方向に向けるために、このアングル部Aは180°以上とい
った急激な角度で曲がるようになっている。従って、コイル6は処置具挿通チャ
ンネルCから超音波プローブPの挿入部2を最も突出させたときに、内視鏡Sの
挿入部Iにおけるアングル部Aの位置より基端側、即ち軟性部F内の位置に配設
されている。なお、図中において、9は先端硬質部22の配線挿通用の開口22
bをシールするためのシール部材である。また、コイル6を軟性部21内におい
て安定的に保持するためには、この軟性部21内におけるコイル6の配設部にシ
ール剤10を充填しておくことができる。 【0018】 本実施例は以上のように構成されるものであって、この超音波プローブPは図
1から明らかなように、内視鏡Sの処置具挿通チャンネルCを介して体内の所定
の位置にまで導かれて、当該の部位で体腔内壁から超音波信号の送受信を行うこ とによって超音波検査が行われる。即ち、挿入部2を内視鏡Sの先端から所定長
さ導出させた状態から、それを内視鏡Sの内部に引き込む方向に変位させ、この
間に超音波振動子4から超音波パルスを所定の移動距離毎に体内に向けて入射し
て、その反射エコーを受信することによりメカニカルリニア走査が行われ、この
超音波受信信号は超音波観測装置に伝送されて、この超音波観測装置によって所
定の信号処理が行われて、モニタ画面に超音波画像が表示される。 【0019】 ところで、コイル6は挿入部2内の比較的超音波振動子4に近い位置に置かれ
ているから、同軸ケーブル8の分布容量等の影響を受けることがなく、共振特性
を極めて安定した状態に保持することができる。従って、超音波の送受信インピ
ーダンスを高めることができて、送受信効率が極めて良好となり、S/Nの向上
が図られる。 【0020】 而して、コイル6は先端硬質部22には配設されていないために、先端硬質部
22が直径方向にも、また軸線方向にも大型化することはない。そして、コイル
6は、その走査が行われる状態、即ち走査ストロークにおける最先端位置にまで
超音波プローブPの挿入部2を突出させても、内視鏡Sの挿入部Iにおいて、急
激な角度で曲げられるアングル部Aの位置より基端側の軟性部Fに位置している
ので、この軟性部Fは挿入経路に沿って曲げられるにしても、あまり急激に曲が
らないので、アングル操作の操作性に支障を来すようなことはなく、またコイル
6が損傷するおそれもない。しかも、コイル6は比較的小さな電子部品である。
これらから、挿入部2の全体から見たときに、硬質部分は、先端硬質部22と軟
性部21におけるコイル6の配設部のみであり、しかも硬質部分は2箇所に分散
していることから、処置具挿通チャンネルC内への挿入操作性が損なわれること
はない。 【0021】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明は、コイルを軟性部の先端部近傍であって、しか
も超音波プローブを内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通して、先端硬質部が この処置具挿通チャンネルから最も突出した状態に組み込まれた時に、この内視
鏡のアングル部より基端側の位置に 設ける構成としたので、共振特性を極めて安
定した状態に保持することができ、超音波の送受信インピーダンスを高めること
ができて、送受信効率が極めて良好となり、S/Nの向上が図られ、しかも挿入
部を太径化することがなく、またその硬質部分を2箇所の小さな部位となるよう
に分散させているので、内視鏡の処置具挿通チャンネル等のガイド部材への挿入
操作の操作性が損なわれず、さらに電子部品からなるコイルは内視鏡の処置具挿
通チャンネルを避けた位置に配置されるので、アングル操作時にもコイルが損傷
するおそれはない等といった諸効果を奏する。
って、体内組織の状態を検査するための超音波プローブに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 超音波検査装置としては、体外皮から体内に向けて超音波信号の送受信を行う
ものが用いられているが、近年においては、より高精度な検査を可能ならしめる
ために、体内に挿入して、体腔内壁から直接検査を行う部位に向けて超音波信号
の送受信を行う構成としたものが用いられるようになってきている。ここで、体
内挿入タイプの超音波検査装置は、一般に、術者が把持して操作するための操作
部に、体腔内に挿入される挿入部を連設してなる超音波プローブと、超音波送受
信回路,受信信号の信号処理回路及び超音波画像を表示するモニタからなる超音
波観測装置とで大略構成される。 【0003】 超音波プローブにおける挿入部は、その大半が挿入経路に沿って自由に曲がる
軟性部からなり、この軟性部の先端には超音波振動子が装着されている先端硬質 部が連設されている。また、挿入部における軟性部と先端硬質部との間にアング
ル部を設けたものもある。このアングル部は節輪構造からなり、このアングル部
に挿通した操作ワイヤを押し引き操作することによって、超音波振動子を装着し
た先端硬質部を所望の方向に向ける構成となっている。ここで、アングル部は、
超音波プローブをそれ自体単独で体内等に挿入する場合には設ける必要はあるが
、内視鏡等のガイド手段によって所定の超音波検査を行う部位にまで先端硬質部
を導くことができる場合にはアングル部を設ける必要はない。 【0004】 而して、超音波プローブの挿入部を体内における所定の超音波観測を行う位置
にまで導いて、超音波送受信回路からの信号に基づいて超音波振動子を作動させ
て、体内に向けて超音波パルスを入射して、その反射エコーを受信し、この受信
信号を信号処理回路において、所定の信号処理を行った上で、モニタに超音波画
像が表示される。このようにして体内の組織細胞の状態の検査が行われるが、超
音波の送受信インピーダンスを大きくして、送受信効率を向上させるためには、
超音波振動子にコイルを並列に設けて、超音波振動子の制限容量に対して等しい
共振周波数となるようにするが、このコイルは、通常、挿入部の小型化等の見地
から、操作部内に中継基板を設け、この中継基板に搭載するようにしていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、超音波振動子から中継基板までの間は、例えば同軸ケーブルが介装
されるようになっており、この同軸ケーブルには分布容量が存在する。従って、
コイルによる共振特性は、この同軸ケーブルの分布容量等によって当然に影響を
受けることから、コイルの巻き数等をこの分布容量を考慮して設定しなければな
らず、回路設計が困難になると共に、共振特性に十分な安定性が得られない等と
いった不都合を生じる。この結果、目的とする送受信インピーダンスが得られず
、送受信効率が低下して、S/Nが悪化するという等といった欠点がある。 【0006】 本発明は、以上のような従来技術の持つ欠点や問題点を解決するために、コイ
ルを同軸ケーブルの分布容量等の影響を受けない位置に配設することを目的とし てなされたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために、本発明は、体腔等の内部に挿入される挿入部を、
少なくとも内部にケーブルを挿通した軟性部材からなる軟性部と、超音波振動子
を装着した先端硬質部とから構成し、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通さ
れる超音波プローブにおいて、前記軟性部の先端側であって、前記先端硬質部が
前記内視鏡の処置具挿通チャンネルから最も突出した状態に組み込まれた時にそ
のアングル部より基端側の位置にコイルを設け、このコイルを前記超音波振動子
の両電極からの配線に接続する構成としたことをその特徴とするものである。 【0008】 【作用】 コイルを超音波振動子に近接させて設けることによって、同軸ケーブルの分布
容量等の影響を排除する。ここで、超音波振動子の配設位置に最も近い位置は挿
入部における先端硬質部である。ただし、先端硬質部は、その性質上、太径化さ
せてはならない。このことは、超音波プローブが、それ自体で体腔内に挿入され
るタイプのものであれ、内視鏡の処置具挿通チャンネル等のガイド手段を利用し
て体腔等の内部に挿入されるタイプのものであれ、挿入部の細径化は必須の要件
である。また、この細径化ほど重要ではないが、先端硬質部が軸線方向に長くな
っても、やはり挿入操作性に問題が生じる。 【0009】 いま、超音波プローブによる検査の方式を考えた場合において、代表的なもの
として、Aモード,Mモード及びBモード画像を取得する方式がある。これら各
種のモードによる超音波画像取得方式のうち、Aモード及びMモードの超音波画
像を取得するには、単板の超音波振動子を設ければ良い。また、Bモード画像を
取得する場合にあっても、その走査方式がメカニカル走査では、単板の振動子が
用いられる。ただし、Bモード超音波画像を取得する場合のうち、電子走査方式
は、多数の振動子を並べて設ける必要があり、この場合だけは複数の超音波振動
子を並べる関係から、複数のコイルを設けるか、またはコイルと超音波振動子と の間に電子スイッチを設けなければならない。 【0010】 以上のことから、単板振動子が用いられるAモード,Mモード及びメカニカル
走査のBモードの各方式で作動するタイプの超音波プローブにあっては、コイル
は1個設ければ良いことから、その配置如何によっては、挿入部を太径化するこ
となくコイルを超音波振動子の近傍位置に配設することは可能である。ここで、
超音波プローブの挿入部は、先端硬質部に超音波振動子が装着されるが、この超
音波振動子は、それから出射される超音波ビームのパワーを大きくするために、
ある程度の表面積及び厚みが必要であり、かつその超音波の送受信面側に超音波
ビームを絞るための音響レンズが装着され、また裏面側にはバッキング部材が装
着される関係から、この超音波振動子が装着される先端硬質部の外径寸法はある
一定の大きさを必要とする。これに対して、軟性部の内部には超音波振動子に接
続したケーブルを挿通させなければならないが、このケーブル以外の部材は必ず
しも挿通させる必要はない。しかも、単板振動子の場合には、同軸ケーブル1本
を挿通させれば良いことになり、従ってこの軟性部にはかなりの余分なスペース
を有する。軟性部を先端硬質部の直径より小さくしたとしても、先端硬質部の直
径を変えない限り、体腔内または内視鏡の処置具挿通チャンネル内への挿入操作
性が改善される訳ではない。 【0011】 そこで、本発明においては、軟性部における余分なスペースを利用するように
している。而して、超音波プローブを内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通し
て、先端硬質部がこの処置具挿通チャンネルから最も突出した状態に組み込まれ
た時に、その軟性部の先端近傍位置であり、かつ内視鏡のアングル部より基端側
の位置にコイルを配設する構成とした。即ち、超音波振動子からの配線を軟性部
内にまで導いて、この軟性部における先端硬質部に近い位置に配設したコイルに
接続する。そして、このコイルからの配線を同軸ケーブルに挿通して、操作部に
まで延在させる。これによって、コイルは超音波振動子に極めて近い位置に配置
されることになって、その共振特性が安定し、送受信インピーダンスを高められ
て送受信効率が向上して、S/Nが良好となる。 【0012】 ここで、コイルは比較的小さな電子部品であることから、軟性部内のスペース
に十分収まるために、挿入部が太径化することはない。また、コイルの配設部分
は硬質となるが、このコイルの配設部分は先端硬質部とは離れた位置で、挿入部
全体における硬質部分が分散されることになり、しかもこのコイルを設けること
により生じる軟性部内における硬質部分の長さは極めて小さい。従って、軟性部
にコイルを配設しても、挿入部の体腔内への挿入操作性、または内視鏡の処置具
挿通チャンネルへの挿入操作性が損なわれるおそれはない。 【0013】 超音波プローブの挿入部は内視鏡のアングル部を通過するが、このアングル部
は、例えば180°以上というように、急激な角度で湾曲されることになる。従
って、コイルはこのように急激な角度で湾曲される部位を避けた位置に配設する
のが、アングル操作の操作性及びコイルの保護といった観点から必要となる。こ
のように、内視鏡の処置具挿通チャンネルをガイドとする場合には、超音波プロ
ーブの先端を処置具挿通チャンネルから最も突出させたときに、内視鏡側の挿入
部におけるアングル部の位置より基端側の位置に配置する。 【0014】 【実施例】 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 まず、図1に超音波プローブの概略構成を、図2にその挿入部の構成をそれぞ
れ示す。ここで、同図に示されている超音波プローブPは、内視鏡Sの挿入部I
に設けた処置具挿通チャンネルCに挿通されてガイドされるものであり、かつ先
端部分が回転可能となったものである。 【0015】 而して、同図から明らかなように、超音波プローブPは、操作部1と、挿入部
2及び超音波観測装置(図示せず)に接続されるケーブル3とから大略構成され
る。挿入部2は、その基端部側に操作部1に着脱可能に連結されるコネクタ20
が設けられ、この基端側から大半の部分は可撓性チューブからなる軟性部21で
あって、この軟性部21の先端部には先端硬質部22が連設されている。先端硬 質部22には、その中間部分を切り欠くことにより平坦部22aが形成されてお
り、この平坦部22aには単板からなる超音波振動子4が装着されている。この
超音波振動子4の超音波送受信面側には音響レンズ5が積層され、また裏面側に
はバッキング部材16が装着されている。 【0016】 超音波振動子4は、図3にも示されているように、圧電素子4aの一面側に表
側電極4bを設け、これとは反対側の面には裏側電極4cが設けられている。そ
して、これら両電極4b,4cに接続した配線5a,5bは軟性部21内にまで
延在されて、超音波振動子4の制限容量と共振周波数となるようにするためのコ
イル6に接続されている。このコイル6は軟性部21内に装着されており、また
コイル6からの配線7a,7bは軟性部21内に挿通した同軸ケーブル8に挿通
されて、操作部1から超音波観測装置に接続されるケーブル3にまで引き回され
ている。 【0017】 ここで、超音波プローブPは内視鏡Sの処置具挿通チャンネルCをガイドとし
て体内に挿入されるが、この内視鏡Sにおける挿入部Iには、その軟性部Fにア
ングル部Aが連設されて、処置具挿通チャンネルCの開口部が設けられている先
端硬質部Rを所望の方向に向けるために、このアングル部Aは180°以上とい
った急激な角度で曲がるようになっている。従って、コイル6は処置具挿通チャ
ンネルCから超音波プローブPの挿入部2を最も突出させたときに、内視鏡Sの
挿入部Iにおけるアングル部Aの位置より基端側、即ち軟性部F内の位置に配設
されている。なお、図中において、9は先端硬質部22の配線挿通用の開口22
bをシールするためのシール部材である。また、コイル6を軟性部21内におい
て安定的に保持するためには、この軟性部21内におけるコイル6の配設部にシ
ール剤10を充填しておくことができる。 【0018】 本実施例は以上のように構成されるものであって、この超音波プローブPは図
1から明らかなように、内視鏡Sの処置具挿通チャンネルCを介して体内の所定
の位置にまで導かれて、当該の部位で体腔内壁から超音波信号の送受信を行うこ とによって超音波検査が行われる。即ち、挿入部2を内視鏡Sの先端から所定長
さ導出させた状態から、それを内視鏡Sの内部に引き込む方向に変位させ、この
間に超音波振動子4から超音波パルスを所定の移動距離毎に体内に向けて入射し
て、その反射エコーを受信することによりメカニカルリニア走査が行われ、この
超音波受信信号は超音波観測装置に伝送されて、この超音波観測装置によって所
定の信号処理が行われて、モニタ画面に超音波画像が表示される。 【0019】 ところで、コイル6は挿入部2内の比較的超音波振動子4に近い位置に置かれ
ているから、同軸ケーブル8の分布容量等の影響を受けることがなく、共振特性
を極めて安定した状態に保持することができる。従って、超音波の送受信インピ
ーダンスを高めることができて、送受信効率が極めて良好となり、S/Nの向上
が図られる。 【0020】 而して、コイル6は先端硬質部22には配設されていないために、先端硬質部
22が直径方向にも、また軸線方向にも大型化することはない。そして、コイル
6は、その走査が行われる状態、即ち走査ストロークにおける最先端位置にまで
超音波プローブPの挿入部2を突出させても、内視鏡Sの挿入部Iにおいて、急
激な角度で曲げられるアングル部Aの位置より基端側の軟性部Fに位置している
ので、この軟性部Fは挿入経路に沿って曲げられるにしても、あまり急激に曲が
らないので、アングル操作の操作性に支障を来すようなことはなく、またコイル
6が損傷するおそれもない。しかも、コイル6は比較的小さな電子部品である。
これらから、挿入部2の全体から見たときに、硬質部分は、先端硬質部22と軟
性部21におけるコイル6の配設部のみであり、しかも硬質部分は2箇所に分散
していることから、処置具挿通チャンネルC内への挿入操作性が損なわれること
はない。 【0021】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明は、コイルを軟性部の先端部近傍であって、しか
も超音波プローブを内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通して、先端硬質部が この処置具挿通チャンネルから最も突出した状態に組み込まれた時に、この内視
鏡のアングル部より基端側の位置に 設ける構成としたので、共振特性を極めて安
定した状態に保持することができ、超音波の送受信インピーダンスを高めること
ができて、送受信効率が極めて良好となり、S/Nの向上が図られ、しかも挿入
部を太径化することがなく、またその硬質部分を2箇所の小さな部位となるよう
に分散させているので、内視鏡の処置具挿通チャンネル等のガイド部材への挿入
操作の操作性が損なわれず、さらに電子部品からなるコイルは内視鏡の処置具挿
通チャンネルを避けた位置に配置されるので、アングル操作時にもコイルが損傷
するおそれはない等といった諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
超音波プローブを、そのガイドとなる内視鏡と共に示す構成説明図である。
【図2】
超音波プローブの先端硬質部の拡大断面図である。
【図3】
超音波振動子の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 操作部
2 挿入部
4 超音波振動子
5a,5b,7a,7b 配線
6 コイル
8 同軸ケーブル
21 軟性部
22 先端硬質部
22a 平坦部
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 体腔等の内部に挿入される挿入部を、少なくとも内部にケーブ
ルを挿通した軟性部材からなる軟性部と、超音波振動子を装着した先端硬質部と
から構成し、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通される超音波プローブにお
いて、前記軟性部の先端側であって、前記先端硬質部が前記内視鏡の処置具挿通
チャンネルから最も突出した状態に組み込まれた時にそのアングル部より基端側
の位置にコイルを設け、このコイルを前記超音波振動子の両電極からの配線に接
続する構成としたことを特徴とする超音波プローブ。
Family
ID=
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