JP2658340B2 - 脱水洗濯機 - Google Patents

脱水洗濯機

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JP2658340B2
JP2658340B2 JP1005246A JP524689A JP2658340B2 JP 2658340 B2 JP2658340 B2 JP 2658340B2 JP 1005246 A JP1005246 A JP 1005246A JP 524689 A JP524689 A JP 524689A JP 2658340 B2 JP2658340 B2 JP 2658340B2
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章 片岡
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徹 広瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、駆動力を伝達するモータプーリであるいは
インペラープーリの軸との固定部とプーリ部との間に弾
性体を介在させた脱水洗濯機に関するものである。
従来の技術 第9図は従来の脱水洗濯機の全体の断面図、第10図は
同要部正面断面図を示すものである。図において、1は
底部に開口部2を有する脱水洗濯機の本体、3は脱水孔
4を有する回転槽、5は回転槽3を内部に回転自在に設
置した水槽である。6は回転槽3の中央底部に設けられ
た撹拌翼、7は伝達機構部で、内部に洗濯時の減速ギア
および洗濯・脱水の切り替えクラッチ、脱水時のブレー
キを内蔵している。8はインペラープーリで、伝達機構
部の入力軸9に固定されている。10はモータで、水槽5
の底部に取り付けられている。11はモータプーリで、モ
ータ10の出力軸12に固定されている。13はベルトで、モ
ータプーリ11とインペラープーリ8とを連結しており、
モータ10の動力を伝達機構部7に伝達している。14は本
体1より吊り下げられた防振機構で、水槽5を懸垂防振
支持している。15は足で、本体1の底部の四隅に固定さ
れている。16は本体カバーで、本体1の上部に取り付け
られており、洗濯物の投入口17や操作部(図示せず)が
設けられている。
以上のように構成された洗濯機について以下その動作
を説明する。洗濯は、回転槽3に洗濯物と洗濯水を入
れ、伝達機構部7の切り替えクラッチの洗濯側いし、モ
ータ10の回転モータプーリ11・ベルト13・インペラープ
ーリ8・伝達機構部7を介して、撹拌翼6に伝達するこ
とにより行なう。また、脱水は、洗濯物を回転槽3に入
れ、伝達機構部7の切り換えクラッチを脱水側にし、モ
ータ10の回転モータプーリ11・ベルト13・インペラープ
ーリ8・伝達機構部7を介して、回転槽3を伝達するこ
とにより行なう。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような構成では、特に脱水行程
において、モータ10のロータから回転方向に発生する電
気的振動(電源周波数の2倍の周波数を基本とする高調
波振動)が、モータプーリ11・ベルト13・インペラープ
ーリ8を介して、駆動力とともに、伝達機構部7に伝達
され、この電気的振動が、回転槽3や水槽5にさらに伝
達されることで、これらが発音体となり、騒音を発生す
ることになる。もちろん、ベルト13によって高い周波数
の電気的振動は防振できるが、例えば、電源周波数が60
Hzの場合、120Hz・240Hz・360Hz程度までの低い周波数
の電気的振動はベルト13では防振できず、伝達機構部7
を介して回転槽3や水槽5に伝えられ、騒音を増大させ
る要因となっている。もちろん、洗濯中にも上記した作
用で騒音を増大させることになるが、回転槽3や水槽5
に洗濯水が入っていることで、音が発生しにくくなって
おり、騒音レベルは脱水行程に比べて少ない。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、脱水中に
モータから、モータプーリ・ベルト・インペラープーリ
・伝達機構部を介して、発音体となる回転槽や水槽に伝
達される電気的振動を低減し、騒音を下げることがで
き、さらに、モータプーリのプーリ径より大きいインペ
ラープーリで防振することにより、弾性体の見かけのば
ね定数を低減し防振性能をよりいっそう向上させ、これ
によって弾性体を小型化することができ、コストダウン
を図るとともに、モータに直接取り付けられていないイ
ンペラープーリを防振することで、弾性体への熱の伝達
を低減し、耐久性を向上させることを目的をする。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するための本発明の技術的手段は、本
体内に防振機構により懸垂防振支持した水槽と、この水
槽内に回転自在に配した回転槽と、この回転槽の下部に
設けられ駆動力を発生するモータと、前記モータの駆動
力をモータプーリ、ベルト、インペラープーリを介して
受け取り前記回転槽へ伝える伝達機構部とを備え、前記
インペラープーリは前記伝達機構部入力軸周囲の固定部
と固定部の外側に位置する前記ベルトを掛けるためのプ
ーリ部とからなり、前記固定部とプーリー部の間に弾性
体を介在させるとともに前記インペラープーリ径がモー
タプーリ径より大きいこととしたものである。
作用 上記技術手段によって本発明は、モータの回転時にモ
ータで発生する電気的振動が、モータプーリ・ベルト・
インペラープーリ・伝達機構部を介して回転槽や水槽に
伝達されることを、インペラープーリの固定部とプーリ
部との間に設けられた弾性体が防ぐために、発音体とな
る回転槽や水槽に電気的振動の伝達が低減され、騒音を
下げることができる。また、インペラープーリのプーリ
径がモータプーリのプーリ径より大きいため、その減速
比分だけ、モータプーリの出力軸に比べてインペラープ
ーリの入力軸にかかるトルクは大きくなる。したがっ
て、同じトルクがモータの出力軸に加わった場合、モー
タプーリの防振の対して、インペラープーリの防振はモ
ータプーリの防振と同型上・同材質の弾性体をより大き
く変形させることができる。即ち、モータプーリでの防
振に比べインペラープーリでの防振は、弾性体の見かけ
のばね定数を下げることができ、回転方向に発生する電
気的振動の防振性能がよくなるものである。よって、イ
ンペラープーリの防振に用いる弾性体は、モータプーリ
の防振に用いるものと同材質を用いるならば、小型にす
ることができ、安価なものとなる。しかもモータで発生
する熱がインペラープーリには伝達されにくいため、弾
性体の耐久性も向上することになる。
実施例 以下本発明について説明するが、まず本発明に関連す
る参考例について説明し、その後本発明の実施例につい
て述べる。
第1図は参考例における脱水洗濯機の要部正面断面
図、第2図はモータプーリの要部正面断面図、第3図は
同要部水平断面図である。図において、3は回転槽、4
は脱水孔、5は水槽、7は伝達機構部、8はインペラー
プーリ、9は入力軸、10はモータ、12は出力軸、13はベ
ルトで、以上は従来例の部材と同一であるので同一符号
を付し、その説明を省略する。18はモータプーリ19の固
定部で、固定部18をねじ20によってモータ10の出力軸12
に取り付けている。21は弾性体で、例えばゴム等の弾性
のある物質から構成している。22はプーリ部で、ベルト
13がかかるプーリ部分とモータ10を冷却する冷却ファン
23からなっている。これらの固定部18・弾性体21・プー
リ部22を強固に固定するために回りどめリブ24a・24bと
抜けどめリブ25a・25a′・25b・25′を固定部18および
プーリ部22に設けている。本参考例においては、固定部
18の径の中心とプーリ部22の径の中心とを精度よく合わ
すためと、固定部18とプーリ部22と弾性体21とを接着剤
無しで固定できるようにし、治具等で固定部18とプーリ
部22を予め位置ぎめしておいて、弾性体21を流し込んで
成形している。
以上のように構成された脱水洗濯機の動作について説
明をする。脱水および洗濯行程において、モータ10を駆
動させると電気的振動(電源周波数の2倍の周波数を基
本とする高調波振動)がモータ10のロータから発生し、
それが駆動力を伝えるベルト13を介して伝達機構部7に
伝えられ、さらに発音体となる回転槽3や水槽5に伝達
され騒音レベルを高めることになる。しかし、本参考例
においては、モータプーリ19の固定部18とプーリ部22と
の間に弾性体21を介在させることで、第3図に示すよう
に固定部18の回転方向に発生する電気的振動(矢印A)
が防振されプーリ22に伝えられるために、プーリ部22の
電気的振動(矢印B)は低減され、これによって、回転
槽3や水槽5に伝達される電気的振動が減少し、低騒音
化ができる。また、弾性体21を介在をさせない従来のモ
ータプーリ11では、このモータの電気的振動の高調波振
動がモータ10の冷却ファン23に伝達され、この成分が発
音体となり騒音を増大させていたが、本参考例ではプー
リ部22への電気的振動の伝達を弾性体21で防振すると同
時に冷却ファン23への電気的振動の伝達も低減できるた
めさらに騒音レベルを低減するうえでの効果を有するも
のである。
第4図は、本参考例で示した弾性体21を介在させたモ
ータプーリ19を用いた場合と従来のモータプーリ11を用
いた場合との脱水騒音の周波数分析(電気的振動による
騒音のみ)の比較である。同図から、弾性体21を介在さ
せたモータプーリ19は、モータ10から発生する120Hz・2
40Hz・360Hzの電気的振動を防振し、この電気的振動が
伝達機構部7を介して回転槽3や水槽5に伝達されて騒
音となることを抑制していることがわかる。
第5図は本発明の第一の実施例における脱水洗濯機の
要部正面断面図、第6図はインペラープーリの要部正面
断面図、第7図は同要部水平断面図である。図におい
て、3は回転槽、4は脱水孔、5は水槽、7は伝達機構
部、9は入力軸、10はモータ、11はモータプーリ、12は
出力軸、13はベルトで、以上は従来の部材と同一である
ので同一符号を付しその説明を省略する。26は接合した
2枚の板26a・26bからなるインペラープーリ27の固定部
で、インペラープーリ27を伝達機構部7の入力軸9に嵌
合させ、ねじ28によって取り付けている。29は弾性体
で、例えばゴム等の弾性のある物質から構成している。
30はプーリ部で、接合した2枚の板30a・30bから成って
おり、ベルト13がかれられている。これらの固定部26・
弾性体29・プーリ部30を強固に固定するための回り止め
のため、弾性体29の外周を6角形とし、内周は4角形と
している。したがって、弾性体29と嵌合する部分のプー
リ部30bは6角形、固定部26bは4角形としている。ま
た、本実施例においては、固定部26の径の中心とプーリ
部30の径の中心とを精度よく合わすためと、固定部26と
プーリ部30と弾性体29とを接着剤無しで固定できるよう
に、治具等で固定部26とプーリ部30を予め位置ぎめして
おいて、弾性体29を流し込んで成形している。
以上のように構成された脱水洗濯機の動作について説
明する。本実施例においては、インペラープーリ27の固
定部26とプーリ部30との間に弾性体29を介在させること
で、第7図に示すようにプーリ部30の回転方向に発生す
る電気的振動(矢印C)が防振され固定部26に伝えられ
るために、固定部26の電気的振動(矢印D)は低減さ
れ、伝達機構部7の入力軸9に伝わる電気的振動は減少
することになる。これによって、回転槽3や水槽5に伝
達される電気的振動が減少し、低騒音化を図ることがで
きる。さらに、本実施例ではモータ10の回転を約半分に
減速しているインペラープーリ27に対して防振している
ため、モータプーリ11の出力軸12に比べてインペラープ
ーリ27の入力軸9にかかるトルクは約2倍大きくなる。
したがって、同じトルクがモータ10の出力軸12に加わっ
た場合、参考例のモータプーリ19の防振に対して、イン
ペラープーリ27の防振はモータプーリ19の防振と同形状
・同材質の弾性体21を用いた場合には、弾性体21を約2
倍大きく変形することになる。即ち、弾性体21の見かけ
のばね定数は半分になり、回転方向に発生する電気的振
動の防振性能が向上することになる。逆に、インペラー
プーリ27が弾性体29はモータプーリ19の弾性体21に比べ
て小型に設計でき、安価なものとなる。しかし、モータ
10で発生する熱がインペラープーリ27に伝達されないた
め、弾性体29の耐久性も向上することになる。
第8図は本発明の第二の実施例のおけるインペラープ
ーリの要部斜視図である。31は固定部で、インペラープ
ーリ32を伝達機構部7の入力軸9(図示せず)に嵌合さ
せ取り付けられる。33は弾性体で、S字状の板ばねで形
成されている。34はプーリ部で、ベルト13(図示せず)
をかけている。固定部31・弾性体33・プーリ部34は一体
に形成している。
本実施例の動作は第一の実施例と同様であるが、この
ように板ばねで弾性体33を形成することで、例えば、ば
ね性のある樹脂などでインペラープーリ32を成形すれば
製造が簡単になり、コストダウンとなる。
なお、各実施例の防振構造は、それぞれ異なるが、モ
ータプーリ19の防振に用いた方式をインペラープーリ27
・32の防振に用いたり、逆にインペラープーリ27・32の
防振をモータプーリ19の防振に用いてもよい。
また、第一の実施例において、固定部26を4角形、プ
ーリー部30bを6角形として回り止め機構を構成してい
るが、参考例のように回り止めリブを設けても良い。さ
らに、接着等が強固にできればこの回り止め機構はいら
ない。また、本実施例ではモータ10のロータから回転方
向に発生する電気的振動が主であるため、この振動を防
振し、騒音を低減することについて述べてきた。もちろ
ん、モータ10のロータから発生する電気的振動は、ラジ
アル方向やストラス方向にも若干存在するが、これらの
振動についても本実施例の弾性体21・29・33は防振効果
を発揮し、伝達機構部7を介して回転槽3や水槽5に伝
達される電気的振動を低減し、騒音を下げることができ
る。
発明の効果 以上のように本発明の脱水洗濯機は、本体内に防振機
構により懸垂防振支持した水槽と、この水槽内に回転自
在に配した回転槽と、この回転槽の下部に設けられ駆動
力を発生するモータと、前記モータの駆動力をモータプ
ーリ、ベルト、インペラープーリを介して受け取り前記
回転槽へ伝える伝達機構部とを備え、前記インペラープ
ーリは前記伝達機構部入力軸周囲の固定部と固定部の外
側に位置する前記ベルトを掛けるためのプーリ部とから
なり、前記固定部とプーリー部の間に弾性体を介在させ
るとともに前記インペラープーリ径がモータプーリ径よ
り大きいこととしたことにより、モータの回転時にモー
タで発生する電気的振動が、インペラープーリの固定部
とプーリ部との間に設けられた弾性体によって防振され
るために、発音体となる回転槽や水槽に電気的振動の伝
達されるレベルが低減し、騒音を下げることができる。
また、インペラープーリのプーリ径がモータプーリの方
より大きいため、その減速比分だけ、モータプーリの防
振に比べインペラープーリの防振は、弾性体の見かけの
ばね定数を下げることができ、回転方向に発生する電気
的振動の防振性能がよくなる。よって、インペラープー
リの防振に用いる弾性体は、モータプーリの防振に用い
るものと同材質を用いるならば、小型にすることがで
き、より安価なものとなる。しかもモータで発生する熱
がインペラープーリには伝達されにくいため、弾性体の
耐久性も向上することになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の参考例における脱水洗濯機の要部正面
断面図、第2図は同モータプーリの要部正面断面図、第
3図は同要部水平断面図、第4図は同脱水騒音の周波数
分析の比較図、第5図は本発明の第一の実施例における
脱水洗濯機の要部正面断面図、第6図は同インペラープ
ーリの要部正面断面図、第7図は同要部水平断面図、第
8図は本発明の第二の実施例におけるインペラープーリ
の要部斜視図、第9図は従来の脱水洗濯機の全体の断面
図、第10図は同要部正面断面図を示すものである。 1……本体、3……回転槽、5……水槽、7……伝達機
構部、8・27・32……インペラープーリ、9……入力
軸、10……モータ、11・19……モータプーリ、12……出
力軸、13……ベルト、14……防振機構、18・26・31……
固定部、21・29・33……弾性体、21・30・34……プーリ
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−145185(JP,A) 特開 昭61−252965(JP,A) 実開 昭61−38368(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体内に防振機構により懸垂防振支持した
    水槽と、この水槽内に回転自在に配した回転槽と、この
    回転槽の下部に設けられ駆動力を発生するモータと、前
    記モータの駆動力をモータプーリ、ベルト、インペラー
    プーリを介して受け取り前記回転槽へ伝える伝達機構部
    とを備え、前記インペラープーリは前記伝達機構部入力
    軸周囲の固定部と固定部の外側に位置する前記ベルトを
    掛けるためのプーリ部とからなり、前記固定部とプーリ
    ー部の間に弾性体を介在させるとともに前記インペラー
    プーリ径がモータプーリ径より大きいこととした脱水洗
    濯機。
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