JP2658211B2 - 生理活性物質固定化用担体の製造法 - Google Patents

生理活性物質固定化用担体の製造法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生理活性物質固定化用担体の製造法に関す
る。更に詳しくは、生理活性物質固定化に用いられる含
フッ素重合体成形品担体の製造法に関する。
〔従来の技術〕
従来から各種の生理活性物質を担体上に固定化し、例
えばバイオセンサ用膜、アフィニティクロマトグラフィ
ー、バイオリアクタ用担体などの用途に用いることが行
われている。
一方、従来から人工血管、カテーテル、人工臓器など
の材料として用いられている、テトラフルオロエチレン
樹脂によって代表される樹脂状またはエラストマー状の
含フッ素重合体に、例えばヘパリン、ウロキナーゼ、TP
Aなどを固定化することができれば、生体材料の問題点
となっている抗血栓性の特性を付与することができるな
どの効果が期待できる。
即ち、耐有機溶剤性、耐薬品性、耐熱性、酸素透過性
などの性質ですぐれた特性を示す含フッ素重合体に、生
化学的特性を更に付加することができれば、それの応用
範囲が質的にもまた量的にも飛躍的に拡大することが期
待される。
そのための一つの手段として、まず含フッ素重合体成
形品の表面に官能性基を導入し、それを足掛りとして各
種の生理活性物質をそこに固定化することが考えられる
が、含フッ素重合体に通常の有機合成反応によって官能
性基を導入することはほぼ不可能である。
具体的には、例えばテトラフルオロエチレン樹脂では
C−F結合力が大きく、またF原子がC−C結合の周囲
をくまなく埋めていて、C−F結合に対する他の原子団
からのアタックに対する立体障害となっているため、そ
こにカルボキシル基などの官能性基を導入した上で酵素
などを固定化させることはほぼ不可能であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、含フッ素重合体成形品表面に有機合
成反応によってではなく、他の方法によって官能性基を
形成せしめ、生理活性物質固定化用担体を製造する方法
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
かかる目的を達成せしめる生理活性物質固定化用担体
の製造は、含フッ素重合体成形品表面を不活性ガス雰囲
気中および酸素ガスまたは含酸素化合物ガス雰囲気中で
順次プラズマ処理することにより行われる。
含フッ素重合体成形品としては、樹脂状またはエラス
トマー状の含フッ素重合体の成形品、一般には膜状、シ
ート状、板状のものなどが用いられる。成形品を形成す
る含フッ素重合体として、好ましくはテトラフルオロエ
チレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)が用いられ
るが、この他にポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロペン共重合体なども用いられ
る。また、酸素ガスと同様に用いられる含酸素化合物ガ
スとしては、二酸化炭素、一酸化炭素などが用いられ
る。
これらのガス雰囲気中でのプラズマ処理は、例えば真
空ポンプ、リークバルブおよびメインバルブに接続さ
れ、真空計を備えたチューブ状プラズマ反応容器内に含
フッ素重合体成形品を収容し、反応容器内の圧力を約0.
001〜1Torrとした後バルブを開き、反応容器内にガスを
約0.001〜10Torrの圧力になる迄導入し、このようにし
て反応容器内にガスを充満させたら、高周波発生装置
(13.56MHz)およびマッチングユニットからなる高周波
電源を用いて、有効電力約10〜100W、グロー放電時間約
1〜60分間の条件下で、反応容器の端部細径円筒部に捲
回された発振コイルからプラズマ照射することにより行
われる。反応容器としては、上記チューブ状のもの以外
に、ベルジャー型なども用いることができる。また、放
電電極としては、上記コイル状のもの以外に、外部もし
くは内部平行電極板を用いることもできる。
このような一連のプラズマ処理によって本発明の生理
活性物質固定化用担体は製造されるが、この担体表面に
はカルボキシル基が導入されているので、それを利用し
ての生理活性物質の固定化が一般にカルボジイミド処理
を経て行われる。
ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−シクロヘキシ
ル−N′−2−モルホリニル−エチルカルボジイミドな
どのカルボジイミド(RN=C=NR)は、容易にカルボキ
シル基と付加体を形成し、この付加体は更にアルコー
ル、アミン、酸などと縮合反応し、それぞれ相当するエ
ステル、アミド、酸無水物などを形成する。本発明に係
る固定化用担体の場合には、その表面に導入されたカル
ボキシル基が、次式に示されるように、カルボジイミド
を介して酵素のアミノ基と結合される。
[I]+酵素−NH2→担体−CONH−酵素+RNHCONHR 生理活性物質としては、例えばインベルターゼ、ウレ
アーゼ、クレアチニンディイミナーゼ、クレアチニンア
ミドヒドロラーゼ、グルコースオキシダーゼ、パーオキ
シダーゼ、ヘキソキナーゼ、カタラーゼ、G−6−Pデ
ヒドロゲナーゼ、グルタメートデヒドロゲナーゼ、ウロ
キナーゼ、ウリカーゼ、コレステロールオキシダーゼ、
コレステロールエステルヒドロラーゼ、アデノシントリ
フォスファターゼ、アルカリフォスファターゼ、ホスホ
リパーゼD、リパーゼ、プロテアーゼ、TPAなどの酵
素、各種酵母、糸状菌、放線菌、バクテリアなどの微生
物、抗生物質、抗原抗体、ホルモン、レセプター、ヘパ
リン、カルモジュリン、生体組織、アルブミンなどのた
ん白質などが挙げられ、また人工酵素としての鉄−フタ
ロシアニン錯体などにも適用される。
これらの生理活性物質の固定化は、一般にそれぞれ濃
度が約0.1〜10mg/mlとなる量の生理活性物質およびカル
ボジイミドを添加した水溶液中に約3〜5℃または室温
下にプラズマ処理担体を約1/2〜24時間浸漬することに
よって行われる。
〔発明の効果〕
本発明方法により、各種生理活性物質を固定化可能な
含フッ素重合体成形品担体が得られ、各種のすぐれた性
質を有する含フッ素重合体に更に生化学的特性を付加さ
せることができる。
〔実施例〕
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 市販テトラフルオロエチレン樹脂膜(厚さ0.2mm)を
容量結合型プラズマ発生装置内に置き、アルゴンガス圧
力0.1Torr、電力50W、時間30分間の条件下で、プラズマ
処理を行った。次いで、酸素ガス圧力0.1Torr、電力45
W、時間5分間の条件下でプラズマ処理を行った。いず
れも、13.56MHzの高周波が用いられている。
このようにしてプラズマ処理された樹脂膜の表面は、
25℃、25%RHの条件下での水の接触角が、未処理物の11
0゜から85゜へと大きく変化しており、疎水性から親水
性になっていることが分る。また、FTIRによる分析結果
では、1400cm-1および1700cm-1付近に吸収がみられ、表
面にカルボキシル基の導入されていることが確認され
た。
次いで、この試料について、酵素の固定化を行なっ
た。即ち、この試料を、1mg/ml量のインベルターゼおよ
び7mg/ml量のジシクロヘキシルカルボジイミドをそれぞ
れ添加したpH3.0の水溶液中に4℃で24時間浸漬した。
その後、pH7.0のリン酸緩衝液で洗浄し、固定化イン
ベルターゼ量をケルダール窒素分析法で測定したとこ
ろ、樹脂板表面1m2当り22mgのインベルターゼが結合さ
れていることが分った。
また、この固定化酵素の活性を、ネルソン−ソモギィ
法により測定したところ、同量の非結合酵素の活性に対
する相対的な活性が98%であるという結果が得られた。
実施例2 市販の酸素通過性テトラフルオロエチレン樹脂膜(厚
さ0.1mm)について、実施例1と同一条件でのプラズマ
処理を行った後、7mg/mlのジシクロヘキシルカルボジイ
ミドおよび乾燥重量で1mg/ml量の酵母(サッカロマイセ
ツ セレヴィジェ、対数増殖期集菌)をそれぞれ添加し
たpH7.0の水溶液中に室温下で24時間浸漬した。
この酵母固定化膜を十分水洗した後、クラーク型酸素
電極に装着し、10mg/ml濃度のグルコース水溶液に対す
る応答をみたところ、溶存酸素の減少がみられ、固定化
酵母としての活性を有していることが示された。
比較例1 実施例1において、酵素ガスプラズマ処理を行わない
と、樹脂膜表面には、FTIR分析によるカルボキシル基の
吸収がみられず、またインベルターゼとの固定化処理物
にも、ケルダール窒素分析法での窒素成分はみられず、
酵素活性もなかった。
比較例2 実施例1において、アルゴンガスプラズマ処理を行わ
ない場合には、樹脂膜表面にFTIR分析によるカルボキシ
ル基の吸収が認められ、またケルダール窒素分析値から
は表面1m2当り5mgのインベルターゼ結合量が示され、更
に酵素の相対活性は65%であることが示されたが、いず
れも実施例1よりも低い値しか得られていない。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含フッ素重合体成形品表面を不活性ガス雰
    囲気中および酸素ガスまたは含酸素化合物ガス雰囲気中
    で順次プラズマ処理することを特徴とする生理活性物質
    固定化用担体の製造法。
JP17182788A 1988-07-12 1988-07-12 生理活性物質固定化用担体の製造法 Expired - Lifetime JP2658211B2 (ja)

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