JP2657882B2 - ホットメルト接着剤 - Google Patents

ホットメルト接着剤

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JP2657882B2
JP2657882B2 JP6910193A JP6910193A JP2657882B2 JP 2657882 B2 JP2657882 B2 JP 2657882B2 JP 6910193 A JP6910193 A JP 6910193A JP 6910193 A JP6910193 A JP 6910193A JP 2657882 B2 JP2657882 B2 JP 2657882B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム状で反応性を
有するホットメルト接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のフィルム状ホットメルト接着剤
は、ポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂
(以下EVAという)、飽和ポリエステル、ポリアミド
(ナイロンを含む)、ポリビニルブチラール等の熱可塑
性樹脂を、カレンダー、Tダイ、インフレーション、キ
ャスティングなどの方法によりフィルム(通常厚さ0.
2mm未満のものをいう)加工したものである。このホ
ットメルト接着剤を使用するには、これらの熱可塑性樹
脂フィルムを被着材の間に挟み込み、プレス加熱、高周
波加熱、超音波加熱などの手段により、フィルムの溶
融、冷却固化という過程を経て接着が完成するようにな
っている。現状のフィルム状ホットメルト接着剤の利用
分野は、下記表1に示す如く多くの用途があるが、耐熱
性においても制限を受けるため使用出来ない用途も多
い。
【0003】
【表1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のホットメルト接着剤は、耐熱性においても制限を受け
るため、容易に使用できる反面、この接着物が接着素材
の軟化温度以上の環境にさらされた場合に、接着部が剥
離することや熱可塑性樹脂の熱的な可逆的性質により、
加熱接着後、被着体の温度が接着剤の軟化温度以下にな
るまで加圧するいわゆるコールドプレスを必要とする欠
点をもっている。つまり、市販のフィルム状ホットメル
ト接着剤は熱可塑性樹脂が主成分であるため、熱によっ
て容易に溶融する反面、耐熱性に劣るという欠点を有し
ている。そこで、本発明の技術的課題は、従来のフィル
ム状ホットメルト接着剤の欠点である熱的性質を改善す
ることにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明によれば、熱可塑
性樹脂フィルム若しくはシートからなる第1及び第2の
外壁部間にポリイソシアナート化合物を含む耐熱構造形
成部を封入したことを特徴とするホットメルト接着剤が
得られる。ここで、本発明において、二枚の熱可塑性樹
脂フィルム若しくはシートは、従来フィルム状ホットメ
ルト接着剤として使用されているもので、ポリオレフィ
ン系、ポリアミド(ナイロン)系、飽和ポリエステル系
が使用できる。本発明において、第1の外壁部及び第2
の外壁部内に封入される耐熱構造形成部は、湿気(水
分)等と容易に反応するポリイソシアナート化合物を含
むため、その活発な化学反応性を考慮して、フイルムの
両末端または両末端および中間点を溶封することもでき
る。また、本発明によれば、ポリオレフィン系、ポリア
ミド系、飽和ポリエステル系のうちの少なくとも一種か
らなる一対の熱可塑性樹脂フィルム若しくはシートを第
1及び第2の外壁部とし、前記第1及び第2の外壁部の
少なくとも一面にポリイソシアナート化合物を含む耐熱
構造形成部を塗布して、前記第1及び第2の外壁部で、
前記耐熱構造形成部を挟み込むことを特徴とするホット
メルト接着剤の製造方法が得られる。更に、本発明によ
れば、熱可塑性樹脂フィルム若しくはシートを第1の外
壁部とし、前記第1の外壁部の一面にポリイソシアナー
ト化合物を含む耐熱構造形成部を塗布し、さらにこの上
に熱可塑性フィルムまたはシートからなる第2の外壁部
を形成し、前記耐熱構造形成部を挟み込むことを特徴と
するホットメルト接着剤の製造方法が得られる。
【0006】本発明の耐熱構造形成部に使用し得るイソ
シアナート化合物としては、ポリイソシアナート化合物
の他に、分子中に水酸基(OH)をもつ化合物とポリイ
ソシアナート化合物をイソシアナート基過剰の条件下で
反応させた分子末端にイソシアナート基をもった化合物
(ポリウレタンポリイソシアナート)を使用できる。ま
た、これらポリイソシアナート化合物は、各種の化合物
(活性基)と活発に反応することがよく知られている。
これらの活性基が外壁部を構成する熱可塑性樹脂中に存
在すると容易に反応すると共に、それ自身で付加して2
〜3量体となるほか空気中の湿分(水)とも容易に反応
して尿素結合やビューレット結合となり、三次元構造体
を生成するためポリイソシアナート基と反応性のない
(フィルム中の)添加物も、これら構造体に包含されて
一種の相互貫通網目構造(以下IPNという)体とな
り、接着層の耐熱性が向上する。
【0007】本発明の外壁部に使用される熱可塑性樹脂
の代表例としては、前記した様なポリオレフィン共重合
体、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルプチラール
等があり、これらはポリイソシアナート化合物と反応し
得る代表的な活性基、例えば、水酸基、カルボキシル
基、アミノ基、チオール基、酸無水物基、エポキシ基、
アミド基を有するものである。この中で、ポリオレフィ
ン共重合体としては、エチレンまたはプロピレンとビニ
ルエステルまたはアクリル酸又はそのエステルとの共重
合体やポリオレフィン又はその共重合体に無水マレイン
酸などの不飽和酸やそのエステル等をグラフト重合させ
た重合体などがあり、その種類も多い。これら重合体中
には、容易に反応するとはいえないものもあるが、本発
明で使用される(加熱)条件下ではポリイソシアナート
と反応し、重合物のみでは達成されないような耐熱性の
向上した接着層が得られる。これらは、本発明に使用し
得る熱可塑性フィルムの代表的な一例を示した過ぎず、
本発明の熱可塑性フィルムか上記記述に限定されないこ
とはいうまでもない。
【0008】本発明の外壁部に用いられる熱可塑性樹脂
からなるこれらの重合体をホットメルト接着剤とするた
めには、重合体に粘着付与剤、ワックス、抗酸化剤、フ
ィラー、可塑剤等が添加(配合)される。これら添加剤
のうちには、イソシアナート基と反応する活性基を有す
るものも多く、特に粘着付与剤は、例えば重合体と同重
量添加する等添加量も多いため、フィルム状反応性ホッ
トメルトの(接着)性能に影響する度合も大きい。この
粘着付与剤として、ロジン及びその誘導体(ロジンエス
テル、水添ロジン、重合ロジン等)、テルペン樹脂、炭
化水素樹脂、クマロンインデン樹脂等がある。さらに、
市販品にはこれらを変性した各種製品があり、ポリイソ
シアナート化合物と反応して硬化(溶剤に対して不溶性
となる)するものも多い。その他の添加物としてポリ
ソシアナート化合物とは反応しないもののフィルムの熱
溶融性、(熱)流動性、軟化温度、接着性などを調節す
るためにポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン−
プロピレン・ジエン共重合体)、熱可塑性ゴム(例え
ば、スチレン−ブタジエン・共重合体、スレチン・イソ
プレン共重合体)なども、重合体を混合して使用され
る。それらは直接的にポリイソシアナート化合物と反応
しないが、生成する三次元構造体に組込まれてIPN構
造体となり、耐熱性が向上するものである。
【0009】一方、本発明の外壁部を構成する熱可塑性
樹脂には、先の添加物以外にも触媒を添加することがで
きる。ポリイソシアナート基の反応は、特に触媒を使用
せずに進行させることもできるが、触媒となる或る種の
化合物の添加によってより低温で短時間に進行させるこ
とができ、実用的にはフィルムの軟化温度、流動性と関
連づけて触媒の種類と添加量を調整する。触媒となる化
合物としては、ウレタン化反応触媒のいづれも使用可能
であるか、特に錫、チタン、鉛などの有機、無機化合
物、アミン化合物が効果的である。また、本発明のホッ
トメルト接着剤の使用においては、被着材料の間に挟み
込み、プレス加熱、高周波加熱、超音波加熱等の手段に
より加熱し、フィルムを溶融して使用される。
【0010】
【作用】本発明において、加熱等の手段により外壁部と
なる熱可塑性フィルムもしくはシートが溶融されるが、
その際に耐熱構造形成部に含まれるポリイソシアナート
化合物との混合系が形成され、溶融のために加えられた
熱や触媒の存在によってポリイソシアナート化合物と熱
可塑性フィルムもしくはシートの反応基や冷却固化時の
結露水などと化学反応により架橋化(三次元構造化)さ
れると共に、生成する架橋構造中に、化学反応に直接に
関与しない他の添加剤(例えば、イソシアナートと反応
性をもたない熱可塑性樹脂や粘着性を付与するために添
加された樹脂類、安定剤など)を包含した一種の相互貫
通網目構造(IPN)体が形成され、直接化学反応に関
与しない化合物をあたかも架橋構造をもった化合物と同
様の性能に変化させ、熱等によって再び溶融しないよう
に耐熱性などを向上させた。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面を参照して更に具体的に
説明する。図1は本発明のホットメルト接着剤の一例の
要部を示す断面図で、ホットメルト接着剤は、熱可塑性
樹脂の薄層からなる第1及び第2の外壁部と、第1及び
第2の外壁部1、2の間に介在するイソシアナート化合
物を含む耐熱構造形成部3を備えている。具体的には、
二枚の熱可塑性フィルムによりイソシアナート化合物を
封じ込めた構造のラミネートフィルムとして作製されて
いる。第1及び第2の外壁部1、2は、従来フィルム状
ホットメルト接着剤として使用されているフィルムで、
ポリオレフィン系、ポリアミド(ナイロン)系、飽和ポ
リエステル系などが使用される。また、第1の外壁部1
および第2の外壁部2は、同種の熱可塑性樹脂フィルム
又は異種の熱可塑性樹脂フィルムであっても良い。
【0012】図1に示す如くホットメルト接着剤を作製
するには次の3種類の方法がある。 (イ)第1及び第2の外壁部1、2となるフィルムを、
夫々従来の方法で作製し、各々のフィルムのラミネート
面にイソシアナート化合物を塗付し、イソシアナート化
合物を接着剤にしてラミネートする。 (ロ)第1及び第2の外壁部1、2となるフィルムを、
夫々従来の方法で作製し、片方のフィルムのラミネート
面にイソシアナート化合物を塗付し、イソシアナート化
合物を接着剤にしてラミネートする。 (ハ)第1の外壁部1となるフィルムを従来の方法で作
製し、このフィルムのラミネート面にイソシアナート化
合物を塗付し、この上に、Tダイ法などにより第2の外
壁部2となるフィルムを作製しながらラミネートする。
このように作製されたホットメルト接着剤は、使用に際
して加熱等の手段により外壁部が溶融されるが、その時
にイソシアナート化合物との混合系が形成され、フィル
ムとの反応基や冷却固化時の結露水などと反応して架橋
するほか、この反応に直接に関与しなかった混合物も、
反応によって形成された架橋構造中に包含され、熱可塑
性フィルムが熱硬化性フィルムやIPN構造体に変り、
耐熱性が向上するような設計である。
【0013】図2は図1のホットメルト接着剤の末端部
分の構造を示す部分断面図で、端部が熱によって溶封さ
れた封止端4、4を備えている。この封止端4、4は、
湿気(水分)等と容易に反応するイソシアナートの活発
な化学反応性を考慮して作成されている。このように末
端を溶封することにより、イソシアナートと反応する水
(湿気)のフィルム内への浸入を防止し、フィルム状反
応性ホットメルト接着剤の経時安定性を確保することが
できる。
【0014】図3は本発明のホットメルト接着剤の他の
一例の末端の構造を示す部分断面図で、ホットメルト接
着剤は、熱可塑性樹脂からなる第1及び第2の外壁部
1,2と、第1及び第2の外壁部1,2の間に介在する
イソシアナート化合物を含む耐熱構造形成部3とを備え
ている。端部は熱によって溶封された封止端5,5を備
えている。このように末端および中間点を溶封すること
によってイソシアナートと反応する水(湿気)のフィル
ム内への浸入を防止し、フィルム状反応性ホットメルト
接着剤の経時安定性を確保することができる。
【0015】図4は本発明のホットメルト接着剤のさら
に他の例の構造を示す部分断面図で、ホットメルト接着
剤は、熱可塑性樹脂の薄層からなる第1及び第2の外壁
部1,2と、第1及び第2の外壁部1,2の間に介在す
るイソシアナート化合物を含む耐熱構造形成部3を備え
ている。端部は熱によって溶封された封止端4,4を備
え、さらに中間点も溶封によって仕切壁6,6を設けて
ある。このように末端および中間点を溶封することによ
りイソシアナートと反応する水(湿気)のフィルム内へ
の浸入を防止し、フィルム状反応性ホットメルト接着剤
の経時安定性を更に確実に確保することができる。
【0016】以上のように作製されたホットメルト接着
剤は、簡単にいえば、イソシアナート化合物を2枚のホ
ットメルトフィルムで封じ込めた構造であり、空気中の
水分(湿分)などと容易に反応するイソシアナート化合
物が水と接触することが少なく、長期間安定に保持する
ことが可能である。ここで、本発明の耐熱構造形成部3
に使用し得るイソシアナート化合物としては、表2乃至
表4に示すような各種化合物の他に、表5に示すような
分子中に水酸基(OH)をもつ化合物とイソシアナート
化合物を、イソシアナート基過剰の条件下で反応させた
分子末端にイソシアナート基をもった化合物(ポリウレ
タンポリイソシアナート)等がある。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【表2】
【0021】上記化1〜3および表2に示した化合物
は、それら化合物の代表的な一例を示したにすぎず、本
発明に使用し得るイソシアナート化合物がこれらの記述
に限定されないことはいうまでもない。これらイソシア
ナート化合物は、図5に示すような化合物(活性基)と
活発に反応することがよく知られているが、これらの活
性基がホットメルト用熱可塑性フィルム中に存在すると
容易に反応し、フィルムの化学構造は、それらの反応点
で橋かけされて三次元構造体となり、熱によって再び可
塑化されることがなく、耐熱性が著しく向上する。
【0022】また、図5に示されるようにイソシアナー
ト化合物は、それ自身で付加して2〜3量体となるほか
空気中の湿分(水)とも容易に反応して、尿素結合やビ
ューレット結合となり、三次元構造体を生成するため、
イソシアナート基と反応性のない(フィルム中の)添加
物も、これら構造体に包含されて一種のIPN体となっ
て接着層の耐熱性が向上する。また、本発明の外壁部
1、2に使用される熱可塑性樹脂の活性基、即ち、イソ
シアナート化合物と反応し得る代表的な活性基として
は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、
酸無水物基、エポキシ基、アミド基等々があり、これら
の活性基をもった熱可塑性フィルムの代表例としては、
ポリオレフィン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、
ポリビニルプチラールなどがあり、多くの市販品かあ
る。この中で、ポリオレフィン共重合体としては、エチ
レンまたはプロピレンとビニルエステルまたはアクリル
酸またはそのエステルとの共重合体やポリオレフィンま
たは、その共重合体に無水マレイン酸などの不飽和酸や
そのエステル等をグラフト重合させた重合体などがあっ
てその種類も多い。例えば、オレフィンとビニルエステ
ルとの共重合であるEVAを例に代表的な市販品を示す
と、次のようなものがある。エバフレックス、エルバッ
クス[三井・デュポン(株)]、ユバール[クラレ
(株)]、エバスレン[大日本インク(株)]、ソアレ
ックス[日本合成化学(株)]、ポリマコール[ダウケ
ミカル・ジャパン(株)]等々があり、それらのうちに
は、EVAから誘導されたエチレン−酢酸ビニル共重合
体の部分加水分解物(エチレン−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体)やマレイン酸とのグラフト重合体も
含まれる。またポリオレフィンとアクリル酸エステルと
の共重合体の一例として、エチレン−アクリル化合物共
重合体かあり、プリマコール[ダウケミカル・ジャパン
(株)]、エスコール[エクソン化学(株)]、ボンダ
イン[住友化学・シーエフ化学(株)]、スミエート、
アクリクト[住友化学(株)]、デンカER[電気化学
工業(株)]等があり、さらにエチレンとアクリル酸と
の塩(アイオノマー、例えばハイミラン[三井・デュポ
ン(株)])等がある。
【0023】これら重合体は、いづれも容易に反応する
とはいえないものもあるが、本発明で使用される(加
熱)条件下ではイソシアナートと反応し、重合物のみで
は達成されないような耐熱性の向上した接着層が得られ
る。その他、市販されているポリエステル系重合体の代
表例としては、パイロン(東洋紡績(株))、ケミット
(東レ(株))、PES(東亜合成化学工業(株))、
ポリアミド系重合体の代表例として、バースアミド、バ
ーサロン[ヘンケル白水(株)]、ダイアミド[ダイセ
ル化学(株)]、トーマイド[富士化成工業(株)]が
ある。更に、ポリビニルアセタール類としてはエスレッ
ク[積水化学(株)]、デンカブチラール、デンカホル
マール[デンカ(株)]、モビタール[ヘキストジャパ
ン(株)]等がある。その他フェノキシ樹脂(ユニオン
カーバイド社)やポリビニルエステルの部分加水分解物
や、セルローズエステルなどがあるか、これらは本発明
に使用し得る熱可塑性フィルムの代表的な一例を示した
過ぎず、本発明の熱可塑性フィルムが上記記述に限定さ
れないことはいうまでもない。
【0024】これらの重合体をホットメルト接着剤とす
るためには、上記した重合体に粘着付与剤、ワックス、
抗酸化剤、フィラー、可塑剤等が添加(配合)される。
これら添加剤のうちには、イソシアナート基と反応する
活性基をもったものも多く、特に粘着付与剤は添加量も
多い(一例では、重合体と同重量添加する)ため、フィ
ルム状反応性ホットメルトの(接着)性能に影響する度
合も大きい。この粘着付与剤としては、ロジン及びその
誘導体(ロジンエステル、水添ロジン、重合ロジン
等)、テルペン樹脂、炭化水素樹脂、クマロンインデン
樹脂等がある。さらに、市販品にはこれらを変性した各
種製品があり、イソシアナート化合物と反応して硬化
(溶剤に対して不溶性となる)するものも多い。また、
イソシアナート化合物とは反応しないもののフィルムの
熱溶融性、(熱)流動性、軟化温度、接着性などを調節
するためにポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン
ープロピレンージエン共重合体)、熱可塑性ゴム(例え
ば、スチレンーブタジエン共重合体、スレチンーイソプ
レン共重合体)なども重合体を混合して使用される。そ
れらは直接的にイソシアナート化合物とは反応しない
が、生成する三次元構造体に組込まれてIPN構造体と
なって耐熱性が向上する。
【0025】一方、図5に示したイソシアナート基の反
応は、特に触媒を使用せずに進行させることもできる
が、触媒となる或る種の化合物の添加によって、より低
温で、短時間に進行させることができ、実用的にはフィ
ルムの軟化温度、流動性と関連づけて触媒の種類と添加
量を調整する。この種の触媒となる化合物としてはウレ
タン化反応触媒のいづれも使用可能あるか、特に錫、チ
タン、鉛などの有機、無機化合物、アミン化合物が効果
的である。
【0026】本発明のフィルム状反応性ホットメルト接
着剤は、被着材料の間に挟み込み、プレス加熱、高周波
加熱、超音波加熱等の手段により加熱し、フィルムを溶
融して使用される。その場合、フィルムの溶融と共にフ
ィルム間に存在するイソシアナート化合物も溶融し、流
動化した両化合物は混合される。混合と同時に、溶融の
ために加えられた熱や触媒の存在によってイソシアナー
ト基と、フィルム中の活性基との化学反応、イソシアナ
ート基と水(フィルムに付着した水分や空気中の湿分)
との反応、イソシアナート基同志の付加反応等が進行
し、フィルム(重合体)の三次元構造化や生成する三次
元構造体とイソシアナート未反応物とのIPN化が達成
され接着層の耐熱性が向上する。一方、被着材料に接す
る接着層の化学構造には、フィルムの活性基とイソシア
ナートとの反応によって生成した新たな化学構造、例え
ば、ウレタン、アロファネート、尿素、ビューレット構
造や、未反応のイソシアナート基が加わることになる
が、これらの化学構造は公知のウレタン系接着剤の接着
特性から考えて接着性能を損ねるよりむしろ向上する可
能性が大きい。
【0027】以下に、本発明を実施例及び比較例を挙げ
て更に具体的に説明する。 (実施例1) エチレン酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 100部 [エチレン、60(重量)%、酢酸ビニル36%、 ビニルアルコール4%、軟化点120℃(環球式) M1(メルトインデックス)51(g/10min)] テルペン樹脂 40部 ポリブテン 3部 上記組成混合物をホットプレス法により厚さ80μのフ
ィルム状に成形する。このフィルムにパラフィン系ジオ
ール[商品名ソバモール(ヘンケル白水(株)製]とジ
フェニルメタンジイソシアネートの反応物(NCO:O
H=2.3:1モル比、酢酸イソプロピル75%溶液)
を2−エチルヘキシル酸錫[反応物に対して0.05
(重量)%]との混合物をバーコーダで塗付(塗付量5
0g/m2)し、直ちに乾燥温風(温度約70℃)を吹
き付け、酢酸イソプロピルを除去した後、塗付面を張り
合せ、ラミネートフィルム(フィルム状反応性ホットメ
ルト接着剤)を作成した。
【0028】 (実施例2) ポリエステル[東洋紡績(株)製バイロン] 100部 融点132℃、溶融粘度80cp(200℃)、 硬度34(ショアD) 水添ロジングリセリンエステル[荒川化学(株)製] 15部 ロジン変性フェノール[大日本インク(株)製] 15部 混合物の溶液(トルエン・メチルエチルケトン混合物)
から、溶液法により作成した厚さ56μのフィルムに、
トリメルロールプロパンと、ジシクロヘキサン−4、
4′−ジイソシアナートとの反応物(NCO:OH=
2.1:1モル比)とトリエチレンジアミン(反応物に
対して0.01重量%)の酢酸イソプロピル75%溶液
をバーコーダで塗付(塗付量50g/m2)する。この
場合フィルムの末端は未塗装のままとする。塗付後、直
ちに乾燥温風(温度約70℃)を吹き付け、酢酸イソプ
ロピルを除去する。この塗付面に、塗付していない上記
フィルムをはり合せ、イソシアナート反応物の塗付して
あるフィルムの末端を約200℃に加熱したローラー状
のこてで圧着(ヒートシール)し、フィルム状反応性ホ
ットメルト接着剤を作成した。
【0029】 (実施例3) ポリアミド[富士化成工業(株)製 トーマイド] 100部 軟化点110℃、溶融粘度30cp(200℃) ポリテルペン[エッソ化学(株)製] 5部 エポキシ樹脂[シェル化学(株)製] 5部 スルホンアミド[モンサント(株)製] 2部 エポキシ化脂肪酸エステル[日本油脂(株)製] 2部 この混合物をホットプレス法でフィルム状(厚さ89
μ)に成形する。このフィルムに、分子末端にアミノ基
をもったポリエーテル[三井テキサコ社(株)製ジェフ
ァミン]とヘキサメチレンジイソシアナートの反応物
(NCO:NH2=28:1モル比)のジオキサン溶液
(濃度50%)をバーコーダで塗付(塗付量50g/m
2)する。この場合フィルムの末端は未塗装のままとす
る。直ちに乾燥熱風(温度約85℃)を吹き付け、ジオ
キサンを除去した後、上記フィルムをはり合せイソシア
ナートの塗付していないフィルム末端を約230℃に加
熱したローラー状のこてで圧着(ヒートシール)し、フ
ィルム状ホットメルト接着剤を作成した。
【0030】(比較例1) 実施例1で作成したフィルムを、イソシアナート化合物
を塗付せずに2枚重ねてそのまま使用した。 (比較例2) 実施例2で作成したフィルムを、イソシアナート化合物
を塗付せずに2枚重ねてそのまま使用した。 (比較例3) 実施例3で作成したフィルムを、イソシアナート化合物
を塗付せずに2枚重ねてそのまま使用した。
【0031】上記実施例1乃至3及び比較例1乃至3の
試料の評価を次のように行った。フィルム状反応性ホッ
トメルト接着剤の評価は、T形はく離強さを測定するこ
とにより評価した。図6は評価方法を示す図で接着試験
片を示しており、被着材として軟鋼板21対アルミフィ
ルム22を使用した。接着方法としては、軟鋼板21と
アルミフィルム22との間にフィルム状反応性接着剤試
料を挟み込み、200℃、5kgf/cm2、90秒の
加熱プレスにより作成した。このように形成した試験片
で剥離試験を行った。試験項目は次の(i)〜(ii
i)に示す通りである。 (i)常態はく離強さの測定:前記作製の接着試験片
を、接着直後に室温へ冷却し、直ちに90°はく離強さ
を測定した。クロスヘッドスピードは50mm/分であ
る。 (ii)経時後はく離強さの測定:前記作製の接着試験
片を23℃、60%RHの条件に7日間放置後、常態は
く離強さ(90゜)を測定した。 (iii)経時後耐熱はく離強さの測定:前記作製の接
着試験片を23℃、60%RHの条件に7日間放置後、
80℃の温度下で90゜はく離強さを測定した。以上の
評価結果を下記表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】上記表3に示すように、実施例1〜3は、
比較例に対してコルードプレスなしの場合においても、
優れた接着性能を示すことが判る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
容易に使用できて耐熱性に優れたホットメルト接着剤を
提供することができるため、これらの分野における利用
分野の大幅な拡大が期待できるという利点を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホットメルト接着剤の一例の要部を示
す部分断面図である。
【図2】図1のホットメルト接着剤の末端を示す部分断
面図である。
【図3】本発明のホットメルト接着剤の他の一例の末端
を示す部分断面図である。
【図4】本発明のホットメルト接着剤の更に他の一例の
末端を示す部分断面図である。
【図5】イソシアナート基の反応性の説明に供せられる
図である。
【図6】ホットメルト接着剤の剥離試験片を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 第1の外壁部 2 第2の外壁部 3 耐熱構造形成部 4 封止端 5 封止部 6 仕切壁

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルム若しくはシートか
    らなる外壁部間にポリイソシアナート化合物を含む耐熱
    構造形成部を封入してなり、 前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系、ポリアミド
    系、飽和ポリエステル系のうちの少なくとも一種である
    ことを特徴とするホットメルト接着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のホットメルト接着剤にお
    いて、前記外壁部は端部が封止されていることを特徴と
    するホットメルト接着剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のホットメルト接着剤にお
    いて、前記外壁部は長尺形状を有し、長さ方向両端とこ
    の両端間の中間部とに幅方向に沿って仕切壁を有するこ
    とを特徴とするホットメルト接着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のホットメルト接着剤にお
    いて、前記ポリイソシアナート化合物は、ポリイソシア
    ナート化合物であることを特徴とするホットメルト接着
    剤。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のホットメルト接着剤にお
    いて、前記熱可塑性樹脂及び前記ポリイソシアナート化
    合物は、溶融して混合した際に互いに反応して三次元構
    造体を形成するものであることを特徴とするホットメル
    ト接着剤。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のホットメルト接着剤にお
    いて、前記熱可塑性樹脂は、粘着付与剤、ワックス、抗
    酸化剤、フィラー、可塑剤等の任意に含有される添加物
    を含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のホットメルト接着剤にお
    いて、前記熱可塑性樹脂は、ウレタン化反応触媒を含む
    ことを特徴とするホットメルト接着剤。
  8. 【請求項8】 ポリオレフィン系、ポリアミド系、飽和
    ポリエステル系のうちの少なくとも一種からなる一対の
    熱可塑性樹脂フィルム若しくはシートを外壁部とし、前
    記外壁部の少なくとも一面にポリイソシアナート化合物
    を含む耐熱構造形成部を塗布して、前記一対の外壁部で
    前記耐熱構造形成部を挟み込むことを特徴とするホット
    メルト接着剤の製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリオレフィン系、ポリアミド系、飽和
    ポリエステル系のう ちの少なくとも一種からなる熱可塑
    性樹脂フィルム若しくはシートを第1の外壁部とし、前
    記第1の外壁部の一面にポリイソシアナート化合物を含
    む耐熱構造形成部を塗布し、さらに、この上に熱可塑性
    フィルムまたはシートからなる第2の外壁部を形成し、
    前記耐熱構造形成部を挟み込むことを特徴とするホット
    メルト接着剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項又は記載のホットメルト接
    着剤の製造方法において、前記耐熱構造形成部を挟み込
    んだ後、両端若しくは中間部を熱溶着させて、封止部又
    は仕切壁を形成することを特徴とするホットメルト接着
    剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のホットメルト接着剤を
    使用する方法であって、前記ホットメルト接着剤を被着
    材間に挟み込み、プレス加熱法、高周波加熱法及び超音
    波加熱法のうちの少なくとも一種の方法で、前記ホット
    メルト接着剤を溶融し、冷却固化して前記被着材を接着
    することを特徴とするホットメルト接着剤の使用方法。
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