JP2657565B2 - 薄膜形成装置用の膜厚制御装置 - Google Patents

薄膜形成装置用の膜厚制御装置

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JP2657565B2 JP2041507A JP4150790A JP2657565B2 JP 2657565 B2 JP2657565 B2 JP 2657565B2 JP 2041507 A JP2041507 A JP 2041507A JP 4150790 A JP4150790 A JP 4150790A JP 2657565 B2 JP2657565 B2 JP 2657565B2
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成治 廣木
哲也 阿部
義夫 村上
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は薄膜形成装置の膜厚制御装置を利用分野と
し、特にモニタ用水晶振動子(以下モニタ用振動子とす
る)の周波数温度特性を補償した膜厚制御方法に関す
る。
(発明の背景) 薄膜形成装置例えば抵抗加熱型の真空蒸着装置は水晶
振動子等の電極形成に利用される。そして、通常では、
電極の膜厚をモニタ用振動子を使用した膜厚監視装置に
より制御する。近年では、水晶振動子の振動周波数の規
格等が厳格になるに伴い、電極の厚みを高精度で制御で
きるようにした膜厚制御装置が望まれている。
(従来技術) 第2図はこの種の膜厚制御装置を説明する図で、同図
(a)は概略図、同図(b)は水晶振動子の断面図であ
る。
膜厚制御装置は被蒸着体となる水晶振動子(以下蒸着
用振動子とする)1に併設したモニタ用振動子2と、こ
のモニタ用振動子2を発振子とした発振回路3と、目標
周波数を設定する基準信号源4と、発振回路3と基準信
号源4との出力を比較する比較器5と、蒸着源6を開閉
するシャッタ8の駆動回路7からなる。モニタ用振動子
2は例えばATカットの厚みすべり振動姿態のものからな
る。両主面には電極15が形成され、第3図に示したよう
に電極15の膜厚(質量)pに応じて周波数を低下させる
(質量不可効果と称される)。
このようなものでは、モニタ用振動子2の蒸着による
周波数低下量を蒸着用振動子1の目標周波数に応じて設
定する。また、基準信号源Aは蒸着後のモニタ用振動子
2の周波数に設定される。そして、蒸着開始後、モニタ
用振動子2が目標周波数に到達したとき、比較器5から
シャッタ駆動回路7に一致信号を送出する。シャッタ駆
動回路7は閉信号を送出してシャッタ8を閉じ蒸着を終
了させる。このようなことから、蒸着前のモニタ用振動
子2の周波数をf1、蒸着後をf2(但しf2<f1になる)と
すると、蒸着用振動子1は蒸着後にΔf(f1−f2)だけ
周波数が低下して目標周波数に調整される。
(従来技術の問題点) しかしながら、上記構成における膜厚制御装置のモニ
タ用振動子2は温度によって周波数の変化する温度特性
を有する。この場合は、ATカットであるため、第4図に
示したように常温付近に変曲点を持つ(即ち平坦部)三
次曲線となる。なお、極小値は約75℃になる。しかし、
蒸着装置内の温度は例えば蒸着体(電極材料)によって
も異なるが、約100〜250℃に設定される。したがって、
モニタ用振動子2は温度特性の右上がりの直線部分で動
作することになり、温度変化に対する周波数安定度を低
下させ、正確な膜厚の制御をできない問題があった。
このようなことから、通常では、図示しない水冷ある
いは空冷によりモニタ用振動子2を冷却して変曲点部分
が動作温度となるようにしていた。しかし、このような
ものでも、常に、一定の温度に維持することは困難で周
波数安定度を損ねる問題があった。また、構造等を複雑
にして保守、点検等を要し、生産性を低下させる問題も
あった。
(発明の目的) 本発明は、温度に対する周波数安定度を良好にして高
精度の制御を可能とした膜厚制御装置を提供することを
目的とする。
(解決手段) 本発明は、モニタ用振動子に可変容量素子を接続して
電圧制御型とするとともに、前記モニタ用振動子に温度
検出用センサを併設し、前記温度センサの検出温度に応
答した補償電圧を前記可変容量ダイオードに印加し、前
記モニタ用振動子の温度変化による発振周波数を補償し
たことを解決手段とする。以下、本発明の一実施例を説
明する。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例を説明する膜厚制御装置の
概略図である。
膜厚制御装置は蒸着用振動子1の膜厚を監視するモニ
タ用振動子2に温度検出用センサとしての水晶振動子
(以下、温度用振動子とする)9を併設する。但し、温
度用振動子9は蒸着源6からは遮蔽されてその膜厚は一
定とする(即ち、発振周波数が蒸着中においても一定と
する)。そして、モニタ用振動子2には可変容量ダイオ
ード10を接続して発振回路3を所謂電圧制御方式とす
る。また、温度用振動子9はモニタ用振動子2と同一切
断角度のATカットとし、これを発振子とした発振回路11
に接続する。そして、その出力をFV変換器12により補償
電圧に変換し、これを可変容量ダイオード10に印加する
構成とする。FV変換器12は例えばメモリ13とD・A変換
器14からなる。メモリ13は発振回路11の発振周波数に応
じた電圧値が予めデジタル信号として記憶され、D・A
変換器14はこのデジタル信号により補償電圧を発生す
る。なお、図中の一点鎖線枠内は蒸着装置のチャンバー
内を示す。
このようなものでは、例えばAlを蒸着すると蒸着装置
内の動作温度は略120℃となる。すなわち、モニタ用振
動子2と温度用振動子9の動作温度は温度特性中の右上
がりの直線部分になる(前第4図参照)。例えば、蒸着
中に蒸着装置内の温度が低下するとモニタ用振動子2及
び温度用振動子9による発振周波数はその温度特性によ
りそれぞれΔf及びΔf′ずつ下がる。そして、温度用
振動子9による発振周波数はFV変換器12のメモリ13に予
め記憶されたΔf′に応じたデジタル信号を選択し、DA
変換器により補償電圧Vに変換される。そして、この補
償電圧Vが可変容量ダイオード10に印加されてモニタ用
振動子2による発振周波数を高め、温度による周波数変
化分Δfを補正する。そして、前述したように、モニタ
用振動子2が目標周波数に到達したとき、比較器5から
の一致信号によりシャッタ8を閉じて蒸着を終了させ
る。
したがって、このような構成であれば、温度用振動子
9により蒸着装置内の温度を検出してモニタ用振動子2
の温度による周波数変化を補正するので、蒸着用振動子
1の膜厚を確実に制御できて発振周波数を規定値内にす
ることができる。また、従来例に比較し、冷却装置等を
不要にするので生産性等をも向上できる。
(他の事項) なお、上記実施例では温度検出用センサは温度用水晶
振動子の周波数温度特性を利用して構成したが、例えば
サーミスタ、赤外線放射温度計、熱電対及び光ファイバ
ー式温度計等の他の方式を採用してもよいものである
が、検出精度としては水晶振動子が10-6程度の安定度を
有することから、基本的にはこの水晶振動子の利用が望
ましい。
(発明の効果) 本発明は、モニタ用振動子に可変容量素子を接続して
電圧制御型とするとともに、前記モニタ用振動子に温度
用センサを併設し、前記温度用センサの検出温度に応答
した補償電圧を前記可変容量ダイオードに印加し、前記
モニタ用振動子の温度変化による発振周波数を補償した
ので、温度に対する周波数安定度を良好にして高精度の
制御を可能とした膜厚制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を説明する膜厚制御装置の概
略図である。 第2図は膜厚制御装置を説明する一従来例の図で、同図
(a)は概略図、同図(b)は水晶振動子の断面図であ
る。第3図は質量負荷特性を示す図、第4図は温度特性
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 亜紀雄 埼玉県狭山市大字上広瀬1275番地の2 日本電波工業株式会社狭山事業所内 審査官 鈴木 正紀

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜を形成する薄膜形成装置に使用され、
    前記薄膜の膜厚をモニタ用水晶振動子の発振周波数によ
    り監視するようにした膜厚制御装置において、前記モニ
    タ用水晶振動子に可変容量素子を接続して電圧制御型と
    するとともに、前記モニタ用水晶振動子に温度検出用セ
    ンサとしての水晶振動子を併設し、前記水晶振動子の温
    度変化による周波数変化分に応答した補償電圧を前記可
    変容量ダイオードに印加し、前記モニタ用水晶振動子の
    温度変化による発振周波数を補償したことを特徴とする
    膜厚制御装置
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