JP2656764B2 - コネクタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はコネクタに関し、特
に折り畳み可能な電子機器におけるヒンジ一体型のコネ
クタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のコネクタでは、折り畳み可能な電
子機器のヒンジ部と共に一体的に使用できるコネクタは
存在していなかった。そのため、ヒンジ部を介して分け
られた電子機器の２つのブロックがシート状ケーブルに
よって電気的に接続されていた（例えば、特開昭６３−
１２９７５５号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来のシート状ケ
ーブルで電気的に接続されたコネクタにおいて、ヒンジ
部は開閉を繰り返すとシート状ケーブルが断線する事が
ある、という不具合があった。また、シート状ケーブル
を電子機器の外側から見えない様にする為に機器の内部
に取り込んだ構造にするが、この構造ではヒンジ部が組
み立てにくいという問題点もあった。

【０００４】本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、シ
ート状ケーブルを用いることなく、折り畳み自在なヒン
ジ一体型のコネクタを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のコネクタは、プ
リント板をそれぞれ挿入する挿入口を有する２つの筺体
と、この２つの筺体を開閉自在に結合するヒンジ構造
と、前記２つの筺体のそれぞれの挿入口の内部にて前記
プリント板の導体パターンの配列に対応した所定ピッチ
で設けられて前記プリント板と接触し且つあい対するも
の同士が互いに接触するそれぞれ複数の第１及び第２の
電極部と、前記２つの筺体にそれぞれ設けられ挿入した
前記プリント板を固定する少なくとも１個の取付孔とを
備えている。

【０００６】このコネクタにおいて、前記筺体の一方の
前記第１の電極部の各々はばね状の導体を介してキャッ
プ状の導体と接続されており、前記筺体の他方の前記第
２の電極部の各々は前記第１の電極部と接触する部分が
円弧状を呈し、前記ヒンジ構造による前記２つの筺体の
開閉動作に伴い前記第１の電極部の前記キャップ状の導
体が前記第２の電極部の前記円弧状の表面を摺動して前
記第１及び第２の電極部間の電気的接触を維持すべくし
たものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。

【０００８】図１は本発明の実施の形態の閉状態を示し
（ａ）ないし（ｅ）は外観図、（ｆ）は要部の断面図、
図２はこの実施の形態の開状態を示し（ａ）ないし
（ｅ）は外観図、（ｆ）は要部の断面図、図３はこの実
施の形態の使用状況を示す斜視図である。

【０００９】この実施の形態は以下のように構成され
る。筺体１及び筺体２は、それぞれプリント板を挿入可
能な挿入口３及び挿入口４を有している。この筺体１と
筺体２はヒンジ部５で互いに開閉自在に結合され、筺体
１はヒンジ部５の外枠１ａを、また筺体２はヒンジ部５
の内枠２ａをそれぞれ形成する。挿入口３及び挿入口４
の内部にはそれぞれ複数個の電極６及び電極７を有し、
この複数個の電極６，７は、図３に示すプリント板２
０，２１の表面にそれぞれ設けられている複数の導体パ
ターン２４，２５の配列と同じピッチで且つ位置的に対
応するように設けられている。

【００１０】筺体１側の挿入口３に配される電極６は、
挿入端側から内部に延びてヒンジ部５側の端部にてばね
状の導体８を介し、キャップ状の導体９と電気的に接続
している。筺体２側の挿入口４に配される電極７は、挿
入端側から内部に延び、ヒンジ部５に対応する部分がヒ
ンジ部５をとり囲むように周回して円弧状に形成され、
筺体１と筺体２が閉じているときには図１（ｆ）のよう
に、ヒンジ部５のポイント１８の位置において導体８の
ばね付勢力を受けたキャップ状の導体９と電気的に接触
している。

【００１１】筺体１は挿入口３の他にもプリント板２０
をはさみ込むための溝１４と溝１５を有し、筺体２は同
様にプリント板２１をはさみ込む溝１６と溝１７を有す
る。これらの溝１４ないし１７に対応する筺体１，筺体
２の部分には、挿入口３，４に挿入したプリント板２
１，２２を固定するためのボルト用挿入孔１０，１１，
１２，１３がそれぞれ設けられている。

【００１２】図２はこの実施の形態のコネクタをヒンジ
部５を用いて開いた状態を示し、同図（ｆ）に示すよう
に、筺体２側の電極７と筺体１側のキャップ状の導体９
はポイント１９において電気的に接触している。

【００１３】次に、このような構成の本実施の形態の動
作について説明する。

【００１４】図３に示すように、このコネクタの筺体１
と筺体２に対しプリント板２０とプリント板２１をそれ
ぞれ挿入口３，４に挿入し、端部をボルト用挿入孔１０
ないし１３を用いボルト２２とナット２３で固定する。
この図３の状態では、筺体１と筺体２はヒンジ部５を介
し図２（ｆ）のように開いた状態となっている。またこ
のとき、プリント板２０，２１の表面にある複数の導体
パターン２４，２５は、それぞれコネクタ内の対応する
電極６，７と電気的に接触する。

【００１５】次に、このコネクタを閉状態、即ち折り畳
んで図１に示す状態にするとき、ポイント１９において
電極７と接しているキャップ状の導体９が、筺体１の開
閉動作に伴い、ヒンジ部５の周囲の電極７の円弧状の部
分の表面を周回しながら摺動し、導体８のばね付勢力を
受けて電気的接触を維持しつつ図１（ｆ）に示すポイン
ト１８まで移動する。この位置まで来ると筺体１と筺体
２は閉状態となり、電極６と電極７の電気的接触はキャ
ップ状の導体９及びばね状の導体８を介しつつ、ポイン
ト１８において保たれる。即ち、２板のプリント板２
０，２１間の電気的接触を維持しつつ、折り畳み開閉自
在なコネクタを得ることができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明した様に本発明のコネクタは、
２枚のプリント板を挿入し且つヒンジ部を介して折り畳
み自在としてもプリント板間の電気的接触が維持可能な
ヒンジ一体型としたので、従来の折り畳み式の電子機器
のヒンジ部に利用されていたシート状ケーブルに代わり
使用することが可能になる。これにより、従来のシート
状ケーブルで問題となっていた断線という不具合を無く
すことができ、さらにプリント板をコネクタに挿入する
構造のため組み立て作業性も向上するなどの効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の閉状態を示し、（ａ）は
平面図、（ｂ）は左側面図、（ｃ）は右側面図、（ｄ）
は上面図、（ｅ）は下面図、（ｆ）は（ａ）のＡ−Ａ線
における要部の断面図である。

【図２】本発明の実施の形態の開状態を示し、（ａ）は
平面図、（ｂ）は左側面図、（ｃ）は右側面図、（ｄ）
は上面図、（ｅ）は下面図、（ｆ）は（ａ）のＡ−Ａ線
における要部の断面図である。

【図３】本発明の実施の形態の使用状況を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１，２ 筺体 ３，４ 挿入口 ５ ヒンジ部 ６，７ 電極 ８ ばね状の導体 ９ キャップ状の導体 １０，１１，１２，１３ ボルト用挿入孔 １４，１５，１６，１７ 溝 ２０，２１ プリント板 ２２ ボルト ２３ ナット ２４，２５ 導体パターン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−190072（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−483（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−37782（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−5088（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−40488（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−131889（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−33489（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−5171（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント板をそれぞれ挿入する挿入口を
   有する２つの筺体と、この２つの筺体を開閉自在に結合
   するヒンジ構造と、前記２つの筺体のそれぞれの挿入口
   の内部にて前記プリント板の導体パターンの配列に対応
   した所定ピッチで設けられて前記プリント板と接触し且
   つあい対するもの同士が互いに接触するそれぞれ複数の
   第１及び第２の電極部と、前記２つの筺体にそれぞれ設
   けられ挿入した前記プリント板を固定する少なくとも１
   個の取付孔とを備えることを特徴とするコネクタ。
2. 【請求項２】 前記筺体の一方の前記第１の電極部の各
   々はばね状の導体を介してキャップ状の導体と接続され
   ており、前記筺体の他方の前記第２の電極部の各々は前
   記第１の電極部と接触する部分が円弧状を呈し、前記ヒ
   ンジ構造による前記２つの筺体の開閉動作に伴い前記第
   １の電極部の前記キャップ状の導体が前記第２の電極部
   の前記円弧状の表面を摺動して前記第１及び第２の電極
   部間の電気的接触を維持すべくしたことを特徴とする請
   求項１記載のコネクタ。