JP2656451B2 - マグネシア質吹付材 - Google Patents

マグネシア質吹付材

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JP2656451B2 JP6269961A JP26996194A JP2656451B2 JP 2656451 B2 JP2656451 B2 JP 2656451B2 JP 6269961 A JP6269961 A JP 6269961A JP 26996194 A JP26996194 A JP 26996194A JP 2656451 B2 JP2656451 B2 JP 2656451B2
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佳久 浜崎
正志 森
招功 飛田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネシア質吹付材に
関し、更に詳細には連続鋳造用のタンディッシュの内張
材に吹付被覆を形成するのに適したマグネシア質吹付材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造用のタンディシュは、シャモッ
ト質、アルミナ質あるいはアルミナ−スピネル質の耐火
キャスタブルまたはれんがで内張りされており、その上
に、内張材の保護、使用後の残留溶鋼を取り易くする、
溶鋼の清浄化を目的としてマグネシア質の吹付材または
コーティング材を薄く施工して使用されている。
【0003】一般に、この目的で使用されるマグネシア
質吹付材は、マグネシア骨材に粘土等の粘着材、バイン
ダーとして珪酸ソーダまたは燐酸塩等が添加されてお
り、更に、急乾燥を行う場合には、若干の有機繊維を添
加されることもある。このような配合を有するマグネシ
ア質吹付材の施工には、吹付ロボットが使用されるのが
一般的であり、粉末状態の吹付材をガンで空気輸送によ
り吹付ノズルへ送り、ここで水を添加して内張材の表面
へ薄く吹付施工される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のマグネ
シア質吹付材は、吹付施工時に粉塵が発生することがあ
り、作業環境上問題があった。
【0005】一般に、粉塵防止対策としては、耐火材料
を水またはアルコール類、グリセリン等で湿潤させる方
法が知られているが、マグネシア原料を主体とする材質
では水和反応が起こり、硬化する現象が発生し好ましく
ない。また、アルコール類、グリセリン類等もバインダ
ーと反応を起こすことがあり、湿潤効果もほとんど見ら
れない。
【0006】更に、乾式振動成形用粉末耐火材料におい
ては、灯油、軽油、重油、真空ポンプオイル、タービン
油のような鉱物油で湿潤させることが行われているが、
タンディッシュの内張材を被覆するために使用されるマ
グネシア質吹付材は通常100〜200℃の温度で施工
され、このような温度域で上述のような鉱油類は臭気を
発生するために使用することができない等の問題点があ
る。
【0007】従って、本発明の目的は、吹付施工時に粉
塵が発生せず且つ臭気等が発生することがないマグネシ
ア質吹付材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明のマグネシ
ア質吹付材は、マグネシア原料85〜98.3重量%、
粘結材0.5〜3重量%、バインダー1〜10重量%及
び有機繊維0.2〜2.0重量%よりなるマグネシア質吹
付材100重量部に対して外掛で0.3〜3.0重量部の
天然油脂を添加配合することを特徴とする。
【0009】更に、本発明のタンディッシュ内張材被覆
用マグネシア質吹付材は、マグネシア原料85〜98.
3重量%、粘結材0.5〜3重量%、バインダー1〜1
0重量%及び有機繊維0.2〜2.0重量%よりなるマグ
ネシア質吹付材100重量部に対して外掛で0.3〜3.
0重量部の天然油脂を添加配合することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のマグネシア質吹付材には、骨材として
マグネシア原料を使用する。マグネシア原料としては例
えばマグネサイトクリンカー、海水マグネシアクリンカ
ー、電融マグネシアクリンカー等を使用することができ
る。マグネシア原料の配合割合は、85〜98.3重量
%、好ましくは92〜95重量%の範囲内である。ここ
で、マグネシア原料の配合割合が85重量%未満の場合
には吹付施工用の主原料不足のために好ましくなく、ま
た、98.3重量%を超えると結合材不足のために好ま
しくない。なお、本発明のマグネシア質吹付材は例えば
タンディッシュ内張材表面上に20〜30mm程度の比
較的薄いコーティング厚で施工されるものであるため
に、骨材として使用されるマグネシア原料の粒度は上限
が3mm程度であることが好ましい。
【0011】また、本発明のマグネシア質吹付材には、
粘結材として例えば粘土、ベントナイト等を添加、配合
する。この粘結材は、吹付材の施工時に粘着性が必要と
なるために配合されるものである。粘結材の配合割合
は、0.5〜3重量%、好ましくは1〜2重量%の範囲
内である。粘結材の配合割合が0.5重量%未満である
とその効果が少なくなるために好ましくなく、また、3
重量%を超えると耐食性が低下するために好ましくな
い。
【0012】更に、本発明のマグネシア質吹付材には、
バインダーとして例えば珪酸ソーダ、消石灰、リン酸ソ
ーダ等を添加、配合する。このバインダーは、吹付施工
後施工体を硬化させるために必要となる。バインダーの
配合割合は、1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%
の範囲内である。バインダーの配合割合が1重量%未満
であると効果が小さくなるために好ましくなく、また、
10重量%を超えると耐食性が低下するために好ましく
ない。
【0013】また、本発明のマグネシア質吹付材には、
吹付施工後の急激な乾燥の際に吹付水分を抜け易くする
目的及び断熱性を付与する目的で有機繊維を添加する。
有機繊維としては例えばポリビニルアルコール繊維、麻
糸等を使用することができる。有機繊維の配合割合は、
0.2〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%の範
囲内である。有機繊維の配合割合が0.2重量%未満で
あるとその効果が小さくなるために好ましくなく、ま
た、2重量%を超えると強度低下、耐食性低下のために
好ましくない。
【0014】上述のようにマグネシア原料85〜98.
3重量%、粘結材0.5〜3重量%、バインダー1〜1
0重量%及び有機繊維0.2〜2.0重量%よりなるマグ
ネシア質吹付材に、天然油脂を添加、配合するところが
本発明のマグネシア質吹付材の特徴である。天然油脂
は、吹付材を湿潤させて吹付施工時の粉塵の発生を防止
すると共に施工温度域で臭気などを発生することがな
い。天然油脂としては例えばゴマ油、菜種油、大豆油、
アマニ油、キリ油等を使用することができ、これらの2
種以上を併用することもできる。天然油脂の配合割合
は、上記マグネシア質吹付材100重量部に対して外掛
で0.3〜3.0重量部の範囲内である。天然油脂の配合
割合が0.3重量部未満ではその添加効果が少ないため
に好ましくなく、また、3.0重量部を超えると添加効
果が飽和して添加量を増加してもそれに見合う効果が得
られない。また、3.0重量部を超えて添加すると、吹
付機内での流動性が不良となり吹付ホース内に詰まる恐
れがあるために好ましくない。
【0015】上述のような構成を有する本発明のマグネ
シア質吹付材は、所定の水分例えば吹付材全量に対して
外掛で10〜20重量%、好ましくは12〜16重量%
程度を添加、配合し、慣用の吹付施工方法にて施工する
ことができる。
【0016】
【実施例】 実施例1 以下の表1に示す配合割合を有する配合物25kgを吹
付施工して160×40×400mmの板状試料とし
た。この時の施工温度は100℃であったが、臭気の発
生はなく、また、吹付施工の粉塵の発生状況を肉眼で観
察した結果を表1に記載する。次に、110℃で24時
間乾燥後、得られた試料から40×40×160mmの
供試試料を切り出し、1000℃で3時間加熱した後の
線変化率、見掛気孔率並びに曲げ強さを表1に併記す
る。更に、上記供試試料を使用し、侵食剤として転炉ス
ラグを使用し、温度1550℃で2時間酸素−プロパン
バーナーを用いて耐スラグ侵食性試験を行い、その結果
を比較品1を100とした指数として表1に記載する。
【0017】
【表1】
【0018】実施例2 A社のタンディッシュの内張材(材質:シャモットれん
が)表面上に、本発明品6のマグネシア質吹付材約80
0kgを100℃の温度下で吹付施工して約30mmの
被覆を形成した。なお、吹付施工時の粉塵の発生は従来
品の1/10以下であり、臭気の発生はなかった。その
後、このタンディッシュを実操業に供したが、耐食性、
地金取り、清浄性共遜色なく、本発明のマグネシア質吹
付材の効果が実証された。
【0019】
【発明の効果】本発明のマグネシア質吹付材は、天然油
脂を配合しているため、吹付施工時の粉塵の発生を抑制
することができると共に、タンディッシュ内張材を被覆
するために例えば100〜200℃の温度域で吹付施工
を行っても天然油脂に起因する臭気等は発生せず、吹付
施工環境を大幅に改善することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシア原料85〜98.3重量%、
    粘結材0.5〜3重量%、バインダー1〜10重量%及
    び有機繊維0.2〜2.0重量%よりなるマグネシア質吹
    付材100重量部に対して外掛で0.3〜3.0重量部の
    天然油脂を添加配合することを特徴とするマグネシア質
    吹付材。
  2. 【請求項2】 天然油脂がゴマ油、菜種油、大豆油、ア
    マニ油及びキリ油からなる群から選択される1種または
    2種以上である請求項1記載のマグネシア質吹付材。
  3. 【請求項3】 マグネシア原料85〜98.3重量%、
    粘結材0.5〜3重量%、バインダー1〜10重量%及
    び有機繊維0.2〜2.0重量%よりなるマグネシア質吹
    付材100重量部に対して外掛で0.3〜3.0重量部の
    天然油脂を添加配合することを特徴とするタンディッシ
    ュ内張材被覆用マグネシア質吹付材。
  4. 【請求項4】 天然油脂がゴマ油、菜種油、大豆油、ア
    マニ油及びキリ油からなる群から選択される1種または
    2種以上である請求項3記載のタンディッシュ内張材被
    覆用マグネシア質吹付材。
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