JP2656063B2 - 抗原性物質を含有する医薬組成物 - Google Patents

抗原性物質を含有する医薬組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗原性物質を使用して、動物および人間の胃
腸管内の障害および疾病の予防および治療することに関
する。
動物および人間の胃腸管内の病的障害は全世界的に深
刻で経済的に重大な問題を提示している。人間医療にお
ける慢性疾病の中で、たとえば消化性潰瘍病はヨーロッ
パおよび比米において約8〜10%の永続的な病気であ
る。従って、米国、オランダ、イタリイおよびスウエー
デンにおける消化性潰瘍患者に係る総経費は労働力の損
失を含めて、各国家の健康管理費の約1%に相当する。
たとえば、西ドイツ国においては、消化性潰瘍病による
死亡率は1952年から1980年までの間に、住民100,100人
当り7人から6人に僅かにだけ減少している〔Sonnenbe
rg R.,Fritsch,A.によるChanging mortality of peptic
ulcerdisease in Germany.Gastroenterology84,1553頁
(1983年)〕。しかしながら、この期間内に、中年およ
び初老の人々の致死的病気としての消化性潰瘍は主とし
て老人および高年令の人々の病気に移つてきている。他
方、女性においては胃潰瘍および十二指腸潰瘍による死
亡率は増加している。十二指腸による男性の死亡率は不
変のままであり、胃潰瘍による死亡率は僅かに減少して
いる。
現在、消化性潰瘍病の処置には、主としてH2−拮抗剤
が使用されている〔Bauernfeind等によるUlcustherapi
c.JAMA.Heft2、135(1986年)〕。H2−拮抗剤による治
療の原理は胃腸管内における酸の攻撃的作用の減少にも
とづいている。この治療は望ましくない多くの副作用を
付随する。上記したように、消化性潰瘍は永続性の慢性
病に含まれることから、消化性潰瘍には、潰瘍再発の予
防という重要な問題が依然として存在する。たとえば、
十二指腸潰瘍の場合に、13ケ国内の44の医療機関におけ
る長期間の調査で、1423人の患者の中で12ケ月後に再発
しなかつた患者は81%であり、24ケ月後に再発しなかつ
た患者は73%そして36ケ月後に再発しなかつた患者は65
%であつた〔DMW111.Jg.Nr.3、117頁(1986年)〕。従
つて、特に長期間にわたり副作用を示さず、しかも予防
的効果を有する消化性潰瘍の予防または処置用の別種の
医薬に対して緊急の要求が存在している。
下痢および消化性潰瘍病は人間にとつて深刻な問題で
あるばかりでなく、また動物医薬、特に養豚および養牛
および家禽養殖においても深刻な問題である。たとえ
ば、離乳し、半液状高エネルギー飼料に変えた後の子豚
に潰瘍が生じ、これは一部分で致命的になることはよく
知られている現象である。(ヨーロッパ)共同市場内の
120〜160,000,000匹(推定値)の豚の3〜4%がこの影
響を受けている。これらの数字にもとづくと、一年間で
約4百万匹の豚が失なわれ、この結果として、西ドイツ
国市場では一年間で1〜2兆ドイツ マルクの財政上の
損失が生じることになる。これらの病気に対する有効な
手段が必要であることは明らかである。近年、同じこと
が牛飼育および家禽養殖でも現実になつている。
消化性潰瘍は、病理学的には消化中における酸および
ペプシンの分泌のような攻撃的因子が特別に重大な因子
であると見做されている〔Grossman.M.I.によるRegulat
ion of gastric acid secretion.In:Physiology of the
Gastrointestinal Tract,L.R.Johnson編、Raven出版
社、New York.659〜671年(1981年)〕。
これらの攻撃因子に対抗する保護的病理学的消化メカ
ニズムが存在する。これらの保護メカニズムの中に、胃
における粘液分泌があり、これは重炭酸塩分泌と一緒に
なつて、粘膜防護壁の第一層として働く。
胃の種々の分泌成分および細胞再生は神経内分泌メカ
ニズムにより調節される。前記攻撃的消化作用を開始さ
せるホルモンはガストリンである。ガストリンは1964年
に単離されている〔Gregory.R.A.、Tracy.H.J.によるTh
e constitution and properties of two gastrinsextra
cted from hog antral mucosa.Gut5、103〜117頁(1964
年)〕。
最近まで、胃の機能の刺激に対する研究は総体的に考
慮されていなかつた。胃の粘膜は食餌とともに、抗原性
であると考えられる物質と接触する。しかしながら、胃
における免疫学的構造に係る示唆があつたにもかかわら
ず、それらの機能については考えられていなかつた。近
年、実験的研究において、抗原による先行する免疫付与
に引続いて、当該抗原による経口チャレンジが胃の幽門
洞において免疫反応を誘発し、完全な多段階胃内消化作
用を開始させることが示されていた。すなわち、主とし
て、胃腔内および十二指腸における局所的血流の増加、
胃の粘液分泌の増加およびガストリン放出の刺激が生じ
る。胃機能の免疫学的刺激が証明されたことにより消化
作用に係る生理学的および病理学的観点に完全に新しい
観点が提示された。動物実験から得られたこのデータは
胃において、先行の免疫付与の後に胃腔内抗原が認めら
れ、そして消化作用が誘発されることを示した〔Teichm
ann.R.K.、Andress.H.J.、Gycha.S.Seifert,J.、Brende
l.W.によるImmunological medinted gastrin release.G
astroenterology.84、2(1983年)〕。
免疫蛍光顕微鏡検査では、免疫付与された動物の粘膜
固有層内に経口適用された抗原に対する結合性部位を見
ることができる。さらに、抗原投与後に胃腔内のその表
面上に免疫関与抗原(いわゆるI a−抗原)を示す細胞
の数の増加が見られる。二重免疫蛍光顕微鏡検査法を使
用すると、抗原に対する結合性部位がI a−抗原を示す
細胞上に位置しているように見えることが証明される。
さらにまた、抗原投与後の免疫付与された動物の粘膜
固有層における肥満細胞中の細胞質の増加および肥満細
胞脱顆粒化の増加、ならびに上皮内リンパ球の増加が見
られる〔Teichmann,R.K.、Andress,H.J.、Liebich,H.、
Seifert,J.、Brendel,W.によるDie Bedeutung immunkom
petentzer Zellen im Antrum bei der Stimulation von
verdauungsprozesson.Langenbecks Arch.Chir.Suppl.1
51、(1984年)〕。
このように、胃内消化作用を係る免疫媒介刺激作用期
間中に、酸のような攻撃因子に加えて、血流および粘液
分泌のような細胞保護メカニズムが始められる。
これらの結果にもとづき、後続の実験が犬の単離され
た幽門洞−筋肉潅流モデルを使用して、胃機能の免疫学
的刺激作用の媒介体(mediators)に関して行なわれ
た。この実験で、静脈流出液中のガストリンおよびプロ
スタグランジンE2およびF2の測定が行なわれた。
免疫付与された動物において、抗原投与後に採取され
た蛍光発光管リンパ液(fluoresic duct Lymph)の上澄
液は単離された胃腔潅流モデルにおけるガストリン放出
を刺激した。この活性は免疫付与されていない動物のリ
ンパ液では、同一抗原が胃に投与されても、見られない
〔Teichmann,R.K.、Pratschke,E.、Grab,J.、Tutert.
J.、Enders,G.、Brendel,W.によるGastrinstimulierend
e Wirkung von Ductus−thoracicus−Lymphe nach gast
rointestinaler Immunreaktion.Langenbecks Arch.Chi
r.Supple.271(1985年)〕。
このように、ガストリン放出を誘発させる抗原に対し
ても応答できる可溶性媒介体の存在が証明されている。
粘膜肥満細胞は免疫学的反応中に放出され、胃腔ガス
トリン放出を有意に抑止するヒスタミンおよびロイコト
リエンC4を産生する。これらの結果が初めにG−細胞と
肥満細胞との間で、局所的胃腔内マイナス フイードバ
ツク メカニズムを示すように、ガストリンそれ自体は
ヒスタミンの放出を刺激する。〔Pratschke,E.、Teichm
ann,R.K.、Grab,J.、Tutert,E.、Brendnl,W.によるDer
EinfluB von Mastzellprodukten auf die Gastrinfreis
etzung.Langenbecks Arch.Chir.Suppl.、295、(1985
年)〕。
ヒスタミンおよびロイコトリエンC4によるガストリン
放出の抑止と同時に、内分泌性プロスタグランジンE2
よびF2の放出が生じる。単離された胃腔潅流モデルにお
いて、プロスタグランジンE2がガストリン放出を抑止す
ることが証明された。これは胃粘膜肥満細胞産生物によ
るガストリンの阻害が内分泌的に放出されるプロスタグ
ランジンにより媒介されることを示している〔Pratsch
e,E.、Teichmann,R.K.、Grab,J.、Enders,G.、Brendel,
W.によるEndogenes Prostaglandin E2 als Regulator d
er Gastrinfreisetzung.KongreB bericht der26、Jahre
stagung der sterr.Gasellschart fr Chirurgie.Hr
sg.:F.Helmer,E.Horcher,Styria−Verlag.Granz,131(1
985年)〕。
抗原提示細胞を含む抗原認識プロスセ中に、リンホカ
イン インターロイキン2およびガンマ−インターフエ
ロンが放出される。この両方はガストリンを刺激する。
従つて、先ず初めに、免疫適応細胞の媒介体によりガス
トリンが刺激されることが証明された〔Pratschke,E.、
Teichmann,R.K.、Grab,J.、Hammer,C.、Brendel,W.によ
るGastrinfreisetzung durch Mediatoren immunokompet
enter Zellen.Langenbecks Arch.Chir.Suppl.、261(19
86年)〕。
インターロイキン2およびガンマ インターフエロン
で潅流されている胃腔の免疫蛍光顕微鏡試験において、
MHC複合体のクラス2−抗原に対するモノクロナル抗体
を使用して、DLAクラス2の抗原生構造体による潅流の
後に、同一の現象が上皮細胞、マクロフアージおよびま
た多分上皮内T−リンパ球で見られた。インターロイキ
ン2による潅流後にはこれら2種の抗原は見られない。
従つて、インターロイキン2が、およびまたプロスタ
グランジンおよび他の物質がこの免疫学的反応の媒介体
として作用することができることが判る。
このように、前記の抗原誘発反応が潰瘍の発現に関係
して検討されており、全胃腸管にとつて重要であるらし
い。胃腔血流、ガストリンおよび粘液分泌の増加を生じ
させる抗原が欠落しているか、または局所的に存在して
いる場合には、生成する酸は相当して緩衝されることが
できず、血流の増加が欠落している場合には逆戻りし
て、粘膜中への酸の浸透が生じ、そこに局所的潰瘍が多
分生じる。
胃内反応の免疫学的刺激作用に係る研究ではまた、合
成抗原による免疫学的刺激の後に、ガストリン放出に対
して特異的な抗原および攻撃的消化作用の増加に係る胃
酸分泌の最も強力な刺戟体に加えて、酸およびペプシノ
ーゲン分泌を抑止することによる保護作用を有するソマ
トスタチンの胃内分泌の増加が見られることが証明され
ている〔Krmling,H.J.、Teichmann,R.K.、Merkle,
R.、Enders,G.、Brendel,W.によるGastrale Protektion
durch immunologisch induzierte Somatostalinfreise
tzung,153、Tagung Vereinigung Niederrheinisch−Wes
tflischer Chirurgen,Kln,9〜11日、10月、1986
年〕 この実験データは完全に新しく、かつて認識されたこ
とのない結論、すなわち、消化作用が胃腸管内の全ての
病気および障害に係る保護メカニズムとして有意の影響
を及ぼすことができるという結論をもたらす。人間医療
において、びらん、消化性潰瘍および順序は最後である
が重要な癌のような病気は最も重大な病気の一種であ
る。動物医療では、誕生後の幼少動物における臨界的転
換期および引続く高エネルギー飼料との接触時機が主と
して重要であり、これはこのような時機にびらんおよび
消化性潰瘍が発症するからである。
免疫学的機能と保護的な生理学的消化作用との間の関
係に係る前述の基本的知見にもとづけば、胃腸管には保
護誘発機能(この用語は最も広い意味で使用できる)が
存在するものと見做される。すなわち、動物および人間
の胃腸管の障害および病気の予防および治療に抗原性物
質を使用すると、動物または人間の先行の免疫付与に引
続いて抗原性物質を経口チャレンジさせた後に保護的生
理学的消化プロセスが誘発される。
本発明により概述されているように、抗原性物質が投
与されると、刺激された胃機能が次のように働くことが
できるようになる: 食物中に存在し、食物中で胃粘膜と接触する抗原で胃
に免疫を付与した後に、この抗原はいわゆる抗原提示細
胞(antigen presenting cell)、たとえばマクロフア
ージにより認識され、クラス2抗原の助けによつてT−
リンパ球に付与される。この胃機能のリンパ球媒介免疫
学的刺激は免疫付与されているイヌにウルトラ−ハード
X線80ラドを照射し、リンパ球の破壊にもとづくガスト
リン放出に係る免疫学的刺激を阻害した動物実験で証明
される。しかしながら、胃細胞が刺激される可能性はこ
の照射によつて影響されない。
前記に概述したように、免疫付与されている胃は抗原
と接触すると、インターロイキン1の放出とT−ヘルパ
ー−リンパ球の刺激との一種のカスケード現象が生じ
る。ヘルパー細胞それら自体はインターロイキン2およ
びガンマインターフエロンを放出し、これら2種のリン
ホカインはガストリンを放出させることができることが
証明された。有意の保護的生理学的メカニズム、すなわ
ち保護的消化プロセスの順次的数段階のうちの一つであ
る粘膜血流の増加は肥満細胞の媒介体、特にヒスタミン
により生じさせることができる。胃腔の抗原提示細胞に
クラス2−抗原が顕示されるのに加えて、ガンマインタ
フエロンはまた上皮細胞にこれらの抗原を顕示させる。
この付加的な上皮細胞の回復は抗原認識の強化の可能性
を示している。迷走神経はこの抗原認識系を免疫媒介の
観点で干渉する。前記の相関関係を第1図に示す。
消化の抗原特異的刺激による潰瘍防止効果は動物モデ
ルで証明されている。「SHAY−潰瘍」モデル〔Shay,H.K
omarov,S.A.,Fels,S.S.Mekanze,D.、Gruenstein,M.Sipl
et,H.によるA simple method for the uniform product
ion of gastric ulceration in the rat.Gastroenterol
ogy、5、43(1945年)〕を使用して、消化の抗原刺激
調整作用を試験した。この試験では、雄のウイスターラ
ツトをハプテンにより全身的に免疫付与する。その後
で、このハプテンを胃に投与する。対照には塩化ナトリ
ウムを与える。別の対照として、免疫付与されていない
動物に、ハプテンおよび塩化ナトリウムをそれぞれ投与
する。このような方法で処置されたこれらのラツトの胃
病巣をそれらの死後、18時間より遅くない時点で肉眼で
および顕微鏡により検査する。ハプテンで免疫付与され
ている動物群の胃における穿孔および大規模な壁壊死の
提示または数は有意に減少されていた(第3図)。
このように、「SHAY−潰瘍」モデルを使用して、消化
の抗原特異的刺激による保護効果が証明できる。胃に
は、攻撃的因子であるガストリンの放出によるおよび引
続く酸の放出による潰瘍形成原性作用が存在するが、同
時に、胃粘膜または胃壁の重大の分泌物の発生を最終的
に防止するソマトスタチン、プロスタグランジンおよび
その他の媒介体が放出されうることによつて、血流の増
加、粘液分泌のような保護メカニズムの刺激作用がまた
存在する。この消化の抗原誘発調整による潰瘍防止効果
は、目的論的に言えば、同時的の消化の刺激および潰瘍
発現危険性の減少の結果を伴なう生理学的プロセス内の
「理論的」調整と言うことができる。このように、消化
性潰瘍の発現はその他の既知の原因以外に、抗原反応に
係る胃の局所的不全にあると理解することができる。従
つて、抗原による免疫付与による胃の免疫学的メカニズ
ムの刺激は動物および人間の胃腸管内の最も広く見られ
る障害および病気の予防および治療に対する完全に新し
い可能性をもたらす。この目的に抗原性物質を使用する
ことによる基本的に他の利点は、使用される抗原が哺乳
動物および人間が自然に接触する生物学的物値であると
いうことにあり、従つて生理学的プロセスに対し何らの
抗原的作用もなく、さらにまた自然の様相で理論的な保
護的生理学的プロセスを誘発させることから、副作用を
付随することもないことにある。
消化の免疫学的刺激に係る前記メカニズムの観点か
ら、食物に含まれている物質を抗原として使用すること
は特別の利点であることは勿論のことである。動物また
は人間を抗原性物質により免疫付与した後に、保護効果
に係る因子のレベルは胃腸管の障害または病気が防止ま
たは処置されるような様相で増加する。すなわち、好ま
しくはトウモロコシまたは大豆からの植物タンパク質お
よびまた動物タンパク質はこれらのタンパク質が動物ま
たは人間の食物または食品中にしばしば見い出されるも
のであることから、免疫付与に特に適している。
たとえば、乳漿タンパク質を動物タンパク質として使
用することができる。一例として、豚において、10週間
の肥育期間後に、畜殺するまでの全肥育期間にわたり飲
料水により乳漿タンパク質を追加投与すると、胃粘膜変
化(びらん)の予防効果が明白に現われ、処置された動
物における胃粘膜の特に深刻な変化の発生頻度は上記し
たように、対照群におけるものよりも70%減少する。乳
漿タンパク質は好ましくは、3〜9%乳漿タンパク質溶
液中に、特に6%乳漿タンパク質溶液中に存在するべき
である。
血液の成分であるか、または血清あるいは他の血液誘
導物中に見い出されることがあるヒト タンパク質、た
とえばヘモグロビンは本発明に従う抗原性物質として使
用するのに適している。
摂取食物中に存在する物質に相当する必要はない他の
抗原も前記メカニズムの誘発に妥当であるかぎり免疫学
的状況の誘発に適することがある。たとえば、ウイルス
のエンベロープに由来するタンパク質で免疫付与する
と、この免疫は前述の消化の刺激の観点で作用するとと
もに、またウイルスに対する免疫として働くことができ
る。
同一のことが胃腸管が一方通行的に、または相互的に
接触する微生物中に存在する抗原性物質についても言え
る。この場合も、胃は前述の保護作用を良好に示すこと
ができる。汚染物として食物中に常時見い出され、或る
種の哺乳動物と自然に共存している細菌であるエシエリ
ヒア コリ (Escherichia coli)のリポ多糖体は特に
適しているように見做され、従つて適当である。
合成的に製造されたタンパク質として、好ましくは免
疫応答の誘発に係る抗原決定基を有する短鎖ペプチドと
して、存在する抗原性物質を使用すると特に好ましく、
これは特別の直接的に適用できる予防および治療が可能
であるからである。
本発明に係る保護メカニズムを生じさせる免疫状況の
誘発に良好に適する物質はハプテン、好ましくはニトロ
フエニル酢酸(NIP)である。この物質は免疫付与実験
で特に有用であり、胃の抗原特異的刺激の胃内チャレン
ジの後に、粘膜病巣の発現を防止する。特に、この物質
を使用することにより、免疫媒介胃潰瘍防護が初めて証
明された。
好ましくは、前記のニトロフエニル酢酸はキヤリヤタ
ンパク質、すなわち卵白アルブミンとカツプリングさせ
て使用する。
前記に概述したように、免疫媒介物質は攻撃的消化メ
カニズムと防護的消化メカニズムとの間に平衡状態をも
たらす。免疫媒介物質を抗原性物質と一緒に加えると、
誘発された防護的消化メカニズムの作用が増大される。
上記物質の一種または数種を組合せて使用すると、改
善された予防または治療が達成できる。
前記抗原性物質の一種または数種を、多分免疫媒介体
の添加により調剤的に配合して、経腸および非経口投与
することができる。経腸投与用製剤に関しては、鼻また
は呼吸器管に施用するエアゾルが好ましく用いられる。
抗原性物質を非経口投与する製剤では、好ましくは筋肉
的および(または)皮下投与に使用される材料が用いら
れる。
動物医療においては、誕生後、約2週間の豚の抗原性
物質による免疫付与に、本発明に係る抗原性物質を使用
すると好ましい。すでに前述したように、子豚はこれら
の潰瘍により死亡することさえある。これらの子豚をこ
の臨界期に、食物中に存在する抗原で処置すると、これ
らの子豚は保護され、または少なくとも損害が減じられ
る。抗原性物質として使用されるタンパク質は投与され
た後に残留物を残さないか、または極小量で排泄される
生物学的物質である。
特に好ましい子豚の処置方法は、好ましくは誕生後の
約2週間の第一回注射を行ない、誕生後の約4〜5週間
に第二回注射を行ない、そして飼料を変える少し前に第
三回注射を行ない免疫付与する方法であり、この場合
に、注射は筋肉内に行なう。実施上の観点からは、動物
が飼育中に鉄分注射を受けている時機に免疫付与するこ
とができる。抗原性物質は鉄分をすでに含有するキツト
に詰め合せることができる。
子豚に、この動物に免疫を付与するタンパク質を含有
する飼料を与える場合に、この抗原を飲料水中に入れて
さらに与えると、前述の免疫学的メカニズムによる胃粘
膜の保護作用がさらに誘発され、保持される。
人間医療においては、抗原性物質は人間胃腸管のびら
ん、消化性潰瘍または癌の防止または軽減に好適であ
る。粘液の産生が増大され、胃粘膜を発癌性物質から防
護することができる。さらにまた、有機体に対して既知
である発癌性物質を消化によつて影響を及ぼさなくなる
ようにすることができる。
さらに、本発明の方法は旅行中に、彼等の胃腸管にと
つて未知であつた、すなわち彼等の胃腸管がかつて接触
したことがない食品と接触する旅行者における下痢を予
防できるという新規で好ましく、広い有効指示範囲を有
する。消化が生じないと、タンパク質の胃のさらに深い
部分に移行して、細菌の過度の生育をもたらすことがあ
る。
家畜を誕生して1週間後に飼育を続ける場所に移した
後に、環境および飼料の変化が有意の下痢を発症させ、
さらにまた、全胃腸管における別の細菌性またはウイル
ス性下痢を生じさせることがあることは家畜の飼育にお
ける周知の問題である。これらの動物を飼料中に存在す
ることが知られている抗原性物質で免疫付与すると、こ
れらの障害および病気を防止することができる。
抗原性物質を使用して、子豚に3週間の間に14日の間
隔で6%乳漿タンパク質溶液各2ml(従つて全部で4ml)
を、アジュバントを添加することなく非経口投与して、
子豚に感作することもできる。子豚を離乳させ、次いで
豚用養育飼料から粗い穀粒の肥育飼料に徐々に変えた後
に、これらの子豚は別のすでに居住している豚の中に入
れられ、ゆるやかな牧舎内の群中に留まらされる。この
時点から約10週間目まで、全ての豚には微粉砕された肥
育用飼料が独占的に与えられる。文献によれば、このよ
うな飼料が与えられると、ストレス因子に加えて、豚の
胃粘膜に角質増殖、びらんまたは潰瘍のような粘膜変化
が生じる。
豚には10週間の肥育の後に、畜殺するまでの全肥育期
間にわたり、飲料水ととに3〜6%乳漿タンパク質を与
える。動物をこの方法で処置すると、びらんのような粘
膜の変化の発現が多くの場合にさらに少なくなる。
豚の処置に使用された抗原性物質と同一の抗原性物質
を使用して、牛に、それらの生涯の臨界期に非経口的に
および(または)非経口的に免疫付与することができ
る。牛には、誕生後のほぼ初めの4週間以内に抗原を筋
肉用注射により投与し、第二回の注射を約6週目にそし
て第三回の注射を牛飼料が変わる8〜10週目に行なつて
投与する。
飼育の初めに1週間後に、牛にはミルクおよび牛飼料
が与えられ、8〜10週目からエネルギー食に変えられ
る。高エネルギー飼料に変えられた時機から、抗原性物
質を、好ましくは飼料および(または)飲料水に加え、
前述の免疫学的メカニズムによる腸管の防護に使用し、
そして(または)この防護レべルを維持する。
この免疫付与は成熟した反芻動物に対しても好ましく
行なうことができる。成熟した牛および乳牛は高乳汁分
泌期中に種々の段階で胃潰瘍にかかる率が増加する。こ
れらの潰瘍はまた、成熟した牛の全胃腸管に後で感染性
病気を発生させるものであることが特に指摘される。抗
原性物質による動物の経口または非経口処置はこれらの
損害を防止することができる。
抗原性物質を用いるもう一つの用途に家禽、たとえば
ニワトリ、七面鳥、ガチョウ、アヒルおよび雄の七面鳥
の処置がある。家禽用の飼料の主要源は穀物粒、魚粉、
大豆およびピーナツ粉末である。これらの飼料成分に対
する固化を生じさせるために、実施上、抗原性物質の非
経口注射を孵化後の最初の日に行なう。引続いて、その
生涯の早い日時また週の間に飲料水によつて抗原の投与
を行ない、先行の免疫付与を保持するための免疫付与処
置を行なうことができる。
本発明をここで、下記の図面および例によりさらに詳
細に説明する。
第1図には抗原刺激ガストリン放出の調整様相を示さ
れている。腔内抗原は抗原提示細胞により認識され、中
でも、肥満細胞およびT−リンパ球を刺激することがで
きる。T−細胞産生物であるガンマ−インターフエロン
およいインターロイキン2はガストリンを放出させ、ガ
ストリンは次いでヒスタミンを刺激する。肥満細胞産生
物であるヒスタミン、ロイコトリエンC4およびプロスタ
グランジンE2またはガストリン放出を抑止する(マイナ
ス フイードバツクによる)。迷走神経はまた、T−細
胞系および抗原提示細胞に影響を及ぼすことができる。
第2図はラツトのアルコール性潰瘍モデルを用いる潰
瘍指数を示すものである。NIPで免疫付与されているラ
ツトは抗原の胃内投与後に潰瘍指数を有意の減少を示
す。
第3図は対照およびNIP−卵白アルブミンで免疫付与
された動物におけるSHAY−潰瘍モデルにより誘発された
病巣を有する動物のパーセンテージを示すものである。
NIP−ヒト ガンマグロブリン(HIP−HGG)の胃内投
与は免疫付与されている動物における消化性潰瘍の発現
を有意に低下させる結果をもたらす。
第4図は非常に微細に粉砕されている飼料を或る比率
(%)で与えて10週間飼育した後に、豚の前胃平面部領
域における胃粘膜の病理学的−解剖学的評価を、評価尺
度(0および+++)の定量的変化により示すものであ
る。
例 1 本例の目的は免疫学的プロセスが刺激または保護に係
る別の作用を誘発することについて検討することにあ
る。
雄のWistar種ラツト(体重250〜350g)に、NIP−OA
(ニトロフエニル酢酸−卵白アルブミン)を用いて全身
的に免疫付与する。潰瘍を誘発させるために、無水アル
コール1mlをエーテル麻酔の下で胃に投与する。アルコ
ールを投与する前の15分に、動物の第一群(I)(12
匹)に抗原NIP(キヤリヤ−タンパク質としてHGGにカツ
プリングさせたもの)を与え、第二群(II)(12匹)に
キヤリア−タンパク質HGGだけを与える。さらに別の対
照として、免疫付与されていない動物のうちの6匹にNI
P−HGGを与え(III)そして他の6匹にHGGを与える(I
V)。アルコールの投与後の1時間目に、動物を殺し、
胃を切除して、病巣を評価する。病巣は出血病巣の長さ
を評価することにより顕微鏡測定する。
NIPで全身的に免疫付与されている動物はNIPを経口投
与し、引続いてアルコール投与した後に、全ての対照群
と比較して、有意に少ない粘膜病巣を示した(p=0.0
2)。
免疫付与されたWistar種ラツトにおける胃の腔内抗原
特異性刺激は粘膜病巣の発現を有意に減少させた。従つ
て先ず第一に、免疫媒介潰瘍防止が証明される(第2
図)。
例 2 NIP−OA(ニトロフエニル酢酸−卵白アルブミンを使
用して、雄のWistar種ラツト(体重250〜350g)の免疫
付与を行なう。潰瘍モデルとして、幽門結紮ラツト(SH
AY−潰瘍)を用いる。クロラルヒドレート麻酔の下で幽
門を結紮した後に、免疫付与したラツトに抗原NIP(ヒ
ト ガンマグロブリンとカツプリングしたもの)を胃中
に直接に投与する(被検群)。対照動物にはキヤリヤタ
ンパク質HGGだけを与える。別の対照群は疑偽手術した
動物(幽門結紮されていない)よりなる。手術後の18時
間目に、胃壁の変化を肉眼で、および顕微鏡により評価
する。病巣は次のように定義した: 穿孔、融合性変移潰瘍および直径が0.5cmより大の全
壊死。
NIPで全身的に免疫付与されている動物は幽門を結紮
し、次いでNIP−HGGの胃内投与した後に、HGGだけを与
えた対照に比較して有意に少ない病巣を示した(p=0.
05)。疑偽手術したラツトは粘膜病巣を示さなかつた。
胃機能の抗原特異的刺激は一定の潰瘍モデル(幽門結
紮)における胃壁病巣の有意の減少をもたらした(第3
図)。
例 3 子豚の免疫付与方法 恐らく、子豚における抗体産生は第2週から始まり、
実行可能性に関しては、子豚に免疫を付与し、そしてそ
の養豚者により養豚中、鉄分注射が与えられる。
抗原として、生物学的タンパク質または合成抗原性免
疫刺激物質を使用する。これは子豚による消化後に残留
することなく代謝されるか、または少量だけの場合など
では排泄される。
本発明に従い、子豚に免疫を付与するために、乳漿タ
ンパク質、すなわち6%乳漿タンパク質溶液を子豚に投
与する。この投与に際してはアジェバントは投与せず、
あるいはこの免疫付与処置の後半に飲料水に3〜6%添
加してアジュバントを与える。
抗原として投与された乳漿タンパク質の予防的効果を
胃粘膜の変化に係り評価するために、30匹の被験動物群
と30匹の対照動物群を使用する。試験中に、被験群のう
ちの5匹および対照群のうちの2匹の豚が子豚段階でま
たは変化が終る間に死亡した。
被験動物は次の手順に従い予備処置する。子豚に第3
週まで、14日間の間隔で各2mlに6%乳漿タンパク質
(すなわち全部で4ml)をアジュバントを加えることな
く経腸投与して子豚を感作する。
被験群および対照群の両動物において、第2週目に子
豚を離乳させ、保育食から粗い穀粒の肥育食に徐々に変
えた後に、他の豚の中に入れ、放任牧舎に入れておく。
この時機から約10週目まで、全ての豚に、非常に微細
に粉砕した肥育食を独占的に与える。このような餌の付
与はストレス因子の外に、豚に粘膜変化、たとえば胃粘
膜の角質増殖、びらんまたは潰瘍などを生じさせること
が文献に記載されている。
両群の動物に、10週間の肥育期間後で豚を畜殺するま
での全肥育期間にわたり、3〜6%乳漿タンパク質を飲
料水とともに与える。
豚胃粘膜の前胃平面部領域の変化を病理学的−解剖学
的基準に従い評価する。
表3には非常に微粉砕された飼料を指示割合およびパ
ーセント(%)で10週間与えた後の変化が評価尺度(0
〜+++)で示されている。
表 3 0 + ++ +++ 6 6 8 8 対照群 21.4% 21.4% 28.6% 28.6% 28匹 10 7 6 2 被験群 40 % 28 % 24 % 8 % 25匹 第4図には、乳漿タンパク質で処置された動物は対照
群に比較して、完全粘膜を有する動物の数が2倍多いこ
とが図式で示されている(第4図の左側の2欄は完全粘
膜を示すための0の尺度に係るものである)。他方、第
4図の右側の2欄は粘膜の重篤な変化、たとえばびらん
が生じた尺度+++の場合を示しており、被験群は対照
群に比較してその発症度が70%以下であることを示して
いる。
表3から見られるように、実験動物の胃粘膜の肉眼に
よる評価に係る正確な数値は低度の平らな角質増殖(+
で示されている)または中度の先端の尖つた鋸歯状突起
を有する角物増殖(++で示されている)が両群に同一
頻度で生じたことを示している。しかしながら、+++
で示されている変化、すなわちびらんは明確に異なつて
おり、この試験における豚の防護効果は例1および2に
記載の実験におけるよりもさらに明確である。
例 4 牛の免疫付与方法 抗原として、牛の飼育中に存在しない、特に誕生後に
牛に与えられる代用ミルク中に存在しないタンパク質を
使用する。しかしながら、この抗原は誕生後に約8〜10
週に牛に与えられる高エネルギー飼育中には存在するも
のでなければならない。通常、4〜10週の年齢で高エネ
ルギー食に変える期間中に潰瘍状変化を発現させると好
ましい。これらの障害は当該タンパク質が高エネルギー
飼育中に存在していることから、動物にこの抗原に対す
る免疫が欠落していることと関連している。反芻動物用
の高エネルギー飼料の主成分は主として、トウモロコ
シ、小麦、大豆、大麦、牧草および干し草である。これ
らの成分は意図する飼育度に応じて変えることができ
る。
使用抗原物質の第一回筋肉内注射は牛の誕生後の最初
の4週間に与える。第二回の投与は6週間後に、そして
第三回目の投与は8〜9週目の高エネルギー食に変える
時点で行なう。
飼育の第1週目に、牛にミルクを与え、次いで常食を
与え始める。約8〜10週目に高エネルギー飼料を与え
る。次いで、高エネルギー飼料に変えた時点で、抗原性
物質を飼料および(または)飲料水に加え、前述した免
疫学的メカニズムによる胃腸管の免疫学的防護に使用す
るかまたは当該防護を確立させる。
抗原物質の投与量は約0.1g被験物質/体重kgで、筋肉
内投与し、これを2〜3回反復すべきである。
防護メカニズムを誘発させるために、抗原性物質は水
100ml当り1gまでの投与量で飲料水に加える。
この処置を行なうと、牛の胃腸管における潰瘍状病巣
の発現は防止されるかまたは減少される。
前記の牛の取り扱い方法に従い、特に誕生後の1週間
以内で、気候、飼料および輸送の変化〔「過密病」(Cr
owding Dsease)〕に対する良好な防護が得られる。
これらの環境変化中においてしばしば発症する胃腸管の
障害または疾病、特に下痢はこの新規なメカニズムによ
り防止することができる。下痢は胃腸管内の他の細菌性
またはウイルス性病気により発症することがある。
成熟した反芻動物における抗原性物質の使用に関して
は、要求される抗原性物質を成熟した牛に大量の飼料を
食べさせる期間および高乳汁分泌期間に与える。これに
より、成熟した動物においても、種々の段階のさらに頻
発する胃潰瘍が防止または減少できる。
例 5 家禽の免疫付与方法 豚および牛の免疫付与と同様に、家禽、たとえばニワ
トリ、七面鳥、アヒル、ガチヨウまたは七面鳥の雄を前
述の方法で抗原性物質により免疫付与することができ
る。抗原性物質は対称家禽の養殖期間中の飼料の主要源
に応じて穀粒、魚粉、大豆またはピーナツよりなる。
実施上の観点から、孵化後の1日目に、抗原性物質の
非経口注射を行なう。この始めに付与された免疫は孵化
後の約1週間、抗原性物質を腸溶形態で飲料水中に入れ
ることにより引続いて抗原性物質を投与することにより
強化され、確立される。
【図面の簡単な説明】
第1図は抗原刺激によるガストリン放出の様相を示す模
式図であり、第2図はラツトのアルコール性潰瘍モデル
を用いて行なわれた試験(例1)における潰瘍発現指数
を示すグラフであり、第3図はラツトSHAY−潰瘍モデル
において行なわれた試験(例2)における潰瘍発現比率
を示すグラフであり、そして第4図は子豚において行な
われた試験(例3)における胃粘膜の変化を示すグラフ
である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)ヒト以外の動物を抗原性物質で免疫
    感作し、次いで、 (ii)同抗原性物質を上記動物に経口投与することから
    なる、 ヒト以外の動物の胃腸管内の障害および疾病の予防およ
    び(または)治療方法。
  2. 【請求項2】動物の胃腸管内の障害および疾病の予防お
    よび(または)治療のために用いるキットであって、 (i)動物を免疫感作するのに使用し、かつ少なくとも
    1種の抗原性物質を含有する組成物、および (ii)同抗原性物質を上記動物に経口投与するのに用い
    る同抗原性物質を含有する組成物、 からなるキット。
  3. 【請求項3】少なくとも1種の抗原性物質を含有し、か
    つ、ガストリン放出を刺激する目的で同抗原性物質で動
    物を免疫感作するのに使用する、動物の胃腸管内の障害
    および疾病の予防および(または)治療用医薬組成物。
  4. 【請求項4】動物を免疫感作するのに用いるのと同じ抗
    原性物質を含有し、かつ、ガストリン放出を刺激する目
    的で同抗原性物質を上記動物に経口投与するのに使用す
    る、動物の胃腸管内の障害および疾病の予防および(ま
    たは)治療用医薬組成物。
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