JP2654999B2 - 精密吸引鋳型 - Google Patents

精密吸引鋳型

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は崩壊性のある精密吸引鋳型に関するものであ
る。
〔従来の技術及びその技術的課題〕 液状またはスラリー状物質を三次元形状に加工する場
合に鋳型は不可欠である。この場合の鋳型の特性として
は、次の特性を有していることが望まれる。
良好な表面精度を有し、微細な模様を忠実に転写で
き、また複雑形状や薄肉形状に対応することができるこ
と、 成形品の表面や内部にピンホールや巣を生じさせない
こと、 型製作が簡単で安価に得られること、 使用後は崩壊できること しかし従来では、このような条件を満たすものがなか
った。すなわち、金属鋳造用の鋳型として生型がある
が、山砂、半合成砂、あるいは合成砂に石炭粉やベンナ
イト、穀粉等を水と混練し、鋳わくの中に充填してつき
固め造型しただけであるため、の条件は満足できる
が、〜の条件を満たすことができず、精密な鋳造は
行えなかつた。精密鋳造用の鋳型としては、ダイカスト
金型があるが、の条件を満足することは可能であるも
のの、〜の条件を満たすことはできず、ことに通気
性がないため鋳巣を発生させやすい点が問題となってい
る。
通気性を図ることを目的とした先行技術として、特開
昭58−58955号公報および特開昭62−168628号公報があ
るが、これらはいずれも耐火物を骨材としているため型
強度が弱く、しかも焼成型であるためとの条件を満
たすことができず、さらに粒径が大きいことと焼成型で
あることにより表面性状が粗くなり、の条件も満たす
ことができないという問題があった。
その他、特開平1−104443号公報には崩壊性中子が提
案されているが、このものは型の表面硬度を増すため、
鉄粒または鋼粒とフェノール樹脂類の混合物または鉄粒
または鋼粒と耐火物の混合物とフェノール樹脂類で中子
本体をつくり、この中子本体の表面を微粉状耐火物とフ
ェノール樹脂類とからなる第1コーティング層で被覆
し、さらにこれの表面を雲母系または黒鉛系の第2コー
ティング層で被覆したものであり、の条件を満たす
ことはできるが、通気性が全くないとともに製造工程が
複雑であるため、との条件を満たすことができなか
った。
また、崩壊性の水溶性鋳型として特公昭54−31972号
公報が提案されているが、このものは、鉄粉にアルカリ
性の水溶性化合物を粘結材として使用し、あるいは鉄粉
と耐火物との混合物にアルカリ性の水溶性化合物を粘結
材として使用して鋳造品の冷却速度を砂型より大きくす
ることを目的としたもので、との条件を満たしえて
も、との条件を満たすことができないものであっ
た。
本発明は前記のような問題点を解消するために創案さ
れたもので、その第1の目的は、良好な表面精度を有
し、微細な模様を忠実に転写でき、また複雑形状や薄肉
形状に対応することができるうえに良好な通気性を備
え、キャビテイ内や材料中の空気やガスの除去を確実に
行え、しかも型製作が簡単で低コストで製造でき、その
うえ崩壊性のよい精密吸引鋳型を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、上記目的に加えて強度が
高いとともに寸法安定性が良好で、高圧の鋳造にも耐え
ることができる精密吸引鋳型を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため本発明は、鉄系粉と、これよ
りも粒度の小さなセラミック粉と、セラミック粉よりも
粒径が小さい固体分と硬化過程で蒸発する成分を含むバ
インダを重量配合比で(1〜9):(1〜9):(1〜
3)で混合したスラリー状資料を所望の型形状となるよ
うに流し込み成形し、その固化成形体を乾燥又は/及び
型表面に硬化層を形成させないように一次焼成した複合
成形体からなり、該複合成形体が前記蒸発成分の抜けに
より創成された微細な気孔で全体として気孔率10%以上
の通気構造となっており、かつ複合成形体の型面を除く
外面に目どめ手段を施し、適所に吸引部を設けた構成と
したものである。
また第2の目的を達成するため本発明は、鉄系粉と、
これよりも粒度の小さなセラミック粉と、セラミック粉
よりも粒径が小さい固体分と硬化過程で蒸発する成分を
含むバインダを、重量配合比で(1〜9):(1〜
9):(1〜3)で混合し、これにさらに補強繊維を添
加混合したスラリー状資料を所望の型形状となるように
流し込み成形し、その固化成形体を乾燥又は/及び型表
面に硬化層を形成させないように一次焼成した複合成形
体からなり、該複合成形体が前記蒸発成分の抜けにより
創成された気孔で全体として気孔率10%以上の通気構造
となっており、かつ複合成形体の型面を除く外面に目ど
め手段を施し、適所に吸引部を設けている構成としたも
のである。
本発明による鋳型は、たとえば次のような用途に好適
である。
溶解金属、溶融ガラス、溶融プラスチックで代表され
る液状材料あるいはスラリー状材料(スリップ)を加圧
無しで注入し、外部から吸引力を作用させて成型する減
圧鋳型(無加圧吸引成形型)。
上記液状材料やスラリー状材料をキャビテイに加圧な
いし射出注入し、外部から吸引力を作用させて成型する
鋳型(加圧吸引成形型)。この中にはセラミック類の脱
気、脱水も含む。
〔作 用〕
本発明の鋳型は、鉄系粉とセラミツク粉を骨材としこ
れにコロイド状のバインダを加えた特定配合比のスラリ
ー状資料を流し込み固化したのち乾燥またはさらに一次
焼成した複合成形体からなつており、強度メンバーとし
ての鉄系粉の分散とバインダによる結合作用により型強
度は慣用の生型(崩壊型)よりも高いものとなる。ま
た、耐熱性もよく、したがつて、急熱、急冷の繰返しに
よっても、亀裂、コーナー部の欠け、ポロッキ等の欠陥
の発生が抑制される。ことに補強繊維を添加した場合に
は曲げに対する強度も高くなり、寸法変化も少なくな
る。
さらに、本発明においては、鉄系粉とセラミツク粉の
点接触により通気性を実現するのでなく、バインダに含
まれる蒸発成分の抜けによる気孔形成作用で通気性を創
成している。このため、鋳造工程でキャビテイ内を全域
を均一に負圧化し、材料を型面のすみずみまでまんべん
なく充填させ、同時にキャビティ内の空気や材料に含ま
れるガスあるいは水分等を効率よく除去することができ
る。
一般に、転写性と型の通気性は相反する関係にあり、
転写性をよくするには骨材粒度を細かくする必要がある
が、これによると型の通気性が損なわれ、従って型面に
細かい模様を形成できても、鋳造品にこれを転写するこ
とが困難となる。これに対して、上記のようにバインダ
に含まれる蒸発成分の抜けによる通気構造のため、鉄系
粉とセラミック粉は粒径を十分に小さくすることがで
き、バインダに含まれる固体分がさらにそれらの粒子間
の隙間を埋めるため、緻密な表面性状とすることができ
ると共に、スラリー状資料の流し込み成形で型を造型す
るため良好な転写性が得られ、マスターモデルの微細な
模様(たとえば革しぼ模様)を忠実に再現することがで
きる。したがって、本発明によれば、転写性と通気性を
同時に実現することができる。
また、セラミック粉を骨材に含むため、金型に比べて
熱伝導率が低く、材料を低速低圧で鋳込む場合もいわゆ
る湯廻りが良好となる。従って複雑形状、薄肉形状でも
ピンホールや巣の発生のない良好な鋳造品を作ることが
できる。
さらに、本発明においては、鋳型を構成する複合成形
体が、流し込み造型した素体を乾燥するか型表面に硬化
層を形成させないように短時間低温で加熱することで作
られた「未焼結体」である。そのため、製作が容易であ
るばかりでなく、型面を非常に良好な表面性状とするこ
とができ、鋳造品の表面精度を優れたものにすることが
できる。これに対し、流し込み造型した素体を乾燥後、
本焼成した場合には、分散状の骨材粒子が酸化して型面
の表面に析出し、さらには膨張・結合しそれが成長して
素体表面を覆うようになるため、表面性状が非常に悪く
なる。本発明によればこの問題が生じず良好な表面粗さ
とすることができるため、精密な転写性を持つことがで
きる。
〔実 施 例〕
以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明する。
第1図は本発明による精密吸引鋳型の実施例を示すも
ので、鉄系粉とセラミック粉を骨材とする複合成形体1
からなっており、凹状又は凸状の型面10を有し、その型
面10にはしぼなどの微細模様100が形成されている。そ
して、型面10とパーティングラインを除く外面に膜ある
いはカバーないしボックスなどからなる目どめ手段9が
施され、適所に吸引部90が設けられている。
第2図においては、鋳型は上型用の複合成形体1aと下
型用の複合成形体1bとからなっており、それらの型面1
0,10によりキャビティ11,11が形成され、中央の注入路1
2から材料が注入されるようになっており、片方の複合
成形体1bには突出しピン用の穴13が形成されている。ま
た、必要に応じ、型の冷却又は保温のための媒体導管な
いしヒータ14が埋没されてもよい。
第3図は本発明の別の実施例を示すもので、この実施
例では鋳型は鉄系粉とセラミック粉及び補強繊維2を骨
材とする複合成形体1からなっている。
前記複合成形体1,1a,1bは、第4図に模式的に示すよ
うに、鉄系粉粒子3aとこれよりも粒度の小さいセラミッ
ク粒子3bをさらに微細なバインダ粒子3cによる粒子間吸
引力で接合した組織からなっており、セラミック粒子3b
が鉄系粉粒子4の隙間を埋めるように分散されることで
緻密な表面性状を創成している。しかも、バインダ中の
蒸発成分が成形体層中から外部へ蒸発することによる3
〜20μmの微細な気孔が形成され、全体が気孔率10〜50
%の多孔質通気構造となっており、圧縮強度は約10〜10
0kg/cm2である。
上記のような本発明による鋳型は、鉄系粉とセラミッ
ク粉と硬化過程で蒸発する成分を含むバインダを所要の
配合比で混合し、あるいはさらに補強繊維を添加混合し
てスラリー状資料を作る工程と、このスラリー状資料を
流し込み成形する工程と、固化した成形体を乾燥する行
程または乾燥に代えて型表面に硬化層を形成させないよ
うに一次焼成する工程、あるいは乾燥後型表面に硬化層
を形成させないように1次焼成する工程で作られたもの
である。
詳述すると、「鉄系粉」としては、鋳鉄粉、電解粉、
純鉄粉などの鉄粉が用いられ、場合によっては鋼粉、ス
テンレス粉なども用いることができる。「セラミック
粉」は鉄系粉と接合しやすいものであれば任意であり、
たとえばムライト、焼成アルミナ、活性アルミナ、電融
アルミナ、クロマイト、シリマナイト等の中性系のも
の、あるいは溶融シリカ等で代表される酸性系のものが
一般に使用されるが、塩基性のものでもよい。「補強繊
維」は亀裂やセラミック粉の脱落を防止し、強度の向上
と寸法安定性を図るために用いられる。この補強繊維は
ステンレス、快削鋼などで代表される鋼繊維でもよい
し、ガラス繊維、アルミナなどのセラミック系繊維、カ
ーボン繊維なども用いることができる。
前記鉄系粉の粒径は最大寸法で500μm、好ましくは4
0〜100μm、セラミック粉の粒径は鉄系粉よりも粒径が
小さく、最大寸法で300μm、好ましくは35〜40μmで
ある。最大寸法を上記のように規定したのは、強度が不
十分となりやすい点と、過剰な多孔質となって表面精度
を低下させるからである。補強繊維は型の大きさにもよ
るが、一般に長さ0.05〜30mm、太さ10〜400μmの範囲
内で適宜選定すればよい。
次に、硬化過程で蒸発する成分を含むバインダを使用
するのは、鉄系粒子とセラミック粒子を接合し、かつ微
細な気孔を付与するためである。すなわち、従来の鋳造
用の生型は粒径の粗い砂を点接触的に接合することで通
気用隙間を得ていた。本発明はこれと発想を異にし、型
成形用粒子として細かい粒径のものを用い、通気用隙間
の形成をバインダ中の蒸発成分の外部への抜けにより実
現し、これにより緻密な型面に無数のかつ微細な通気隙
間を創成させるものである。前記蒸発成分を含むバイン
ダは、具体的にはシリカゾル(シリカのコロイド溶液を
安定にしたもの)、特にエチルシリケートを基材とする
アルコール系溶剤性シリカゾルが好適である。
前記鉄系粉とセラミック粉及びバインダの配合比は、
重量比で(1〜9):(1〜9):(1〜3)とするの
が好ましく、この範囲内で強度、通気性、熱伝導性、表
面性状などの要求特性に応じて適宜選定すればよい。下
限を1:1:1に規定したのは、鋳型として使用可能な最低
限の強度を得るのに必要だからである。鉄系粉とセラミ
ック粉との配合比について言えば、それらは前記粒径と
あいまって型面の表面粗さと崩壊性に影響を及ぼす。表
面粗さと崩壊性を同時に良くするには、鉄系粉とセラミ
ック粉の重量配合比を4:6〜1:9にすることが推奨され
る。通気性を調整するには、骨材のバインダに対する配
合比を減少させればよく、それらの配合比が固定であれ
ば、鉄系粉とセラミック粉の配合比を鉄系粉の量を少な
くするようにすればよい。
なお、補強繊維を用いる場合、その添加量は1〜10vo
l%とすべきである。1vol%未満では強度や寸法安定性
の向上を期待できない。しかし10vol%を越える添加は
ファイバーボールを生じさせやすくなり、成形性を低下
させるため好ましくない。
次いで、前記スラリー状材料を所望型形状に流し込み
成形する。第5図(a)はこの段階を示しており、マス
ターモデル6を配置した鋳枠7にスラリー状材料5を流
し込み固化させる。この流し込み成形に際し、適宜硬化
剤を加えたり、振動を加えたり、スクイズする。また、
この工程で必要に応じてピンやパイプ類を装入しておけ
ば、第2図のような構造が容易に得られる。
次いで、固化した成形素体1′を離型した後、乾燥又
は/及び1次焼成を行う。これは本発明の場合、単に亀
裂や歪みの発生を抑制するだけでなく、バインダ中に含
まれるアルコール分などの蒸発成分を蒸発させて微細連
成気孔を形成するためである。
乾燥はたとえば1〜48時間の自然乾燥でもよいし、第
5図(b)のように真空乾燥器8を用いて、たとえば10
0℃程度の温度で真空乾燥してもよい。1次焼成は、乾
燥した成形素体の表面をトーチランプなどであぶり、あ
るいは電熱で短時間加熱することで蒸発成分を着火燃焼
させるものである。「1次焼成」は型表面に硬化層を形
成するようなものではなく、温度は高くても450℃であ
り、時間は型の大きさにもよるが、10〜40分程度であ
る。
以上の工程で第1図ないし第3図の複合成形体1,1a,1
bが得られるので、あとは第5図(c)のように型面10
とパーティングラインを除く外面に膜あるいはカバーな
いしボックスなどからなる目どめ手段9を施し、適所に
吸引部90を設ける。これで吸引鋳型として、使用に供す
ることができる。
第6図と第7図は本発明による鋳型の使用例を示して
いる。第6図は液状ないしスラリー状材料Wを重力で注
入し、キャビティ内に吸引力を作用させて鋳造する方式
の例である。鋳型は複合成形体1a,1bからなる固定型1A
と可動型1Bが用いられ、それらは外面に目どめ手段9,9
が施され、吸引部90,90がホースを介して真空ポンプ等
の減圧装置91に接続されている。型面10,10には予め塗
型剤や離型剤が施され、注入手段15から液状ないしスラ
リー状材料Wがキャビテイ11に注入され、それと併行し
て減圧装置91が運転されるより固定型1Aと可動型1Bに負
圧が掛けられ、キャビテイ11内が減圧されて鋳造され
る。
第7図は液状ないしスラリー状材料Wを低加圧吸引鋳
造する方式の例である。この場合も鋳型として複合成形
体1a,1bからなる固定型1Aと可動型1Bが用いられ、外面
に目どめ手段9,9が施され、所要個所の吸引部90,90がホ
ースを介して真空ポンプ等の減圧装置91に接続されてい
る。可動型1Bは型開閉装置16に連結されており、液状な
いしスラリー状材料Wは容器に入れられ、上部の密閉蓋
18に設けた導気孔180から導入された気体圧力により導
管19を上昇してキャビテイ11に加圧注入され、それと併
行して減圧装置91が運転されるより固定型1Aと可動型1B
に負圧が掛けられ、キャビテイ11内が減圧されて鋳造さ
れる。
上記は一例であり、片側の型だけを本発明による複合
成形体としてもよく、両方の型が複合成形体の場合も吸
引を片方の型だけ行ってもよい。
次に本発明の具体例を示す。
具体例 1 I.鉄系粉として鋳鉄粉(粒径40μmアンダー)、セラミ
ック粉として合成ムライト(粒径34μmアンダー)を用
い、バインダとしてエチルシリケート(SiO2濃度20%、
揮発分80%のアルコール溶剤性シリカゾル)を用い、そ
れらを重量配合比で2:2:1として均一に混合し、スラリ
ー状資料Aを得た。また、上記配合にガラス繊維(長さ
100μm、太さ10μm)を4wt%添加混合しスラリー状資
料Bを得た。
4各スラリー状試料を、それぞれマスターモデルとして
平滑面を有するアクリル盤(表面粗Rz:0.1μm)を装填
した鋳枠に振動を加えつつ流し込み、固化後離型し、10
0℃で真空乾燥し、鋳型A1、を得た。また、100℃で真空
乾燥後、トーチランプで着火し、30分間アルコール分を
燃焼する一次焼成を行い、鋳型A2を得た。
II.前記各鋳型の特性は下記第1表のとおりである。
比較のため、上記鉄系粉とセラミック粉との配合比を
3:7、1:9としたところ、各々の表面粗さが約1μm、2
μm減少し、表面粗さが向上した。
なお、A1の鋳型について、乾燥後さらに500℃、900℃
で6時間酸化焼成した結果、表面粗さは500℃の場合で
約10μm、900℃の場合で約17μmであり、表面性状が
劣っていた。これは鉄系粉の酸化析出・膨張によるもの
である。
III.鋳型A1を用い、型面に塗型を施し、亜鉛合金の重力
鋳造を行いつつ、700mmHgの吸引を行つた。鋳込み条件
は、鋳込み温度420℃、鋳込み時間30秒、離型時間30秒
とした。
その結果、肉厚1.2mmであるにも係らず、湯流れがよ
く、ひけもない良好な鋳造を行え、かつ、鋳肌に平滑面
が明確に転写され、表面、内部の巣は皆無であった。
IV.鋳型A2を用い、AC4D、AC23H、高力黄銅の低圧吸引鋳
造を行いつつ、可動型と固定型に700mmHgの吸引力を作
用させた。この結果、前記III.よりもさらに鋳出し精度
が向上し、射出成形金型に好適なものが得られた。
〔発明の効果〕
以上説明した本発明第1項によるときには、次のよう
なすぐれた効果が得られる 1)鉄系粉と、これよりも粒度の小さなセラミック粉
と、セラミック粉よりも粒径が小さい固体分と硬化過程
で蒸発する成分を含むバインダを重量配合比で(1〜
9):(1〜9):(1〜3)で混合したスラリー状資
料を流し込み成形−乾燥又は/及び型表面に硬化層を形
成させないように一次焼成した複合成形体であり、強度
メンバーとして鉄系粉を用い、この鉄系粒子間の間をセ
ラミック粒子が埋めかつそれら粒子間をバインダの微粒
子の粒子間吸引力で接合しているため、未焼結体である
にもかかわらず型強度が高くなり、また、耐熱性もよ
く、したがつて、急熱、急冷の繰返しによっても、亀
裂、コーナー部の欠け、ポロッキ等の欠陥の発生を抑制
することができる。
2)鉄系粉とセラミツク粉の点接触により通気性を実現
するのでなく、バインダに含まれる蒸発成分の抜けによ
る気孔形成作用で通気性を創成しているため、緻密な表
面性状とすることができる。さらに、流し込み成形で型
造型するため良好な転写性が得られ、マスターモデルの
微細な模様を忠実に再現することができる。しかも、流
し込み成形した固化成形体を乾燥又は/及び型表面に硬
化層を形成させないように加熱した未焼結体であるた
め、型面を非常に良好な表面性状とすることができる。
これらのことから、すぐれた通気性と表面精度と転写性
とを同時に実現させることができる。
そして複合成形体の型面を除く外面に目どめ手段を施
し、適所に吸引部を設けているため、効果的に型面にだ
け吸引力を作用させることができ、製造工程でキャビテ
イ内を全域を均一に負圧化し、材料を型面のすみずみま
でまんべんなく充填させ、同時にキャビティ内の空気や
材料に含まれるガスあるいは水分等を効率よく除去する
ことができる。
3)鉄系粉と、これよりも粒度の小さなセラミック粉
と、セラミック粉よりも粒径が小さい固体分と硬化過程
で蒸発する成分を含むバインダからなるスラリー状資料
を流し込み成形した固化成形体を乾燥又は/及び型表面
に硬化層を形成させないように一次焼成した未焼結体で
あるため、鋳造後の崩壊性も良好である。
4)鉄系粉とこれよりも粒度の小さなセラミック粉と、
セラミック粉よりも粒径が小さい固体分と硬化過程で蒸
発する成分を含むバインダからなるスラリー状資料を流
し込み成形し、乾燥又は/及び型表面に硬化層を形成さ
せないように一次焼成し、外面を目止めすることで作ら
れるので、工程や操作が簡単で、電気炉等の高価な設備
も不要であるため、低コストで製造することができる。
また、本発明の第2項によるときには、鉄系粉と、こ
れよりも粒度の小さなセラミック粉と、セラミック粉よ
りも粒径が小さい固体分と硬化過程で蒸発する成分を含
むバインダを、重量配合比で(1〜9):(1〜9):
(1〜3)で混合し、これにさらに補強繊維を添加混合
したスラリー状資料を用いるため、第1項の効果に加え
てさらに曲げに対する強度が向上するとともに寸法安定
性が良好になり、高圧の鋳造にも耐える鋳型とすること
ができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による精密吸引鋳型の実施例を示す断面
図、第2図と第3図は本発明における複合成形体の他の
例を示す断面図、第4図は本発明の鋳型の組織を模式的
に示す拡大図、第5図(a)(b)(c)は本発明の鋳
型の製造工程を示す説明図、第6図と第7図は本発明の
鋳型の使用例を示す断面図である。 1,1a,1b……複合成形体、1′……素体、3a……鉄系粉
粒子、3b……セラミック粉粒子、3c……バインダ粒子、
5……スラリー状資料、10……型面、11……キャビテ
ィ,9……目止め手段、90……吸引部
フロントページの続き (72)発明者 今村 正人 愛知県豊川市穂ノ原3―1 新東工業株 式会社研究所内 (72)発明者 渡辺 達夫 愛知県豊川市穂ノ原3―1 新東工業株 式会社研究所内 (72)発明者 牧口 直史 愛知県豊川市穂ノ原3―1 新東工業株 式会社研究所内 (72)発明者 西川 和之 愛知県豊川市穂ノ原3―1 新東工業株 式会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−58955(JP,A) 特開 昭62−168628(JP,A) 特開 昭64−104443(JP,A) 特公 昭54−31972(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄系粉と、これよりも粒度の小さなセラミ
    ック粉と、セラミック粉よりも粒径が小さい固体分と硬
    化過程で蒸発する成分を含むバインダを重量配合比で
    (1〜9):(1〜9):(1〜3)で混合したスラリ
    ー状資料を所望の型形状となるように流し込み成形し、
    その固化成形体を乾燥又は/及び型表面に硬化層を形成
    させないように一次焼成した複合成形体からなり、該複
    合成形体が前記蒸発成分の抜けにより創成された微細な
    気孔で全体として気孔率10%以上の通気構造となってお
    り、かつ複合成形体の型面を除く外面に目どめ手段を施
    し、適所に吸引部を設けたことを特徴とする精密吸引鋳
    型。
  2. 【請求項2】鉄系粉と、これよりも粒度の小さなセラミ
    ック粉と、セラミック粉よりも粒径が小さい固体分と硬
    化過程で蒸発する成分を含むバインダを、重量配合比で
    (1〜9):(1〜9):(1〜3)で混合し、これに
    さらに補強繊維を添加混合したスラリー状資料を所望の
    型形状となるように流し込み成形し、その固化成形体を
    乾燥又は/及び型表面に硬化層を形成させないように一
    次焼成した複合成形体からなり、該複合成形体1が前記
    蒸発成分の抜けにより創成された気孔で全体として気孔
    率10%以上の通気構造となっており、かつ複合成形体の
    型面を除く外面に目どめ手段を施し、適所に吸引部を設
    けたことを特徴とする精密吸引鋳型。
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