JP2654709B2 - エアゾール塗料組成物 - Google Patents

エアゾール塗料組成物

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JP2654709B2 JP2086385A JP8638590A JP2654709B2 JP 2654709 B2 JP2654709 B2 JP 2654709B2 JP 2086385 A JP2086385 A JP 2086385A JP 8638590 A JP8638590 A JP 8638590A JP 2654709 B2 JP2654709 B2 JP 2654709B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塗膜の補修用に使用できる高耐蝕性のエポ
キシ系塗料をエアゾール化したエアゾール塗料組成物に
関する。
[従来の技術] 塗装された塗膜の欠陥部分を補修する塗料として常温
乾燥型の塗料をエアゾール化して塗装するのが最も簡便
な方法であるが、高耐蝕性を要求される部材の補修塗装
には塗料にも高耐蝕性が要求される。常温乾燥型の高耐
蝕性塗料としてはエポキシ樹脂系のものが広く採用され
ているが、これをエアゾール化するために配合される噴
射剤は、たとえばジメチルエーテルはエポキシ樹脂の溶
解性が悪く、塗料成分と混合されたエアゾール缶内でエ
ポキシ樹脂分が分離、固化する。このようになるとエア
ゾール缶のノズルが詰まったり、溶剤分のみが噴射され
たりして塗装することができない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、常温乾
燥型のエポキシ樹脂系の高耐蝕性塗料をエアゾール化し
て、エアゾール缶のノズルからの噴射塗装が可能な塗料
組成物とすることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明のエアゾール塗料組成物は、エポキシ樹脂と顔
料とからなる塗料固形分に有機溶剤を配合してなる塗料
成分と噴射剤とからなる耐蝕性のエアゾール塗料組成物
であって、該塗料成分は粘度が20秒〜30秒/20℃(イワ
タカップ)であり、該塗料成分を100重量部としたと
き、該有機溶剤には35重量部以上のエチルセロソルブを
含み、該エチルセロソルブとセロソルブアセテートとの
合計量が55重量部以上であり、該塗料成分と該噴射剤と
が重量比で1/1〜1.3/1の割合で配合されていることを特
徴とする。
本発明の塗料固形分は、顔料とエポキシ樹脂とからな
る。顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄、リンモ
リブデン酸塩、ケイ酸マグネシウムなどが用いられ、さ
らに公知の耐蝕性塗料の添加剤を添加することもでき
る。エポキシ樹脂は耐蝕性塗料に使用されるものであれ
ば良くビスフェノールA系のエポキシ樹脂が用いられ、
特にアミノアルコールとイソシアネートプレポリマーを
配合したビスフェノールA系の変性エポキシ樹脂が好ま
しい。
塗料固形分を溶解分散する有機溶剤としては、セロソ
ルブアセテート、エチルセロソルブの他にキシレン、ト
ルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、ブチルセロソルブ、メチルイソブチルケトンなどを
添加してもよい。
有機溶剤のエチルセロソルブは塗料成分100重量部中
に35重量部以上含まれ、かつセロソルブアセテートとエ
チルセロソルブとの合計量が55重量部以上であること
が、塗料成分と噴射剤との溶解性を高めエアゾール組成
物中での樹脂分の固化分離を防ぐのに必要である。エチ
ルセロソルブの量が35重量部未満であると塗料成分の噴
射剤との溶解性が不十分となりエポキシ樹脂が固化分離
してエアゾール塗料組成物の噴射塗装ができず好ましく
ない。またエチルセロソルブの量が35重量部以上であっ
ても、セロソルブアセテートとの合計量が55重量部未満
であると固形分が完全に溶解せず塗膜の乾燥性が低下す
るので好ましくない。
塗料成分は上記の有機溶剤を用いて粘度を20秒/30秒/
20℃(イワタカップ)にすることが必要である。粘度が
20秒/20℃未満であると低すぎて塗膜のタレが発生し好
ましくない。また粘度が30秒/20℃を超えて高くなると
噴射される液滴が微粒子できず塗膜面が均一とならず仕
上げ不良となり好ましくない。
噴射剤は公知のジメチルエーテル、LPGなどが使用で
きる。その量は塗料成分/噴射剤の重量比で1/1〜1.3/1
の範囲で用いられる。通常混合比は1/1で使用されてい
るが、塗料成分がやや過剰である場合の方がエアゾール
塗料組成物の安定性が向上するので好ましい。
このエアゾール塗料組成物は、エアゾール缶内では完
全に溶解するのではなく噴射剤と塗料成分とが分散ない
しは相分離した状態を含むが、固形分が固化分離するこ
とがないために噴射前に振とうすれば均一な分散液とな
り噴射塗装が可能となる。
さらに缶内にガラス球、鋼球を挿入しておくと振とう
によるエアゾール塗料組成物の混合がより容易となるた
め好ましい。
[作用] 本発明のエアゾール塗料組成物は、有機溶剤にエチル
セロソルブを特定量使用して、塗料成分の粘度を調整し
て噴射剤と混合されている。
このエチルセロソルブはエポキシ樹脂と親和性を有す
るとともに噴射剤のジメチルエーテルなどと相溶性を有
するため、特定量の配合により塗料成分の粘度を調整す
るとともに噴射剤と混合した後、塗料固形分の樹脂が分
離固化して噴射塗装が困難となることを防ぐことができ
る。また、セロソルブアセテートを特定量配合すること
により形成された塗膜の乾燥性を高めることができる。
したがって、安定な高耐蝕性のエアゾール塗料組成物と
なる。
[実施例] 以下、実施例により具体的に説明する。
塗料固形分は、顔料にカーボンブラック1〜3重量
部、酸化鉄8〜13重量部、リンモリブデン酸塩5〜10重
量部、ケイ酸マグネシウム5〜10重量部と、エポキシ当
量450〜1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂がアミ
ノアルコールおよびイソシアネートプレポリマーで変性
され重量平均分子量が10000〜15000の重合体15〜20重量
部とからなる。
(試験例) この固形分30重量部に有機溶剤70重量部として、エチ
ルセロソルブとセロソルブアセテートの混合割合を変え
て塗料成分を作製した。それぞれの塗料成分120重量部
と噴射剤のヂメチルエーテル100重量部とを内容量が300
mlのエアゾール缶に径が約8mmのガラス球5個とともに
加えてエアゾール化品を作製した。缶を約10秒振とうさ
せ、ノズルを押して内容物を噴射させ、内容物が均一に
噴射するものを可とし、不均一に噴射するものを否とし
た。不均一に噴射する状態とは、溶剤分のみを噴射する
場合や、分離した塗料樹脂が粘度の高い泡の状態でノズ
ルからでたりする状態をいう。結果を第1表に示す。
エチルセロソルブとセロソルブアセテートの比率はエ
チルセロソルブが等量以上(塗料成分100重量部中35重
量部である)であればエアゾール化は可能である。
(実施例) 試験例と同じ固形分を30重量部用い、第2表に示す組
成割合の有機溶剤を用いて粘度が25秒/20℃(イワタカ
ップ)の塗料成分を作製した。試験例と同様にエアゾー
ル組成物としエアゾール塗装の可否を調べた。エチルセ
ロソルブが35重量部以上でセロソルブアセテートとの合
計量が55重量部以上のNo.1と、No.2がノズルよりのエア
ゾール塗装が可能である。
エチルセロソルブが40重量部であってもセロソルブア
セテートとの合計量が55重量部以下のNo.3、エチルセロ
ソルブが35重量部以下のNo.4、No.5はいずれもエアゾー
ル塗装ができなかった。
(実施例2) 試験例と同じ固形分30部にエチルセロソルブ35重量部
とセロソルブアセテート20重量部を加え、さらに第3表
に示す溶剤を15重量部加えて粘度を25秒/20℃(イワタ
カップ)とし、噴射剤を配合してエアゾール塗装をおこ
なってエアゾール化の可否を調べた。エチルセロソルブ
とセロソルブアセテートが所定の量含まれているのでい
ずれもエアゾール塗装が可能であった。
(比較例1) 試験例と同じ固形分30部にエチルセロソルブ35重量部
とセロソルブアセテート15重量部を加え、さらに第4表
に示す溶剤を20重量部を加えて、粘度を25秒/20℃(イ
ワタカップ)とし、噴射剤を配合してエアゾール塗装を
おこなってエアゾール化の可否を調べた。この場合はセ
ロソルブアセテートとエチルセロソルブの合計量が55重
量部以下であるのでエアゾール塗装ができなかった。
(比較例2) 試験例と同じ固形分30重量部にエチルセロソルブ30重
量部とセロソルブアセテート25重量部を加え、さらに第
5表に示す溶剤を15重量部を加えて、粘度を25秒/20℃
(イワタカップ)とし、噴射剤を配合してエアゾール塗
装をおこなってエアゾール化の可否を調べた。この場合
はエチルセロソルブが35重量部以下であるのでエアゾー
ル塗装ができなかった。
[効果] 本発明により高耐蝕性のエポキシ樹脂系塗料を安定な
エアゾール組成物とすることができた。すなわち、エチ
ルセロソルブとセロソルブアセテートを特定量用いて塗
料成分の粘度を調整することにより、噴射剤と混合して
もエアゾール組成物が安定し樹脂などの固形分が分離固
化することがない。そのため、高耐蝕性を要求される部
材の塗膜の塗装欠陥の補修に取扱の容易なエアゾールに
よる塗装ができるので、補修作業が容易となる。
また不快臭を有するエチルセロソルブに芳香性のセロ
ソルブアセテートを添加することによりエアゾールの臭
気を良くすることができる。さらにセロソルブアセテー
トはエチルセロソルブより引火点が高いのでエアゾール
の取扱性が良くなる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてエポキシ樹脂からなる塗料固形分
    に有機溶剤を配合してなる塗料成分と、噴射剤とからな
    るエアゾール塗料組成物であって、該塗料成分は粘度が
    20秒〜30秒/20℃(イワタカップ:岩田塗装機製作所
    製)であり、該塗料成分を100重量部としたとき該有機
    溶剤には35重量部以上のエチルセロソルブを含み、該エ
    チルセロソルブとセロソルブアセテートとの合計量が55
    重量部以上であり、該塗料成分と該噴射剤とが重量比で
    1/1〜1.3/1の割合で配合されていることを特徴とするエ
    アゾール塗料組成物。
JP2086385A 1990-03-31 1990-03-31 エアゾール塗料組成物 Expired - Lifetime JP2654709B2 (ja)

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