JP2653706B2 - シリルパーオキシドの製造方法 - Google Patents

シリルパーオキシドの製造方法

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JP2653706B2 JP30276789A JP30276789A JP2653706B2 JP 2653706 B2 JP2653706 B2 JP 2653706B2 JP 30276789 A JP30276789 A JP 30276789A JP 30276789 A JP30276789 A JP 30276789A JP 2653706 B2 JP2653706 B2 JP 2653706B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の具体的な説明 発明の技術分野 本発明は、コバルト錯体を用いてオレフィン類および
/またはシリルパーオキシドを製造する新規な方法に関
する。
発明の技術的背景並びにその問題点 従来から、シリルパーオキサイドは、重合開始剤、酸
化剤あるいはカップリング剤等として使用されている。
このようなシリルパーオキサイドは、まず、4−フェ
ニル−1−ブテン等のようなオレフィン類を、通常30%
以上の過酸化水素水と混合して、さらに濃硫酸等の強酸
を慎重に加えて両者を反応させてヒドロパーオキシドを
合成し、このヒドロキシパーオキシドを一旦単離精製し
た後、シリルクロライド等のようなシリル化剤と反応さ
せる方法により合成されていた。
しかしながら、この方法は、酸に対する安定性が低
く、しかも爆発の可能性のあるパーオキシドを濃硫酸等
の強酸の存在下で合成しているため、極めて危険度の高
い方法である。
また、上記反応で使用されるシリル化剤は、水との反
応性が高いため、含水条件で製造したパーオキシドを一
旦分離して水分を除去した後、シリル化剤と反応させる
必要がある。すなわちこの反応は二段に別けて行なう必
要があり、従って操作が非常に煩雑になるという問題点
があった。
他方、オレフィン類と水とを触媒の存在下に加熱する
ことにより水酸基含有化合物を製造することができるこ
とが知られている。例えばデセンと水とを触媒の存在下
に加熱することにより、水酸基含有化合物として2−デ
カノールを製造することができる。このようなオレフィ
ン類と水との反応には、従来触媒として濃硫酸等の強酸
が使用されていた。
しかしながら、上記のような強酸の存在下にオレフィ
ンと水とを反応させて水酸基含有化合物を得る反応は、
可逆平衡反応であるため、オレフィンと水との反応によ
り生成した水酸基含有化合物の濃度が一定以上になると
反応が見掛け上進行しなくなる。このため、高収率で水
酸基含有化合物を得ようとするには、生成した水酸基含
有化合物を除去して反応系における平衡をずらせる方法
を採用する必要がある。ところが、このようなデカンと
デカノールのように、反応系において原料と反応生成物
が共に液体である場合、両者を蒸留して分離する方法な
どを採用しなければならず、操作が煩雑になる。また、
硫酸等の触媒を大過剰に使用することにより、水酸基含
有化合物の生成率をある程度は高くすることができる
が、このように大過剰の強酸を使用すると、原料である
オレフィン自体が分解されることがある。殊にエステル
基等のような官能基を有するオレフィンを原料として使
用する場合、上記のような強酸を用いた反応系は、強い
酸性条件下に水が存在するという非常に苛酷な条件下に
あるため、エステル基等のような官能基が加水分解反応
により分解される。従って、上記のような官能基を有す
るオレフィンを原料として使用して水酸基含有化合物を
製造する方法においては、上記のような強酸を使用する
ことはできないという問題点があった。
発明の目的 本発明は上記のような従来技術に伴う問題点を解消し
ようとするものであって、コバルト錯体を用いてオレフ
ィン化合物から効率良くシリルパーオキシドおよび水酸
基含有化合物の両者を、またはシリルパーオキシド若し
くは水酸基含有化合物のうちのいずれか一方を選択的に
製造することができる方法を提供することを目的として
いる。
発明の概要 本発明の製造方法は、次式[IV]で表わされるシリル
パーオキシドおよび/または式[V]で表わされる水酸
基含有化合物の製造方法である。
ただし、[IV]において、R7、R8およびR9は、それぞ
れ独立に、水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基、
(以下、「低級アルキル基」とも言う。),アリール
基、炭素数1〜10のアルコキシ基(以下、「低級アルコ
キシ基」とも言う。)およびアリールアルキル基を表わ
すと共に、R7、R8およびR9のうち、少なくとも1つの基
は、水素原子以外の基であり、R10、R11、R12およびR13
は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基(低級アルキル基)、炭素数1〜10のアルケニル基
(以下、「低級アルケニル基」とも言う。)、炭素数1
〜10のアルキニル基(以下、「低級アルキニル基」とも
言う。)、アリールアルキル基、シクロアルキル基、ア
ルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリー
ルカルボニル基、カルバモイル基およびシアノ基よりな
る群から選ばれる原子若しくは基を表わし、R10およびR
12若しくはR11およびR13が共同して環を構成していても
よい。ただし、R10〜R13のうち少なくとも一つは、水素
原子以外の基である。
ただし、上記式[V]において、R10、R11、R12およ
びR13は式[IV]の場合と同様である。
上記のようなシリルパーオキシドおよび/または水酸
基含有化合物を製造するための本発明に係る方法は、 次式[I]で表わされるβ−ジカルボニル化合物のコ
バルト錯体; [上記式[I]において、R1、R2、R4およびR5は、そ
れぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基、トリフルオロメチル基、アルキルカルボニル基、ア
ルコキシカルボニル基およびカルバモイル基よりなる群
から選ばれる原子若しくは基を表わし、R3およびR6は、
それぞれ独立に、炭素数1〜10の低級アルキル基、アリ
ール基、アリールアルキル基およびシクロアルキル基よ
りなる群から選ばれる基を表わす。]の存在下に、 次式[II]で表わされるシラン誘導体; [ただし、式[II]において、R7、R8およびR9は、そ
れぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル
基、アリール基、低級アルコキシおよびアリールアルキ
ル基よりなる群から選ばれる基若しくは原子を表わすと
共に、R7、R8およびR9のうち、少なくとも1つの基は、
水素原子以外の基である。]と、 次式[III]で表わされる鎖状オレフィン; [ただし、上記式[III]において、R10、R11、R12
よびR13は前記式[IV]の場合と同様である。]と、 酸素含有ガスとを接触させることを特徴としている。
本発明に係るシリルパーオキサイドおよび/または水
酸基含有化合物の製造方法によれば、触媒としてコバル
ト錯体を使用しているため、オレフィンからシリルパー
オキシドを一段で合成することができる。さらに、この
反応は、従来の反応のようにパーオキシドのような危険
性の高い中間体を不安定な条件下で反応させる必要がな
いため、安全性が高い。
また、上記のような触媒を使用することにより、官能
基を有するオレフィンを原料として使用して、シリルパ
ーオキシドおよび/または水酸基含有化合物を高収率で
製造することができる。
発明の具体的な説明 次に本発明について具体的に説明する。
まず、本発明の製造方法で触媒として使用されるコバ
ルト錯体について説明する。
本発明で使用されるコバルト錯体は、β−ジカルボニ
ル化合物のコバルト錯体であり、このコバルト錯体は次
式[I]で表わすことができる。
上記式[I]において、R1、R2、R4およびR5は、それ
ぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル
基、トリフルオロメチル基、アルキルカルボニル基、ア
ルコキシカルボニル基およびカルバモイル基よりなる群
から選ばれる原子若しくは基を表わし、R3およびR6は、
それぞれ独立に、炭素数1〜10の低級アルキル基、アリ
ール基、アリールアルキル基およびシクロアルキル基よ
りなる群から選ばれる基を表わす。
上記の低級アルキル基は、炭素数1〜10、好ましくは
1〜6のアルキル基であり、このアルキル基は、直鎖状
であっても分岐を有していてもよい。このようなアルキ
ル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、イソオクチル基及びn−ノニル基を挙げることがで
きる。これらの低級アルキル基のうち、R1、R2、R4およ
びR5として好ましいアルキル基は、炭素数1〜6のアル
キル基、特にエチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、
イソブチル基、n−ヘキシル基であり、R3およびR6とし
て好ましいアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基、
特にエチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチ
ル基、n−ヘキシル基である。
また、シクロアルキル基の具体的な例としては、シク
ロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、
シクロオクチル基を挙げることができる。なお、上記の
ように、シクロアルキル基はシクロアルキル環に置換基
を有していてもよい。これらのシクロアルキル基のう
ち、R1、R2、R4およびR5として好ましいシクロアルキル
基は、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロ
ヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基であり、
R3およびR6として好ましいシクロアルキル基は、1−メ
チルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基で
ある。
上記アリール基は、芳香族環上の水素原子が、ハロゲ
ン原子等の他の原子、あるいは置換基等で置換されてい
てもよく、このようなアリール基の具体的な例として
は、p−ブロモフェニル基等のハロゲン化フェニル基、
ナフチル基、フェニル基の他、以下に記載する式(1)
〜(20)で表わされる基を挙げることができる。
これらのアリール基のうち、R1、R2、R4およびR5とし
て好ましいアリール基は、式(14)、式(15)、式(1
6)、式(17)、式(18)、式(19)および式(20)で
表わされる基であり、R3およびR6として好ましいアリー
ル基は、式(1)、式(2)、式(3)、式(4)、式
(5)、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、式
(10)、式(11)、式(12)および式(13)で表わされ
る基である。
さらに、アリールアルキル基としては、次式で表わさ
れる基を挙げることができる。
ただし、上記式において、Rは水素原子若しくはアル
キル基を表わし、mは0〜3、好ましくは0〜1の整数
であり、nは1〜4、好ましくは1〜3の整数である。
また、上記式における芳香族環上の水素原子がハロゲン
原子等の他の原子、あるいは置換基で置換されていても
よい。
これらの基の具体的な例としては以下に記載する式
(21)〜(39)で表わされる基を挙げることができる。
これらのアリール基のうち、R1、R2、R4およびR5とし
て好ましいアリールアルキル基は、式(29)、式(3
0)、式(31)、式(32)、式(33)、式(34)、式(3
5)、式(36)、式(37)、式(38)および式(39)で
表わされる基である。
アルキルカルボニル基としては、次の式で表わされる
基を挙げることができる。
ただし、上記式において、p′は、1〜6の整数を表
わす。このようなアルキルカルボニル基の具体的な例と
しては、アルキル基がメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基およびn−ペンチル基であるアルキ
ルカルボニル基を挙げることができる。これらのアルキ
ルカルボニル基のうち、R1、R2、R4およびR5として好ま
しい基は、アルキル基がメチル基、エチル基、プロピル
基およびブチル基であるアルキルカルボニル基である。
さらに、アルコキシカルボニル基としては、次式で表
わされる基を挙げることができる。
ただし、上記式において、pは、1〜6の整数を表わ
す。このようなアルコキシカルボニル基の具体的な例と
しては、アルコキシ基が、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、n−ブトキシ基およびn−ペントキシ
基であるアルコキシカルボニル基を挙げることができ
る。これらのアルコキシカルボニル基のうち、R1、R2
R4及びR5として好ましい基は、アルコキシ基がメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基である
アルコキシカルボニル基である。
また、カルバモイル基は、次式で表わすことができ
る。
ただし、上記式において、R14およびR15は、それぞれ
独立に、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基
のうちから選択される原子若しくは基を表わす。さら
に、R14およびR15が共同して環を形成していてもよく、
この場合、−O−、−S−、−NR16−(ただしR16は低
級アルキル基若しくは水素原子である)、あるいは、−
N=を介してR14およびR15が連結され環を形成していて
もよい。
なお、ここで低級アルキル基およびシクロアルキル基
としては、上記例示した基を挙げることができる。
このようなカルバモイル基の具体的な例としては、ジ
メチルアミノカルバモイル基、メチルアミノカルバモイ
ル基、ジエチルアミノカルバモイル基、ジプロピルアミ
ノカルバモイル基、メチルエチルアミノカルバモイル
基、ピペリジノカルバモイル基、ピペラジノカルバモイ
ル基、モルフォリノカルバモイル基、エチルアミノカル
バモイル基、シクロヘキシルアミノカルバモイル基およ
びシクロヘキシルエチルアミノカルバモイル基等を挙げ
ることができる。
これらのカルバモイル基のうち、式[I]における
R1、R2、R4およびR5として好ましい基は、ジエチルアミ
ノカルバモイル基、ピペリジノカルバモイル基、ピペラ
ジノカルバモイル基およびモルフォリノカルバモイル基
である。
これら式[I]におけるR1、R2、R4およびR5は、同一
であっても異なっていてもよい。
さらに、R3とR6とは同一であっても異なっていてもよ
い。
本発明において、上記式[I]で表わされるコバルト
錯体の内、特に優れた触媒活性を示す化合物としては、
次式[I−1]、[I−2]、[I−3]、[I−4]
および[I−5]で表わされる化合物である。
ただし、上記式[I−1]において、R16、R17、R18
およびR19は、それぞれ独立に、 メチル基、n−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基等の低級アルキル基; トロフルオロメチル基; フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−ブロモ
フェニル基、メトキシフェニル基のような置換もしくは
非置換のアリール基; シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基; 水素原子; のうちのいずれかの基、若しくは原子であることが好
ましい。
ただし、上記式[I−2]において、R20、R21、R22
およびR23は、それぞれ独立に、 メチル基、エチル基、n−プロピル基、t−ブチル基
およびn−ブチル基のような低級アルキル基であること
が好ましい。
ただし、上記式[I−3]において、R24、R26、R27
およびR26′は、それぞれ独立に、 メチル基、エチル基、sec−ブチル基およびt−ブチ
ル基等の低級アルキル基であることが好ましく、さらに
R25およびR26は、それぞれ独立にメトキシ基、エトキシ
基、sec−ブチル基およびt−ブチル基等の低級アルコ
キシ基; メチル基、エチル基等の低級アルキル基であることが
好ましい。
ただし、上記式[I−4]において、R28、R29、R31
およびR32は、それぞれ独立に、 メチル基、エチル基等の低級アルキル基、あるいはR
28とR29、およびR31とR32とが窒素原子を取り込んでピ
ペリジン基、ピペラジノ基、あるいはモルフェリノ基の
ようなヘテロ環からなる基を形成していることが好まし
く、また、R30およびR33は、それぞれ独立に、t−ブチ
ル基のような低級分岐アルキル基であることが好まし
い。
ただし、上記式[I−5]において、R34およびR36
うちの少なくともいずれか一方は、トリフルオロメチル
基、若しくはp−トリフルオロメチルフェニル基のよう
なフッ素原子を含有する基であることが好ましく、R35
及びR37は、p−メチルフェニル基、m−メトキシフェ
ニル基、2,4、6−トリメチルフェニル基、2,4−ジメト
キシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル等の芳
香族基であることが好ましい。
上記のような式[I]で表わされる化合物のうち、本
発明で使用される触媒として特に好ましい化合物は、以
下に示される式(50)〜(94)で表わされる化合物であ
る。
式[I−1]で表わされる化合物のうち好適な化合物
の例; (50) ビス(3,7−ジメチル−4,6−ノナンジオナト)
コバルト(II) (51) ビス(1,3−ジシクロヘキシル−1,3−ブロパン
ジオナト)コバルト(II) (52) ビス(2,2,8,8−テトラメチル−4,6−ノナンジ
オナト)コバルト(II) (53) ビス(2,4−ヘキサンジオナト)コバルト(I
I) (54) ビス[1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−
1,3−プロパンジオナト]コバルト(II) (55) ビス(1−ペンタフルオロフェニル−2,4−ブ
タンジオナト)コバルト(II) (56) ビス(4,4−ジメチル−1−ペンタフルオロフ
ェニル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (57) ビス(4,4−ジメチル−1−フェニル−1,3−ペ
ンタンジオナト)コバルト(II) (58) ビス[1−(4−ブロモフェニル)−4,4−ジ
メチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (59) ビス(2,4−ノナンジオナト)コバルト(II) (60) ビス(2,2−ジメチル−3,5−ヘキサンジオナ
ト)コバルト(II) (61) ビス[4,6−ノナンジオナト)コバルト(II) (62) ビス(1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジ
オナト)コバルト(II) (63) ビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)
コバルト(II) (64) コバルト(II)ビス(アセチルアセトナト) 式[I−2]で表わされる化合物のうち、好適な化合
物の例; (65) ビス(1−エトキシカルボニル−1,3−ブタン
ジオナト)コバルト(II) (66) ビス(1−n−ブトキシカルボニル−4,4−ジ
メチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (67) ビス(1−n−メトキシカルボニル−1,3−メ
チル−1,3−ブタンジオナト)コバルト(II) (68) ビス(1−メトキシカルボニル−4,4−ジメチ
ル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (69) ビス(1−エトキシカルボニル−4,4−ジメチ
ル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (70) ビス(1−n−プロポキシカルボニル−4,4−
ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) 式[I−3]で表わされる化合物のうち好適な化合物
の例; (71) ビス(2−エトキシカルボニル−1−フェニル
−1,3−ブタンジオナト)コバルト(II) (72) ビス(3−エトキシカルボニル2,4−ペンタン
ジオナト)コバルト(II) (73) ビス(2−アセチル−1−フェニル−2,4−ペ
ンタンジオナト)コバルト(II) (74) ビス(2−メトキシカルボニル−1,3−ブタン
ジオナト)コバルト(II) (75) ビス(2−エトキシカルボニル−1,3−ブタン
ジオナト)コバルト(II) (76) ビス(2−sec−ブトキシカルボニル−1,3−ブ
タンジオナト)コバルト(II) (77) ビス(2−t−ブトキシカルボニル−1,3−ブ
タンジオナト)コバルト(II) 式[I−4]で表わされる化合物のうち、好適な化合
物の例; (78) ビス(1−ピペリジノカルバモイル−4,4−ジ
メチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (79) ビス(1−ジメチルアミノカルバモイル−4,4
−ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (80) ビス(1−ジエチルアミノカルバモイル−4,4
−ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (81) ビス(1−ピペリジノカルバモイル−4,4−ジ
メチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (82) ビス(1−モルフォリノカルバモイル−4,4−
ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト(II) (83) (1−ジメチルアミノカルバモイル−4,4−ジ
メチル−1,3−ペンタンジオナト)(1−ピペラジノカ
ルバモイル−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)
コバルト(II) 式[I-5]で表わされる化合物のうち、好適な化合物
の例; (84) ビス[1,1,1−トリフルオロ−5−(4−メチ
ルフェニル)−2,4−ペンタンジオナト]コバルト(I
I) (85) ビス[1,1,1−トリフルオロ−5−(4−メト
キシフェニル)−2,4−ペンタンジオナト]コバルト(I
I) (86) ビス[1,1,1−トリフルオロ−5−(3−トリ
フルオロメチルフェニル)−2,4−ペンタンジオナト]
コバルト(II) (87) ビス[1,1,1−トリフルオロ−4−(4−メチ
ルフェニル)−2,4−ブタンジオナト]コバルト(II) (88)ビス[1,1,1−トリフルオロ−4−(2,4,6−トリ
メチルフェニル)−2,4−ブタンジオナト]コバルト(I
I) (89) ビス[1,1,1−トリフルオロ−4−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−2,4−ブタンジオナト]コバルト(I
I) (90) ビス[1,1,1−トリフルオロ−4−(1−ナフ
チル)−2,4−ブタンジオナト]コバルト(II) (91) ビス[1,1,1−トリフルオロ−4−(2−ナフ
チル)−2,4−ブタンジオナト]コバルト(II) (92) ビス[1−(4−メチルフェニル)−3−(4
−トリフルオロメチルフェニル)−1,3−プロパンジオ
ナト]コバルト(II) (93) ビス[1−(4−トリフルオロメチルフェニ
ル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−1,3−プロ
パンジオナト]コバルト(II) (94) ビス[1−(2,4−ジメトキシフェニル)−3
−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1,3−プロパ
ンジオナト]コバルト(II) なお、このようなβ−ジカルボニル化合物のコバルト
錯体は、水和物あるいは塩であってもよい。本発明にお
けるβ−ジカルボニル化合物のコバルト錯体との表現
は、β−ジカルボニル化合物のコバルト錯体の水和物お
よび塩をも包含するものとする。
上記のようなβ−ジカルボニル化合物のコバルト錯体
は、例えば以下に示すように、得ようとする錯体の配位
子に対応するジカルボニル化合物若しくはこの塩が分散
もしくは溶解されているアルコール溶液あるいは水溶液
に、撹拌下に、水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、次い
でこの溶液に塩化コバルトのようなコバルト化合物を添
加することにより得ることができる。
β−ジカルボニル化合物とコバルト化合物との反応
は、通常は反応液のpH値を8〜12の範囲内のアルカリ性
に調整して行われる。この反応は、通常0〜50℃の反応
温度で、0.1〜2時間で終了する。
上記のようにして製造されたコバルト錯体は、前述の
式[I]において、通常は、コバルト原子を対称点とし
て、R1とR4、R2とR5、およびR3とR6とが同一の基である
化合物である。
本発明のコバルト錯体は、上記のように対称性を有す
る化合物であってもよいが、対称性を有していなくとも
よく、このような対象性を有しない化合物は、上記のよ
うにして対象性を有するコバルト錯体を2種類以上用意
し、この2種類以上のコバルト錯体を混合し、例えばト
ルエン等の反応溶媒の存在下に還流することにより製造
することができる。以下に上記のような反応の例を示
す。
上記のようにしてコバルト錯体を製造する際に使用さ
れるβ−ジカルボニル化合物としては、上記のようなコ
バルト錯体を形成しうる化合物であれば特に制限なく使
用することができる。このようなβ−ジカルボニル化合
物の具体的な例としては、 3,7−ジメチル−4,6−ノナンジオン、 1,3−ジシクロヘキシル1,3−プロパンジオン、 2,2,8,8−テトラメチル−4,6−ノナンジオン、 1,3−ブタンジオン、 1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジ
オン、 1−ペンタフルオロフェニル−1,3−ブタンジオン、 4,4−ジメチル−1−ペンタフルオロフェニル−1,3−ペ
ンタンジオン、 4,4−ジメチル−1−フェニル−1,3−ペンタンジオン、 1−(4−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペ
ンタンジオン、 2,4−ノナンジオン、 2,2−ジメチル−3,5−ヘキサンジオン、 4,6−ノナンジオン、 1−エトキシカルボニル−1,3−ブタンジオン、 1−n−ブトキシカルボニル−4,4−ジメチル−1,3−ペ
ンタンジオン、 1−n−メトキシカルボニル−4,4−ジメチル−1,3−ブ
タンジオン、 1−メトキシカルボニル−1,3−ブタンジオン、 1−メトキシカルボニル−4,4−ジメチル−1,3−ペンタ
ンジオン、 1−エトキシカルボニル−4,4−ジメチル−1,3−ペンタ
ンジオン、 1−n−プロポキシカルボニル−4,4−ジメチル−1,3−
ペンタンジオン、 2−エトキシカルボニル−1−フェニル−1,3−ブタン
ジオン、 3−エトキシカルボニル−2,4−ペンタジオン、 2−アセチル−1−フェニル−1,3−ブタンジオン、 2−メトキシメチレンアセト酢酸メチルエステル、 2−エトキシメチレンアセト酢酸メチルエステル、 2−メトキシメチレンアセト酢酸sec−ブトキシエステ
ル 2−t−ヒドロキシメチレンアセト酢酸−t−ブチルエ
ステル、 1,1,1−トリフルオロ−5−(4−メチルフェニル−2,4
−ペンタンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−5−(4−メトキシフェニル)
−2,4−ペンタンジオン、 1−ピペリジノカルバモイル−4,4−ジメチル−1,3−ペ
ンタンジオン、 1−ジメチルアミノカルバモイル−4,4−ジメチル−1,3
−ペンタンジオン、 1−ジエチルアミノカルバモイル−4,4−ジメチル−1,3
−ペンタンジオン、 1−ピペラジノカルバモイル−4,4−ジメチル−1,3−ペ
ンタンジオン、 1−モルフォリノカルバモイル−4,4−ジメチル−1,3−
ペンタンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−5−(4−メチルフェニル)−
2,4−ペンタンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−5−(4−ニトロフェニル)−
2,4−ペンタンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−5−(3−トリフルオロメチル
フェニル)−2,4−ペンタンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−4−(4−メチルフェニル)−
2,4−ブタンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−4−(2,4,6−トリメチルフェニ
ル)−2,4−ブタンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−4−(2,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,4−ブタンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−4−(1−ナフチル)−2,4−ブ
タンジオン、 1,1,1−トリフルオロ−5−(2−ナフチル)−2,4−ブ
タンジオン、 1−(4−メチルフェニル)−3−(4−トリフルオロ
メチルフェニル)−1,3−プロパンジオン、 1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−(2,4,
6−トリメチルフェニル)−1,3−プロパンジオン、 1−(2,4−ジメトキシフェニル)−3−(4−トリフ
ルオロメチルフェニル)−1,3−プロパンジオン、 および 1−フェニル−1,3−プロパンジオンを挙げることが
できる。これらのβ−ジカルボニル化合物は単独で、あ
るいは組み合わせて使用することができる。
上記のようなβ−ジカルボキシ化合物と共に本発明の
コバルト錯体を製造するために使用されるコバルト化合
物に特に制限はないが、本発明で使用することができる
コバルト化合物としては、たとえばCoCl2等の無機コバ
ルト化合物およびCo(CH3COO)2等の有機コバルト化合物
を挙げることができ、これらのコバルト化合物は、単独
であるいは組み合わせて使用することができる。
このβ−ジカルボン酸とコバルト化合物との反応は、
水中で行なうこともできるが、水とアルコールとの混合
溶媒中で反応させることが好ましい。本発明において使
用する反応溶媒中における水とアルコールとの重量比率
は、通常10:90〜100:0の範囲内にある。
本発明に係るシリルパーオキシドおよび/または水酸
基含有化合物の製造方法は、上記のようなβ−カルボニ
ル化合物のコバルト錯体の存在下に、シラン誘導体とオ
レフィン系炭化水素化合物と酸素含有ガスとを、接触さ
せることを特徴としている。
本発明において使用されるシラン誘導体は、次式[I
I]で表わすことができる。
ただし、式[II]において、R7、R8およびR9は、それ
ぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル
基、アリール基、低級アルコキシ基およびアリールアル
キル基よりなる群から選ばれる基若しくは原子を表わ
す。
ただし、上記式[II]において、R7、R8およびR9のう
ち、少なくとも1つの基は、水素原子以外の基である。
従って、本発明において、SiH4は使用されない。
これら炭素数1〜10の低級アルキル基、アリール基、
低級アルコキシ基およびアリールアルキル基の具体的な
例としては、前記式[I]で表わされるコバルト錯体の
説明の際に例示した基を挙げることができる。
そして、上記式[II]で表わされるシラン誘導体の具
体的な例としては、メチルシラン、エチルシラン、フェ
ニルシラン、ジエチルシラン、ジメチルシラン、ペンチ
ルシラン、ジフェニルシラン、メチルエチルシラン、メ
チルフェニルシラン、トリメチルシラン、トリエチルシ
ラン、トリ−n−プロピルシラン、ジメチルフェニルシ
ラン、ジエチルフェニルシラン、ジメチルエチルシラ
ン、t−ブチルジメチルシラン、t−ブチルジエチルシ
ラン、メトキシシラン、エトキシシラン、メチルメトキ
シシラン、ジエチルメトキシシラン、フェニルメトキシ
シラン、フェニルエトキシシラン、メチルジメトキシシ
ランおよびジメチルエトキシシランを挙げることができ
る。これらのシラン誘導体は、単独で、あるいは組み合
わせて使用することができる。
これらのシラン誘導体でのうちでもジメチルシラン、
ジエチルシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラ
ン、ジメチルフェニルシラン、メチルジフェニルシラ
ン、ジエチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、t−ブチルジメチルシランおよびフェニルシラン等
が特に好ましい。
本発明において使用されるオレフィン系炭化水素化合
物は、通常、炭素数2〜30、好ましくは4〜20のオレフ
ィン系炭化水素化合物であり、例えば次式[III]で表
わすことができる。
ただし、上記式[III]において、R10、R11、R12およ
びR13は、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、
低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリールアルキ
ル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、ア
ルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルバモ
イル基およびシアノ基よりなる群から選ばれる原子若し
くは基を表わし、R10およびR12若しくはR11およびR13
共同して環を構成していてもよい。ただし、R10〜R13
うち少なくとも一つは、水素原子以外の基である。
このような上記式[III]で表わされるオレフィン系
炭化水素化合物には、脂肪族系オレフィン化合物、脂環
族系オレフィン化合物、芳香族系オレフィン化合物があ
る。これらの化合物が置換基を有していてもよい。本発
明の方法において、反応に寄与する二重結合は、主鎖の
末端に位置していても、末端以外の部分、例えば主鎖の
中心近傍に位置してもよく、さらに側鎖の末端(exo−
末端)に位置していても、側鎖の末端以外の部分、例え
ば側鎖の中心近傍に位置していてもよい。
なお、本発明で使用されるオレフィン系炭化水素化合
物は、通常上記式[III]で示されるように、本発明の
反応における活性を有する二重結合を少なくとも1個有
している化合物であるが、このような二重結合を2個以
上有する化合物も使用することができる。さらに2個以
上の二重結合を有する場合、これらの二重結合は、本発
明の反応において同一の活性を示す必要はない。
本発明において使用されるオレフィン系炭化水素化合
物の具体的な例としては、イソプレン、ブタジエン、プ
ロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−
ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3
−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−
ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、5−デセ
ンおよび2−メチル−2−デセン等の脂肪族系オレフィ
ン化合物; シクロペンテン、シクロオクテン、シクロヘキセン、
シクロデセン、シクロヘプテン、1,4−シクロヘキサジ
エン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロオクタジ
エン、1−メチルシクロヘキセン、2−メチルシクロヘ
キセン、4−カルボエトキシシクロヘキセン、4,5−ジ
カルボメトキシシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキ
セン、ピネン、カンフェン、ノルボルネン、シクロペン
タジエン、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエ
ン、インデン、1−メチルインデンおよび1,2−ジヒド
ロナフタレン等の脂環族系オレフィン化合物; 4−フェニル−1−ブテン、4−フェニル−2−ブテ
ン2−メチル−4−フェニル−1−ブテン、スチルベ
ン、スチレンおよび5−フェニル−3−メチル−2−ペ
ンテン等の芳香族系オレフィン化合物を挙げることがで
きる。
さらに、本発明の方法においては、上記のようなオレ
フィン系化合物の他に、官能基を有するオレフィン系化
合物をも使用することができる。本発明で使用すること
ができるオレフィン系炭化水素化合物は、上記式[II]
で表わされるシラン誘導体と直接反応することのない官
能基を有する化合物である。このようなオレフィン系炭
化水素化合物の具体的な例としては、安息香酸アリー
ル、酢酸アリール、アリールアルコールメチルエステ
ル、アリールアミン安息香酸アミド、アリールアミン酢
酸アミド、桂皮酸エチルエステル、桂皮酸メチルエステ
ル、5−ヘキセン−1−オール安息香酸エステル、6−
メチル−5−ヘプテン−2−オール安息香酸エステル、
アクリル酸エチルエステル、クロトン酸エチルエステ
ル、2−ヘキセン酸メチルエステル、2−ノネン酸メチ
ルエステル、2−ウンデセン酸メチルエステル、ベンザ
ルアセトフェノン、ベンザルアセトン、プレニルアルコ
ールp−メトキシ安息香酸エステルを挙げることができ
る。このような官能基を有するオレフィン系炭化水素化
合物を使用しても、本発明の製造方法によれば、官能基
が影響を受けることなく、シリルパーオキシドおよび/
または水酸基含有化合物を製造することができる。
本発明において使用される酸素含有ガスとしては、酸
素自体を使用することができることはもちろん、空気等
のように酸素以外の成分を含むガスを使用することもで
きる。酸素以外の成分を含むガスを使用する場合、反応
の経済性を考慮すると、このガス中における酸素の濃度
が5容量%以上のガスが好ましく使用される。
本発明のシリルパーオキシドおよび/または水酸基含
有化合物の製造方法では、特に反応溶媒を使用すること
を要しないが、反応溶媒を使用することもできる。
本発明で反応溶媒を使用する場合、使用することので
きる反応溶媒は、反応原料に対して活性を有していない
溶媒であれば特に限定なく使用することができる。本発
明において反応溶媒として使用することができる溶媒の
例としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水
素系溶媒; ジクロロメタン、エチレンジクロリド、クロロホルム
等のハロゲン化炭化水素系溶媒; ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル系溶媒; テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサ
ン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒を挙げること
ができる。これらの溶媒は、単独で、あるいは組み合わ
せて使用することができる。
これらの溶媒の中でもベンゼン、トルエン、ジクロロ
メタン、エチレンジクロリド、テトラヒドロフランが好
ましく使用される。
また、水酸基含有化合物の生成率を向上させるために
は反応溶媒としてアルコール系溶媒やテトラヒドロフラ
ンを使用することが好ましい。このようなアルコール系
溶媒としては、イソプロパノール、t−ブタノール、シ
クロペンタノール、シクロヘキサノール等を挙げること
ができ、これらのうちでもイソプロパノール、シクロペ
ンタノールが好ましく使用される。なお、このアルコー
ル類は、単独で使用することもできるし、さらに上記ア
ルコール系溶媒以外の溶媒と組み合わせて使用すること
もできる。
本発明に係るシリルパーオキシドおよび/または水酸
基化合物の製造方法において、β−カルボニル化合物の
コバルト錯体は、用いるオレフィン系炭化水素化合物1
モルに対して、通常は0.001〜1モル、好ましくは0.01
〜0.2モルの範囲内の量で使用される。なお、本発明に
おいてコバルト錯体は、単独で使用してもよいし、担体
に担持して使用することもできる。この場合、通常使用
されている担体を使用することができる。
また、シラン誘導体は、オレフィン系炭化水素化合物
1モルに対して、通常は、0.3〜50モル、好ましくは0.5
〜3.0モルの範囲内の量で使用される。
また、反応系に導入される酸素含有ガスの使用量は、
使用するオレフィン系炭化水素化合物1モルに対して1
モル以上であればよく、通常は過剰に反応系に導入され
る。反応系への酸素含有ガスの供給形態は、シラン誘導
体およびオレフィン系炭化水素化合物等の反応原料なら
びに触媒として作用するコバルト錯体が酸素含有ガスと
接触可能な形態であれば特に制限はなく、酸素雰囲気下
に撹拌する方法、あるいは反応液中に酸素含有ガスをバ
ブリングさせる方法等を採用することができる。
この反応は減圧乃至加圧のいずれの状態でも行なうこ
とができ、通常0.1〜50気圧、0.2〜2気圧の範囲内の圧
力で反応させることが好ましい。
上記のような反応の反応温度は、他の条件によって異
なるが、通常は−70〜200℃、好ましくは−10〜150℃の
範囲内に設定される。
特に本発明において、シリルパーオキシドは、上記反
応温度範囲において、反応温度を低く設定することによ
り、その生成率が高くなる傾向があり、逆に反応温度を
高く設定することにより、水酸基含有化合物の生成率が
高くなる傾向がある。
従って、反応温度を−70〜100℃、好ましくは−10〜5
0℃の範囲内に設定することにより、シリルパーオキシ
ドを比較的高い選択率で生成させることができる。また
反応温度を0〜200℃、好ましくは20〜150℃の範囲内に
設定することにより、比較的高い選択率で水酸基含有化
合物を生成させることができる。
このような温度で反応させることにより、通常は0.5
〜50時間、好ましくは1〜20時間で反応が終了する。
上記の反応は、固定床、流動床、移動床等の種々の形
態で行なうことができる。
このように反応させることにより、次式[IV]で表わ
されるシリルパーオキシドおよび式[V]で表わされる
水酸基含有化合物を得ることができる。
ただし、式[IV]において、R7、R8およびR9は、それ
ぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル
基、アリール基、低級アルコキシ基およびアリールアル
キル基を表わすと共に、R7、R8およびR9のうち、少なく
とも1つの基は、水素原子以外の基である。そして、R
10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、
低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル
基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、アルコキ
シカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカル
ボニル基、カルバモイル基、およびシアノ基よりなる群
から選ばれる原子若しくは基を表わし、R10およびR12
しくはR11およびR13が共同して環を構成していてもよ
い。ただし、R10〜R13のうち少なくとも一つは、水素原
子以外の基である。
ただし、上記式[V]において、R10〜R13は式[IV]
の場合と同様である。
なお、上記式[IV]および式[V]における低級アル
キル基、アリール基、アリールアルキル基、シクロアル
キル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アルコ
キシカルボニル基、アルキルカルボニル基およびアリー
ルカルボニル基の具体的な例は、式[III]で例示した
基と同様である。
なお、本発明において式[IV]で表わされるシリルパ
ーオキシドおよび式[V]で表わされる水酸基含有化合
物の生成比率は、触媒の種類および量ならびに他の反応
条件を変えることにより、適宜設定することができる。
本発明に係る製造方法により得られたシリルパーオキ
シドは、カップリング剤、反応開始剤、酸化剤等として
使用することができ、また、水酸基含有化合物は、反応
中間体、溶剤、香料、ポリマー原料等として有用性が高
い。
なお、上記のようにして得られた式[IV]で表わされ
るシリルパーオキシドを例えばメタノール等の極性溶媒
に溶解し、若しくは分散させた後、塩酸等の酸を加えて
加水分解することにより、次式[IV]で表わされるパー
オキシドを得ることができる。このようにして得られた
パーオキシドは、例えば反応開始剤などとして有用であ
る。
ただし、上記式[VI]において、R10及びR11ならびに
R12およびR13は、前記式[IV]におけるそれと同じ意味
である。
発明の効果 本発明に係るシリルパーオキシドおよび/または水酸
基含有化合物の製造方法によれば、触媒としてコバルト
錯体を使用しているため、オレフィンからシリルパーオ
キシドを一段で合成することができる。さらに、この反
応は、従来の反応のようにパーオキシドのような危険性
の高い中間体を不安定な条件下で反応させる必要がない
ため、安全性が高い。
また、上記のような触媒を使用することにより、官能
基を有するオレフィンを原料として使用して、シリルパ
ーオキシドおよび/または水酸基含有化合物を高収率で
製造することができる。
また、本発明の方法によれば、反応が平衡反応ではな
いので、反応系から反応生成物を除去するような煩雑な
操作を行なうことなく、高い転化率で水酸基含有化合物
を製造することができる。
しかも、オレフィン系炭化水素化合物が官能基を有す
る場合であっても、官能基が分解されることがなく、従
って官能基を有するオレフィン系炭化水素化合物から、
このような官能基を有する水酸基含有化合物およびシリ
ルパーオキシドを製造することができる。
次に本発明の実施例を示して本発明を説明するが、本
発明は、これら実施例によって限定されるものではな
い。
実施例1 ビス(1−モルフォリノカルバモイル−4,4−ジメチル
−1,3−ペンタンジオナト)コバルト錯体(II)の調製 カリウム(1−モルフォリノカルバモイル−4,4−ジ
メチル−1,3−ペンタンジオン)3.0gを水50mlに溶解
し、この溶液の液温度を50℃に維持した。
別に塩化コバルト6水和物1.4gを水20mlの溶解した溶
液を調製した。
上記のカリウム(1−モルフォリノカルバモイル−4,
4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン)の水溶液に調製し
た塩化コバルト水溶液を添加することにより、次第に沈
澱が生成した。約3時間反応させた後、反応液を室温ま
で冷却した。
生成した沈澱を濾取し得られた沈澱を1mmHgの減圧下
に70℃で8時間乾燥させることにより赤褐色の粉末4.6g
を得た。
分析の結果、この粉末は、ビス(1−モルフォリノカ
ルバモイル−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)
コバルト錯体(II)であった。
このコバルト錯体の性状および物性は次の通りであ
る。
性状:赤褐色の粉末 融点:278.0〜292.5℃ 赤外線吸収スペクトル(溶液法、ジクロルエタン中で測
定、cm-1) 2964、1597、1517、1112、1066 マススペクトル m/e 539(M+) 構造式 上記式(79) なお、得られたコバルト錯体(無水物)の赤外線吸収
スペクトルのチャートを第1図に示す。
本発明で使用したコバルト錯体は、上記のようにして
構造決定をした。
3−メチル−3−フェニルシリルパーオキシド−1−ブ
チルアルコール−p−メトキシ安息香酸エステルおよび
3−メチル−3−ヒドロキシ−ブチルアルコール−p−
メトキシ安息香酸エステルの製造 反応容器に、プレニルアルコール−p−メトキシ安息
香酸エステル208mg(1.0ミリモル)と、フェニルシラン
162mg(1.5ミリモル)をと取り、5mlのエチレンクロリ
ドに溶解させた。
次いで、この溶液にビス(1−モルフォリノカルバモ
イル−4,4−ジメチル−1.3−ペンタンジオナト)コバル
ト錯体(II)27mg(0.05ミリモル)を添加し、さらに反
応容器中に酸素を導入して1気圧、25℃の条件で24時間
反応させた。
得られた反応液を高速液体クロマトグラフィを用いて
分析し、生成物の収率を求めた。
その結果、3−メチル−3−フェニルシリルパーオキ
シ−1−ブチルアルコール−p−メトキシ安息香酸エス
テルの収率は17%であり、3−メチル−3−ヒドロキシ
−ブチルアルコール−p−メトキシ安息香酸エステルの
収率は60%であった。
実施例2 3−メチル−3−ジフェニルシリルパーオキシ−1−ブ
チルアルコール−p−メトキシ安息香酸エステルおよび
3−メチル−3−ヒドロキシ−ブチルアルコール−p−
メトキシ安息香酸エステルの製造 実施例1において、フェニルシランの代わりにジフェ
ニルシランを276mg(1.5ミリモル)使用した以外は同様
に反応させた。
得られた反応生成物を実施例1と同様にして分析した
ところ、3−メチル−3−ジフェニルシリルパーオキシ
−1−ブチルアルコール−p−メトキシ安息香酸エステ
ルの収率は40%であり、3−メチル−3−ヒドロキシ−
ブチルアルコール−p−メトキシ安息香酸エステルの収
率は30%であった。
実施例3 2−トリエチルシリルパーオキシ−4−フェニルブタン
の製造 4−フェニル−1−ブテン132mg(1ミリモル)と、
トリエチルシラン348mg(3ミリモル)と、実施例1で
調製したビス(1−モルフォリカルバモイル−4,4−ジ
メチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト錯体(II)2
7mg(0.05ミリモル)とを、ジクロルメタン5mlに溶解さ
せた。
この溶液を酸素ガス雰囲気下に25℃の温度で12時間撹
拌して反応させた。
反応終了後、溶媒を留去し、生成物を薄層クロマトグ
ラフィで分離精製したところ、無色オイル状の2−トリ
エチルシリルパーオキシ−4−フェニルブタンが224mg
得られた。収率80% 得られたシリルパーオキシドのIRスペクトルのチャー
トを第2図に、CDCl3中で測定したプロトンNMRのチャー
トを第3図に示す。
なお、NMRの各ピークの帰属は次の通りである。
(a) 0.68(6H q.J=6.7Hz) (b) 0.99(9H T.J=6.7Hz) (c) 1.24(3H d.J=7Hz) (d) 1.72−2.1(2H m) (e) 2.65−2.76(2H m) (F) 7.17−7.30(5H m) (g) 4.00−4.10(1H m) 2−ヒドロパーオキシ−4−フェニルブタンの製造 上記のようにして得られた2−トリエチルシリルパー
オキシ−4−フェニルブタン224mgをメタノール5mlに溶
解し、この溶液の温度を20℃に維持した。
次いで、この溶液に1%の含有率で塩酸を含むメタノ
ールを1ml添加し、1時間反応させた。
反応終了後、メタノール、塩酸およびメトキシトリエ
チルシラン等の揮発分を減圧下に留去して無色オイル状
の2−ヒドロパーオキシ−4−フェニルブタン118gを得
た。収率;100% 得られたパーオキシドのプロトンのNMRを、CDCl3中で
測定した。各ピークの帰属は次の通りである。
(a) 1.30(3H d.J=7Hz) (b)と(c)1.17−2.85(4H d.J=87Hz) (d) 7.17−7.30(5H m) (e) 6.05(1H brs.) (f) 3.95−4.02(1H m) 実施例4〜23 実施例1において、オレフィンの種類および使用量、
触媒の種類および使用量、溶媒の種類ならびに反応時間
を表1に記載するようにかえた以外は同様に反応を行な
った。
得られたシリルパーオキシドおよび収率を表1に併せ
て記載する。
なお、実施例4で使用したコバルト錯体(62)実施例
5で使用したコバルト錯体(67)、実施例6で使用した
コバルト錯体(63)、実施例7、8、9で使用したコバ
ルト錯体(64)、実施例10で使用したコバルト錯体(7
2)は、次のようにして調製した。
式(62)で表わされるでビス(1−トリフルオロ−1,
3−ペンタンジオナト)コバルト(II)の調製 1−トリフルオロ−1,3−ブタンジオン3.08g(20ミリ
モル)と、水20mlとの混合物を室温で撹拌し、この混合
物に2M水酸化ナトリウム溶液10mlを5分間で滴下した。
滴下後、さらに30分間撹拌し、次いで撹拌下に、塩化
コバルト6水和物2.38g(10ミリモル)の水溶液(10m
l)を加えた。
さらに30分間撹拌した後、生成した結晶を濾取し、得
られた結晶を20mlの水で洗浄した。
この結晶を減圧下、70℃で乾燥することにより、コバ
ルト(II)ビス(アセチルアセテート)の粉末2.77gを
得た。
式(67)で表わされるビス(1−メトキシカルボニル
−1,3−ブタンジオナト)コバルト(II)の調製 1−メトキシカルボニル−1,3−ブタンジオン2.88g
(20ミリモル)と、水20mlとの混合物を室温で撹拌し、
この混合物に2M水酸化ナトリウム溶液10mlを5分間で滴
下した。
滴下後、さらに30分間撹拌し、次いで撹拌下に、塩化
コバルト6水和物2.38g(10ミリモル)の水溶液(10m
l)を加えた。
さらに30分間撹拌した後、生成した結晶を濾取し、得
られた結晶を20mlの水で洗浄した。
この結晶を減圧下、70℃で乾燥することにより、ビス
(1−メトキシカルボニル−1,3−ブタンジオナト)コ
バルト(II)の粉末2.78gを得た。
式(63)で表わされるビス(1−フェニル−1,3−ブタ
ンジオナト)コバルト(II)の調製 1−フェニル−1,3−ブタンジオン3.24g(20ミリモ
ル)と、水20mlとの混合物を室温で撹拌し、この混合物
に2M水酸化ナトリウム溶液10mlを5分間で滴下した。
滴下後、さらに30分間撹拌し、次いで撹拌下に、塩化
コバルト6水和物2.38g(10ミリモル)の水溶液(10m
l)を加えた。
さらに30分間撹拌した後、生成した結晶を濾取し、得
られた結晶を20mlの水で洗浄した。
この結晶を減圧下、70℃で乾燥することにより、ビス
(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)コバルト(I
I)の粉末1.77gを得た。
式(64)で表わされるコバルト(II)ビス(アセチルア
セトナト)の調製 2,4−ペンタンジオン2.0g(20ミリモル)と、水20ml
との混合物を室温で撹拌し、この混合物に2M水酸化ナト
リウム溶液10mlを5分間で滴下した。
滴下後、さらに30分間撹拌し、次いで撹拌下に、塩化
コバルト6水和物2.38g(10ミリモル)の水溶液(10m
l)を加えた。
さらに30分間撹拌した後、生成した結晶を濾取し、得
られた結晶を20mlの水で洗浄した。
この結晶を減圧下、70℃で乾燥することにより、コバ
ルト(II)ビス(アセチルアセトナト)の粉2.0gを得
た。
式(72)で表わされるビス(2−エトキシカルボニル−
1,3−ブタンジオナト)コバルト(II)の製造 2−エトキシメチレンアセト酢酸メチルエステル3.74
g(20ミリモル)を水20mlに溶解し、室温で撹拌しなが
ら2Mの水酸化ナトリウム水溶液10mlを5分間で滴下し
た。
30分間室温で撹拌後、塩化コバルト6水和物2.38g(1
0ミリモル)の水溶液(10ml)を加えた。さらに、30分
間撹拌後、ピンク色の結晶を濾取し、20mlの水で洗浄し
た。
この結晶を減圧下、70℃で乾燥することにより紫色の
ビス(2−エトキシカルボニル−1,3−ブタンジオナ
ト)コバルト(II)3.06gを得た。
実施例24 3−メチル−3−ジエチルメトキシシリルパーオキシ−
1−ブチル−p−メトキシベンゾエートの製造 プレニルアルコール−p−メトキシベンゾエート208m
g(1.0ミリモル)をエチレンジクロリド5mlに溶解し、
この溶液に、ジエチルメトキシシラン150mgと実施例1
で調製したビス(1−モルフォリノカルバモイル−4,4
−ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト錯体(I
I)29mgとを加え、1気圧の酸素雰囲気下、25℃で2時
間反応させた。
反応終了後、反応液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、無色オ
イル状の3−メチル−3−ジエチルメトキシシリルパー
オキシ−1−ブチル−p−メトキシベンゾエート350mg
を得た。収率98% 得られたシリルパーオキシドのプロトンNMRをCDCl3
で測定した。各ピークの帰属は次の通りである。
(a) 0.73(4H t.J=8Hz) (b) 1.00(6H t.J=8Hz) (c) 1.31(6H s.) (d) 2.10(2H t.J=7Hz) (e) 3.59(3H s) (F) 3.86(3H s) (g) 4.42(2H t.J=7Hz) (h) 6.42(2H d.J=7Hz) (i) 8.00(2H d.J=7Hz) 実施例25 4−フェニル−2−ブタノールの製造 4−フェニル−2−ブテン132mg(1ミリモル)と、
トリエチルシラン116mg(1ミリモル)と、コバルト(I
I)ビス(アセチルアセテート)52mg(0.2ミルモル)と
をn−ブタノール5mlに溶解し、酸素雰囲気下に75℃に
加熱撹拌して12時間反応させた。
反応終了後、生成物をガスクロマトグラフィー(GC)
を用いて分析したところ、4−フェニル−2−ブテンに
起因するピークは消失しており、4−フェニル−2−ブ
タノールに起因するピークが観察された。このGCの分析
結果から算出した4−フェニル−2−ブタノールの収率
は47%であった。
比較例1 実施例25において、トリエチルシランを使用しなかっ
た以外は同様に操作し、生成物を同様にして分析した
が、生成物中には4−フェニル−2−ブテンが未反応で
残存しており、4−フェニル−2−ブタノールはまった
く生成しなかった。
実施例26〜33 実施例25において、表2に示すオレフィン1ミリモル
とトリエチルシラン464mg(4ミリモル)と、コバルト
(II)フルオロアセチルアセトナート52mg(0.2ミリモ
ル)とを、表2に示す溶媒に溶解し、表2に記載した時
間反応させた以外は同様に操作した。
得られた反応生成物を薄層クロマトグラフィで分析
し、あるいは反応生成物中から水酸基含有化合物を単離
して収率を求めた。
結果を表2に併せて記載する。
実施例34〜36 4−フェニル−2−ブタノールの製造 実施例25において、n−プロパノールの代わりに表3
に示す溶媒を使用した以外は同様に操作した。
4−フェニル−2−ブテンの転化率および4−フェニ
ル−2−ブタノールの収率を表3に記載する。
実施例37〜41 1−ベンゾキシ−5−ヘキサノールの製造 実施例25において、4−フェニル−2−ブテンの代わ
りに1−ベンゾキシ−5−ヘキセンを204g(1ミリモ
ル)使用し、用いる触媒の種類および量、反応時間を表
4に記載したようにした以外は同様に操作した。
1−ベンゾキシ−5−ヘキサノールの収率を表4に記
載する。
実施例42〜45 2−デカノールの製造 実施例25において、4−フェニル−2−ブテンの代わ
りに2−デセンを140mg(1ミリモル)使用し、溶媒の
種類を表5に記載したようにした以外は同様に操作し
た。
2−デカンの転化率、2−デカノールの収率および副
生するケトンの収率を表5に記載する。
実施例46 2−デカノールの製造 1−デセン140mg(1ミリモル)、フェニルジメチル
シラン204mg(1.5ミリモル)をn−プロパノール5mlに
溶解し、この溶液にビス(トリフルオロアセチルアセト
ナト)コバルト(II)37mg(0.1ミリモル)を加え、1
気圧の酸素雰囲気下で、75℃で6時間反応を行なった。
得られた反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、2−デカノールの収率は68%であり、また
2−デカノンが11%の量で存在していた。
実施例47 2−デカノールの製造 実施例46において、フェニルジメチルシランの代わり
にトリイソプロピルシランを632mg(4ミリモル)使用
し、5気圧の酸素雰囲気下、150℃で7時間反応させた
以外は同様にして反応を行なった。
得られた反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、2−デカノールの収率は40%であり、また
2−デカノンが11%の量で存在していた。
実施例48 2−デカノールの製造 実施例46において、フェニルジメチルシランの代わり
にメトキシジエチルシランを236mg(2ミリモル)使用
した以外は同様にして反応を行なった。
得られた反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、2−デカノールの収率は、21.2%であり、
また2−デカノンが8.5%の量で存在していた。
実施例49 2−デカノールの製造 実施例46において、フェニルジメチルシランの代わり
にメトキシジエチルシランを236mg(2ミリモル)使用
し、ビス(トリフルオロアセチルアセトナト)コバルト
(II)の代わりに、ビス(1−モルフォリノカルバモイ
ル−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト
(II)を27mg(0.05ミリモル)使用した以外は同様にし
て反応を行なった。
得られた反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、2−デカノールの収率は、28.7%であり、
また2−デカノンが15%の量で存在していた。
実施例50 4−フェニル−2−ブタノールの製造 4−フェニル−1−ブテン140mg(1ミリモル)とフ
ェニルシラン216mg(2ミリモル)とをベンゼン5mlに溶
解し、この溶液にビス(1−モルフォリノカルバモイル
−4,4−ジメチル−1,3−ペンタジオナト)コバルト(I
I)を27mg(0.05ミリモル)加えて1気圧の酸素雰囲気
下、30℃で40時間反応させた。
得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
で単離精製したところ、4−フェニル−2−ブタノール
の収率は60%であった。
実施例51 4−フェニル−2−ブタノールの製造 実施例50において、フェニルシランの代わりに、ジフ
ェニルシランを368mg(1ミリモル)使用した以外は同
様に反応を行なった。
得られた反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
で単離精製したところ、4−フェニル−2−ブタノール
の収率は48%であり、他に4−フェニル−2−ヒドロパ
ーオキシブタンが32%の量で生成していた。
実施例52 2−トリエチルシリルパーオキシアクリル酸エチルエス
テルの製造 アクリル酸エチル100mg(1ミリモル)とトリエチル
シラン230mg(2ミリモル)とを1,2−ジクロロエタン5m
lに溶かし、得られた溶液にビス(アセチルアセトナ
ト)コバルト(II)錯体を13mg(0.05ミリモル)加え
た。
この溶液を1気圧の酸素雰囲気下、激しく撹拌した。
24時間後、溶媒を減圧下に留去し、残渣を薄層クロマト
グラフィー(シリカゲル)で精製したところ無色オイル
状の標記化合物(2−トリエチルシリルパーオキシアク
リル酸エチルエステル)が62mg得られた(収率25%)。
実施例53〜56 実施例52でアクリル酸エチルを表6に記載のα,β−
不飽和エステルに変えた以外は実施例52と同様に反応を
行った。
得られたシリルパーオキシドは表6に示す2種の位置
異性体の混合物であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ビス(1−ピペリジニルカルバモイル−4,4
−ジメチル−1,3−ペンタンジオナト)コバルト錯体(I
I)のIRスペクトルのチャートである。 第2図は、2−トリエチルシリルパーオキシ−4−フェ
ニルブタンのIRスペクトルのチャートである。 第3図は、2−トリエチルシリルパーオキシ−4−フェ
ニルブタンの1H−NMRのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 徹 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油 化学工業株式会社内 (72)発明者 高井 敏浩 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油 化学工業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[I]で表わされるβ−ジカルボニル
    化合物のコバルト錯体; [上記式[I]において、R1、R2、R4およびR5は、それ
    ぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シ
    クロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、ト
    リフルオロメチル基、アルキルカルボニル基、アルコキ
    シカルボニル基およびカルバモイル基よりなる群から選
    ばれる原子若しくは基を表わし、R3およびR6は、それぞ
    れ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ア
    リールアルキル基およびシクロアルキル基よりなる群か
    ら選ばれる基を表わす。]の存在下に、 次式[II]で表わされるシラン誘導体; [ただし、式[II]において、R7、R8およびR9は、それ
    ぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ア
    リール基、炭素数1〜10のアルコキシ基およびアリール
    アルキル基よりなる群から選ばれる基若しくは原子を表
    わすと共に、R7、R8およびR9のうち、少なくとも1つの
    基は、水素原子以外の基である。]と、 次式[III]で表わされる鎖状オレフィン; [上記式[III]において、R10、R11、R12およびR
    13は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のア
    ルキニル基、アリールアルキル基、シクロアルキル基、
    アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリ
    ールカルボニル基、カルバモイル基およびシアノ基より
    なる群から選ばれる原子若しくは基を表わし、R10およ
    びR12若しくはR11およびR13が共同して環を構成してい
    てもよい。ただし、R10〜R13のうち少なくとも一つは、
    水素原子以外の基である。]と、 酸素含有ガスとを接触させることを特徴とする式[IV]
    で表わされるシリルパーオキシドの製造方法; [ただし、式[IV]において、R7、R8およびR9は、それ
    ぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ア
    リール基、炭素数1〜10のアルコキシ基およびアリール
    アルキル基を表わすと共に、R7、R8およびR9のうち、少
    なくとも1つの基は、水素原子以外の基であり、R10、R
    11、R12およびR13については上記式[III]の場合と同
    様である。]
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