JP2653161B2 - 溝成形方法 - Google Patents

溝成形方法

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JP2653161B2
JP2653161B2 JP1061834A JP6183489A JP2653161B2 JP 2653161 B2 JP2653161 B2 JP 2653161B2 JP 1061834 A JP1061834 A JP 1061834A JP 6183489 A JP6183489 A JP 6183489A JP 2653161 B2 JP2653161 B2 JP 2653161B2
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punch
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義博 徳留
忍 金子
泰輔 中村
健吾 野田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、筒状体の周面に溝を成形する方法に関す
る。
(従来の技術) 例えば自動車のパワーステアリングに用いられる制御
バルブの構成要素であるバルブボデーは、第6図、第7
図に示すように、筒状の本体1の内面に、軸方向に延び
かつ周方向に所定ピッチで並ぶ複数の溝2を有してい
る。この溝2は、パワーステアリングの性能を決定する
重要な役割をなすもので、特にその溝幅χおよび分割角
αの精度が悪化すると、パワーステアリングのトルク−
油圧特性にバラツキが生じて操舵フィーリングが損なわ
れるようになる。
ところで従来、上記のごとき溝2は、一般に機械加工
により形成されていたが、その両端が閉止状態となって
いるところから、その加工はきわめて面倒となり、多大
の工数と費用を要していた。そこで近年、このような溝
を塑性加工により形成することが検討され、例えば特公
昭62−2894号公報、特公昭62−2895号公報にその実態が
明らかにされている。
第8図は、上記公報に示された成形装置および成形方
法を示したもので、ベース5上に支持体6を介してポン
チ7を固定し、このポンチ7にバルブボデーの溝形状に
対応した雄型7aを突設し、一方駆動手段に持たせたダイ
ス8に環状の粗形材9を嵌合し、この粗形材9に前記ポ
ンチ7を挿通させて駆動手段によりダイス8を下降さ
せ、雄型7aを粗形材9の内面に押込んで一つの溝を成形
し、その後、ダイス8に付設した割出し板(図示略)を
回転させて粗形材9を新たに位置決めして次の溝を成形
し、これを所定ピッチで繰返すようにしている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記溝成形方法によれば、第9図に示
すように、成形中、溝2を中心に円周方向へA矢印のよ
うに材料が流動し、これに起因して上記溝幅χおよび分
割角αの精度が悪化するという問題があった。なお、上
記特公昭62−2895号公報に示される成形方法にあって
は、最初に成形した溝を同一の雄型で2度押しすること
により溝精度を高めるように配慮しているが、材料が円
周方向へ流動する加工様式において変わりないばかり
か、2度押しした場合は、片押しとなって工具逃げある
いはワーク逃げが避けられないようになり、根本的な解
決にはならない。
本発明は、上記従来の問題を解決することを課題とし
てなされたもので、その目的とするところは、精度的に
優れた溝を安定して得ることができる溝成形方法を提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記課題を解決するため、始めに、所望の
内径溝より幅が狭くかつ深さの大きい溝を予備成形し、
その後、前記溝にオーバラップさせつゝ該溝より幅が広
くかつ深さの小さい新たな溝を成形し、前記新たな溝を
成形することを少なくとも1回実行して所望の溝を仕上
げるように構成したことを特徴とする。
本発明で成形する溝は、その使用目的を問わないもの
で、前記したバルブボデーの溝のように油溝となるもの
はもちろんのこと、キー溝、係合溝等の種々の溝を対象
とし得る。
(作用) 上記構成の溝成形方法においては、所望の溝より幅が
狭くかつ深さの大きい溝を予備成形した後、前記溝にオ
ーバラップさせつゝ該溝より幅が広くかつ深さの小さい
新たな溝を成形することにより、新たな溝の成形に際し
て、粗形材の余肉が予め成形された溝の底部側へ流入
し、結果として円周方向への材料流動が抑制されて溝精
度が向上するようになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。
第5図は、本発明の成形方法によって得たバルブボデ
ーの溝を示したものである。なおバルブボデーの全体形
状は、前出第6図、第7図に示したものと同一であるの
で、こゝでは、その一部を拡大して示すこととする。第
5図において、本体11の内面に形成された溝12は、広幅
の溝12aの底部に狭幅の溝12bを有する形状とされてい
る。溝12を構成する前記広幅の溝12aは、バルブボデー
として必要な所望の幅W(第6図)と所望の深さLを有
している。かゝる溝12は、後述する2工程加工により成
形した2つの溝が複合されて成るもので、以下に、その
成形方法を詳述する。
本実施例においては、第3図および第4図に示すよう
に、予め一次成形用の荒パンチ15と二次成形用の仕上パ
ンチ16とを用意する。荒パンチ15および仕上パンチ16の
それぞれは、周面の一部に雄型部15a,16aを一体に設け
ている。しかして各雄型部15a,16aは、荒パンチ15と仕
上パンチ16とで異なった大きさに形成されている。すな
わち、仕上パンチ16の雄型部16aは、バルブボデーの所
望の溝の幅Wおよび深さL(第5図)に倣って、その幅
aおよび高さbが設定されているのに対し、荒パンチ15
の雄型部15aは、前記幅aより小さくかつ前記高さbよ
りも大きくなるように、その幅a′および高さb′が設
定されている。一例として、a′=a−0.6mm,b′=b
+0.7mmの関係を有するようにそれぞれの寸法が設定さ
れる。
次に、上記のように用意した荒パンチ15と仕上パンチ
16とを、例えば前出第8図に示したごとき成形装置にセ
ットし、溝成形を実行する。溝構成に際しては、先ず荒
パンチ15を成形装置にセットし、第1図に示すように、
粗形材20の内面に荒パンチ15の雄型部15aを押込んで、
第1の溝21を一次成形する。そして一次成形完了後、今
度は前記荒パンチ15に代えて仕上パンチ16を成形装置に
セットし、第2図に示すように、前記第1の溝21にオー
バラップさせつゝ、第2の溝22を二次成形する。この二
次成形に際して、仕上ポンチ16の雄型部16aにより余肉
部23が押込まれるが、第1の溝21の深さが第2の溝22の
深さより大きいので、前記余肉部23の材料は第1の溝21
の底部側へ流入し、第5図に示したごとき広幅の溝12a
と狭幅の溝12bとから成る2段底形状の溝12が創成され
るようになる。
しかして、上記二次成形に際して、余肉部23の材料が
第1の溝21の底部側へ流入するので、溝周りの材料の円
周方向への流動が抑えられ、この結果、創成された溝12
(第5図)の幅Wの精度は高まるようになる。しかもこ
の幅Wの精度が向上することにより分割角α(第7図)
の精度も高まり、溝精度に優れたバルブボデーが得られ
るようになる。なお溝12の深さに関しては、それ程精度
を要求されないので、上記狭幅の溝12b(第5図)が存
在しても何らの問題はない。
なお、上記実施例において、雄型部15a,16aは荒パン
チ15および仕上パンチ16にそれぞれ一体に形成するよう
にしたが、これを別体として各パンチの周部に嵌着する
ようにしても良いことはもちろんである。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明にかゝるバルブ
ボデーの溝成形方法によれば、円周方向への材料流動を
抑えることができるので、内径溝精度が著しく向上する
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は本発明にかゝる成形方法を工程順に示
す断面図、第3図と第4図は本成形方法で用いるポンチ
の形状を示す断面図、第5図は本成形方法によって得た
バルブボデーの溝の形状を示す断面図、第6図はバルブ
ボデーの全体形状を示す断面図、第7図は第6図のVII
−VII矢視線に沿う断面図、第8図は内径溝の成形装置
の一例を示す断面図、第9図は従来の溝成形方法におけ
る不具合例を示す断面図である。 12……溝 15……荒パンチ 16……仕上パンチ 15a,16a……雄型部 20……粗形材 21,22……溝 23……余肉部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 泰輔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 野田 健吾 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−197235(JP,A) 特開 昭60−210339(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】始めに、所望の溝より幅が狭くかつ深さの
    大きい溝を予備成形し、その後、前記溝にオーバラップ
    させつゝ該溝より幅が広くかつ深さの小さい新たな溝を
    成形し、前記新たな溝を成形することを少なくとも1回
    実行して所望の溝を仕上げることを特徴とする溝成形方
    法。
JP1061834A 1989-03-14 1989-03-14 溝成形方法 Expired - Lifetime JP2653161B2 (ja)

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