JP2652669B2 - 塩酸及び亜硫酸ガスを含む廃ガスの浄化方法 - Google Patents

塩酸及び亜硫酸ガスを含む廃ガスの浄化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、国内及び特殊の廃棄物を焼却する廃棄物焼
却工場のような焼却工場から排出される塩酸HCl及び亜
硫酸ガスSO2を含む廃ガスを再生可能な浄化剤を用いて
浄化する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
SO2及びHClを含む燃焼廃ガスの処理方法は、例えばド
イツ公開出願明細書第3433759号、第3408705号、第2732
580号及び第3305120号に記載されて公知である。しか
し、これらの方法はすべて廃ガスから除去したHClを金
属塩化物として捨てなければならず、これでは大気汚染
の問題が廃水問題に転換されるだけである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題(目的)は、上述したタイプの焼却工場
からの廃ガスを浄化するのに、浄化剤の添加をできるだ
け少なくして不要成分を塩酸及び石膏に変換しうる方法
を得ることである。本発明の他の課題は、廃ガスのHCl
成分を金属塩化物の形で捨てることなく高価な製品とし
て商業的に売れるようにすることである。
〔課題を解決するための手段〕
上述の課題は、本発明によれば、硫酸塩成分からカル
シウム・イオンにより濾過が容易であらい微粒子から成
るカルシウム硫酸塩を沈澱させて取出し、塩化物成分か
ら熱加水分解により16〜30質量%の最大純度の塩酸を得
るようにすることで達成される。
更に、本発明の他の特徴は、吸収された塩酸及び亜硫
酸ガスに対する再生可能な浄化剤として硫酸化マグネシ
ウムの懸濁液を使用することである。
〔実施例〕
図面は、本発明による方法を説明するためのブロック
図である。
廃棄物焼却工場から放出されるHClとSO2を含む廃ガス
は、Aから廃ガス浄化器(1)に導かれBより排出され
るが、この浄化器(1)内で水酸化マグネシウムMg(O
H)の水性懸濁液に接触させられる。そこで、Mg(O
H)の大部分はMgCl2とMgSO4とに変換され、亜硫酸塩
は公知のように硫酸塩に酸化される。使用済みの浄化液
は第1の沈降濃縮器(2)に送り、その溢出液からMgCl
2とMgSO4を回収して真空蒸発器(3)に送る。一方、こ
の濃縮器(2)の下方部分よりMg(OH)を取出し、第
2の沈降濃縮器(4)に送る。蒸発濃縮したMgCl2とMgS
O4は撹拌容器(5)に送り、一方、Cより固体CaCl2
は40質量%以上を可とするCaCl2溶液を撹拌容器(5)
に供給する。これにより、あらい微粒子から成る濾過容
易な形のCaSO4・xH2Oを生成させ廃棄場(6)に送る。M
gCl2部分を生成したMgCl2と一緒に、また生成したCaSO4
及びCaCl2を噴霧焙(ばい)焼器(7)に送り、そこで
熱加水分解によりMgCl2塩水をMgOとHClとに分解する。
このHClは、断熱吸収塔(8)で吸収して15〜18質量%
の塩酸とし、Dより販売可能な製品として取出すか、或
いは、濃縮器(9)で同時に浄化し更に30質量%まで濃
縮してEより販売品として取出す。
噴霧焙焼器(7)から排出されるMgOは、水化容器(1
0)で水と混合して大部分をMg(OH)に水化する。こ
のMg(OH)は、第2の沈降濃縮器(4)に送り、第1
の沈降濃縮器(2)からのMg(OH)と一緒に適当に薄
めたのち廃ガス浄化器(1)に戻す。廃ガス浄化器
(1)は、操業開始及び再使用のためでFより計量した
Mg(OH)の供給を受け、Mg(OH)の所要量が常に廃
ガス浄化器(1)内に供給されるようにする。
次に、本発明による方法の3つの実施例を述べる。
(実施例1) 5000mg/Nm3(ニュートン立方米)(2500kg/h)のHcl
成分と150mg/Nm3(75kg/h)のSO2成分をもつ500,000Nm3
/hの廃ガスを廃ガス浄化器(1)に通した。3265kg/hの
MgCl2,141kg/hのMgSO4及び130kg/hのMg(OH)が廃ガ
ス浄化器(1)より第1の沈降濃縮器(2)に送られた
が、これは16m3/hの容積処理量に相当する。上記と同量
のMgCl2とMgSO4が真空蒸発器(3)に供給され、上記と
同量のMg(OH)が第2の沈降濃縮器(4)に供給され
た。真空蒸発器(3)では、容積処理量は16m3/hから9m
3/hに減少し、一方、MgCl2の濃度は300から400g/に増
加した。143kg/hのCaCl2を撹拌容器(5)に供給してCa
SO4を沈澱させ、165kg/hのCaSO4・xH2O,3376kg/hのMgCl
2,14kg/hのCaSO4及び13kg/hのCaCl2を得た。一方、MaCl
2,CaSO4及びCaCl2は9m3/hの容積処理率で噴霧焙焼器
(7)に送られ、噴霧焙焼器(7)から吸収塔(8)を
経て14367kg/hの18質量%の塩酸が得られた。濃縮器
(9)からは、8620kg/hの30質量%の塩酸が得られた。
水化容器(10)へ送られたMgOの量は1428kg/hであり、
これから2070kg/hのMg(OH)が得られた。これを第2
の沈降濃縮器(4)に送り、そこから全部で2200kg/hの
Mg(OH)を回収し、これを16m3/hの容積処理率で廃ガ
ス浄化器(1)に戻すことができた。
(実施例2) 10,000mg/Nm3(1000kg/h)のHCl成分と300mg/Nm3(30
kg/h)のSO2成分をもつ100,000Nm3/hの廃ガスを廃ガス
浄化器(1)に通した。1306kg/hのMgCl2,27kg/hのMgSO
4及び86kg/hのMg(OH)が廃ガス浄化器(1)から第
1の沈降濃縮器(2)に送られたが、これは6.5m3/hの
容積処理量に相当する。上記と同量のMgCl2とMgSO4が真
空蒸発器(3)に供給され、上記と同量のMg(OH)
第2の沈降濃縮器(4)に供給された。真空蒸発器
(3)では、容積処理量は6.5m3/hから3.5m3/hに減少
し、一方、MgCl2の濃度は300から400g/に増加した。C
aSO4を沈澱させるため、撹拌容器(5)に28kg/hのCaCl
2を供給し、28kg/hのCaSO4・xH2O,1327kg/hのMgCl2,5.5
kg/hのCaSO4及び3kg/hのCaCl2を得た。一方、MgCl2,CaS
O4及びCaCl2は3.5m3/hの容積処理率で噴霧焙焼器(7)
に送られ、噴霧焙焼器(7)から吸収塔(8)を経て56
50kg/hの18質量%の塩酸が得られた。濃縮器(9)から
は、3390kg/hの30質量%の塩酸が得られた。水化容器
(10)へ送られたMgOの量は560kg/hであり、これにより
814kg/hのMg(OH)が得られた。これを第2の沈降濃
縮器(4)に送り、そこから全部で900kg/hのMg(OH)
を回収し、これを6.5m3/hの容積処理率で廃ガス浄化
器(1)に戻すことができた。
(実施例3) 200mg/Nm3(1400kg/h)のHCl成分と500mg/Nm3(350kg
/h)のSO2成分をもつ700,000Nm3/hの廃ガスを廃ガス浄
化器(1)に通した。1828kg/hのMgCl2,658kg/hのMgSO4
及び1200kg/hのMg(OH)が廃ガス浄化器(1)から第
1の沈降濃縮器(2)に送られたが、これは11m3/hの容
積処理量に相当する。上記と同様のMgCl2とMgSO4が真空
蒸発器(3)に送られ、上記と同量のMg(OH)が第2
の沈降濃縮器(4)に送られた。真空蒸発器(3)で
は、容積処理量は11m3/hから6.5m3/hに減少し、MgCl2
濃度は300から400g/に増加した。CaSO4を沈澱させる
ため、撹拌容器(5)に620kg/hのCaCl2を供給し、831k
g/hのCaSO4・xH2O,2349kg/hのMgCl2,10kg/hのCaSO4及び
13kg/hのCaCl2を得た。一方、MgCl2,CaSO4及びCaCl2
6.5m3/hの容積処理率で噴霧焙焼器(7)に送られ、噴
霧焙焼器(7)から吸収塔(8)を経て10000kg/hの18
質量%の塩酸が得られた。濃縮器(9)からは、6000kg
/hの30質量%の塩酸が得られた。水化容器(10)へ送ら
れたMgOの量は995kg/hであり、これより1400kg/hのMg
(OH)が得られた。これを第2の沈降濃縮器(4)に
送り、全部で1560kg/hのMg(OH)を回収し、11m3/hの
容積処理率で廃ガス浄化器(1)に戻すことができた。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり、本発明によれば、次の如き効果
が得られる。
(イ)廃ガスのHCl成分を金属塩化物の形で捨てる必要
がないので、廃水問題の発生を防止することができる。
(ロ)塩酸を市販可能な製品として再生することができ
る。
(ハ)浄化剤の繰返し再使用が可能であるので、浄化剤
を節約できる。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明による方法を説明するためのブロック図で
ある。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼却工場から排出される塩酸及び亜硫酸ガ
    スを含む廃ガスを再生可能な浄化剤を用いて浄化する方
    法であって、 亜硫酸ガスを酸化して硫酸塩とし、これからカルシウム
    ・イオンにより濾過が容易であらい微粒子から成るカル
    シウム硫酸塩を沈澱させて取出し、 塩化物成分から熱加水分解により16〜30質量%の塩酸を
    得ることを特徴とする塩酸及び亜硫酸ガスを含む廃ガス
    の浄化方法。
  2. 【請求項2】塩酸を最大純度で取出すことを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】水酸化マグネシウムの懸濁液を再生可能な
    浄化剤として使用することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】水酸化マグネシウムのみを再生可能な浄化
    剤とすることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】カルシウム・イオンを塩化カルシウムによ
    って供給することを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】浄化剤の水酸化マグネシウムにより塩化マ
    グネシウムを作り、これを熱加水分解によりHClとMgOに
    分解し、HClは塩酸として取出し、MgOは水酸化マグネシ
    ウムに水化し浄化剤として再使用することを特徴とする
    請求項1記載の方法。
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