JP2652557B2 - 有機ゲルマニウム化合物及びその製造方法 - Google Patents

有機ゲルマニウム化合物及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は有機ゲルマニウム化合物及びその製造方法に
関するものである。
[従来の技術] 炭素の同族体であるゲルマニウムGeについては、近年
になって、その有機化合物に関する研究やその結果の発
表が活発に行なわれるようになるに従い、各方面、特に
医学や薬学の分野からも注目されるようになっている。
例えば、ゲルマニウムのプロピオン酸誘導体と酸素原
子とが2:3の割合で結合した有機ゲルマニウム化合物で
あるカルボキシエチルゲルマニウムセスキオサイド(特
公昭46−2498号)については、自然高血圧症ラットの血
圧降下作用やアミロイド変化の軽減作用のみならず、マ
クロファージやNK細胞の活性化並にインターフェロン誘
起作用や、抗腫瘍作用等を示すことが報告され、臨床的
にも試用されている。
而して、上記カルボキシエチルゲルマニウムセスキオ
キサイドは、 (Ge−CH2−CH2−COOH)2O3 なる化学式で表わされる化合物であるが、従来より開発
されている有機ゲルマニウム化合物はこのような種類の
ものばかりでなく、式 で表わされるような環状化合物も既に合成されている
(特開昭61−267591号)。
而して、上記カルボキシエチルゲルマニウムセスキオ
キサイドについては、その酸素原子を硫黄原子で置き換
えた化合物であるカルボキシエチルゲルマニウムセスキ
スルフィド (Ge−CH2−CH2−COOH)2S3 が合成され、上記カルボキシエチルゲルマニウムセスキ
オキサイドと同様に優れた薬理効果を発揮するものであ
ることが報告されているので、(特公昭59−35916号)
上記環状化合物における酸素原子を硫黄原子で置き換え
た化合物を合成することができれば、当該有機ゲルマニ
ウム化合物が新たな有用性を示すことが充分に期待され
る。
[発明が解決しようとする問題点] 然しながら、従来知られている有機ゲルマニウム化合
物中、環状構造をとり、しかもその環内に硫黄原子を含
んでいるものは存在せず、その開発が期待されていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上述した従来技術の難点を解消することを目
的としてなされたもので、本発明の有機ゲルマニウム化
合物は、式 (式中、Rは低級アルキル基を、又、R1乃至R3は水素原
子或は低級アルキル基をそれぞれ表わす。) で表わされることを特徴とするものであり、一方、本発
明の有機ゲルマニウム化合物の製造方法は、式 (式中、Xはハロゲン原子を表わす。) で表わされるモノハロゲン化合物を、式 (式中、Yはハロゲン原子を表わす。) で表わされる酸ハロゲン化化合物とし、該酸ハロゲン化
化合物に対し硫化水素H2Sを作用させることにより、式 で表わされる上記本発明有機ゲルマニウム化合物を製造
することを特徴とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の第1の有機ゲルマニウム化合物は、上
記式(1)で表わされるように、メルカプトゲルミルプ
ロピオン酸から生じたγラクトン類似の構造を基本骨格
としており、即ち、前記公知の環状化合物におけるC−
O−C結合をC−S−C結合としたものに相当する。
そして、ゲルマニウム原子には同一の置換基Rが二つ
結合しており、又、ゲルマニウム原子のα位(環におけ
るβ位)には二つの置換基R1、R2が、ゲルマニウム原子
のβ位(環におけるα位)には置換基R3が、それぞれ結
合している。
ここで、上記ゲルマニウム原子に結合した置換基Rは
メチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル基を
示し、ゲルマニウム原子のα位に結合した置換基R1、R2
及びゲルマニウム原子のβ位に結合した置換基R3はそれ
ぞれ水素原子又は上記置換基Rと同様の低級アルキル基
を示すから、本発明有機ゲルマニウム化合物には、以下
に示すようなものが含まれる。
上記化合物(1)については、それが従来存在しなか
った構造のものであるので、新たな有用性を示すことが
充分期待される。
そこで、上記本発明の化合物の有用性を確認するた
め、次のような実験を行なった。
即ち、有機ゲルマニウム化合物には、抗酸化性を示す
ものがあることが知られている(特公昭62−18590号)
ので、上記化合物についても検討したところ、生体内の
モデルとなる系である血清存在下でも、又、純物理化学
的な系であるイオンラジカル存在下でも、上記本発明の
化合物は抗酸化性を示したのである。
一方、上記説明した本発明の有機ゲルマニウム化合物
は、次に説明するような本発明製造方法により、製造す
ることができる。
即ち、先ず、式 で表わされるモノハロゲン化合物を、式 で表わされる酸ハロゲン化化合物とするのである(上記
式(2)及び(3)中、置換基X及びYは何れもハロゲ
ン原子を表わしている)。
上記反応は、例えば化合物(2)に対し、適宜の溶媒
中或は無溶媒で、過剰のチオニルクロライドを作用さ
せ、反応終了後、過剰のチオニルクロライドを除き、蒸
留等の手段により化合物(3)を単離するようにして行
なわれる。
尚、上記式(2)及び(3)中の置換基X及びYは、
同一のハロゲン原子を表わすこともある。
又、上記反応の出発物質である化合物(2)は、特開
昭61−267592号に開示されているように、次に示すよう
な反応式により合成することができる。
次いで、上記酸ハロゲン化化合物(3)に対し、硫化
水素H2Sを作用させることにより、式 で表わされる前記本発明の有機ゲルマニウム化合物とす
る。
この反応は、例えばピリジン等の塩基の存在化、反応
系に硫化水素ガスを吹き込み、反応終了後、得られる化
合物(1)を単離するようにして行なわれる。
[実施例] 次に本発明の実施例について述べる。
実施例1 化合物(3)の合成 3−(ブロモジメチルゲルミル)プロピオン酸(式
(2)においてR=CH3、R1=R2=R3=Hの化合物)17.
89g(0.07mol)に対しチオニルクロライドを50ml加え、
2時間加熱還流した。反応終了後、過剰のチオニルクロ
ライドを留去し、更に減圧蒸留に付すと、3−(クロロ
ジメチルゲルミル)プロピオン酸クロライド(式(3)
においてR=CH3、R1=R2=R3=Hの化合物)が沸点99
℃/9mmHgの無色透明な留分として得られた。
Anal.Calcd.: Ge,31.61;C,26.15;H,4.39;Cl,30.88 Found: Ge,31.58;C,26.19;H,4.43;Cl,31.11 IRνKBr/max cm-1:1800(C=0)1 H−NMR(CDCl3)δ: 0.74(6H,s,(C 2Ge) 1.49(2H,t,Ge−C ) 3.15(2H,t,C −CO) 尚、式(3)により表わされる他の化合物について
も、上記とほぼ同様の方法により合成することができ
た。
それら化合物とその主要なデータを以下に示す。
実施例2 化合物(1)の合成 氷冷した20mlのピリジンに対し硫化水素ガスを流しな
がら、上記実施例1で合成した3−(クロロジメチルゲ
ルミル)プロピオン酸クロライド(式(3)においてR
=CH3、R1=R2=R3=Hの化合物)6.9g(0.03mol)をゆ
っくりと加え、30分間撹拌する。次いで、約20%の硫酸
で酸性とした後、100mlのエーテルで抽出し、硫酸ナト
リウムにより抽出液を乾燥し、エーテルを留去すると、
白色結晶が析出した。この白色結晶をカラムクロマトグ
ラフィーにより(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)精製
し、更に昇華により精製すると、化合物(1−1)、即
ち式(1)においてR=CH3、R1=R2=R3=Hの化合物
が融点57〜58℃の結晶として得られた。
Anal.Calcd.: Ge,38.05;C,31.48;H,5.28;S,16.81 Found: Ge,38.12;C,31.31;H,5.16;S,16.60 IRνKBr/max cm-1:1660(C=0)1 H−NMR(CDCl3)δ: 0.79(6H,s,(CH 2Ge) 1.47(2H,t,Ge−C ) 2.78(2H,t,C −CO) 尚、式(1)により表わされる他の化合物について
も、上記とほぼ同様の方法により合成することができ
た。
それら化合物のデータを次の表1(a),(b)に示
す。
実験例 化合物(1)の抗酸化効果 次のような溶液を準備した。
0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液(PH5.0) 1.5ml オルトフェニレンジアミン(1mg/ml) 1.0ml 血清 2.0ml 本発明化合物(1−1)の溶液 0.1ml 1%H2O2溶液 0.2ml そして、生体内のモデルとなる系である血清存在下で
の抗酸化性は、上記溶液中の乃至を混合し、37℃の
温度に2時間保った後、430nmにおける吸光度の差を観
察し、又、純物理化学的な系であるイオンラジカル存在
下での抗酸化性は、上記溶液中の、、及びを混
合し、紫外線を2時間照射した後、430nmにおける吸光
度の差を観察することによる測定した。
結果は第1図及び第2図に示すとおりであり、本発明
化合物(1−1)は、生体内のモデルとなる系である血
清存在下でも、純物理化学的な系であるイオンラジカル
存在下でも、抗酸化性を示すことがわかった。
尚、他の化合物(1)についても、同様の結果が得ら
れた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の有機ゲルマニウム化合物の一が、生
体内のモデルとなる系である血清存在下で抗酸化性を示
すことを示すグラフ、第2図は、同じく純物理化学的な
系であるイオンラジカル存在下で抗酸化性を示すことを
示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 (式中、Rは低級アルキル基を、又、R1乃至R3は水素原
    子或は低級アルキル基をそれぞれ表わす。) で表わされることを特徴とする有機ゲルマニウム化合
    物。
  2. 【請求項2】式 (式中、Rは低級アルキル基を、又、R1乃至R3は水素原
    子或は低級アルキル基を、Xはハロゲン原子をそれぞれ
    表わす。) で表わされるモノハロゲン化合物を、式 (式中、Rは低級アルキル基を、又、R1乃至R3は水素原
    子或は低級アルキル基を、X及びYはハロゲン原子をそ
    れぞれ表わす。) で表わされる酸ハロゲン化化合物とし、該酸ハロゲン化
    化合物に対し硫化水素H2Sを作用させることにより、式 (式中、Rは低級アルキル基を、又、R1乃至R3は水素原
    子或は低級アルキル基をそれぞれ表わす。) で表わされる環状化合物を製造することを特徴とする有
    機ゲルマニウム化合物の製造方法。
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