JP2651325B2 - 鉱石の焼結処理用の着火方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は輻射エネルギーとくに赤
外線を用いる着火方法、さらに詳しくは微粉砕金属鉱石
および適した還元剤の混合物を焼結する際の着火方法に
関し、好ましくは当該混合物は凝集体の形態で使用す
る。本明細書は、具体的にはマンガン鉱石生成物の焼結
について記載しているが、この記載は、本発明およびそ
の適用を制限するものとして理解すべきではない。

【０００２】

【従来の技術】一般に、微粉砕マンガン鉱石とコークス
の混合物をペレット化などにより凝集化させることは、
通常実施される処理である。

【０００３】ペレット化処理の後、得られたグリーンペ
レットを好適な炉床上に導入し、次いで好適な燃料、例
えば燃料油や炉排ガスや液化石油ガスやコークスの燃え
かすなどを用いて着火する。空気を凝集材料を介して送
り込むと、着火材料により生成した熱により、上記凝集
材料が焼結して塊状の生成物が製造される。上記方法が
被る問題は、温度コントロールであり、また熱を所望の
適用地点に向けさせるのが困難な点である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題点を少なくとも軽減させた着火方法を提供するこ
とである。

【０００５】

【発明の概要】本発明によれば、微粉砕鉱石と好適な固
体還元材の混合物を着火するにあたり、当該混合物を、
輻射エネルギーを用い上記還元材の着火を誘発させるの
に充分な温度に加熱する。また本発明によれば、当該混
合物は凝集混合物であり、またペレット形態であっても
よい。なおまた、本発明によれば、輻射エネルギーは赤
外線エネルギーで、好ましくは短波輻射エネルギーであ
る。

【０００６】本発明の別の態様によれば、焼結装置を提
供し、当該装置は、焼結されるべき材料配置用の焼結用
炉床、および当該炉床に向けられた輻射エネルギー源を
備える。また本発明のこの態様によれば、炉床は、移動
型の炉床である。なおまた本発明によれば、輻射エネル
ギー源は赤外線輻射エネルギーであり、少なくとも赤外
線ランプからなる。この赤外線ランプは冷却手段を備え
る。本発明によれば、炉床は、下方向に向けた空気流
を、焼結単独または焼結と冷却の両方のために当該炉床
上に配置された材料を介して供給するための手段を備え
る。また、本発明の装置には輻射エネルギー源をコント
ロールするための手段が包含される。

【０００７】

【発明の詳説】以下に本発明の一具体例を、本発明の焼
結用の炉床を示した添付の断面立面図(図１)を参照しな
がら説明するが、本発明はこの具体例に限定されるもの
ではない。本発明の一具体例は、マンガン鉱石の焼結用
の装置および方法を開示する。装置(１)は、連続的焼結
操作に通常使用されるタイプの移動コンベヤーの表面
(２)を備える。このコンベヤーの特徴は、耐熱性を示
し、また空気流通過用の孔を有することである。従来タ
イプのコンベヤーは金属製「チェーン」タイプのコンベヤ
ーである。

【０００８】コンベヤーの下方において、空気および当
該コンベヤー上の材料をその孔を介して導入するための
手段を設け、この手段には真空装置(図示せず)と連通す
る当該コンベヤーの真下の吸引部品(３)が包含される。
コンベヤーの上方において、各々２ＫＷの複数の短波赤
外線ランプ(４)を設け、これらのランプ(４)には、コン
ベヤー表面により形成された当該装置の炉床(６)上に輻
射エネルギーを向けさせるための反射鏡(５)を設ける。
好ましくは、ランプの出力は、コントロール手段(図示
せず)によりコントロールしてもよい。使用に際し、ペ
レット化した微粉砕マンガン鉱石とコークスの混合物
を、当該材料を装置の炉床(６)を通って移動させるコン
ベヤー(２)上に連続的に供給する。

【０００９】炉床では、短波赤外線ランプからの輻射エ
ネルギーが、グリーンペレット塊の上面を攻撃し、これ
により当該上面が加熱されてコークスの着火点に達す
る。ペレットの間を通過する空気流は、着火工程を促進
するだけでなく、コークスが当該材料床全体にわたり燃
焼することを確実にさせ、これによりペレット化塊の完
全な焼結を保証する。

【００１０】本発明によれば、赤外線の照射量をコント
ロールすることができるだけでなく、輻射エネルギー
を、着火せねばならないペレット化塊上の任意の地点に
指向させることができる。当該装置および方法の他のタ
イプおよび形態を含め、他の具体例並びに他のタイプの
鉱石への適用も本発明の範囲に包含される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の焼結用の炉床を示す断面立面図

【符号の説明】

１:本発明の装置 ２:移動コンベヤーの表面 ３:吸引部品 ４:赤外線ランプ ５:反射鏡 ６:当該装置の炉床

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 微粉砕鉱石と固体還元体の混合物を着火
   するにあたり、当該混合物を、輻射エネルギーを用いて
   上記還元体の着火を誘発させるのに充分な温度に加熱す
   ることを特徴とする方法。
2. 【請求項２】 混合物が凝集体混合物である請求項１記
   載の方法。
3. 【請求項３】 混合物がペレットの形態である請求項１
   記載の方法。
4. 【請求項４】 輻射エネルギーが短波エネルギーである
   前記請求項の１つに記載の方法。
5. 【請求項５】 短波エネルギーが赤外線エネルギーであ
   る請求項４記載の方法。
6. 【請求項６】 焼結される原料を収納するための焼結炉
   床および微粉砕鉱石と固体還元体の混合物を当該還元体
   の着火を誘発させるのに充分な温度に加熱するための当
   該炉床に向けられた輻射エネルギー源を備えることを特
   徴とする焼結装置。
7. 【請求項７】 炉床が移動型炉床である請求項６記載の
   装置。
8. 【請求項８】 輻射エネルギー源が赤外線エネルギー源
   である請求項６または７記載の装置。
9. 【請求項９】 輻射エネルギー源が少なくとも赤外線ラ
   ンプを備える請求項８記載の装置。
10. 【請求項１０】 輻射エネルギー源がそこから発生する
    熱をコントロールするための冷却手段を備える請求項８
    記載の装置。
11. 【請求項１１】 炉床が、下方向に向けた空気流を、当
    該炉床上に配置された材料を介して供給するための手段
    を備える請求項６〜１０の１つに記載の装置。
12. 【請求項１２】 輻射エネルギー源をコントロールする
    ためのコントロール手段を備える請求項６〜１１の１つ
    に記載の装置。