JP2648995B2 - フラーレン誘導体の合成方法 - Google Patents

フラーレン誘導体の合成方法

Info

Publication number
JP2648995B2
JP2648995B2 JP4059775A JP5977592A JP2648995B2 JP 2648995 B2 JP2648995 B2 JP 2648995B2 JP 4059775 A JP4059775 A JP 4059775A JP 5977592 A JP5977592 A JP 5977592A JP 2648995 B2 JP2648995 B2 JP 2648995B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graphite crucible
fullerene derivative
fullerene
ultrafine particles
lanthanum oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4059775A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05221623A (ja
Inventor
英之 船坂
和典 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
Original Assignee
Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan filed Critical Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
Priority to JP4059775A priority Critical patent/JP2648995B2/ja
Publication of JPH05221623A publication Critical patent/JPH05221623A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2648995B2 publication Critical patent/JP2648995B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラーレン骨格に官能
基を結合させた物質を合成する方法に関するものであ
る。更に詳しく述べると本発明は、黒鉛るつぼの内部
に、酸化ランタン(La2 3 )を充填して抵抗加熱す
ることにより超微粒子を生成させ、トルエンを用いて抽
出することにより、フラーレン誘導体を直接合成する方
法に関するものである。
【0002】ここで「フラーレン」とはC60以上の安定
な球殻状の炭素クラスターのことを言う。C60,C70
物性について測定が可能になったのはグラム・オーダー
の収量が可能になった極く最近のことであるため、未だ
不明な点も多い。フラーレン骨格に官能基を結合させた
フラーレン誘導体は一種の中間体であり、それを用いて
化学反応の触媒など各種の新物質の合成が可能になるも
のと考えられる。
【0003】
【従来の技術】1985年、クロトー及びスモーリー(Krot
o & Smalley)らは、黒鉛の棒にレーザーを集中照射す
る所謂「レーザーアブレーション法」によってはじめて
60,C70の存在を実証した。しかし、その生成量は質
量分析装置でしか測定できない程度の極微量であったた
め、C60,C70の構造や物性等については何ら知見を得
ることができなかった。
【0004】1990年、クレッチマー(Kratschmer)ら
は、黒鉛の棒を用いたコンタクトアーク法によりはじめ
てグラム・オーダーのC60,C70の生成・回収に成功
し、サッカーボール形状、ラグビーボール形状といわれ
るC60,C70の構造を実証した。(例えばJ.Phys.Chem.
1990,94,8634-8636 参照)ここでは黒鉛ベース電極に対
して、先細状黒鉛棒をスプリングの弾撥力で押し付けつ
つ大電流を流す方法を採用している。
【0005】C60については、様々な有機誘導体や有機
金属誘導体を合成することが可能であり、そのため触媒
や機能性分子材料などの用途が考えられている。しかし
反応性に乏しいことから現在のところ、C6018,C60
36の水素化物の合成、アミンのC60表面への求核付加
反応によるC60誘導体の生成、白金錯体C60Pt(PP
3 2 やオスミウム錯体C60(OsO4 )(4−t−
ブチルピリジン)2 の生成など少数の例しか報告されて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】C60を触媒や機能性分
子材料として利用するには、C60に官能基を結合させる
ことが必要である。しかしC60誘導体やC60基の合成法
については、未だ良く分かっていない。
【0007】従来、煤からのフラーレンの抽出には、フ
ラーレンが無極性であるためベンゼン溶液などの無極性
有機溶媒を使用しているが、この方法では極性を有する
フラーレン誘導体は抽出できない。そこで、もし従来方
法でフラーレン誘導体を合成しようとすると、まず無極
性有機溶媒を用いて煤からC60を抽出し、次いでそれに
化学反応操作によって必要な官能基を付加する方法が考
えられる。しかしC60を分離・精製する工程は、実際に
は相当に困難であり、現在でも製造上の律速段階になっ
ているほどである。
【0008】本発明の目的は、フラーレン骨格に官能基
を結合させた誘導体を直接、効率よく合成する方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、黒鉛るつぼ内
に酸化ランタン(La2 3 )を充填し、不活性雰囲気
中で該黒鉛るつぼを抵抗加熱して超微粒子を生成させ、
その超微粒子をトルエンに接触させることによりフラー
レン誘導体を溶解して抽出する方法である。酸化ランタ
ンとしては粒状のものを用いるのが好ましい。また金属
ビスマスを同時に黒鉛るつぼ内に充填することも有効で
ある。
【0010】不活性ガス雰囲気としてはヘリウム(H
e)ガス雰囲気がある。特にヘリウムをキャリア・ガス
として流通させる状態でインパルス抵抗加熱を行うのが
好ましい。Heキャリアガスを流通させて、黒鉛るつぼ
内で生成した超微粒子を外部へ搬出し、ダストフィルタ
で捕集する。捕集した超微粒子をトルエン中に浸漬して
おくことにより、フラーレン誘導体を抽出できる。
【0011】
【作用】黒鉛るつぼ内に酸化ランタンを入れて不活性雰
囲気中で抵抗加熱すると、黒鉛全体が高温に熱せられ、
黒鉛の網目構造が表面から剥離して丸くなりフラーレン
60,C70が発生する。ランタンは炭素とのなじみが良
く、そのため加熱時に該ランタンが触媒的作用を果たす
ものと考えられ、酸化ランタン中の酸素がフラーレン骨
格(C60,C70)と反応し、官能基(ケトン基やカルボ
キシル基)が結合したフラーレン誘導体を含む超微粒子
が大量に生成する。
【0012】生成した超微粒子をトルエン中に浸漬して
おくと、フラーレン骨格にケトン基やカルボキシル基が
結合した誘導体のみが溶解する。これは生成している誘
導体に若干極性があること、及びトルエンを用いている
ことが誘導体抽出の要因であると考えられる。
【0013】不活性キャリアガスは、加熱雰囲気を不活
性にすると共に、発生した超微粒子を炉から搬出する機
能を果たす。またそのガス圧はC60/C70生成比を制御
する作用も果たす。金属ビスマスは触媒的作用を果た
し、超微粒子の生成効率を高める。
【0014】
【実施例】図1は本発明で使用するフラーレン誘導体の
合成装置の一部を示す概念図である。生成炉10は、内
部に黒鉛るつぼ12が位置し、それを上部電極14と下
部電極16で圧接する構造である。ここで下部電極16
の黒鉛るつぼ搭載部にはタングステンチップ18を設け
ている。また冷却水通路20を有し、それによって電極
を冷却できるようにしてある。生成炉10の内外はシー
ル部材22で密封され、しかもHeキャリアガスが流通
できるようにガス流路が形成されている。Heキャリア
ガスは上部電極14のガス入口部24から導入され、側
方のガス出口部26から排出する。排出したガスはダス
トフィルタ28を通り、パージガスラインへ向かう。上
部電極14と下部電極16との間にはインパルス抵抗加
熱用の電源装置30を接続する。
【0015】予め黒鉛るつぼ12の内部に粒子状の酸化
ランタン(La2 3 )40を充填しておく。そして図
1に示すように生成炉10内に設置する。使用した黒鉛
るつぼ12の寸法は直径約14mm、高さ約20mm、内容
積約2ccであり、酸化ランタンの充填量は約0.2〜1
gである。そして上部電極14と下部電極16間に、電
源装置30から交流電流(100〜200A,10〜2
0V)をパルス状(周期60Hz,パルス幅1μ秒以下)
に供給する。その際Heキャリアガスを流通させてお
く。Heガス圧はC60/C70生成条件に応じて可変とす
る(可変領域 100〜2280Torr)。
【0016】黒鉛るつぼ12内外は約3000℃まで上昇
し、超微粒子が大量に発生する。黒鉛るつぼ12内から
発生するこの超微粒子(ダスト)は、キャリアガスと共
にダストフィルタ28まで運ばれて、ここで捕集され
る。また黒鉛るつぼ外表面に付着している超微粒子ある
いはキャリアガスで運ばれなかった超微粒子は、後に生
成炉10内から真空クリーナー等で回収する。
【0017】生成した超微粒子を溶解槽32に導き、ト
ルエンに接触させる。フラーレンを約10%含有する煤
(超微粒子)1gに対して200〜500ccのトルエン
を用いる。室温で24時間程度浸漬することによってワ
インカラーに着色した溶液が抽出された。
【0018】この着色溶液についてICR(イオン・サ
イクロトロン共鳴)分析を行った。結果を図2に示す。
横軸は質量数/電荷数の比を示し、縦軸はマススペクト
ル吸収強度(相対値及び絶対値)を示す。図2に示すよ
うに、各成分は単一ピークではなく、いくつかのピーク
により構成される。これは炭素として13Cが天然に約1
%含まれているためである。即ち、質量数が1だけ大き
いものは、1個の13Cが12Cと置き替わったものと考え
られる。この測定強度は計算強度とよく一致する。この
ことは各成分を構成する炭素の数を推定する重要な要素
となっている。ところでICR分析では、試料の気体化
とイオン化のために炭酸ガスレーザーを照射するが、解
離物は生成し難いと言われている。また質量数と存在す
る元素、更にはC62の生成量がC60の量に比して極めて
小さいことから考えて、検出された物質はC60にケトン
基やカルボキシル基が付加したフラーレン誘導体であ
る。C61の酸化物からC65の酸化物まで数種類の誘導体
が検出されたが、生成されている主な物質は、図3Aに
示すC602 2 、図3Bに示すC602 3 、図3C
に示すC603 3 、図3Dに示すC603 4 などと
推定される。図2の各ピーク強度が誘導体の生成量に相
当し、計算により求めることができる。収率は全体で生
成煤量の10%であり、主な誘導体の生成割合は次の通
りである。 C602 2 … 25% C603 3 … 22% C602 3 … 13% C603 4 … 11% その他 … 29%
【0019】また上記実施例において、黒鉛るつぼ内に
粒子状の酸化ランタンと共に金属ビスマス(粒子状がよ
い)を0.1〜0.5g程度充填しておくと、抵抗加熱
により生成する超微粒子の量が増大し、それだけ収率が
向上するため好ましい。なお酸化ランタン(及び金属ビ
スマス)として粒子状物を用いるのは、微粉末であると
真空引きする際などにガスの流れで黒鉛るつぼ外への飛
散が生じ、好ましくないためである。
【0020】
【発明の効果】本発明は上記のように、酸化ランタンを
充填した黒鉛るつぼを不活性雰囲気中で抵抗加熱し、生
成した超微粒子をトルエンに溶解させる方法であるか
ら、フラーレン誘導体を直接合成することが可能とな
り、そのためフラーレンを分離・精製する工程を省くこ
とができる。このフラーレンの分離・精製工程は相当に
困難であり、現在もフラーレン製造上の律速段階となっ
ている。従って、この分離・精製工程を省略できる効果
は非常に大きい。
【0021】本発明では、るつぼ状にした黒鉛を使用し
ているため、黒鉛の表面積が広く、また必要な材料(酸
化ランタン等)を充填できる。特にインパルス抵抗加熱
方式を採用すると、黒鉛るつぼ全体を加熱でき、超微粒
子が瞬時に大量に生成し、フラーレン誘導体を効率よく
合成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるフラーレン誘導体の合成装置の
一例を示す概念図。
【図2】本発明方法により抽出したトルエン溶液のIC
R分析結果の説明図。
【図3】本発明方法により抽出したフラーレン誘導体の
構造図。
【符号の説明】
10 生成炉 12 黒鉛るつぼ 14 上部電極 16 下部電極 18 タングステンチップ 28 ダストフィルタ 30 電源装置 32 溶解槽 40 粒子状の酸化ランタン

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛るつぼ内に酸化ランタンを充填し、
    不活性雰囲気中で該黒鉛るつぼを抵抗加熱して超微粒子
    を生成させ、その超微粒子をトルエンに接触させること
    によりフラーレン誘導体を溶解して抽出することを特徴
    とするフラーレン誘導体の合成方法。
  2. 【請求項2】 黒鉛るつぼ内に粒子状の酸化ランタンを
    充填し、ヘリウム雰囲気下でインパルス抵抗加熱する請
    求項1記載の方法。
JP4059775A 1992-02-14 1992-02-14 フラーレン誘導体の合成方法 Expired - Fee Related JP2648995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4059775A JP2648995B2 (ja) 1992-02-14 1992-02-14 フラーレン誘導体の合成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4059775A JP2648995B2 (ja) 1992-02-14 1992-02-14 フラーレン誘導体の合成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05221623A JPH05221623A (ja) 1993-08-31
JP2648995B2 true JP2648995B2 (ja) 1997-09-03

Family

ID=13123007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4059775A Expired - Fee Related JP2648995B2 (ja) 1992-02-14 1992-02-14 フラーレン誘導体の合成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2648995B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6949660B2 (en) 1995-10-26 2005-09-27 Seth Nanotechnology, Incorporated Chiral (1pyrrolino) fullerene derivatives

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05221623A (ja) 1993-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1996013339A1 (en) Graphite encapsulated nanophase particles produced by a tungsten arc method
CN101370734B (zh) 用富勒烯官能化的碳纳米管
US7438885B1 (en) Synthesis of carbon nanotubes filled with palladium nanoparticles using arc discharge in solution
JP2007169159A (ja) ナノ粒子及びナノチューブの生成装置及び生成方法、並びにガス貯蔵のためのこれらの使用
CN101746745A (zh) 制备和纯化碳纳米管的方法、碳纳米管以及碳纳米管元件
CN101746746A (zh) 制备和纯化碳纳米管的方法、碳纳米管以及碳纳米管元件
CN1768002B (zh) 由液相碳源制备碳纳米管的方法
Luo et al. Metal clusters and their reactivity
JP2648995B2 (ja) フラーレン誘導体の合成方法
Kingston et al. Recent advances in laser synthesis of single-walled carbon nanotubes
JP2002265209A (ja) カーボンナノチューブの精製方法
WO2007125816A1 (ja) カーボンナノホーンの製造装置及び製造方法
JPH05186865A (ja) 炭素クラスター製造方法
JP2614790B2 (ja) 炭素クラスターの製造方法
WO1998012548A1 (fr) Detecteur de gaz
JPH11104486A (ja) 金属−炭素複合微粒子の製造方法
JPS5917045B2 (ja) 炭化珪素の超微粉末製造装置
Kang et al. Observing the Evolution of Metal Oxides in Liquids
JPH05201715A (ja) 金属内包炭素クラスター及びその製造方法
Meubus Metal vapor effects on chemical reactions in an argon plasma
JP2006104022A (ja) カーボンナノチューブおよびその製造方法
JPH0761804A (ja) 炭素クラスターの製造方法
EP4164987A2 (en) Device and process for mass production of particulate materials
EP4069640A1 (en) Method for the preparation of single-walled carbon nanotubes
JPH11157802A (ja) 水素の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees