JP2614790B2 - 炭素クラスターの製造方法 - Google Patents

炭素クラスターの製造方法

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英之 船坂
敏明 石黒
正人 加藤
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動力炉・核燃料開発事業団
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/05Preparation or purification of carbon not covered by groups C01B32/15, C01B32/20, C01B32/25, C01B32/30

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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒鉛るつぼの内部に炭
素との親和力の大きい金属(以下「炭素バインダー」と
称す)を充填し、インパルス抵抗加熱法により加熱して
効率よく炭素クラスターを生成させる方法に関するもの
である。
【0002】炭素クラスターC60,C70の物性について
測定が可能になったのは、グラム・オーダーの収量が可
能になった極く最近のことであるため、未だはっきりし
たところが少ない。しかし、C60,C70そのものは10
0eV程度のエネルギーを与えても安定であるので、例え
ば宇宙用の固体潤滑剤としての利用が考えられる。また
60,C70の電気的性質は絶縁体に近いが、最近C60
金属カリウムを結合させると超電導体(Tc =18K)
になることが報告されている。
【0003】
【従来の技術】1985年、Kroto & Smalleyらは、黒
鉛の棒にレーザーを集中照射する所謂「レーザーアブレ
ーション法」によってはじめて炭素クラスターC60,C
70の存在を実証した。しかし、その生成量は質量分析装
置でしか測定できない程度の極微量であったため、
60,C70の構造や物性等については何ら知見を得るこ
とができなかった。
【0004】1990年、Kratschmerらは、黒鉛の棒を
用いたコンタクトアーク法によりはじめてグラム・オー
ダーのC60,C70の生成・回収に成功し、サッカーボー
ル形状、ラグビーボール形状といわれるC60,C70の構
造を実証した(例えばJ.Phys.Chem.1990,94,8634-8636
参照)。ここでは黒鉛ベース電極に対して、先細状黒鉛
棒をスプリングの弾撥力で押し付けつつ大電流を流す方
法を採用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしコンタクトアー
ク法には以下に述べるような様々な製造方法上の課題が
残されている。まず第1に収量が低く、C60/C70生成
比と生成条件については何も知られていない。現在の段
階でも収量はC60で1日当たり約100mg程度であり、
70についてはその5%程度である。またコンタクトア
ーク方式であるため黒鉛棒の先端部の消耗が激しく、頻
繁に交換を行わなければならず、製造上のロスタイムが
大きい。更にC60,C70に金属原子を結合したり、或い
は中にドープする等の処理を組み込み難い。これらの処
理は炭素クラスター生成後に別工程で行う必要がある。
【0006】本発明の目的は、上記従来のコンタクトア
ーク法による欠点を解消し、C60,C70の炭素クラスタ
ーを効率よく大量に生成しうる方法を提供することであ
る。また本発明の他の目的は、C60/C70生成比を制御
できる方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、黒鉛るつぼ内
に炭素バインダーを充填し、不活性雰囲気中で該黒鉛る
つぼをインパルス抵抗加熱方式により金属炭化物が生成
される温度以上まで加熱し、炭素クラスターを含む超微
粒子を生成させる方法である。炭素バインダーは、炭素
との親和力が大きく容易に金属炭化物を生成する金属で
ある。この種の金属としては、例えばチタン、ニオブ、
クロム、ウラン、ハフニウム、ホウ素、バナジウム等が
あり、特にチタンやウランが有効である。また物理的状
態も活性であることが望ましい(例えばスポンジチタン
など)。
【0008】不活性ガス雰囲気としてはヘリウム(H
e)ガス雰囲気がある。インパルス抵抗加熱と同時にH
eキャリアガスを流通させて、黒鉛るつぼ内で生成した
炭素クラスターを含む超微粒子を外部へ搬出し、ダスト
フィルタで捕集するように構成するのがよい。またHe
ガスを使用すると、そのガス圧の調整により炭素クラス
ターであるC60/C70生成比を制御できる。Heガスの
圧力を高くする(0.8 kg/cm2 以上)とC70が多く生成
される。
【0009】
【作用】黒鉛るつぼに不活性雰囲気中でインパルス抵抗
加熱を行うと、黒鉛全体が高温に熱せられ、黒鉛の網目
構造が表面から剥離して丸くなり炭素クラスターC60
70が発生する。るつぼ形状であるため、表面積が大き
く且つ必要な炭素バインダーを入れられる。ここで黒鉛
るつぼ内部の炭素バインダーは、インパルス抵抗加熱時
に黒鉛るつぼと反応して金属炭化物を瞬時に生成し、こ
れが黒鉛に比べて融点が低く且つ炭化物の蒸気圧が高い
ため、C60,C70を含む炭化物の超微粒子が大量に生成
し、炭素クラスターの製造効率が高まる。
【0010】不活性キャリアガスは、加熱雰囲気を不活
性にすると共に、発生した超微粒子を炉から搬出する機
能を果たす。またそのガス圧はC60/C70生成比を制御
する作用も果たす。
【0011】
【実施例】図1は本発明で使用する炭素クラスター製造
装置の一例を示す概念図である。生成炉10は、内部に
黒鉛るつぼ12が位置し、それを上部電極14と下部電
極16で圧接する構造である。ここで下部電極16の黒
鉛るつぼ搭載部にはタングステンチップ18を設けてい
る。また冷却水通路20を有し、それによって電極を冷
却できるようにしてある。生成炉10の内外はシール部
材22で密封され、しかもHeキャリアガスが流通でき
るようにガス流路が形成されている。Heキャリアガス
は上部電極14のガス入口部24から導入され、側方の
ガス出口部26から排出する。排出したガスはダストフ
ィルタ28を通り、パージガスラインへ向かう。上部電
極14と下部電極16との間にはインパルス抵抗加熱用
の電源装置30を接続する。
【0012】予め黒鉛るつぼ12の内部に炭素バインダ
ーとしてスポンジチタン40を充填しておく。そして図
1に示すように生成炉10内に設置する。使用した黒鉛
るつぼ12の寸法は直径約14mm、高さ約20mm、内容
積約2ccであり、スポンジチタン40の充填量は約0.
2〜1gである。そして上部電極14と下部電極16間
に電源装置30から交流電流(100〜200A,10
〜20V)をパルス状(周期60Hz,パルス幅1μ秒)
に印加する。その際Heキャリアガスを流通させてお
く。Heガス圧はC60/C70生成条件に応じて可変とす
る(可変領域 100〜600 Torr)。特にC70を多く生成さ
せるにはHeガス圧を600 Torr近傍まで加圧する。
【0013】黒鉛るつぼ12内外は、約3000℃まで上昇
し、特に黒鉛るつぼ内ではチタン炭化物が瞬時に生成さ
れる。これは黒鉛に比べて融点が低く、且つ炭化物の蒸
気圧が高いため、C60,C70を含む炭化物の超微粒子が
大量に発生する。黒鉛るつぼ12内から発生するこの超
微粒子(ダスト)は、キャリアガスと共にダストフィル
タ28にまで運ばれて、ここで捕集される。また黒鉛る
つぼ外表面に付着している超微粒子あるいはキャリアガ
スで運ばれなかった超微粒子は、試験後に生成炉10内
から真空クリーナー等で回収する。
【0014】回収した超微粒子をベンゼン(非極性溶
媒)に溶かすと、C60,C70等の炭素クラスターのみ溶
解し且つ着色する。炭素クラスターC60,C70の存在及
びその存在比はNMR測定で確認できた。図2に抽出し
たベンゼン溶液のNMR測定結果を示す。C60を示す大
きなピーク、及びC70のa〜eの5本のピークが明瞭に
現れている。またその生成比はHeガス圧600 TorrでC
70/C60=0.4 〜0.5 であった。
【0015】炭素クラスターの収量は紫外可視スペクト
ルで行ったが、その結果5分間当たり0.01〜0.1 gであ
った。紫外可視スペクトルの一例を図3に示す。横軸は
波長(nm)、縦軸は吸収強度(相対値)を表している。
黒鉛るつぼにチタンを0.6g充填した場合は、黒鉛る
つぼ単独の場合(炭素バインダー無しの場合)に比べて
収量が大幅に向上することが分かる。
【0016】なおC60,C70の分取はカラムクロマトグ
ラフィの逆相法を使用して行える。また炭素クラスター
に他の金属を結合させたりドープさせる場合は、黒鉛る
つぼ内に必要な金属を炭素バインダーと共に充填してお
くだけで行える。
【0017】
【発明の効果】本発明は上記のように、インパルス抵抗
加熱方式を採用しているため、るつぼ状にした黒鉛が使
用可能となり、表面積が広く且つ必要な炭素バインダー
を充填できる。そして本発明は黒鉛るつぼに炭素バイン
ダーを充填して不活性雰囲気中でインパルス抵抗加熱す
る方法であるから、黒鉛るつぼ全体を加熱でき、金属炭
化物が瞬時に生成され、これは黒鉛に比べて融点が低く
且つ炭化物の蒸気圧が高いため、C60,C70を含む炭化
物の超微粒子が大量に生成し、炭素クラスターの製造効
率が高まる。従来のコンタクトアーク方式に比べて10
〜100倍の炭素クラスター収率が得られる。
【0018】Heガスをキャリアガスとして用いると、
黒鉛るつぼ内で生成した炭素クラスターを含む超微粒子
を外部へ搬出でき、ダストフィルタで効率よく捕集でき
る。その際、ガス圧力の調整により炭素クラスターであ
るC60/C70生成比を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる炭素クラスター製造装置の一例
を示す概念図。
【図2】本発明方法により抽出したベンゼン溶液のNM
R測定結果の説明図。
【図3】本発明方法により抽出したベンゼン溶液の紫外
可視スペクトル。
【符号の説明】
10 生成炉 12 黒鉛るつぼ 14 上部電極 16 下部電極 18 タングステンチップ 28 ダストフィルタ 30 電源装置 40 スポンジチタン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛るつぼ内に炭素との親和力の大きい
    金属を充填し、不活性雰囲気中で該黒鉛るつぼをインパ
    ルス抵抗加熱方式により金属炭化物が生成される温度以
    上まで加熱し、炭素クラスターを含む超微粒子を生成さ
    せることを特徴とする炭素クラスターの製造方法。
  2. 【請求項2】 加熱と同時に不活性キャリアガスを流通
    させて、黒鉛るつぼ内で生成した炭素クラスターを含む
    超微粒子を外部へ搬出し、ダストフィルタで捕集する請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 不活性キャリアガスとしてHeガスを使
    用し、そのガス圧の調整により炭素クラスターC60/C
    70生成比を制御する請求項2記載の方法。
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