JP2648442B2 - 全回転かま - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの全回転かまに
関する。

【０００２】

【従来の技術】このようなミシンの全回転かまでは、下
糸巻回量をできるだけ増大し、しかもその他の構成、た
とえばボビンケースを内かまにラッチして取付ける構造
などはそのまま適用するように構成することが望まれ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、下糸
巻回量の増大を図り、さらにボビンケースを内かまにラ
ッチして取付ける構成の組立作業の容易化を図ることが
できるようにした全回転かまを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、ボビンケース
に、ラッチ部材の両側部を、ボビンケースの対向する一
対の案内溝に沿って案内して、ラッチ部材をボビンケー
スの半径方向に移動自在に設け、これによって内かまの
スタッドの先端部に、ラッチ部材を係止してラッチ可能
とし、またラッチ部材から屈曲して形成された尾端が、
ラッチが解除されている状態で、ボビンケースの筒部に
形成された上糸ループを案内する外向き鍔に形成された
孔を挿通してボビンのフランジを把持し、ラッチ部材
は、外側方に突出したばね受け片を有し、このばね受け
片と内かまとの間に、ラッチ部材を半径方向外方にばね
付勢するばねを設けた全回転かまにおいて、ボビンケー
スの一対の案内溝のうち、前記ばね受け片４３側の一方
の案内溝３２を形成する案内部の前記孔３７寄りの部分
３４ａを、尾端３６が前記孔３７に嵌り込んだ状態で、
ラッチ部材のばね受け片を側部が前記一方案内溝３２か
ら露出する位置で他方の案内溝３１から離間して外側方
に遠去かるように形成し、内かまの筒部とボビンケース
の筒部とを軸線方向に沿って部分的に、軸線方向に重
ね、ボビンケース５の筒部２３には、外向き鍔２９を形
成し、内かま３の筒部１２の外かま回転方向１６上流側
の第１端部２６と、上糸ループを案内する外向き鍔２９
に連なり、ボビンケース５の筒部２３の外かま回転方向
１６下流側の第２端部２７とが、対向し、第１および第
２端部２６，２７の対向する面は、内かま３の一直径線
方向４８に平行であり、第１端部２６は、第２端部２７
よりも、内かま３の半径方向外方に段差ｄ１を形成する
ことを特徴とする全回転かまである。

【０００５】

【作用】本発明に従えば、ボビンケースを内かまにラッ
チして取付けるために、ボビンケースの半径方向に移動
自在なラッチ部材の両側部を、ボビンケースの対向する
一対の案内溝に沿って案内させ、こうして内かまのスタ
ッドの先端部にラッチ部材を係止してラッチ可能とし、
この状態で内かまからボビンケースが抜け出すことが防
がれる。

【０００６】ボビンケースを内かまから取外す際に、ラ
ッチ部材をラッチ状態から移動してラッチを解除する。
ラッチ部材には、そのラッチ部材から屈曲して尾端が形
成されており、この尾端はボビンケースの外向き鍔に形
成された孔を挿通してボビンケースの内方に入り込んで
いる。ラッチ部材を上述のようにラッチが解除されるよ
うに移動したとき、その尾端はボビンのフランジを把持
し、したがってボビンケースを取外す際にボビンケース
と一体的にボビンを取出すことができる。

【０００７】ラッチ部材は、外側方に突出したばね受け
片を有しており、このばね受け片と内かまとの間にばね
が介在され、このばねによってラッチ部材を半径方向外
方に、したがってラッチ状態となる方向に、ばね付勢す
る。

【０００８】本発明に従えば、ボビンケースの内方に突
出する尾端が屈曲して形成されているラッチ部材を、外
向き鍔が形成されているボビンケースの前記一対の案内
溝に沿って案内されるように嵌め込むにあたり、一方の
案内溝を形成する案内部の前記孔寄りの部分を、他方の
案内溝から離間して外側方に遠去かるように形成し、後
述の実施例では、案内溝３２を形成する孔３７寄りの部
分３４ａが、案内溝３１から離間して外側方である図９
の下方に遠去かるように形成されており、換言すると、
前記一方案内溝を形成する案内部が部分的に切欠かれて
おり、これによって尾端が前記孔に嵌り込んだ状態で、
ラッチ部材のばね受け片を含む側部が前記一方案内溝か
ら露出し、ラッチ部材のばね受け片が形成されていない
側部は他方の案内溝に嵌り込んでおり、この状態でばね
受け片をボビンケースに装着することが可能となる。

【０００９】もしも仮に、案内溝が平行に形成されてい
る先行技術の全回転かまでは、各案内溝を形成する一対
の案内部の幅はボビンケースの半径方向に沿って一様で
あり、したがって、尾端が屈曲して形成されているラッ
チ部材を前記案内溝に、ボビンケースの半径方向に移動
して嵌め込むには、ボビンケースの外向き鍔を前記尾端
に衝突しないように部分的に弯曲させる必要がある。本
発明では、外向き鍔を何ら変形させることなく、したが
ってその外向き鍔によって上糸ループのたるみを小さく
制御することを確実に達成させることができ、しかもラ
ッチ部材を円滑にボビンケースに装着して組立てること
が可能となる。本発明に従えば、内かまの筒部とボビン
ケースの筒部とを周方向に沿って部分的に、軸線方向に
重ね、これによってボビンケースのボビン収納空間の内
径を内かまの筒部の内径と一致させることができるよう
になり、ボビンケースの内径、したがってボビンのフラ
ンジの外径を増大することが可能となる。このボビンケ
ースの筒部には、上糸ループを案内して上糸ループのた
るみ量を小さく制御する外向き鍔を形成し、縫製性能の
向上を図ることができる。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の一実施例の斜視図である。回
転駆動される軸１には外かま２が固定されており、この
外かま２には内かま３が収納され、この内かま３内には
ボビン４を収納したボビンケース５が収納される。

【００１１】図２は内かま３の正面図であり、図３はそ
の内かま３の背面図であり、図４はその内かま３の側面
図であり、図５はその内かま３の平面図であり、図６は
図５の切断面線ＶＩ−ＶＩから見た断面図である。この
ような内かま３を備える垂直全回転かまの断面は、図７
に示されている。ボビン４は、下糸が巻回される直円筒
状の巻胴７と、この巻胴７の軸線方向両端部に固定され
るフランジ８とを有する。内かま３の底９にはスタッド
１０が立設され、このスタッド１０はボビン４の巻胴７
内を挿通する。内かま３の筒部１２の外周部には軌条１
３が形成され、この軌条１３は外かま２に形成された軌
溝１４に嵌り込む。内かま３の回り止め凹所１５にはミ
シンの機体に固定されている回り止め部材６６が嵌り込
み、こうして外かま２が矢符１６の方向に回転されると
き、外かま２が回転することを防ぐ。

【００１２】筒部１２には、軌条１３が形成され、この
軌条１３には上糸ループのための糸分け部２１が形成さ
れ、この軌条１３には糸抜け部２２が形成される。ボビ
ン４のフランジ８を大径として下糸巻回量を増大するた
めに、そのフランジ８の外径を大きくし、これに応じて
ボビンケース５の筒部２３の径を大きくし、これに応じ
て、内かま３の筒部１２を薄肉とする必要がある。この
筒部１２の内径を大きくして全体的に薄肉にすると、そ
の筒部１２の強度が低下してしまう。

【００１３】本発明に従えば、糸分け部２１と糸抜け部
２２との間Ｗ１における周方の部分１２ａの厚みｔ１
を、残余の部分１２ｂの厚みｔ２よりも薄くする。部分
１２ａ，１２ｂの内径はスタッド１０の軸線まわりに一
様であり、このとき部分１２ａの厚みｔ１は、その外周
部において厚みΔｔだけ残余の部分１２ｂの厚みｔ２よ
りも薄くする。上糸はこの範囲Ｗ１において存在し、そ
の部分１２ａにおいて厚みｔ１が薄くされているので、
上糸にその部分１２ａの外周面と外かま２の内周面との
間で不所望に大きな摩擦力が作用することはない。また
前記残余部分１２ｂは強度を保つために必要な厚みｔ２
を有しており、したがって筒部１２の強度が低下するこ
とはない。たとえば内かま３の筒部１２の内径２・Ｒ
は、在来の内かまの内径に比べて０．６ｍｍ増大し、前
記部分１２ａの外径を前記在来の内かまの筒部の外径と
同一とし、残余部分１２ｂの外径を前記在来の内かまの
筒部の外径よりも直径で０．６ｍｍ増加させる。

【００１４】図８は本発明のボビンケース５の分解斜視
図であり、図９はボビンケース５の組立状態を示す正面
図である。内かま３の筒部１２とボビンケース５の筒部
２３とは、周方向に沿って部分的に軸線方向（図７の左
右方向）に重なっている。内かま３の回り止め凹所１５
付近で、内かま３の筒部１２の外かま回転方向１６上流
側の端部２６と、ボビンケース５の筒部２３の外かま回
転方向１６下端側端部２７とが対向している。このボビ
ンケース５の本体２８において、上糸ループを案内して
その上糸のたるみ量を小さく制御する外向き鍔２９が形
成される。

【００１５】ボビンケース５の本体２８の内かま３開放
端側の端面上には、対向する一対の案内溝３１，３２が
案内部３３，３４によって形成される。この案内溝３
１，３２は、ボビンケース５の半径方向に平行に延びて
おり、ラッチ部材３５の両側部が、この案内溝３１，３
２に嵌り込んで、移動自在である。ラッチ部材３５の端
部には、屈曲して尾端３６が形成されており、この尾端
３６はボビンケース５の本体２８に形成された孔３７内
に入り込んでボビンケース５の本体２８軸線方向内方に
突出している。この孔３７はボビンケース５の半径方向
に延びる。この尾端３６は、ボビン４の開放端側に配置
された一方のフランジ８の外周部に当接して、ボビンケ
ース５にボビン４を係止させた状態で内かま３から同時
に取出すための働きをする。

【００１６】ラッチ部材３５の尾端３６とは反対側の端
部には、ヒンジ３８を形成するための挿通孔３９が、こ
のラッチ部材３５の一部分を弯曲して形成される。操作
片４０の端部には、ヒンジ３８を構成するための挿通孔
４１が、この操作片４０を弯曲することによって形成さ
れる。ヒンジピン４２は、ラッチ部材３５の一方の挿通
孔３９から操作片４０の挿通孔４１を通り、他方の挿通
孔３９に挿通し、こうしてラッチ部材３５と操作片４０
とが、ヒンジピン４２の軸線まわりに角変位可能に連結
される。ラッチ部材３５には、外側方に突出したばね受
け片４３が形成される。ヒンジピン４２の挿通孔３９，
４１は、支持部４４，４５に形成される。ラッチ部材３
５にはまた、その長手方向に沿ってラッチ孔４６が形成
されている。このラッチ孔４６の端部４６ａは、スタッ
ド１０の先端に形成された小径部４７側に係止してラッ
チ状態とされ、またこのラッチ状態が、ラッチ部材３５
の移動によって解除される。

【００１７】案内部３３によって形成される案内溝３１
は、ボビンケース５の一直径線４８に平行である。案内
部３４は、前記孔３７寄りの部分３４ａとこの孔３７か
ら遠去かった部分３４ｂとを有し、これに対応して案内
溝３２は、孔３７寄りの部分３２ａとこの孔３７から遠
去かった部分３２ｂとを有する。案内溝３２ａ，３２ｂ
には段差５０が形成されている。

【００１８】図１０は、図９の切断面線Ｘ−Ｘから見た
断面図である。案内溝３２ａ内にはコイルばね５１が装
入されており、このばね５１の一端部は段差５０に当接
し、他端部はばね受け片４３に当接し、こうしてばね５
１によってラッチ部材３５が図９（１）および図９
（２）の矢符５２の方向に、すなわちボビンケース５の
本体２８の半径方向外方にばね付勢される。案内部３４
の孔３７寄りの部分３４ａは、もう１つの案内溝３１か
ら離間するように外側方（図９（１）および図９（２）
の下方）に凹ませてすなわち遠去かるように形成されて
いる。

【００１９】ラッチ部材３５をボビンケース５の本体２
８に装着するにあたっては、このラッチ部材３５の側部
を案内溝３１に、図１１に示されるようにして入り込ま
せ、尾端３６が孔３７に対応して位置した状態で、ラッ
チ部材３５を矢符５３の方向に角変位する。これによっ
てラッチ部材３５は図９（１）および図１０の状態とな
る。この状態で、ラッチ部材３５のばね受け片４３を含
む側部が、案内溝３２から露出している。

【００２０】操作片４０の端部にはカム部５４が形成さ
れており、このカム部５４は、操作片４０を矢符５７ａ
方向に角変位させたときに、図１２（１）で示されるよ
うにラッチ部材３５を、図１２（１）の矢符５５の方向
にばね５１のばね力に抗して引張る。これによって図１
２（２）で示されるようにカム部５４が、ボビンケース
５の本体２８に形成された作動孔５６にきた状態で、内
かま３にボビン４が収納されたボビンケース５を装着す
ることによって、スタッド１０の球面状の先端８０にラ
ッチ部材３５の端部４６ａが当接して押圧され、ラッチ
部材３５だけが矢符５５ａ方向に変位してスタッド１０
の小径部４７に嵌り込む。こうして内かま３にボビン４
を収納したボビンケース５が係止され、抜け出しが防止
される。操作片４０は矢符５７の方向に角変位する。ば
ね５１は常に操作片４０を矢符５７の方向に角変位する
力を与える。したがって図１２（１）の状態では、図９
（２）で示されるように、ばね受け片４３は案内溝部分
３２ａ内にあり、またラッチ部材３５の側部は案内溝部
分３２ｂ内にあり、さらにまたラッチ部材３５の他方の
側部は案内溝３１内にあり、こうしてラッチ部材３５は
案内溝３１，３２に沿って案内して移動可能である。操
作片４０から手を離すと、操作片４０は前記ばね５１の
ばね力によって矢符５７の方向に角変位して図１２
（３）の状態から図１２（４）のように角変位し、ラッ
チ部材３５のラッチ孔４６の端部４６ａがスタッド１０
の小径の係止部４７に係止して、ラッチ状態とされる。

【００２１】ボビンケース５内にボビン４を収納した図
１２（３）の状態で、操作片４０を前述の矢符５７と逆
方向５７ａに起立させると、カム部５４は作動孔５６の
端部５６ａに当接してラッチ部材３５は矢符５９の方向
に変位し、これによって尾端３６はボビン４のフランジ
８を半径方向内方に押圧して把持し、このときラッチ孔
４６の端部４６ａはスタッド１０から離れる。したがっ
て図１２（３）の状態でボビンケース５を矢符６０の方
向に引張ることによって、ボビンケース５をボビン４と
ともに内かま３から取出すことができる。

【００２２】ラッチ部材３５にはストッパ６２が形成さ
れており、このストッパ６２が孔３７の端部３７ａに当
接することによって、ラッチ部材３５の矢符５９方向の
変位が制限される。

【００２３】図１３は内かま３とボビンケース５の一部
を示す斜視図であり、図１４は内かま３にボビンケース
５を収納した状態を示す正面図である。内かま３の回り
止め凹所１５付近で、内かま筒部１２の端部２６とボビ
ンケース５の筒部２３の端部２７とは、前述のように対
向している。図１４に明らかに示されるようにこの内か
ま３の筒部１２の端部２６は、ボビンケース５の筒部２
３の端部２７よりも、内かま３の半径方向外方、したが
って端部２６と端部２７との間に段差ｄ１が形成され
る。

【００２４】図１５は、この端部２６，２７付近の拡大
した正面図である。外かま２が回転方向１６に回転され
るとき、上糸ループは図１４の参照符６３で示される状
態となっており、このとき外向き鍔２９によって案内さ
れて、その上糸ループのたるみが小さくなるように制御
される。上糸ループ６３が図示しない天秤の上昇動作に
よって引上げられて参照符６４で示される状態であると
き、この上糸は外向き鍔２９の外周面を経て、端部２
６，２７付近で露出している端部２６の一部分２６ａに
当接して、一旦、引掛かる。この状態で、上糸６４が天
秤によってさらに引張られるとき、内かま３の回り止め
凹所１５と回り止め部材６６との間をその上糸が通過す
る。このようにして、特に外かま２が低速で回転してい
るとき、上糸ループ１４が一旦、端部２６の一部分２６
ａに引掛かった後に、その上糸６４が回り止め凹所１５
と回り止め部材６６との当接する部分の間を通り抜ける
ので、その通り抜ける際の動作が円滑に行われ、上糸が
その他の部分に接触したり引掛かったりすることがな
く、上糸の張力が安定化され、縫製性能を向上すること
ができる。この端部２６，２７は、内かま３の一直径線
方向４８（前述の図８参照）に平行である。

【００２５】本発明の他の実施例として、図１６に示さ
れるように、内かま３に形成される端部２６ｂは、半径
方向外方になるにつれて回り止め凹所１５寄りに傾斜し
た形状とされていてもよく、これによって上糸６７は円
滑に矢符６８のようにその端部２６ｂを通って引張ら
れ、このときその上糸は回り止め凹所１５と回り止め部
材６６との間を円滑に通過することができる。

【００２６】図１７はボビンケース５の一部を示す平面
図であり、図１８は図１７のＸＶＩＩＩ−ＸＶＩＩＩか
ら見た断面図である。これらの図面を参照して、ボビン
ケース５の筒部２３の端部付近には下糸調子ばね７０が
ボルト７０ａによって固定されており、ばね力調整用の
ボルト７０ｂはその筒部２３に螺合して、下糸調子ばね
７０の筒部２３への弾発力を調整することができる。筒
部２３の端部２７には逃がし凹所７１が形成される。筒
部２３には下糸７３が通過する下糸供給孔７４が形成さ
れており、この下糸７３は逃がし凹所７１の端部７５に
おいて下糸調子ばね７０によって弾発的に押圧される。
外かま２には剣先７６が設けられている。この剣先７６
の軌跡は参照符７７で示されるとおりである。ボビンケ
ース５が内かま３に収納され、この内かま３は外かま２
に収納されており、この状態において、下糸７３は前述
のように逃がし凹所７１で隅部７５に下糸調子ばね７０
によって押付けられているので、この下糸７３の被縫製
物の部分７８は、剣先７６の軌跡７６よりも内かま３の
開放端側（図１７の上方）にある。したがって下糸７３
の部分７８が剣先７６によって誤って捉えられてしまう
おそれがない。

【００２７】図１９は、この下糸調子ばね７０とその付
近の分解斜視図である。下糸調子ばね７０には、下糸の
ための突片７９が形成されている。この突片７９は下糸
７８がボビンケース５の筒部２３と下糸調子ばね７０と
の間の隙間に入込んでしまうことを防ぐ。このことによ
ってもまた、剣先７６によってその下糸７３の部分７８
が剣先７６によって捕捉されてしまうことを防ぎ、また
下糸７３の円滑な供給を可能にし、このことによっても
また糸玉の発生を防いで縫製性能の向上を図ることがで
きる。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ボビンケ
ースの内径を大きくして下糸巻回量の増大を図るのは勿
論、このボビンケースに、屈曲した尾端を備えるラッチ
部材をボビンケースの半径方向に移動してそのボビンケ
ースに形成されている案内溝に円滑に装着して組立てる
ことが可能となる。

【００２９】しかも本発明によれば、ラッチ部材の外側
方に突出してばね受け片は、前記一方案内溝に嵌り込ん
で移動することができ、したがってラッチ部材は安定に
案内溝に沿って移動することができる。さらに本発明に
よれば、ボビンケースの内径を大きくして下糸巻回量の
増大を図るのは勿論、外向き鍔によって縫製性能の向上
を図ることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の分解斜視図である。

【図２】内かま３の正面図である。

【図３】内かま３の背面図である。

【図４】内かま３の側面図である。

【図５】内かま３の平面図である。

【図６】内かま３の図５における切断面線ＶＩ−ＶＩか
ら見た断面図である。

【図７】本件垂直全回転かまの縦断面図である。

【図８】ボビンケース５の分解斜視図である。

【図９】ボビンケース５の組立状態を示す正面図であ
る。

【図１０】図９における切断面線Ｘ−Ｘから見た断面図
である。

【図１１】ラッチ部材３５を案内溝３１，３２に入れる
ための状態を示す断面図である。

【図１２】このラッチ部材３５の組立手順を示す図であ
る。

【図１３】内かま３の筒部１２の端部２６と、ボビンケ
ース５の筒部２３の端部２７付近の分解斜視図である。

【図１４】ボビンケース５を内かま３に装着した状態を
示す正面図である。

【図１５】筒部１２，２３の端部２６，２７付近の一部
の正面図である。

【図１６】本発明の他の実施例の一部の正面図である。

【図１７】ボビンケース５の端部２７付近の平面図であ
る。

【図１８】図１７の切断面線ＸＶＩＩＩ−ＸＶＩＩＩか
ら見た断面図である。

【図１９】下糸調子ばね７０付近の分解斜視図である。

【符号の説明】

２ 外かま ３ 内かま ４ ボビン ５ ボビンケース ７ 巻胴 ８ フランジ １０ スタッド １５ 回り止め凹所 １２，２３ 筒部 ２２ 糸抜け部 ２８ ボビンケース本体 ２９ 外向き鍔 ３１，３２ 案内溝 ３３，３４ 案内部 ３５ ラッチ部材 ３６ 尾端 ４０ 操作片 ４３ ばね受け片 ６２ ストッパ ７０ 下糸調子ばね ７１ 逃がし凹所 ７３ 下糸 ７６ 剣先

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボビンケースに、ラッチ部材の両側部
   を、ボビンケースの対向する一対の案内溝に沿って案内
   して、ラッチ部材をボビンケースの半径方向に移動自在
   に設け、これによって内かまのスタッドの先端部に、ラ
   ッチ部材を係止してラッチ可能とし、またラッチ部材か
   ら屈曲して形成された尾端が、ラッチが解除されている
   状態で、ボビンケースの筒部に形成された上糸ループを
   案内する外向き鍔に形成された孔を挿通してボビンのフ
   ランジを把持し、 ラッチ部材は、外側方に突出したばね受け片を有し、こ
   のばね受け片と内かまとの間に、ラッチ部材を半径方向
   外方にばね付勢するばねを設けた全回転かまにおいて、 ボビンケースの一対の案内溝のうち、前記ばね受け片４
   ３側の一方の案内溝３２を形成する案内部の前記孔３７
   寄りの部分３４ａを、尾端３６が前記孔３７に嵌り込ん
   だ状態で、ラッチ部材のばね受け片を側部が前記一方案
   内溝３２から露出する位置で他方の案内溝３１から離間
   して外側方に遠去かるように形成し、 内かまの筒部とボビンケースの筒部とを軸線方向に沿っ
   て部分的に、軸線方向に重ね、 ボビンケース５の筒部２３には、外向き鍔２９を形成
   し、 内かま３の筒部１２の外かま回転方向１６上流側の第１
   端部２６と、 上糸ループを案内する外向き鍔２９に連なり、ボビンケ
   ース５の筒部２３の外かま回転方向１６下流側の第２端
   部２７とが、対向し、 第１および第２端部２６，２７の対向する面は、内かま
   ３の一直径線方向４８に平行であり、 第１端部２６は、第２端部２７よりも、内かま３の半径
   方向外方に段差ｄ１を形成することを特徴とする全回転
   かま。