JP2648425B2 - 転炉出鋼時の流出スラグ量の制御方法 - Google Patents
転炉出鋼時の流出スラグ量の制御方法Info
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Description
鋼の保温及び冶金特性の悪化防止にスラグを役立てるた
め、転炉から流出するスラグ量を制御する方法に関す
る。
から不可避的に流出するスラグは、その流出量のコント
ロールが困難であり、さらにスラグ中には、例えば低炭
素鋼の場合で15〜20wt%(トータル鉄換算)の酸化鉄を
含有することから、次工程において取鍋内溶鋼の温度降
下量がばらついたり、酸化鉄に起因する溶鋼中酸素濃度
の上昇、ひいては鋳片製造時の介在物欠陥が多発してい
た。
より鋳片欠陥を最小とする手法が、特開昭52-72309号お
よび同57-47814号各公報にて提案された。しかしなが
ら、これらの手法は、溶鋼の保温を犠牲にしなくてはな
らないところに問題があった。すなわち、特に高清浄度
鋼の鋳造においては、モールドパウダーの巻込み防止や
ノズル詰まり防止用に導入されるAr気泡の浮上分離促
進のため、時間当たりの鋳造量が規制されることが一般
的であり、鋳造時間は例えば通常の300t/チャージの鋳
造能力のスラグ連鋳機で40〜60分間と長くなることか
ら、溶鋼温度の低下は不可避であり、溶鋼の保温は不可
欠になる。
に蓋をしたり、タンディッシュに加熱手段を設けたりし
ているが、タンディッシュ加熱は設備費が高く、またタ
ンディッシュ上は設備スペースとして充分でなく、他の
測温およびサンプリング設備の設置や人手によるこれら
作業を阻害する不利がある。
流入するスラグ量を制御し、一定量のスラグによる溶鋼
面の保温効果により、溶鋼の温度降下を抑制し、またス
ラグ中のトータル鉄の悪影響を次工程で問題とならない
程度の量に正確にコントロールし得る、スラグ量制御方
法について、提案することを目的とする。
グの区別認識手段を有する、転炉から、取鍋内に出鋼す
るに当たり、出鋼末期の出鋼孔におけるスラグの流出開
始を起点とする経過時間により、転炉から流出したスラ
グ量を算出し、該流出スラグ量が、取鍋内の溶鋼面上に
必要とする厚みのスラグ層を形成するに足る量に達した
時点で、直ちに出鋼作業を停止することを特徴とする転
炉出鋼時の流出スラグ量の制御方法である。
のスラグ層厚が50mm〜80mmとなる範囲に調節すること、
さらに出鋼炭素濃度によりスラグ層厚の目標値を調節す
ることが、実施に当たり、とりわけ有利である。
明を詳しく説明する。同図において、符号1は転炉であ
り、この転炉1内の溶鋼2およびスラグ3は、出鋼孔4
から取鍋5へ出鋼される。また、転炉1の出鋼孔4には
スラグ比率検出器6を設置し、この孔4を通る流体(初
期は溶鋼で、徐々にスラグが混入してくる)中に占める
スラグ3の比率を検出する。この検出結果は、スラグ流
出量演算装置7に入力され、ここでスラグ3の比率とス
ラグ3の流出開始からの経過時間とから、出鋼孔4を通
って取鍋5へ流入したスラグ量を算出し、このスラグ量
が所定値に達し、すなわち取鍋5内のスラグ層3aが適切
な厚みに達した時点で、スラグストッパ8に信号を送っ
て作動させ、スラグストッパ8によって出鋼孔4を塞い
で、スラグの流出を停止する。
磁センサ計を利用するものが、有利に適合する。出鋼孔
の外周に2つのコイルを対向させて設置し、1 つのコイ
ルに磁界を発生させると、2つめのコイルでその磁界を
基に誘導起電力が発生する。トランスにたとえると、鉄
芯に相当するのが出鋼孔を通過する溶鋼とスラグであ
る。鉄芯に1次コイルによって渦電流が発生する程度の
差は2次コイルの誘導起電力に反映される。すなわち、
スラグには溶鋼に比べて渦電流が発生しにくく、磁力エ
ネルギーの損失が少ないことから、2次コイルの起電力
にその微侯が現れるのをもってスラグを検知するのが検
出原理である。この起電力の変化は溶鋼へのスラグの混
入割合(体積割合)に応じて単調であるため、起電力変
化からスラグ混入割合を算出できる。
まず、取鍋中の溶鋼の温度降下について、サイクリック
に循環使用する、受鋼直前の鍋における内張り耐火物温
度が 800℃程度である、一般的な取鍋を対象に調査し
た。すなわち、取鍋溶鋼の測温結果から、出鋼時の温度
降下を除いた、溶鋼の温度降下量は、1.0 〜1.7 ℃/mi
n 程度であることが判明した。なお、この温度降下量
は、取鍋スラグを完全にノロ掻きした状態で、さらに輸
送中に蓋を被せない場合のものである。また同様の条件
で測温可能な小孔のあいた蓋を設置した場合は、0.9 〜
1.1 ℃/min の温度降下量であった。
変化させたときの温度降下量について調べた結果を図2
に示す。同図から、スラグ厚みの上昇とともに温度降下
量は減少し、スラブ厚み50mm以上では温度降下量は0.4
〜0.6 ℃/min と一定になり、これ以上増加させても目
立った変化はなかった。
で安定するように出鋼時の鋼中C濃度を0.04〜0.66wt%
に制御し、鋼中の酸素濃度の上昇量とスラグ厚との関係
について調査した結果を、図2に併記する。同図から、
スラグ厚み80mmまでは、酸素濃度の上昇は5ppm 程度で
あり、鋳片品質には何ら悪影響を及ぼさないことが判
る。さらに、出鋼C濃度を 0.1〜0.12wt%とした場合
は、スラグ中のトータル鉄濃度が7〜8wt%となり、ス
ラグ厚み 100mmまでは酸素濃度の上昇が5ppm 以下であ
った。そして、スラグ厚みが100mm の場合、同80mmの場
合と比べて、温度降下量をさらに0.05℃/min ほど縮小
することができる。
正範囲にすることによって、鋳片品質に何ら悪影響を及
ぼさずに、溶鋼の温度降下を抑制し得ることが、新たに
判明した。そこで、取鍋内に流入するスラグ量の制御に
ついて検討するため、図1に示したように、転炉出鋼孔
に電磁センサー計を設置して、磁界の変化による、スラ
グと溶鋼の判別手段を適用したところ、図3に示すよう
な波形が得られ、磁界の強さを起電力換算した値と出鋼
孔を通る流体中のスラグの体積比との間には相関がみと
められ、従って出鋼孔を通る流体中にスラグが混入した
ときからの経過時間を組み合わせて演算することによ
り、転炉から流出し取鍋内に流入したスラグ量を把握で
きることがわかった。なお、当該出鋼での流出スラグ量
は、前回の出鋼時のスラグ量と比較して補正を加えるこ
とで、より高精度のスラグ量制御が可能となる。
への悪影響をそれぞれ防止し得るスラグ量の制御方法を
導くに到ったのである。
し、副原料を投入しつつ吹練を行った。このとき、生成
スラグ量を一定にするため、溶製目標成分を同じにし、
溶銑成分も一定とした。なお、吹止め炭素濃度は0.06±
0.005 %に制御した。次いで、図1に示したところに従
って出鋼を行い、出鋼末期において転炉から流出するス
ラグ量を、取鍋スラグ厚みが60mm±5mmとなるように制
御した。なお、実施にあたり、出鋼孔の孔径が同一とな
りうる範囲でスラグの検出を行い、溶鋼および溶鋼スラ
グの混在物の流出速度の算出を簡便化した。また比較と
して、目視によるスラグ流出判定を行って、適当と判断
した時点で出鋼を停止する方法、さらに湯のこし出鋼を
行う方法についても、実施した。それぞれの方法による
出鋼を、各々50チャージづつ行った。
炉内スラグを採取し、スラグ中のトータル鉄を測定し、
また溶鋼温度降下量は受鋼直前の取鍋内耐火物表面温度
を 750℃〜800 ℃に揃えた鍋を使用した上で、出鋼完了
5分後と30分後に測温を実施した。ここで、出鋼から鋳
造までの間でかつ測温前に全チャージにおいて、アルゴ
ンガスバブリングを5分間同一流量で行った。さらに、
溶鋼中の酸素濃度も、測温時にサンプルを採取して分析
し、その差を酸素上昇量とした。一方、製品品質は、連
鋳後スラブを冷延工程まで通した後、Al2O3 起因のヘゲ
の個数(一定幅で長さ10m当たり)を調べて評価した。
これらの評価結果を、表1に示す。
程度余計に低下しているが、この発明の方法における溶
鋼温度降下量は、比較のスラグ厚みが厚い例と比べて大
差はなく、そのばらつきも少ないことがわかる。同様
に、この発明の方法における酸素濃度上昇量は、比較の
スラグ厚みが薄い例と差がなく、そのばらつきも少な
い。特に、比較例のスラグ厚みの少ない場合は、温度降
下のため 230t全量の鋳造が不可能であった。
を生じた。スラグ厚みの少ない比較例では、温度降下の
ため、溶鋼中のAlとOの平衡がくずれ欠陥が増加した。
これに対して、この発明ではヘゲが2コ/10m発生した
チャージが1つあるが、その他のチャージにおいてヘゲ
の発生はなかった。一方、スラグ厚みの厚い比較例にお
けるスラグ厚のばらつきから、50mm未満や80mmをこえる
厚みとなる、スラグ量では鋳片品質が低下することもわ
かる。
は、スラグ厚みを50mmに制御することでトータル鉄濃度
が上昇して約20%となったとしても、上記と同様の結果
が得られる。
ラグ量を制御して取鍋内のスラグ厚みを適正化できるた
め、溶鋼温度降下を防止すること、および溶鋼中酸素濃
度の上昇量を製品欠陥を発生しないレベルに維持するこ
と、が可能となる。また、出鋼後のスラグ改質を行う場
合、スラグ中のトータル鉄量が一定となるので改質剤の
余剰投与を回避でき、コスト低減効果が期待できる。さ
らに、スラグ量を制御する手段を転炉に具備させ得るた
め、作業者の作業負荷の軽減も達成できる。
量との関係図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 出鋼孔を通る溶鋼およびスラグの区別認
識手段を有する、転炉から、取鍋内に出鋼するに当た
り、出鋼末期の出鋼孔におけるスラグの流出開始を起点
とする経過時間により、転炉から流出したスラグ量を算
出し、該流出スラグ量が、取鍋内の溶鋼面上に必要とす
る厚みのスラグ層を形成するに足る量に達した時点で、
直ちに出鋼作業を停止することを特徴とする転炉出鋼時
の流出スラグ量の制御方法。 - 【請求項2】 流出スラグ量を、取鍋内の溶鋼面上のス
ラグ層厚が50mm〜80mmとなる範囲に調節する請求項1記
載の方法。 - 【請求項3】 出鋼炭素濃度によりスラグ層厚の目標値
を調節する請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30537292A JP2648425B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 転炉出鋼時の流出スラグ量の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30537292A JP2648425B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 転炉出鋼時の流出スラグ量の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06145757A JPH06145757A (ja) | 1994-05-27 |
JP2648425B2 true JP2648425B2 (ja) | 1997-08-27 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30537292A Expired - Fee Related JP2648425B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 転炉出鋼時の流出スラグ量の制御方法 |
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JP (1) | JP2648425B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN103185460B (zh) * | 2011-12-27 | 2015-11-11 | 衡阳镭目科技有限责任公司 | 一种炼钢炉导渣方法及系统 |
-
1992
- 1992-11-16 JP JP30537292A patent/JP2648425B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06145757A (ja) | 1994-05-27 |
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