JP2648424B2 - 磁気特性の優れた方向性けい素薄鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた方向性けい素薄鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁束密度の高い方向
性けい素鋼板の製造方法に関し、特に鋼板板厚の薄い製
品であっても優れた磁気特性を安定してそなえることの
できる製造技術に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】方向性けい素鋼板には、磁気特性とし
て、磁束密度が高いこと並びに鉄損が低いことが要求さ
れる。近年、製造技術の進歩により、例えば板厚0.23mm
の鋼板では、磁束密度B8 (磁化力800A/mにおける値)
が1.92 Tのものが得られ、また鉄損特性W17/50(50Hzで
1.7 T の最大磁化の時の値) が0.90W/kgの如き優れた製
品の工業的規模での生産も可能となっている。
【0003】かかる優れた磁気特性を有する材料は、鉄
の磁化容易軸である<001>方位が鋼板の圧延方向に
高度に揃った結晶組織を有するものであり、かような集
合組織は、方向性けい素鋼板の製造工程中、最終仕上げ
焼鈍の際にいわゆるゴス方位と称される(110)〔0
01〕方位の結晶粒を優先的に巨大成長させる、2次再
結晶を通じて形成される。
【0004】この(110)〔001〕方位の2次再結
晶粒を十分に成長させるための基本的な要件として、2
次再結晶過程で(110)〔001〕方位以外の好まし
くない方位を有する結晶粒の成長を抑制するインヒビタ
ーの存在と、(110)〔001〕方位の2次再結晶粒
が十分に発達するのに好適な1次再結晶組織の形成とが
不可欠であることは周知の事実である。
【0005】上記インヒビターとしては、一般にMnS,
MnSe,AlN等の微細析出物が利用され、さらにこれらに
加えて特公昭51-13469号公報や特公昭54-32412号公報に
開示された如くSb, Snなどの粒界偏析型の元素を複合添
加してインヒビターの効果を補強することが行われてい
る。
【0006】ここにおいて、MnSやMnSeを主要インヒビ
ターとするものは、一般に2次再結晶粒径が小さいの
で、鉄損の低下に有利であったが、近年、レーザー照射
法やプラズマジェット法など、人工的に擬似粒界を導入
し、磁区細分化が図れるようになって以来、2次再結晶
粒径が小さいことによる優位性を失い、磁束密度が高い
ことが指向されるようになった。
【0007】磁束密度の高い方向性けい素鋼板を得る方
法は古くから知られており、例えば、特公昭46-23820号
公報に記載されているように 鋼中にインヒビター成分としてAlを含有させる。 最終冷延前の焼鈍の冷却を急冷にしてAlN を析出させ
る。 最終冷延の圧下率を80〜95%の高圧下率とする。 以上3点の結合により製造できるとされている。しかし
ながらこの方法においては、製品の板厚が薄くなると磁
束密度が急激に劣化するという欠点が残されていて、近
年指向されているような例えば0.23mm以下の板厚の製品
では、B8 が1.92 T以上でかつ極低鉄損であるものを安
定して製造することが極めて困難であった。
【0008】板厚の薄い方向性けい素鋼板の磁気特性を
安定化させる手法としては、冷延2回法の工程を採用す
る方法がある。この冷延2回法を、前述したようなAlN
を主インヒビターとする方向性けい素鋼に適用した技術
として例えば、特公昭45-28101号公報、特公昭46-23820
号公報、特公昭48-3929 号公報、特開昭50-99914号公報
に開示されたものが挙げられるが、これらの技術はいず
れも、厚さが0.30mm以上の鋼板を製造したものであっ
て、0.23mm以下といった、より鋼板板厚の薄い製品に対
する検討はなされていない。
【0009】板厚0.23mm以下でかつAlN を主インヒビタ
ーとする方向性けい素鋼板に、冷延2回法を適用した技
術が特開昭59-126722 号公報にて提案されているが、こ
の技術で得られる鋼板の磁気特性はまだ十分なものでは
なく、さらなる向上が望まれていた。ここに、Journal
of Applied Physics Vol.63 No.8 (1988年) の2971〜29
73頁において、7mil(0.18mm) の厚みの方向性けい素鋼
板の製造に関し、冷延1回法よりも、冷延2回法で製造
するほうが安定して磁気特性が向上すること、さらに冷
延2回法においても、熱延板焼鈍を施したほうが磁気特
性に優れていることが報告されている。この点、前掲特
開昭59-126722 号公報の技術は、熱延板焼鈍を行わない
冷延2回法の技術であるために磁気特性として十分なも
のが得られなかったわけである。
【0010】熱延板焼鈍を行う冷延2回法の技術は米国
特許第3632456 号(1972 年4月4日)に開示がある。こ
の文献において、750 ℃から1200℃で30秒間から10分間
の熱延板焼鈍を伴う冷延2回法によって7mil(0.18mm)
以下の薄い方向性けい素鋼板においても良好な磁気特性
が得られることが明記されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな技術によって得られた方向性けい素薄鋼板であって
も磁気特性は、鉄損特性が十分でなく、しかも安定して
良好なものが得られるとは言えないのが現状であった。
例えば、熱延コイルにおける先端部、中央部、尾端部で
磁気特性が大幅に変動する現象が生じたのである。この
磁気特性の変動の主な原因は、コイル位置による熱間圧
延後のインヒビターの析出状態の差異から、熱延板焼鈍
及び冷間圧延時の中間焼鈍といった、高温での焼鈍が2
回も冷間圧延工程を終えるまでに存在するため、これら
の高温熱処理によってインヒビターが凝集し、オストワ
ルド成長をおこし易く、インヒビターの機能が劣化して
磁気特性が不安定になることが考えられる。
【0012】この発明は、かかる問題点を有利に解決す
るもので、薄鋼板であっても磁気特性の向上と安定化と
を図ることのできる方向性けい素鋼板の製造技術を提案
することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者らは、前記問題点
を解決すべく熱延板焼鈍の必要性について鋭意検討を加
えた結果、本来、熱延板焼鈍によって制御されるべきも
のは、セメンタイトのサイズであって、熱延組織が再結
晶するのは好ましくないことを発見した。すなわち、熱
間圧延後の鋼板には、板厚方向で表層より1/10板厚付近
に、将来、2次再結晶の核となるべきゴス方位の延伸α
粒が存在する。一方、板厚中央部には、非変態鋼特有の
(100)系の繊維状集合組織が存在することよく知ら
れている。この板厚中央部の(100)系繊維状組織は
再結晶が困難で、後工程まで残存し易く、これが残存し
た場合は、2次再結晶粒の成長を停止させるので、2次
再結晶不良となって、製品の磁気特性を極端に劣化させ
る。この(100)系繊維状組織を破壊するには、圧延
・再結晶をさせれば良いことが知られており、そのため
に冷延1回法よりも熱延板焼鈍なし冷延2回法(中間焼
鈍あり)が、さらに熱延板焼鈍なし冷延2回法よりも熱
延板焼鈍冷延2回法の方が磁気特性が安定する結果とな
ったわけである。したがって従来、熱延板焼鈍の温度は
高温で再結晶させる方が好ましく、前述のJournal of A
pplied Physicsに開示された技術では1120℃で2分間、
米国特許第3632456 号に開示された技術では、750 ℃か
ら1200℃で30秒間から10分間の範囲と定められている。
【0014】しかるに発明者らは従来と全く発想を逆に
し、熱延板に熱処理を加える場合でも、むしろ再結晶さ
せない方が磁気特性が向上することを新たに見出した。
この理由を詳細に調査した結果、従来のように熱延板を
高温で熱処理して再結晶させる方法では、表層部板厚1/
10層に存在するゴス方位も低減してしまうこと、及び既
に述べたとおり繰返し熱処理によるインヒビターの粗大
化が生じて、抑制力の低下を招くためであり、熱延板へ
の熱処理は、むしろ再結晶させない程度の低温が好まし
いことがわかった。
【0015】しかしながら、低温で熱延板を熱処理した
場合は、板厚中心層の(100)繊維状組織を破壊する
ことが困難になるいとう問題が残ってしまう。
【0016】そこで発明者は、この問題を解決する手段
として、鋼中の炭化物のサイズをミクロン程度に調整す
ることが有利に働くことを見出した。すなわち、熱延板
の熱処理後にミクロン程度に調整された炭化物が鋼中央
部に存在する場合は、その後の第1回目の圧延により炭
化物の周囲に高密度の歪が蓄積されて、中間焼鈍の際に
炭化物の周囲の高密度の歪蓄積部位からランダム方位の
粒が再結晶し、結果的に板厚中心層の(100)繊維状
組織が破壊されるのである。
【0017】この際、板厚中央部で粗粒の炭化物が、表
層部で細粒の炭化物が生成する傾向をもつことが、表層
部のゴス方位結晶粒の破壊を防ぐのに有利に作用する。
これは熱間圧延における表層の脱炭、および熱延板の熱
処理後の冷却時における板厚表層部と中央部とでの冷却
速度の差異によって可能になるものである。
【0018】発明者らは、かかる熱延板の熱処理(以
後、炭化物調整熱処理と呼称する)によってミクロン程
度の炭化物を板厚中央部に析出させる方法をさらに鋭意
研究した結果、熱間圧延の終了温度とコイル巻取温度が
重要であることがわかった。すなわち、炭化物調整熱処
理においてまず、溶解しやすい炭化物を熱延板の段階で
生成させておく必要がある。このためには、熱間圧延の
終了温度を850 ℃以上とし、その後急冷し600 ℃以下の
温度で巻き取ることが必要である。この条件から外れる
と、いずれも炭化物の過剰な粗大化を招き、炭化物調整
処理での炭化物の調整が困難になる。さらに炭化物調整
熱処理としては650 〜900 ℃の温度で2秒間から10秒間
が炭化物の大きさを調整するのに必要である。
【0019】さらに、炭化物のサイズをより厳密に制御
するには炭化物調整熱処理の冷却条件を制御する方法が
ある。この方法には3種類あり、ひとつは、15℃/s以上
の冷却速度で冷却する方法であり、他のひとつは、25℃
/s以上の速度で500 ℃以下300 ℃以上のある温度まで急
冷し、かかる温度において、a)5〜20秒間保持するか、
b)1.5 ℃/s以下の冷却速度で5〜20秒間徐冷した後、急
冷する方法である。第3の方法は、600 ℃までを15℃/s
未満で冷却した後600 ℃以下を20℃/s以上で冷却する方
法である。このように冷却条件を制御することによって
更に磁気特性が向上することを期待できる。
【0020】さらに、インヒビターとして、SeおよびSb
を複合で含有させることが磁気特性上有利であることが
わかった。これはインヒビターとして安定なため、本質
的に冷延2回法の製造法に適しているためと思われる。
【0021】以上の発見にもとづき、方向性けい素薄鋼
板の製造において、極めて高い磁束密度が安定して得ら
れる方法を開発し、この発明を完成させたものである。
すなわち、この発明の要旨構成は、C:0.03〜0.09wt%
(以下単に%と記す) 、Si:2.5 〜4.5 %及びAl:0.01
〜0.04%を含有するけい素鋼スラブに熱間圧延を施した
後、第1回目の冷間圧延を施し、次いで中間焼鈍、引き
続いて第2回目の冷間圧延を圧下率80〜95%の強圧延で
行って最終板厚0.23〜0.10mmに仕上げ、その後脱炭焼鈍
を施し、焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上焼鈍を施す
方向性けい素鋼板の製造方法において、上記熱間圧延を
850 ℃以上で終了し、直ちに冷却して600 ℃以下で巻き
取った後、第1回目の冷間圧延に先立って、650 〜900
℃の温度範囲で2〜10秒間均熱する炭化物調整熱処理を
施すことを特徴とする磁気特性の優れた方向性けい素薄
鋼板の製造方法である。
【0022】ここに、上記炭化物調整熱処理の冷却
を、冷却速度15℃/s以上で行うこと、上記炭化物調整
熱処理の冷却に際し、500 ℃〜300 ℃の温度までは冷却
速度25℃/s以上で冷却し、この範囲の温度にて保持を5
〜20秒間又は冷却速度1.5 ℃/s以下での徐冷を5〜20秒
間行った後、急冷すること、上記炭化物調整熱処理の
冷却を、600 ℃に達するまでは15℃/s未満、600 ℃以下
では20℃/s以上の冷却速度で行うこと、が、より好まし
い。
【0023】
【作用】この発明における方向性けい素鋼板の成分組成
について説明する。 C:0.03〜0.09%、 Cは、前述の説明のように炭化物を形成して、熱間圧延
組織の改善のために必要な成分であり、0.03%以上の含
有を必要とするが、0.09%を超えると脱炭が困難となる
ので、0.03〜0.09%の範囲とする。 Si:2.5 〜4.5 % Siはあまり少ないと電気抵抗が小さくなって良好な鉄損
特性が得られないために2.5 %以上を含有させるものと
し、一方4.5 %を超えて含有すると冷間圧延が困難にな
るので2.5 〜4.5 %の範囲とする。 Al:0.01〜0.04% AlはインヒビターとしてAlN を析出させるために必須の
成分であり、0.01%に満たないとインヒビター量の不足
を来し、一方、0.04%を超えると粗大析出を招くので、
0.01%以上0.04%以下の範囲とする。
【0024】Mnは、インヒビター成分として利用し得る
が、多過ぎると溶体化が困難であるので、0.05%以上、
0.15%以下の範囲で含有させるのが好適である。
【0025】この他に、インヒビター成分として、S,
Se,Sb,Sn,Ge,Bi,Cu,Cr,P,B等を添加してもこ
の発明の効果を妨げない。ここで、S,Sb,Geについて
は、0.005 〜0.05%が好ましく、Seについては0.01〜0.
05%、Sn, Cr, Cuについては0.02〜0.3 %、Biについて
は0.005 〜0.02%、Pについては0.01〜0.07%以下、B
については0.0005〜0.0030%の範囲が好適である。特に
Se, Sbについては実施例に示すように、鋼中に含有させ
ることにより著しい磁気特性の向上を示す。
【0026】Nは、インヒビターAlN を生成するための
成分であるが、途中の工程においても窒化処理で含有さ
せることが可能であり、また過剰に含有させると、スラ
ブ加熱においてふくれ等のトラブルの原因となるので0.
003 %以上0.012 %以下の範囲が好ましい。さらに、熱
間脆化に起因する表面欠陥防止のために、Moを0.005 %
以上0.020%以下の範囲で添加することは好ましい。
【0027】次に製造工程について述べる。上記の成分
組成を含有する鋼は造塊−分塊圧延により又は連続鋳造
によりスラブとし、必要に応じて再圧延し、サイズを合
わせた後、加熱して熱間圧延を施す。スラブ加熱条件お
よび熱間圧延条件については、公知の製法を適用するこ
とが可能であるが、熱間圧延の終了温度を850 ℃以上と
し、かつ急冷して600 ℃以下の温度で巻取ることが必須
である。熱間圧延の終了温度が850 ℃よりも低いと、炭
化物の析出サイズを次工程の炭化物調整熱処理で調整す
ることが困難となり、また、熱延板板厚中央部の(10
0)繊維状組織も非常に発達して、炭化物調整熱処理と
それに続く第1回目の冷間圧延で破壊することが困難と
なる。熱間圧延終了後は急冷することが必要である。こ
の急冷は通常行われている熱間圧延後のクーラントによ
る水冷程度で十分であり、これによって、コイル巻取温
度を調節するこが可能となる。
【0028】コイル巻取温度は600 ℃以下に規制するこ
とが必要である。600 ℃を超える温度で巻取った場合
は、長時間のコイル徐冷によって鋼中の炭化物が過剰に
粗大化し、次工程の炭化物調整熱処理においての調整が
困難となる。
【0029】熱間圧延された後の鋼板はこの発明の最も
新規な点である炭化物調整熱処理によって鋼板板厚中央
部の炭化物のサイズをミクロン程度に調整される。この
ためには熱処理温度を650 ℃以上900 ℃以下とすること
が必要である。熱処理温度が650 ℃に満たないと炭化物
のサイズ調整に時間を有し、不適切であり一方900 ℃を
超えると鋼板表層部が再結晶を開始すること、及びイン
ヒビターの粗大化防止に不利となることより不適切であ
る。この炭化物熱処理時間は均熱時間として2秒間から
10秒間とする。均熱時間が2秒未満では炭素の拡散時間
として十分でなく、また10秒を超える場合は、900 ℃に
おいて再結晶が開始する可能性がある。
【0030】炭化物調整熱処理の雰囲気としては、その
原理からして、H2, CO等の還元性、Ar, N2, NOF 等の中
性雰囲気、湿水素, 湿窒素,大気等の酸化性のいずれも
可能であるが、酸化性雰囲気がより好ましい。
【0031】炭化物調整熱処理の冷却条件としては、急
冷の方が望ましい。冷却速度として15℃/s以上とするこ
とが、また、25℃/s以上の冷却速度で500 ℃以下300 ℃
以上の温度まで冷却し、かかる温度で5〜20秒間保持す
るか、1.5 ℃/s以下の冷却速度で5〜20秒間徐冷するこ
とが磁気特性上有利である。逆に徐冷とする場合は、60
0 ℃までを15℃/s未満の冷却速度で冷却し、しかる後、
600 ℃以下を20℃/s以上の速度で冷却することが有利と
なる。これらの冷却処理はいずれも炭化物析出サイズの
微調整に役立つものである。
【0032】なお、熱間圧延と炭化物熱処理との間に鋼
板端部コイルの耳切りを行っても良い。この耳切りは、
コイル端面のクラックを起点としたコイル破断を防ぐの
に有効である。コイル端部の耳切りをするには、コイル
温度が100 ℃前後とすることが必要であり、このため
に、熱間圧延後のコイル巻取時の余熱を利用するのが有
利である。
【0033】熱間圧延で生じるスケールを除去するため
の酸洗は、炭化物調整熱処理の前後、いずれでも良い
が、熱処理後の方がより好適である。その理由は、炭化
物調整熱処理の冷却においてミスト冷却を用いた場合に
鋼板表面の酸化が生じるため、熱処理前に酸洗をした場
合には、再び酸洗の必要が生ずるからである。
【0034】前述の炭化物調整熱処理を施した鋼板は第
1回目の冷間圧延によって中間の板厚とされる。この
際、圧延温度が高い温間圧延とする方法やパス間におけ
る時効処理を施す等の公知の技術の適用が許されること
は言うまでもない。第1回目の冷間圧延の圧下率は特に
規定はしないが、板圧中央部の再結晶を促進させるため
には25%以上が望ましい。
【0035】第1回目の冷間圧延後の鋼板は、中間焼鈍
に供される。中間焼鈍の温度、時間は、Al含有方向性け
い素鋼板の製造で公知な条件で良いが、一般には1000℃
から1200℃で30秒間から2分間が好適である。中間焼鈍
後の冷却は急冷であるが、冷却の途中で微小歪を付加し
たり、温度保持を行うなど公知の技術の適用は可能であ
る。また、窒化を促進するための窒化促進剤を中間焼鈍
前に塗布することも可能である。
【0036】中間焼鈍後の鋼板には、必要に応じて酸洗
された後、第2回目の冷間圧延に供される。第2回目の
冷間圧延は、Al含有方向性けい素鋼板製造の特徴をなす
圧下率80〜95%の強圧延によって目的とする最終板厚0.
23〜0.10mmとする。この際、圧下率が80%未満では磁束
密度の低下を招き、95%を超える場合は、2次再結晶不
良を招くので、いずれも不適切である。さらに、この
際、高温圧延やパス間時効など、公知の技術の適用はこ
の発明においても可能である。
【0037】第2回目の冷間圧延後の鋼板は、脱炭焼鈍
に供される。脱炭焼鈍としても公知のいずれの技術も適
用可能であるが、通常800 〜900 ℃で、1分間から2分
間、N2 を残部雰囲気とした湿水素雰囲気中で行われ
る。なお、この際に、雰囲気調整による窒化処理を行っ
ても良い。
【0038】脱炭焼鈍後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布
し、コイル状に巻取り、最終仕上焼鈍に供す。焼鈍分離
剤としては、MgO を主剤とし、MgSO4 ,SrSO4 ,Sr(OH)
2 ,Ti02等公知の添加剤を含有させることができる。
【0039】最終仕上焼鈍は1200℃近辺の温度で乾水素
雰囲気中に保持して行われるが、その昇温過程におい
て、2次再結晶が生じる。通常2次再結晶の雰囲気とし
ては、N2 とH2 の混合雰囲気が使用される。鋼にSbを
含有する場合は、特に2次再結晶前に一定温度で長時間
保持することが磁気特性の飛躍的向上をもたらす。
【0040】最終仕上焼鈍後の鋼板は、未反応の焼鈍分
離剤を除去した後、平坦化焼鈍に供される。通常、この
際に絶縁コーティング、特に張力コーティングが施され
て製品となるが、レーザーやプラズマその他の手法によ
って磁区細分化処理を施すことも可能であることは言う
までもない。
【0041】
【実施例】
実施例1 表1に示す鋼塊A,B,C,D,E,F,G,H,I,
J,Kの鋼スラブを用意した。
【0042】
【表1】
【0043】これらのスラブを1430℃に加熱後、2.3 mm
の厚さに熱間圧延した。この時、熱間仕上圧延終了時の
温度を先端部から尾端部にかけていずれも 950〜850 ℃
の間とし、クーラントを使用して、コイル巻取温度を 5
50〜600 ℃の間に調整した。各コイルは、700 ℃で5秒
間の炭化物調整熱処理を施し、600 ℃までを10秒間で冷
却し600 ℃から常温までを20秒間で冷却した。各コイル
は酸洗した後、1.50mmの厚みに冷間圧延し、1100℃で60
秒間の中間焼鈍を施し、320 ℃まで40℃/sの速度で冷却
した後、20秒間保持し、水冷した。さらに200 ℃の温度
において、温間圧延を施すことにより、0.22mmの厚みに
圧延した後、露点60℃,H2 55%、残部N2 の雰囲気下
で 850℃、2分間の脱炭焼鈍を施した。この後、TiO2
5%含有するMgO 焼鈍分離剤を塗布した後、コイル状に
巻取り、850 ℃までN2 雰囲気で、それ以上1200℃まで
は25%N2 と75%H2 の混合雰囲気、1200℃の温度保持
中はH2 の雰囲気下の最終仕上焼鈍を施した。その後、
平坦化焼鈍により張力コーティングを塗布した後の磁気
特性を熱延コイルの先端部、中央部、尾端部に相当する
部位ごとに表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例2 表1に示した記号Bの鋼スラブを1400℃で40分間スラブ
加熱し、熱間圧延した。このとき、熱間圧延終了温度を
各コイルの先端部から尾端部にわたり、(1)830〜800
℃、(2)850〜830 ℃、(3)870〜850 ℃、(4)890〜875
℃、(5)930〜905 ℃、(6)950〜935 ℃とし、コイル巻取
温度はすべて580 ℃とし、2.0 mmの熱延鋼帯とした。次
に、各熱延コイルを800 ℃で5秒間の炭化物調整熱処理
に供し、その際に400 ℃までは35℃/sの冷却とし、400
℃から380 ℃まで20秒間で徐冷した後、水冷した。各鋼
帯は酸洗した後、1.50mmの厚みに圧延し、1100℃で60秒
の中間焼鈍を施した。中間焼鈍の冷却はミストを用いて
40℃/sの速度で320 ℃まで急冷し、320 ℃で20秒間保持
した後、水冷した。その後、各鋼帯は180 ℃の温度で圧
延して0.22mmの板厚とし、850 ℃で2分間、50%H2
露点60℃、残部N2 のガス雰囲気下で脱炭焼鈍を行っ
た。その後、5%TiO2を含有するMgO 焼鈍分離剤を塗布
し、コイル状に巻取り、22℃/hの昇温速度で840 ℃まで
昇温し、840 ℃の温度で35時間保持した。雰囲気はこの
間N2 とした。引き続いて、25%N2 と75%H2 との混
合雰囲気によって12℃/hの昇温速度で1200℃まで昇温し
た後、H2 雰囲気下で1200℃で10時間保持した後冷却し
た。冷却に際しては700 ℃以下の温度域をN2 雰囲気と
した。最終仕上焼鈍後のコイルは未反応の焼鈍分離剤を
除去した後、平坦化焼鈍において、張力コーティングを
焼付けた。この時の磁気特性を図1に示す。
【0046】実施例3 表1に示した鋼スラブBを1410℃に加熱した後、2.0 mm
の厚さに熱間圧延した。この時熱間圧延終了温度は先端
部−尾端部で 920〜870 ℃の間に調整し、コイル巻取温
度を 520℃, 550 ℃, 600 ℃, 635 ℃, 670 ℃, 700
℃, 750 ℃と変化させた。各コイルは700 ℃で5秒間の
炭化物調整熱処理を施し、25℃/sの冷却速度で冷却した
後、酸洗した。その後、冷間圧延で1.20mmの板厚に圧延
し、1050℃で60秒の中間焼鈍を施した。中間焼鈍の冷却
はミスト冷却によって350 ℃まで40℃/sで冷却した後、
1.2 ℃/sの冷却速度で20秒間徐冷した後、水冷した。そ
の後、0.60mmまで圧延し、350 ℃で2分間の熱処理を施
した後、0.18mmの最終板厚まで圧延した。その後、820
℃で2分間、55%H2 ,露点57℃の湿水素雰囲気におい
て脱炭焼鈍を施し、TiO2を5%、Sr(OH)2 ・8H2O を3
%含有するMgO 焼鈍分離剤を塗布してコイル状に巻取
り、最終焼鈍に供した。最終焼鈍は、N2 雰囲気中で85
0 ℃まで20℃/hで昇温し、850 ℃で35h 保持し、雰囲気
をN220 %、H2 80%に切替えて12℃/hで1200℃まで昇
温し、さらに1200℃で8時間H2 中で保持した後、冷却
した。冷却後のコイルは未反応の焼鈍分離剤を除去した
後、平坦化焼鈍において張力コーティングを焼付けた。
この時のコイルの中央部の磁気特性を図2に示す。
【0047】実施例4 表1に示した鋼塊記号Aの鋼スラブ3個を1410℃で20分
間均熱の加熱をした後、2.2 mm厚に熱間圧延した。この
時熱間圧延終了温度はいずれも先端部で 990〜980 ℃、
中央部で 950〜940 ℃、尾端部で 880〜870 ℃であり、
また、550 ℃の温度でコイル状に巻き取った。これら3
コイルのうち、ひとつは1120℃で1分間の熱延板焼鈍を
行った後、酸洗し、1.50mmの厚みに冷間圧延した(条件
I:従来法)。他のひとつはこの発明の方法である700
℃で8秒間の炭化物調整熱処理を施し、 250℃まで40℃
/sで冷却し、250 ℃で15秒間保持した後、酸洗し、1.5
mmの厚みに冷間圧延した(条件II: 適合例) 。残るひと
つは、ただちに酸洗後、冷間圧延し1.50mmの厚みとした
(条件III:従来法) 。これら3コイルは1100℃で60秒間
の中間焼鈍を施し45℃/sの速度で300 ℃まで冷却後、た
だちに冷間圧延し、0.22mmの板厚とした。その後、850
℃で2分間、55%H2 ,露点55℃の湿水素雰囲気中で脱
炭焼鈍し、TiO2を8%、SrSO4 を2%含有するMgO 焼鈍
分離剤を塗布した後、コイル状に巻きとり、最終仕上焼
鈍を施した。最終仕上焼鈍はN2 中で850 ℃まで15℃/h
の速度で昇温し、850 ℃で30時間保持し、雰囲気をN2
25%、H2 75%の混合雰囲気に切替えて、10℃/hの速度
で1200℃まで昇温し、H2 雰囲気中で1200℃で10時間の
純化処理をした後、冷却した。冷却後、未反応の焼鈍分
離剤を除去し、平坦化焼鈍において張力コーティングを
焼付けた。この時の各コイルの熱間圧延の頭部、中央
部、尾部相当部の磁気特性を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】実施例5 表1に示した鋼塊記号Cの鋼スラブを1380℃で40分間均
熱の加熱後、熱間圧延で1.8 mmの板厚のコイルとした。
また、各コイルの熱間圧延終了温度は、先端部が 920〜
935 ℃、中央部が 905〜915 ℃、尾端部が 875〜890 ℃
であり、コイル巻取温度は 570〜580 ℃とした。各熱間
圧延後のコイルは 850℃で3秒の炭化物調整熱処理を施
した後、冷却に際し、ひとつは35℃/sで常温まで冷却し
(条件a)、他のひとつは15℃/sで常温まで冷却し(条
件b)、他のひとつは12℃/sで常温まで冷却し(条件
c)、他のひとつは9℃/sで常温まで冷却し(条件
d)、他のひとつは35℃/sで400 ℃まで冷却した後、1.
0 ℃/sで15秒間徐冷した後、水冷し(条件e)、他のひ
とつは35℃/sで320 ℃まで冷却した後、1.0 ℃/sで15秒
間徐冷した後、水冷し (条件f)、他のひとつは35℃/s
で320 ℃まで冷却した後、320 ℃で15秒間保持した後、
水冷し(条件g)、他のひとつは25℃/sで270 ℃まで冷
却した後、270 ℃で10秒間保持した後、水冷し(条件
h)、他のひとつは600 ℃までを9℃/s冷却した後、常
温まで25℃/sで冷却した(条件i)。各コイルは酸洗し
た後、1.34mmの厚みに圧延し、1100℃で60秒の中間焼鈍
を施し、ミストを用いて、45℃/sの速度で常温まで急冷
した。その後、各コイルを0.20mmの板厚まで圧延し、85
0 ℃で2分間、50%H2 ,露点55℃の雰囲気下で脱炭焼
鈍を行った。その後、5%TiO2を含有するMgO 焼鈍分離
剤を塗布し、コイル状に巻取り、最終仕上焼鈍に供し
た。最終仕上焼鈍は、840 ℃の温度まで25℃/hの昇温速
度、N2 雰囲気中で昇温し、雰囲気を30%N2 と70%H
2 との混合ガスに切替えると同時に、10℃/hの昇温速度
で1200℃まで昇温し、H2 の雰囲気に切替えて1200℃で
10時間保持した。最終仕上焼鈍後は、未反応の焼鈍分離
剤を除去した後、平坦化焼鈍において、張力コーティン
グを焼付けた。この時の各コイルの磁気特性を表4に示
す。
【0050】
【表4】
【0051】実施例6 C,Si, Al, Nを含有し、SeとSbの含有量を変化させ、
他は不可避的不純物からなる表5の鋼塊記号L〜Uのス
ラブを準備した。
【0052】
【表5】
【0053】これらのスラブを1410℃で20分間、加熱
後、熱間圧延で2.0 mmの板厚のコイルとした。また、各
コイルの熱間圧延終了温度は先端部が 895〜880 ℃、中
央部が880〜870 ℃、尾端部が 875〜860 ℃であり、コ
イル巻取温度は 550〜570 ℃とした。各熱間圧延コイル
は 800℃で8秒の炭化物調整熱処理を施した後、冷却に
際し、600 ℃まで10℃/sで冷却した後、35℃/sで常温ま
でミストで冷却した。その後、酸洗し、1.20mmの板厚ま
で冷間圧延し、窒化促進剤としてKHCO3 を塗布した後10
50℃で60秒の中間焼鈍を施した後、40℃/sで常温まで冷
却した。その後、各タイルを0.18mmで板厚まで圧延し、
850 ℃で2分間、55%H2 ,露点53℃の雰囲気下で脱炭
焼鈍を行い、6%TiO2と2%Sr(OH)2 ・8H2O を含有す
るMgO 焼鈍分離剤を塗布し、コイル状に巻取り、最終仕
上焼鈍に供した。最終仕上焼鈍は、N2雰囲気中で 830
℃の温度まで25℃/hの昇温速度で昇温し、830 ℃、50時
間保持し、雰囲気を15%のN2 と85%とのH2 の混合雰
囲気で15℃/hの速度で1200℃まで昇温し、H2 雰囲気中
で1200℃で8時間保持した後冷却した。最終仕上焼鈍後
は、未反応の焼鈍分離剤を除去した後、平坦化焼鈍にお
いて張力コーティングを焼付けた。この時の各コイルの
磁気特性を表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】実施例7 表1に示した鋼塊記号Bの鋼スラブを1420℃で15分間均
熱の加熱をした後、熱間圧延で1.8 mmの板厚のコイルと
した。コイルの熱間圧延終了温度は 905〜890℃であ
り、コイル巻取温度は550 ℃であった。このコイルを分
割して熱処理を施したが、各分割コイルの温度を400
℃, 450℃, 500 ℃, 550 ℃, 600 ℃ (以上比較例) お
よび650 ℃, 750 ℃, 800 ℃, 850 ℃, 900 ℃ (以上適
合例),950 ℃, 1000℃, 1050℃, 1100℃ (以上比較
例)とし、均熱時間はすべて8秒間とし、冷却は常温ま
で35℃/sの速度で冷却した。各分割コイルは酸洗した
後、1.34mmの厚みに圧延し1100℃で60秒間の中間焼鈍を
施し、ミストを用いて45℃/sの速度で310 ℃まで急冷
し、310 ℃から1.0 ℃/sの速度で20秒間徐冷し、その
後、0.20mmの板厚まで圧延した。その後、840 ℃で2分
間、50%H2 ,露点55℃の雰囲気下で脱炭焼鈍を行い、
その後5%TiO2と2%Sr(OH)2 ・8H2Oを含有するMgO 焼
鈍分離剤を塗布し、コイル状に巻取、最終仕上焼鈍に供
した。最終仕上焼鈍は840 ℃の温度まで20℃/hの昇温速
度でN2 雰囲気中で昇温し、雰囲気を20%N2 と80%H
2 との混合ガスに切替えると同時に12℃/hの昇温速度で
1200℃まで昇温し、H2 の雰囲気に切替えて1200℃で10
時間保持した。最終仕上焼鈍後は未反応の焼鈍分離剤を
除去した後、平坦化焼鈍において、張力コーティングを
焼付けた。この時の各分割コイルの磁気特性を図3に示
す。
【0056】
【発明の効果】かくして、熱延条件の規制と熱延コイル
の炭化物調整熱処理による冷延2回法との組合せのこの
発明によって、方向性けい素薄鋼板の製品コイルの磁気
特性の変動を抑制でき、かつ磁気特性の優れた方向性け
い素鋼板を製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化物調整熱処理を施した材料の磁気特性と熱
延終了温度との関係を示す図である。
【図2】炭化物調整熱処理を施した材料の磁気特性と熱
延コイルの巻取温度との関係を示す図である。
【図3】炭化物調整熱処理温度と磁気特性との関係を示
す図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.03〜0.09wt%、Si:2.5 〜4.5 wt
    %及びAl:0.01〜0.04wt%を含有するけい素鋼スラブに
    熱間圧延を施した後、第1回目の冷間圧延を施し、次い
    で中間焼鈍、引き続いて第2回目の冷間圧延を圧下率80
    〜95%の強圧延で行って最終板厚0.23〜0.10mmに仕上
    げ、その後脱炭焼鈍を施し、焼鈍分離剤を塗布してから
    最終仕上焼鈍を施す方向性けい素鋼板の製造方法におい
    て、上記熱間圧延を850 ℃以上で終了し、直ちに冷却し
    て600 ℃以下で巻き取った後、第1回目の冷間圧延に先
    立って、650 〜900 ℃の温度範囲で2〜10秒間均熱する
    炭化物調整熱処理を施すことを特徴とする磁気特性の優
    れた方向性けい素薄鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記炭化物調整熱処理の冷却を、冷却速
    度15℃/s以上で行う請求項1記載の磁気特性の優れた方
    向性けい素薄鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記炭化物調整熱処理の冷却に際し、50
    0 ℃〜300 ℃の温度までは冷却速度25℃/s以上で冷却
    し、この範囲の温度にて保持を5〜20秒間又は冷却速度
    1.5 ℃/s以下での徐冷を5〜20秒間行った後、急冷する
    請求項1記載の磁気特性の優れた薄方向性けい素鋼板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 上記炭化物調整熱処理の冷却を、600 ℃
    に達するまでは15℃/s未満、600 ℃以下では20℃/s以上
    の冷却速度で行う請求項1記載の磁気特性の優れた方向
    性けい素薄鋼板の製造方法。
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