JP2647653B2 - 音響用振動板 - Google Patents

音響用振動板

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JP2647653B2 JP62021490A JP2149087A JP2647653B2 JP 2647653 B2 JP2647653 B2 JP 2647653B2 JP 62021490 A JP62021490 A JP 62021490A JP 2149087 A JP2149087 A JP 2149087A JP 2647653 B2 JP2647653 B2 JP 2647653B2
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成樹 神谷
美緒 西
和雄 八木
伸 中村
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スピーカ等に使用される音響用振動板に関
するものであり、特に軽量かつ高弾性を有する超高分子
量ポリエチレン超延伸繊維を使用した音響用振動板に関
するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、超高分子量ポリエチレン超延伸繊維の長繊
維を引き揃えるか織布としたものを樹脂結合剤を加えて
成型することにより、 超高分子量ポリエチレン繊維の有する特性を反映せし
め再生周波数帯域の拡大を図ることが可能な音響用振動
板を提供しようとするものである。
〔従来の技術〕
例えばスピーカ等の振動板材料には、再生周波数帯域
の拡大を図るために、密度が小さいこと、比弾性率が大
きいこと、内部損失が大きいこと、等が要求され、炭素
繊維やアミラド繊維,ガラス繊維,ポリオレフィン系樹
脂繊維等、各種繊維を強化剤とする、いわゆる複合振動
板の開発,実用化が進められている。
なかでもフィブリル状結晶成長法,ゲル紡糸/超延伸
法,溶融紡糸/熱延伸法等により作成される超高分子量
ポリエチレン繊維は、内部損失が大きく極めて高い弾性
率を有することから、音響用振動板材料として注目を集
めており、例えば特開昭58−182994号公報には、前述の
方法により作成したポリエチレン短繊維を湿式抄造し、
乾燥後圧空プレスしてスピーカ用振動板を製造する方法
が開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、繊維を強化剤とする複合体を考えた場合に
は、アスペクト比(繊維の長さlと径dの比率:l:d)が
大きな繊維ほど強度が大きいことから、短い繊維の使用
は強度の点で不利である。
また、同一材料で構成される複合体を考えた場合、強
化材の容積分率をいかに大きくするかで当該複合体の合
成が決定される。すなわち、上記ポリエチレン繊維を使
用した振動板の場合には、強化材であるポリエチレン繊
維の容積分率を大きくすることが有利である。
このような観点から見ると、前述のポリエチレン短繊
維を抄造した振動板では、繊維分散複合体中に強化材で
あるポリエチレン繊維の占める最大容積分率は理論的に
0.52と言われ、強化材の特性を複合体に反映するには充
分な方法とは言えない。したがって、抄造により作製し
た振動板の強度は、ポリエチレン繊維の強度に比してか
なり小さくなり、繊維の有する特性をスピーカ用振動板
の特性に充分に反映することができないのが現状であ
る。
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、超高分子量ポリエチレン超延伸繊維の
有する特性を充分に反映させることが可能な音響用振動
板を提供することを目的とし、これにより再生周波数帯
域の拡大や音質の向上を図ることが可能な音響用振動板
を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、超高分子量ポリエチレン超延伸繊維の
容積分率を大きくするには、長繊維を均一に積み重ねて
いく方法が最良であることに着目して本発明を完成する
に至った。
すなわち本発明の音響用振動板は、高弾性を有する超
高分子量ポリエチレン超延伸長繊維を引き揃え、または
上記繊維を織布となし、これにエチレン−酢酸ビニル共
重合体を主成分とする水性ディスパージョンまたは熱硬
化性樹脂を樹脂結合剤として加えて成形したことを特徴
とするものである。
本発明において使用される超高分子量ポリエチレン繊
維は、エチレンあるいはエチレンと少量の他のα−オレ
フィン、例えばプロピレン,1−ブテン,4−メチル−1−
ペンテン,1−ヘキセン等を中・低圧重合したもので、超
延伸によりポリエチレンの分子鎖を高度に配向せしめ高
弾性率〔例えば引張弾性率(初期)が30Gpa以上,望ま
しくは50Gpa以上。〕,高引張り強度〔例えば破断伸び
が6%以下,望ましくは4%以下。〕を付与したもので
ある。特にデカリン溶媒135℃における極限粘度〔η〕
が5dl/g以上,好ましくは75dl/g以上の超高分子量ポリ
エチレンから作成した超延伸ポリエチレン繊維は、高温
での引張弾性率保持率や引張強度保持率にも優れる等の
利点を有することから、好適であると言える。
また、本発明で使用可能な繊維形状としては、細線状
の繊維ばかりでなく、ある程度の幅を有するテープ状の
繊維,さらにはテープ状繊維を解繊した繊維等が挙げ
ら、何れにしても長繊維が使用される。
かかる超高分子量ポリエチレン超延伸長繊維は、例え
ば特開昭56−15408号公報,特開昭58−5228号公報に記
載されるような溶媒に希釈したポリエチレンを紡糸延伸
する方法、あるいは特開昭59−130313号公報,特開昭59
−168116号公報,特開昭59−187614号公報に記載される
ようにポリエチレンと比較的低分子量の添加物との混合
物とから紡糸延伸する方法、さらには特公昭57−37454
号公報に記載されるようにポリエチレンの結晶化を制御
し次いで20倍以上に延伸する方法等により調製すること
ができる。
本発明では、上述の超高分子量ポリエチレン超延伸長
繊維を一方向に引き揃えて樹脂結合剤によりシート状に
したもの、あるいは上述の超高分子量ポリエチレン超延
伸長繊維を織布となしにこれに樹脂結合材を加えてシー
ト状にしたものを成形し、コーン型,平板型等の音響用
振動板としている。樹脂結合剤としては、熱可塑性樹脂
であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする水
性ディスパージョンや、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
が使用される。
〔作用〕
一般に、複合体の剛性は次式の複合則で表される。
Ec=E1Vf1+E2Vf2 =E1Vf1+E2(1−Vf1) ……(1)式 Ec:複合体の剛性 E1:強化材(繊維)の剛性 E2:樹脂結合材の剛性 Vf1:強化材の容積分率 Vf2:樹脂結合剤の容積分率 すなわち、複合体の剛性は、E1,E2に影響されるばか
りでなく、Vf1,Vf2にも同じ様に影響される。したがっ
て、同一材料により構成される複合体を考えた場合、強
化材の容積分率Vf1を大きくすることが複合体の剛性を
高めることになる。
ここで、従来の抄造法による繊維分散複合体における
強化材の容積分率Vf1と、本発明の振動板における強化
材の容積分率Vf1とを比較すると、先ず抄造法による繊
維分散複合体では、強化材の最大容積分率は理論的に見
ても0.52程度にすぎず、かなり小さな値を示す。
これに対して、例えば超高分子量ポリエチレン超延伸長
繊維を一方向に引き揃え樹脂結合材によりシート状にし
た複合体では、強化材の最大容積率は引き揃えた繊維が
平行六方充填〔第1図に示すように繊維(1)の充填状
態を断面で見たときに金属原子の最密充填と同様に充填
された状態〕となっている場合に0.907,平行立方充填
〔第2図に示すように繊維(1)が縦横にきちんと並ん
でいる状態〕となっている場合に0.785,平行ランダム充
填〔平行六方充填と平行立方充填とが混在する状態〕と
なっている場合に0.82となり、いずれの場合にも抄造法
による繊維分散複合体における理論値よりもかなり大き
な値となる。勿論、織布となした場合にも同様に強化材
の最大容積分率は大きな値となる。
したがって、本発明の音響用振動板においては、強化
材である超高分子量ポリエチレン超延伸繊維の占める割
合が大幅に増え、超高分子量ポリエチレン超延伸繊維の
有する特性が充分に反映される。
また、長繊維の使用は繊維の強度の点で有利であり、
本発明の振動板はこの点でも特性が向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。な
お、以下の各実施例及び比較例においては、繊維径12〜
15μm,密度0.96g/cm3,引張強度0.77GPa,弾性率90GPaの
超高分子量ポリエチレン超延伸繊維を使用した。
実施例1 500デニール,60フィラメントの超高分子量ポリエチレ
ン超延伸長繊維を引き揃え、樹脂結合剤を含浸し、熱プ
レスで複合を行い複合体を得た。
なお、樹脂結合剤としては、密度0.94g/cm3,弾性率0.
24GPa,融点90℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成
分とする水性ディスパージョンを使用した。また、複合
の条件としては、乾燥温度100℃,複合温度120℃,複合
圧力5kg/cm2,複合時間5分とした。
実施例2 先の実施例1と同様の超高分子量ポリエチレン超延伸
長繊維を使用して下記条件で平織布を試作し、これに先
の実施例1と同様の樹脂結合剤を含浸した後、実施例1
と同様の条件で複合を行い複合体を得た。
比較例 先の実施例1と同様の超高分子量ポリエチレン超延伸
繊維を長さ10mmに裁断し、湿式法により抄造した後、先
の実施例1と同様の樹脂結合剤を含浸し、実施例1と同
様の条件で複合を行って複合体を得た。
上記実施例1,実施例2及び比較例で得られた各複合体
について、超高分子量ポリエチレン超延伸繊維の容積分
率(Vf1)及び物性を測定した。結果を次表に示す。
この結果、各実施例の複合体においては、超高分子量
ポリエチレン超延伸繊維の特性が良く生かされているこ
とが判明した。例えば長繊維を引き揃えた実施例1で
は、容積分率が0.8近傍と平行ランダム充填,平行立方
充填の最大容量分率にほぼ一致し、得られた複合体の弾
性率は極めて大きなものであった。同様に、実施例2に
おいても、超高分子量ポリエチレン超延伸繊維の容積分
率が確保され、比較例のものに比べて弾性率が大幅に向
上したことがわかった。
そこで次に、上述の各実施例及び比較例で得られた複
合体を使用して、それぞれ直径10cmのフルレンジスピー
カを試作し、その再生出力の周波数特性を測定した。結
果を第3図に示す。
この第3図より、各実施例の複合体により試作したス
ピーカにおいては、超高分子量ポリエチレン超延伸繊維
の特性が振動板特性に大きく反映され、特に比較例に比
べて共振ピークが高周波数域にシフトし、高域再生周波
数帯域が拡大されたことがわかった。
実施例3 実施例1と同様の超高分子量ポリエチレン超延伸繊維
を引き揃え、樹脂結合剤としてエポキシ樹脂を含浸した
後、乾燥し、複合を行ない振動板を得た。
なお、樹脂結合剤として使用したエポキシ樹脂はビス
フェノールA型エポキシ樹脂であり、硬化剤にはイミダ
ゾール系硬化剤を用いた。また、複合条件としては、乾
燥温度50℃,乾燥時間20分,複合温度130℃,複合圧力5
kg/cm2,複合時間30分とした。
得られた振動板の超高分子量ポリエチレン超延伸繊維
の容積分率は0.706,弾性率64.8GPa,密度1.10g/cm3であ
り、超高分子量ポリエチレン超延伸繊維の特性を充分に
発現した振動板であった。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の振動板に
おいては超高分子量ポリエチレン超延伸長繊維を用いる
とともに、これを引き揃え樹脂結合剤により複合体化す
るか織布となして樹脂結合剤により複合体化しているの
で、振動板中に占める超高分子量ポリエチレン超延伸繊
維の割合が大きなものとなり、その特性が充分に振動板
に反映される。
また、本発明の振動板においては、超高分子量ポリエ
チレンの長繊維を使用しているので繊維自体の強度が確
保され、この点でも有利である。
したがって、本発明によれば、例えば振動板の再生周
波数帯域の拡大を図ることが可能となり、音響特性に優
れた振動板を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は超高分子量ポリエチレン超延伸長繊維を引き揃
えた時の平行六方充填状態を示す模式的な斜視図であ
り、第2図は平行立方充填状態を示す模式的な斜視図で
ある。 第3図は本発明を適用した振動板を直径10cmのフルレン
ジスピーカに用いた時の再生出力の周波数特性を比較例
のそれと比べて示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 美緒 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 八木 和雄 大竹市御園1丁目2番6号 (72)発明者 中村 伸 岩国市室の木町1丁目2番8号 (56)参考文献 特開 昭62−278899(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高弾性を有する超高分子量ポリエチレン超
    延伸長繊維を引き揃え、または上記繊維を織布となし、
    これにエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする水
    性ディスパージョンまたは熱硬化性樹脂を樹脂結合剤と
    して加えて成形したことを特徴とする音響用振動板。
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