JP2647640B2 - 新規環状オレフイン系ランダム共重合体 - Google Patents

新規環状オレフイン系ランダム共重合体

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JP2647640B2
JP2647640B2 JP7348463A JP34846395A JP2647640B2 JP 2647640 B2 JP2647640 B2 JP 2647640B2 JP 7348463 A JP7348463 A JP 7348463A JP 34846395 A JP34846395 A JP 34846395A JP 2647640 B2 JP2647640 B2 JP 2647640B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な環状オレフィン
系ランダム共重合体に関する。さらに詳細には、透明
性、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特
性および種々の機械的特性に優れ、かつ分子量分布およ
び組成分布が狭い環状オレフィン系ランダム共重合体を
提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】一般にチタン化合物またはバナジウム化
合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせたチーグラ
ー型触媒によりエチレンと環状オレフィンの2元共重合
体、またはエチレンとプロピレンまたは1−ブテンなど
のα−オレフィンおよび環状オレフィンの3元共重合体
が得られることはすでに知られている。しかしながら、
炭素数3ないし20のα−オレフィンがエチレンの非共
存下で環状オレフィンとチーグラー型の共重合した例は
なく、当然それら共重合体についての報告もない。
【0003】また、透明性に優れた合成樹脂としては、
ポリカーボネートやポリメタクリル酸メチルあるいはポ
リエチレンテレフタレートなどが知られている。たとえ
ばポリカーボネートは透明性と共に耐熱性、耐熱老化
性、耐衝撃性にも優れた樹脂である。しかし、強アルカ
リに対しては容易に侵されて耐薬品性に劣るという問題
がある。ポリメタクリル酸メチルは酢酸エチルやアセト
ン、トルエンなどに侵され易く、エーテル中で膨潤を起
こし、さらに耐熱性も低いという問題がある。またポリ
エチレンテレフタレートは耐熱性や機械的性質に優れる
ものの強酸やアルカリに弱く、加水分解を受け易いとい
う問題がある。
【0004】一方、汎用樹脂として広く利用されている
ポリオレフィンは、耐薬品性、耐溶剤性に優れ、また機
械的性質に優れたものが多いが、耐熱性の乏しいものが
多く、結晶性樹脂であるが故に透明性に劣る。一般にポ
リオレフィンの透明性改善には造核剤を添加して結晶構
造を微細化するか、もしくは急冷を行って結晶の成長を
止める方法が用いられるが、その効果は十分とは言い難
い。むしろ造核剤のような第三成分を添加することはポ
リオレフィンが本来有している優れた諸性質を損なう虞
もあり、また急冷法は装置が大掛かりになるほか、結晶
化度の低下に伴って耐熱性や剛性なども低下する虞があ
る。
【0005】エチレンと嵩高なコモノマーとの共重合に
ついては、たとえば米国特許公報第2,883,372
号にエチレンと2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン
との共重合体が開示してある。しかしこの共重合体は剛
性、透明性のバランスは優れているもののガラス転移温
度が100℃近辺であって耐熱性に劣る。また、エチレ
ンと5−エチリデン−2−ノルボルネンの共重合体も同
様の欠点がある。
【0006】また、特公昭46−14910号公報に
は、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの単独重合
体が提案されているが、該重合体は耐熱性や耐熱老化性
に劣る。さらに、特開昭58−127728号公報に
は、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの単独重合
体または該環状オレフィンとノルボルネンタイプのコモ
ノマーとの共重合体が提案されているが、該重合体はい
ずれも開環重合体であることが前記公報の記載から明か
である。このような開環重合体は重合体主鎖中に不飽和
結合を有しているので、耐熱性、耐熱老化性に劣るとい
う欠点を有している。また、エチレンと特定の嵩高な環
状オレフィンとからなる環状オレフィン系ランダム共重
合体が透明性を有しながら耐熱性、耐熱老化性、耐薬品
性、耐溶剤性、誘電特性、機械的性質のバランスのとれ
た合成樹脂であり、かつ光学メモリディスクや光学ファ
イバーなどの光学材料の分野の用途において優れた性能
を発揮することが、特開昭60−168708号公報、
特開昭61−98780号公報、特開昭61−1159
12号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭
61−120816号公報、特願昭61−95906
号、特願昭61−95905号に提案されている。これ
らに提案された共重合体は前述のごとくすべてエチレン
が共重合しており、特に耐熱性をもたせるためには多量
の環状オレフィンを共重合しなければならないという難
点があった。
【0007】従って、少ない環状オレフィン含量であっ
ても耐熱性に優れた環状オレフィン系ランダム共重合体
が要望されてる。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、透明
性、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特
性および種々の機械的特性に優れ、分子量分布および組
成分布が狭く、特に少ない環状オレフィン含量であって
も耐熱性に優れた新規な環状オレフィン系ランダム共重
合体を検討した結果、炭素数3ないし20のα−オレフ
ィンおよび環状オレフィンをジルコニウム触媒およびア
ルモキサンから形成される触媒の存在下に、特定の条件
下に共重合することにより前記目的が達成された新規な
環状オレフィン系ランダム共重合体が得られることを見
い出し本発明に到達した。
【0009】
【問題点を解決するための手段及び作用】本発明によれ
ば、炭素数が3ないし20のα−オレフィン成分および
環状オレフィン成分からなる環状オレフィン系ランダム
共重合体であって、(i)炭素数が3ないし20のα−
オレフィン成分に由来する繰り返し単位が5ないし99
モル%および該環状オレフィン成分に由来する繰り返し
単位が1ないし95モル%の範囲にあり、(ii)13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01
ないし10dl/gの範囲にある、ことを特徴とする環
状オレフィン系ランダム共重合体が提供される。
【0010】本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体は炭素数3ないし20のα−オレフィン成分および環
状オレフィン成分から構成される環状オレフィン系ラン
ダム共重合体である。該環状オレフィンの成分は下記一
般式[I]、[II]および[III]で表わされる環
状オレフィン成分であり、本発明の環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体中においては該環状オレフィン成分が一
般式[IV]、[V]または[VI]で表わされる構造
を形成している。一般式
【0011】
【化1】
【0012】[式中、a及びbはいずれも0以上の整数
であり、c及びdは、3以上の整数であり、Rないし
10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基
を示す。] 一般式
【0013】
【化2】
【0014】[式中、a、b、c、d及びRないしR
10は前記と同じである。] 本発明の環状オレフィン系ランダム共重合体を製造する
方法において、重合原料として使用されるα−オレフィ
ンとして具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭
素数3ないし20のα−オレフィンを例示することがで
きる。
【0015】また、本発明の環状オレフィン系ランダム
共重合体を製造する方法において、重合原料として使用
される環状オレフィンは、一般式[I]、[II]及び
一般式[III]で表わされる不飽和単量体からなる群
から選ばれた少なくとも1種の環状オレフィンである。
一般式[I]で表わされる環状オレフィンはシクロペン
タジエン類と相応するオレフィン類とをディールス・ア
ルダー反応で縮合させることにより容易に製造すること
ができ、また一般式[II]で表わされる環状オレフィ
ンも同様にシクロペンタジエン類と相応する環状オレフ
ィンとをディールス・アルダー反応で縮合させることに
より容易に製造することができる。一般式[I]で表わ
される環状オレフィンとして具体的には、例えば1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレンのほかに、2−メチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a、5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−プロ
ピル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキ
シル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ステ
アリル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3
−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−メチル−3−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−クロロ−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−ブロモ−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒド
ロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、2−n−ブチル−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレンなどのオクタヒドロナフタレン
類、および表1に記載した化合物を例示することができ
る。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】また、一般式(II)で表わされる環状オ
レフインとして具体的には、たとえば表2に示した化合
物などを例示することができる。
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】また、一般式[III]で表わされる環状
オレフィンとして具体的には、例えば、シクロペンテ
ン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルメチルシク
ロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5
−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテ
ン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、4−
メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセ
ン、3−クロロシクロヘキセン、シクロヘプテンなどを
例示することができる。
【0023】本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体において、炭素数が3ないし20のα−オレフィン成
分に由来する繰り返し単位が5ないし99モル%、好ま
しくは15ないし95モル%、特に好ましくは30ない
し90モル%の範囲であり、該環状オレフィン成分に由
来する繰り返し単位が1ないし95モル%、好ましくは
5ないし85モル%、特に好ましくは10ないし70モ
ル%の範囲であり、炭素数が3ないし20のα−オレフ
ィン成分に由来する繰り返し単位および該環状オレフィ
ン成分に由来する繰り返し単位はランダムに配列した実
質上線状の環状オレフィン系ランダム共重合体を形成し
ている。本発明の環状オレフィン系ランダム共重合体が
実質上線状であり、ゲル状架橋構造を有していないこと
は、該共重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解す
ることによって確認できる。
【0024】本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は
0.01ないし10dl/g、好ましくは0.05ない
し7dl/g、特に好ましくは0.1ないし5dl/g
の範囲にある。
【0025】本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体のゲルパーミエションクロマトグ
【0026】
【外1】 ラフィー(GPC)によって測定した分子量分布(
n)は通4以下、
【0027】好ましくは3.5以下、とくに好ましくは
3以下である。
【0028】本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体のガラス転移温度(Tg)は10ないし240℃、好
ましくは20ないし200℃の範囲にある。
【0029】本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体は、炭素数が3ないし20のα−オレフィンと所定量
の該環状オレフィンとを、(A)少なくとも2個のイン
デニル基、置換インデニル基又はその部分水素化物がエ
チレン基などのアルキレン基を介して結合した形態のも
のを配位子とするジルコニウム化合物、および、(B)
アルミノオキサン、から形成される触媒の存在下で重合
させることにより製造することができる。
【0030】上記ジルコニウム化合物は2つ以上のイン
デニル基、置換インデニル基又はその部分水素化物を有
することができるが、2つのインデニル基、置換インデ
ニル基又はその部分水素化物を有するものが好ましい。
【0031】上記ジルコニウム化合物の例として、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノ
ハイドライド、エチレンビス(インデニル)エトキシジ
ルコニウムクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−
テトラヒドロ−1−インデニル)エトキシジルコニウム
クロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコ
ニウム、エチレンビス(インデニル)ジエチルジルコニ
ウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニ
ウム、エチレンビス(インデニル)ジベンジルジルコニ
ウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウム
モノブロミド、エチレンビス(インデニル)エチルジル
コニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)ベ
ンジルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(イン
デニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビ
ス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4,5,6,7
−テトラヒドロ−1−インデニル)エチルジルコニウム
エトキシド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビス(4−メ
チル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス(6−メチル−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(7−メチ
ル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレ
ンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、エチレンビス(4,7−ジメチル−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(4,7−ジメトキシ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、などを挙げることができる。
【0032】触媒成分(B)として使用されるアルミノ
オキサンとして一般式[VII]及び一般式[VII
I]
【0033】
【化3】
【0034】で表わされる有機アルミニウム化合物を例
示することができる。該アルミノオキサンにおいて、R
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基、エチル基、イソブチル基、と
くに好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましく
は5以上の整数である。該アルミノオキサンの製造法と
してたとえば次の方法を例示することができる。
【0035】(1)吸着水を含有する化合物、結晶水を
含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅
水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和
物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液
にトリアルキルアルミニウムを添加して反応させる方
法。
【0036】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中でトリアルキルア
ルミニウムに直接水を作用させる方法。
【0037】これらの方法のうちでは(1)の方法を採
用するのが好ましい。なお、該アルミノオキサンには少
量の有機金属成分を含有していても差しつかえない。
【0038】触媒成分(A)および(B)は、そのまま
でも、あるいは担体上に担持して用いてもよい。担体と
しては、シリカ、アルミナ等の無機化合物、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の有機高分子化合物を例示するこ
とができる。
【0039】本発明においては、以上のような触媒系を
用い炭素数が3ないし20の範囲にあるα−オレフィン
と該環状オレフィンとの特定割合の共重合体を製造する
ことによって従来提案されたことのない性質を有する共
重合体が得られることを見出したものである。炭素数が
3ないし20の範囲にあるα−オレフィンと該環状オレ
フィンとの共重合は液相、気相の何れにおいても行うこ
とができるが特に液相において行うのが好ましい。液相
で行う場合は、通常は炭化水素媒体中で実施される。炭
化水素媒体として具体的には、ブタン、イソブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキ
サデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化水素、シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、ガソリン、
灯油、軽油などの石油留分などの他に、原料のオレフィ
ンも炭化水素媒体としてあげることができる。これらの
炭化水素媒体の中で芳香族炭化水素が好ましい。
【0040】本発明の方法において、重合反応の際の温
度は通常−50ないし230℃、好ましくは−30ない
し200℃の範囲である。
【0041】本発明の方法を液相重合法で実施する際の
ジルコニウム化合物の使用割合は、重合反応系内のジル
コニウム金属原子の濃度として通常は10-8ないし10
-2グラム原子/リットル、好ましくは10-7ないし10
-3グラム原子/リットルの範囲である。また、アルミノ
オキサンの使用割合は、重合反応系内のアルミニウム原
子の濃度として通常は10-4ないし10-1グラム原子/
リットル、好ましくは10-3ないし5×10-2グラム原
子/リットルの範囲であり、また重合反応系内の遷移金
属原子に対するアルミニウム原子の比として通常は4な
いし107、好ましくは10ないし106の範囲である。
共重合体の分子量は水素及び/又は重合温度によって調
整することができる。
【0042】本発明の方法で得られる環状オレフィン系
ランダム共重合体は透明性、耐熱性、耐熱老化性、耐薬
品性、耐溶剤性、誘電特性及び種々の機械的特性に優
れ、かつ分子量分布および組成分布が狭く均一性に優れ
ているので、たとえばその低分子量体は合成ワックスと
してロウソク用途、マッチ軸水含浸剤、紙加工剤、サイ
ズ剤、ゴム老化防止剤、段ボール耐水化剤、化成肥料遅
効化剤、蓄熱剤、セラミックバインダー、紙コンデンサ
ー、電線、ケーブル等の電気絶縁材、中性子減速材、繊
維加工助材、建材撥水材、塗装保護剤、つや出し剤、チ
クソトロピー付与剤、鉛筆・クレヨンの芯硬化付与剤、
カーボンインキ基材、静電複写用トナー、合成樹脂成形
用滑剤、離型剤、樹脂着色剤、ホットメルト接着剤、潤
滑用グリースなどの分野に利用できる。また、その高分
子量体は光学レンズ、光ディスク、光ファイバー、ガラ
ス窓用途などの光学分野、電気アイロンの水タンク、電
子レンジ用品、液晶表示用基盤、プリント基板、高周波
用回路板、透明導電性シートやフィルムなどの電気分
野、注射器、ピペット、アニマルゲージなどの医療、化
学分野、カメラボディ、各種計器類のハウジング、フィ
ルム、ヘルメットなど種々の分野で利用できる。
【0043】一方、環状オレフィン成分含有量が約20
モル%以下の場合には、形状記憶性を利用した分野、制
振材あるいはチューブとしての利用が可能である。具体
的には、異形パイプの継手、パイプ・棒の内外部のラミ
ネート材、光ファイバーコネクター締め付けピン、ギブ
ス、容器、自動車バンパー、各種間隙防止材、金属表面
材との積層体として制振材(防音材)あるいは医療用チ
ューブなど種々の分野で利用できる。
【0044】
【実施例】次に本発明の環状オレフィン系ランダム共重
合体を実施例により具体的に説明する。なお、実施例お
よび比較例において得られた環状オレフィン系ランダム
共重合体の物性は次に示す方法により求めた。
【0045】[ポリマー基本物性測定法] 共重合体組成[モル%]:13C−NMR(200メガ
Hz)によって環状オレフィン系ランダム共重合体の環
状オレフィン成分単位の含有率を求めた。
【0046】[η]:135℃でウベロード型粘度計を
用い、極限粘度を測定した。
【0047】
【外2】 分子量分布:[w/n]:GPC法による。
【0048】ガラス転移温度[Tg]:デュポン社製 Dynamic Mechanical Analyser (DMA)により求
めた。
【0049】実施例1 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドの
調製 充分に窒素置換した200mlのガラス製フラスコにテ
トラヒドロフラン60mlを装入後、−78℃まで冷却
した。それに、四塩化ジルコニウム4.9gを加え、6
0℃まで徐々に昇温し、60℃で1時間撹拌を続け溶液
とした。引続き、テトラヒドロフラン50mlに溶解し
たビス(インデニル)エタンのリチウム塩21mmol
を加え、60℃で1時間撹拌後、25℃で12時間撹拌
を続けた。その後、減圧下でテトラヒドロフランを除き
固体を得た。その固体をメタノールで洗浄し、減圧下に
乾燥した。2.1gのエチレンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリドが得られた。
【0050】アルミノオキサンの調製 充分に窒素置換した400mlのフラスコにAl2(SO
4)3・14H20 37gとトルエン125mlを装入
し、0℃に冷却後、トルエン125mlで希釈したトリ
メチルアルミニウム500mmolを滴下した。次に、
40℃まで昇温し、その温度で10時間反応を続けた。
反応後、濾過により固液分離を行い、更に濾液よりトル
エンを除去することによって白色固体のアルミノオキサ
ン13gを得た。ベンゼン中での凝固点降下により求め
た分子量は930であり、触媒成分(B)中に示したm
値は14であった。重合にはトルエンに再溶解して用い
た。
【0051】重合 充分に窒素置換した1000mlのガラス製オートクレ
ーブに精製トルエン500mlとテトラシクロドデセン
15gを装入後、プロピレンガスを60 l/hで流通
させ、20℃で10分間保持した。続いて、アルミニウ
ム原子換算で5ミリグラム原子に相当するアルミノオキ
サン、ジルコニウム原子換算で0.5×10-2ミリグラ
ム原子に相当するトルエンに溶解したエチレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドを装入し重合を開始
した。20℃で2時間、常圧で重合を行なった後、イソ
プロパノールで重合を停止した。重合は、均一な溶液状
態で進行し、重合2時間後もプロピレンの吸収は認めら
れた。ポリマー溶液を多量のメタノール/アセトン混合
液に加え、ポリマーを析出させ1晩120℃で減圧乾燥
した。乾燥後のポリマー収量は6.1gであり、単位ジ
ルコニウム当りの活性は、60gポリマー/ミリグラム
原子Zr・hrであった。得られた共重合体のプロピレ
ン含量は75モル%、極限粘度[η]は0.09dl/
g、GPC測
【0052】
【外3】 定によるw/nは1.48、ガラス転移温度Tgは
78℃であった。
【0053】実施例2ないし9 実施例1の共重合条件を表3のようにした以外は同様に
して共重合体を行った。得られた物性を表3に示した。
【0054】
【表6】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数が3ないし20のα−オレフィン
    成分および環状オレフィン成分からなる環状オレフィン
    系ランダム共重合体であって、 (i) 炭素数が3ないし20のα−オレフィン成分に
    由来する繰り返し単位が5ないし99モル%および該環
    状オレフィン成分に由来する繰り返し単位が1ないし9
    5モル%の範囲にあり、 (ii) 135℃のデカリン中で測定した極限粘度
    [η]が0.01ないし10dl/gの範囲にあり、 (iii) ガラス転移温度(Tg)が67ないし24
    0℃の範囲にある、 ことを特徴とする環状オレフィン系
    ランダム共重合体。
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