JP2647082B2 - 水中油型乳化用乳化組成物 - Google Patents

水中油型乳化用乳化組成物

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JP2647082B2 JP62048259A JP4825987A JP2647082B2 JP 2647082 B2 JP2647082 B2 JP 2647082B2 JP 62048259 A JP62048259 A JP 62048259A JP 4825987 A JP4825987 A JP 4825987A JP 2647082 B2 JP2647082 B2 JP 2647082B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ホモジナイザー、ホモミキサー等の均質機
を用いずとも簡単な攪拌機により食塩高含有食品あるい
は酸性食品と好みのO/W比で、安定流動状に水中油型乳
化しうる乳化組成物に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
近年、食に対する嗜好が多様化しており、醤油、果
汁、醗酵乳等においても、食用油のもつ独特の丸味、や
わらかみ、こく味を付与したようなものが好まれるよう
になっている。特に醤油においては従来より食用油を併
用すると特有の刺激臭が和らげられ、丸味のある風味が
かもしだされる事が知られており、せんべい、あられ、
おかき等を製造する際、醤油と食用油を別々に塗布する
方法がとられている。
醤油に食用油脂を安定かつ簡単に塗布できる程度の低
粘度に乳化できれば、工程が減るだけでなく、乾きも速
く、省力化になるし、また、果汁、醗酵乳等に食用油脂
を安定かつ低粘度に乳化できれば、食用油のもつ丸味、
やわらかみ、こく味を併せもった独特の飲料が得られ
る。
しかしながら、醤油は15〜17重量%の食塩を含有し、
また、果汁、醗酵乳はpHが3〜4と低く、いずれも油脂
の乳化は極めて困難である。
醤油については、従来から食用油脂を安定に水中油型
に乳化しようとする試みが多数なされているが、未だに
満足すべき製品が得られていない。かかる従来の例とし
ては、ゼラチン、天然ガム質を含む水相を醤油に添加し
て液体油脂を乳化する方法(特公昭52-2999号)、乳化
剤としてジアセチル酒石酸モノグリセリド、蔗糖脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルの一種または
二種以上を使用するか、或いは更にα化澱粉、カゼイン
ナトリウム等の安定剤を使用する方法(特公昭61-48902
号)等がある。
しかしながら、これらの方法によって製造された乳化
液は、一定温度で静置されれば比較的安定であるが、輸
送や日常の取り扱い中に受ける振動、攪拌、温度変化、
長期の保管等実際の商品流通条件下では安定性に劣り、
油分の分離や凝集を起し実用的ではない。
また、果汁等の酸性食品の水中油型乳化に関してはそ
の酸性のため、通常の乳化剤では全く効果がないか、ほ
とんど効果がないため、卵黄もしくは乳清蛋白(ラクト
アルブミン)の乳化力を利用して食用油脂を乳化させて
いるのが現状である。しかし、卵黄は特有の生ぐさ臭が
あり、その生ぐさ臭は酸性とすることによって強調され
ることが多く、またラクトアルブミンのみで水中油型乳
化を行う場合は、生ぐさ臭は発生しないものの、組織が
ゲル状もしくは粘土状と表現されるようなきめの悪いも
のとなり、食品として全く好ましくないものとなる。
これらの欠点をなくし、酸性食品を水中油型に安定に
乳化しようとする試みがなされており、かかる試みとし
ては、例えばラクトアルブミンと重合度7以上のポリグ
リセリン脂肪酸エステルを使用する方法(特開昭61-185
165号)等があるが、これらの方法で得られる食品は比
較的高油分のマヨネーズ状〜軟ペースト状で、一定温度
で保管した場合は比較的安定であるが、温度変化のある
ような条件で長期間保管した場合や、低粘度とした場合
には、油分の分離や凝集を起こしやすく、安定な流動状
の酸性水中油型食品は得られていない。
本発明者らは、リゾフォスファチドとキサンタンガム
の併用により、安定流動状の水中油型食塩高含有乳化物
あるいは酸性乳化物を得る方法を見出しているが、一歩
進んで醤油メーカーあるいは果汁メーカー、乳製品メー
カーなどで、簡単に好みのO/W比で安定流動状の水中油
型高食塩あるいは酸性乳化物を作ることができないか、
鋭意検討を行った。
即ち、本発明の目的は、ユーザー先で簡単に安定流動
状の食塩高含有水中油型乳化物あるいは酸性水中油型乳
化物を作ることができる組成物を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を、油相/水相が95/5〜70/30
(重量比)であり、乳化剤の少なくとも一成分としてリ
ゾフォスファチドを0.1〜5重量%、及びキサンタンガ
ムを0.05〜1重量%含有することを特徴とする水中油型
乳化用乳化組成物を提供することにより達成したもので
ある。尚、リゾフォスファチドは、リゾグリセロフォス
ファチド又はモノアシルグリセロフォスファチドともい
う。
以下、本発明の水中油型乳化用乳化組成物について詳
述する。
本発明の組成物の水相は各ユーザー先で好みのO/W比
に乳化するためにはできる限り少ない方が好ましいが、
油相+水相に対し、5重量%以下では乳化が困難であ
り、5重量%以上を要する。
一方、水相比率はいくら多くても乳化は可能である
が、本発明の目的であるユーザー先で好みのO/W比に乳
化するためには、30重量%以下が好ましい。
単なる水を本発明の組成物の水相に用いた方がユーザ
ー先で乳化に用いる水相素材の種類を限定しないという
意味で好ましいが、ユーザー先でこの組成物と混合乳化
する水相素材、例えば醤油、ソース等の食塩高含有食
品、オレンジ、グレープ等の酸性果汁、カルピス、飲む
ヨーグルト等の飲用醗酵乳、有機酸等を酸味剤とする飲
料等と同じものを本発明の組成物の水相に用いてももち
ろんかまわない。前者の場合は、素材が薄まらないよう
に、水相は少なめの方が好ましく、また保存性の面から
はパステライザー、プレート式熱交換機等で加熱殺菌す
る方が好ましい。後者の場合は同じ素材を用いるので、
水相は多めでも構わず、また加熱殺菌も必ずしも必要と
しない。
本発明で使用される油脂としては、乳化時に液体であ
れば特に限定されず、例えば、大豆油、コーン油、ゴマ
油、ナタネ油、パーム油、ヤシ油、綿実油等の植物油
脂、牛脂、魚油、豚脂、乳脂等の動物油脂、及びこれら
の油脂の部分水添油等が挙げられる。
本発明で用いられる乳化剤の必須の構成成分であるリ
ゾフォスファチドは、構成脂肪酸としては炭素原子数8
以上が好ましく、アシル基の位置はα、βのいずれでも
良い。かかるリゾフォスファチドとしては天然のL型の
もの、合成のラセミ体のもの、いずれも使用できる。
天然物由来のリゾフォスファチドは、生物体内にジア
シルフォスファチドに伴って存在することが知られてお
り、例えば大豆、ナタネ、小麦等の穀物の脂質、動物細
胞の脂質中に含有されており、また、卵黄等の動物脂質
や大豆等の植物脂質中のジアシルフォスファチドに豚の
膵液や蛇毒中のフォスフォリパーゼA−2、または細菌
等のフォスフォリパーゼA−1を作用させて加水分解
し、発生した脂肪酸をアセトン等で除去し、要すればシ
リカゲルクロマト等によって精製して製造することもで
きる(特開昭46-13263号、同52-136966号、同58-51853
号)。この場合、得られたリゾフォスファチドを適当な
溶媒中でニッケル等の触媒の存在下水素添加を行えば、
より酸化安定性の良い界面活性剤が得られる。
また、ジャーナル・オブ・アメリカン・オイル・ケミ
スト・ソサイアティ1981年10月号886〜888頁にはフォス
フォリパーゼA−2を作用させる条件を種々変化させて
各種組成のリゾフォスファチドが得られることが記載さ
れている。
更に、エチルアルコール等の溶媒を使用してジアシル
フォスフォチドを分画し、これを原料としてリゾフォス
ファチドを得ることもできる。その他、ジャーナル・オ
ブ・バイオロジカル・ケミストリー188巻471〜476頁(1
951)に記載の卵黄からフォスファチジルコリンを得る
方法、特公昭60-16号、同59-42655号、同57-123496号、
同56-23997号に記載の方法によるフォスファチジルコリ
ンを得る方法等も本発明に応用できる。この様な天然型
のリゾフォスファチドは光学活性が左旋性であり、動物
に対する経口投与の場合の安全性も確認されている(ジ
ャーナル・サイエンス・オブ・フード・アンド・アグリ
カルチャー、32巻451〜458頁)。
また、本発明で用いるフォスファチド類の分析法とし
ては、シンレイヤークロマト法、イヤトロスキャン法、
高速液体クロマト法等がある。
本発明で用いるリゾフォスファチドは、上記のように
して得ることができるが、本発明においては、リゾフォ
スファチド(a)が実質的にリゾフォスファチジルコリ
ンからなるものを用いるのが好ましく、更にリゾフォス
ファチド(a)はリゾフォスファチジルエタノールアミ
ンを含有していても良く、又、少量のリゾフォスファチ
ジルイノシトール、リゾフォスファチジン酸、リゾフォ
スファチジルセリンからなる群から選ばれる一種以上の
リゾフォスファチドを含有していても良い。更に天然物
からリゾフォスファチド(a)を製造する場合は、製造
法の特質上、通常上記リゾフォスファチド(a)と対応
するジアシルフォスファチド(b)を含有する場合が多
いが、これらを含有する場合はフォスファチド全量
〔(a)+(b)〕に対してリゾフォスファチド(a)
の量が40重量%以上、なるべくは50重量%以上であるも
のを使用するのが良い。
尚、比較的純度の高いリゾフォスファチドと油分を含
む粗大豆燐脂質を併用しても良く、この場合はリゾフォ
スファチドは水相に、油分を含む粗大豆燐脂質は油相に
分散させて使用するのが良い。
本発明で用いる乳化剤は上記のとおりリゾフォスファ
チドを必須の成分として含有するものであるが、併用が
好ましい乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル或
いはグリセリンモノ脂肪酸エステルが挙げられ、これら
を併用すると比較的安価に本発明の目的を達成すること
ができる。
併用が好ましい乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルとしては、重合度4〜10のポリグリセリンと炭素
原子数14〜22の飽和および/または不飽和の脂肪酸との
モノ、ジ、またはポリエステルの一種または二種以上の
混合物が好ましい。炭素原子数13以下の脂肪酸のポリグ
リセリン脂肪酸エステルは苦みを有する場合があり、一
方炭素原子数23以上の脂肪酸はあまり一般的でない。
また、併用が好ましい乳化剤である蔗糖脂肪酸エステ
ルとしては、炭素原子数12〜22の飽和および/または不
飽和の脂肪酸と蔗糖のモノ、ジ、またはポリエステルの
一種または二種以上の混合物が好ましい。炭素原子数11
以下の脂肪酸の蔗糖脂肪酸エステルは乳化効果が乏しい
場合があり、一方炭素原子数23以上の脂肪酸はあまり一
般的でない。
また、併用が好ましい乳化剤であるソルビタン脂肪酸
エステルとしては、炭素原子数12〜22の飽和および/ま
たは不飽和の脂肪酸とソルビトール、ソルビタン、ソル
バイドの一種または二種以上の混合物とのモノ、ジ、ま
たはポリエステルの一種または二種以上の混合物が好ま
しい。炭素原子数11以下の脂肪酸のソルビタン脂肪酸エ
ステルは乳化効果が乏しい場合があり、一方炭素原子数
23以上の脂肪酸はあまり一般的でない。
また、併用が好ましい乳化剤であるグリセリンモノ脂
肪酸エステルとしては、炭素原子数12〜22の飽和および
/または不飽和の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル
が好ましく、若干量のジエステル、トリエステルを含有
していてもよい。炭素原子数11以下の脂肪酸のグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルは乳化効果が乏しい場合があり、
一方炭素原子数23以上の脂肪酸はあまり一般的でない。
これらの併用される乳化剤はリゾフォスファチド/併
用乳化剤=30/70〜100/0(ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの
場合)、50/50〜100/0(グリセリンモノ脂肪酸エステル
の場合)の重量割合で使用できる。リゾフォスファチド
がこれ以上の割合では、本発明の効果は得られない。
リゾフォスファチドの使用量は組成物全体に対し、0.
1〜5重量%であり、0.1重量%より少ないと本発明の組
成物の乳化ができない。また5重量%より多いと本発明
組成物のO/W比の範囲では水相に溶解しがたく、乳化が
困難である。風味の変化を来す場合もある。一般的には
リゾフォスファチドの純度が高い程、添加効果は少量で
現れる傾向がある。
上記の乳化剤を併用する場合、この混合乳化剤の使用
量は総量として組成物全体に対し、0.1〜5重量%であ
る。併用する乳化剤が油溶性である場合は総量として5
重量%より多く使用することもできるが、5重量%より
多く添加しても効果は変わらず、不経済であり、風味の
変化を来す場合もある。
本発明の方法では本発明の目的を逸脱しない範囲でそ
の他の界面活性剤を乳化剤として併用できる。
また、本発明で使用されるキサンタンガムは、微生物
キサントモナス・キャンペストリスがぶどう糖等を発酵
して、その菌体外に蓄積した多糖類を精製し、粉末にし
た天然のガム質であり、粘度が極めて高く、強力な耐
酸、耐塩、耐熱性を有するガム質である。
上記キサンタンガムの使用量は組成物全体に対し、0.
05〜1重量%である。0.05重量%より少ないと、ユーザ
ー先でこの組成物を用いて乳化した際、安定な乳化剤が
得られず、また、1重量%よりも多い場合は本発明組成
物自体の乳化が困難である。
乳化剤の使用量が多い場合や、各ユーザー先で本発明
組成物を用いて乳化した水中油型乳化物を一定温度で比
較的短期間保管するような場合はキサンタンガムの使用
量は少なめでよい。
本発明の組成物においては、前記水相と前記油相とを
乳化する際に、香辛料、香料、調味料、糖類、ビタミン
類、精油、保存料、その他の食品添加物を本発明の目的
の範囲内で添加することができる。
本発明の組成物の製造の概略は以下のとおりである。
即ち、リゾフォスファチド及び必要なら前記の併用し
得る界面活性剤を水相或いは油相に、好ましくは親水性
界面活性剤は水相に、親油性界面活性剤は油相に溶解乃
至分散させ、キサンタンガムは水相に膨潤あるいは油相
に分散させ、所望により蛋白質その他の成分を添加し、
所望により加温攪拌して、予備乳化し、高速攪拌による
乳化、加圧式ホモゲナイザーによる乳化、その他コロイ
ドミル、超音波等或いはこれらを組み合わせて乳化を行
い、目的物を得ることができる。又、必要に応じて、乳
化前或いは乳化後にパステライザー、プレート式熱交換
機等によって加熱殺菌を行うこともできる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は実施例に制
限されるものではない。
尚、フォスファチドとはリゾフォスファチドとジアシ
ルフォスファチドとを主成分とするフォスファチドを意
味する。
実施例1 市販大豆燐脂質からアセトン沈澱、含水エタノール分
画により70%のジアシルフォスファチジルコリンを含有
するフォスファチドを得、これに豚膵臓フォスフォリパ
ーゼA−2(ノボ社製、レシターゼ10L)を作用させ、
発生脂肪酸をアセトンで除去しアルコールにより分画
し、珪酸カラムとアルコールにより更に分画してリゾフ
ォスファチジルコリン95%、リゾフォスファチジルエタ
ノールアミン2%、総リゾフォスファチド含量97%のフ
ォスファチドを得た。
このフォスファチド20kgを水200kgに溶解し、キサン
タンガム6kgを分散させた大豆サラダ油2000kgを加え
て、60℃で特殊機化工業製ホモミキサーにより15000r.
p.m.で10分間乳化した。乳化後、アルファ・ラバル社製
コンサームかきとり式UHT滅菌装置によって130℃で10秒
間処理し、ただちに均質圧力50kg/cm2で無菌的に均質処
理した。ついでこのものをクーラーで40℃に冷却した
後、容器に無菌充填し、水中油型乳化用乳化組成物を得
た。この組成物は常温でマヨネーズ状であり、常温保管
3ヶ月後も均一マヨネーズ状であった。
この組成物を60℃に溶解し、この組成物1kgに対し、
こいくち醤油、100%天然オレンジ果汁、カルピスをそ
れぞれ800g〔O/W比は50/50(重量比、以下同じ)とな
る〕、及び2.6kg(O/W比は25/75となる)を加え、プロ
ペラ式攪拌機にて60℃で乳化し、乳化液をそれぞれ得
た。これらの乳化液をガラスシリンダーにとり、20℃と
35℃を1日に各1回サイクルする恒温槽に保存して乳化
の安定性を観察した。
上記乳化液は何れも、2ヶ月後も全体が均一な流動状
であり、油層分離、クリーミングアップとも生じなかっ
た。
実施例2 大豆燐脂質からアセトン沈澱を行って脱脂燐脂質を
得、これにレシターゼ10Lを作用させた後、イソプロピ
ルアルコール・ヘキサン混合溶媒でフォスファチドを抽
出し、アセトン処理して脱脂肪する。これをアルコール
で抽出してリゾフォスファチドを多く含むフォスファチ
ドを得た。このフォスファチドはリゾフォスファチジル
コリン48%、リゾフォスファチジルエタノールアミン11
%を主とし、総リゾフォスファチド含量62%のフォスフ
ァチドであった。
このフォスファチド20kgを水200kgに溶解し、キサン
タンガム10kgを分散させた大豆サラダ油2000kgを加え
て、実施例1と同様に乳化、殺菌、無菌充填して水中油
型乳化用乳化組成物を得た。この組成物は常温でマヨネ
ーズ状であり、常温保管3ヶ月後も均一マヨネーズ状で
あった。
この組成物を用い、実施例1と同様に各種水相素材を
加え、乳化して乳化液をそれぞれ得、これらを同様の条
件に保存したが、実施例1で得られた乳化液と同様、2
ヶ月後も均一な流動状であった。
実施例3 実施例2で得られたフォスファチド10kgを水50kgに溶
解し、こいくち醤油150kg、キサンタンガム5kgを分散さ
せた大豆サラダ油1000kgを加えて60℃で特殊機化工業製
ホモミキサーにより15000r.p.m.、10分間乳化し、容器
に充填し水中油型乳化用乳化組成物を得た。この組成物
は常温でマヨネーズ状であり、常温保管3ヶ月後も均一
なマヨネーズ状であった。
この組成物を60℃に溶解し、この組成物1kgに対し、
こいくち醤油を650g(O/W比は50/50となる)及び2290g
(O/W比は25/75となる)を加え、プロペラ式攪拌機にて
60℃で乳化し、乳化液をそれぞれ得た。これらの乳化液
を実施例1と同様の条件に保存して乳化の安定性を観察
したところ、何れも2ヶ月後も全体が均一な流動状であ
り、油層分離、クリーミングアップとも生じなかった。
実施例4 実施例3で用いたこいくち醤油の代わりに100%天然
オレンジ果汁を用いた以外は実施例3と同様に乳化、充
填して水中油型乳化用乳化組成物を得た。
この組成物は常温でマヨネーズ状であり、常温保管3
ヶ月後も均一なマヨネーズ状であった。
この組成物を60℃に溶解し、この組成物1kgに対し、1
00%天然オレンジ果汁2290g(O/W比は25/75となる)を
加え、実施例3と同様に乳化、保存したところ、実施例
3と同様、2ヶ月後も全体が均一な流動状であった。
実施例5〜7 実施例2〜4のフォスファチド部分を実施例2のフォ
スファチド/SYグリスターMS500=5/5(重量比、以下同
じ)に変えて実施した。
実施例8〜10 実施例2〜4のフォスファチド部分を実施例2のフォ
スファチド/SE-S1670=5/5に変えて実施した。
実施例11〜13 実施例2〜4のフォスファチド部分を実施例2のフォ
スファチド/エマゾールS-10-F=7/3に変えて実施し
た。
実施例14〜16 実施例2〜4のフォスファチド部分を実施例2のフォ
スファチド/エマルジーMS=7/3に変えて実施した。
実施例5〜16でそれぞれ得られた乳化組成物及び乳化
液は何れも安定であり、乳化液は20℃←→35℃リサイク
ル2ヶ月後も均一な流動状であった。
なお実施例5〜16でフォスファチドと併用した乳化剤
は下記の通りである。
SYグリスターMS500 阪本薬品製、ヘキサグリセリンモノステアレート、HL B11.6 SE-S1670 三菱化成食品製、蔗糖モノステアレート、HLB15 エマゾールS-10-F 花王製、ソルビタンモノステアレート、HLB4.7 エマルジーMS 理研ビタミン製、グリセリンモノステアレート、HLB 2.5 比較例1〜4 実施例1〜4のキサンタンガムを除き、実施例と同様
にして水中油型乳化組成物を得た。
これらの組成物は実施例1〜4の組成物と同様常温保
管3ヶ月後も均一であった。しかしながら、これらの組
成物を用いて、実施例と同様にして乳化液を得、これら
の乳化液を保存したところ、下表に示すように不安定で
あった。
なおOは油相、Cはクリーム−相、Wは水相の略号で
あり、数字はその割合(全体中の%)を示す。tはわず
かという意味である。
比較例5〜16 実施例2〜4のフォスファチド部分をSYグリスターMS
500、SE-S1670、エマゾールS-10-F、エマルジーMSにそ
れぞれ置き換えたものをそれぞれ比較例5〜7、8〜1
0、11〜13、14〜16として、実施例と同様にして水中油
型乳化組成物を製造した。比較例5〜11は乳化可能であ
ったが、比較例12〜16は乳化不能であった。比較例5〜
11の乳化組成物を用いて、実施例と同様にして乳化液を
得、これらの乳化液を保存したところ、比較例5〜7の
乳化液はいずれも10日以内に固化し、比較例8〜10の乳
化液はいずれも10日以内に固化、40日以内に乳化破壊し
た。比較例11の乳化組成物を用いては乳化液を作れなか
った。
〔発明の効果〕
本発明の水中油型乳化用乳化組成物を用いれば、簡単
な攪拌機により、実際の商品としての流通条件下及び苛
酷な使用条件下でも安定流動状の水中油型食塩高含有食
品あるいは酸性食品を作ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 哲 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−16573(JP,A) 特開 昭63−185350(JP,A) 特公 昭46−13263(JP,B1) 食品と科学、26(4)(1984)P.89 −94

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油相/水相が95/5〜70/30(重量比)であ
    り、乳化剤の少なくとも一成分としてリゾフォスファチ
    ドを0.1〜5重量%、及びキサンタンガムを0.05〜1重
    量%含有することを特徴とする水中油型乳化用乳化組成
    物。
  2. 【請求項2】リゾフォスファチド(a)が、リゾフォス
    ファチジルコリンを主成分とし、リゾフォスファチジル
    エタノールアミンを含有し、且つリゾフォスファチジル
    イノシトール、リゾフォスファチジン酸、リゾフォスフ
    ァチジルセリンからなる群から選ばれる一種以上のリゾ
    フォスファチドを含有するものであり、これらリゾフォ
    スファチド(a)が該リゾフォスファチド(a)と対応
    するジアシルフォスファチド(b)を更に含む場合はフ
    ォスファチド全量〔(a)+(b)〕に対してリゾフォ
    スファチド(a)の量が40重量%以上であることを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項記載の水中油型乳化用
    乳化組成物。
  3. 【請求項3】リゾフォスファチド(a)が、実質的にリ
    ゾフォスファチジルコリン(モノアシルフォスファチジ
    ルコリン)であり、該リゾフォスファチド(a)がジア
    シルフォスファチド(b)を更に含む場合は、フォスフ
    ァチド全量〔(a)+(b)〕に対してリゾフォスファ
    チド(a)の量が40重量%以上であることを特徴とする
    特許請求の範囲第(1)項記載の水中油型乳化用乳化組
    成物。
  4. 【請求項4】乳化剤として、リゾフォスファチドと、ポ
    リグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソ
    ルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれた一種ま
    たは二種以上の乳化剤とを、重量割合〔前者/後者〕で
    30/70〜100/0の割合で混合した混合乳化剤を、油脂に対
    し0.1〜5重量%添加することを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載の水中油型乳化用乳化組成物。
  5. 【請求項5】乳化剤としてリゾフォスファチドと、グリ
    セリンモノ脂肪酸エステルとを、重量割合〔前者/後
    者〕で50/50〜100/0の割合で混合した混合乳化剤を、油
    脂に対し0.1〜5重量%添加することを特徴とする特許
    請求の範囲第(1)項記載の水中油型乳化用乳化組成
    物。
  6. 【請求項6】水相が醤油等の食塩高含有食品であること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)〜(5)項記載の
    水中油型乳化用乳化組成物。
  7. 【請求項7】水相が果汁、醗酵乳等の酸性食品であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)〜(5)項記載
    の水中油型乳化用乳化組成物。
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