JP2646502B2 - カメラ及び作動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の利用分野） 本発明は、フィルムに備わった磁気記憶部に対し、情
報の書き込み或いは読み出しを行うための磁気ヘッドを
有する、磁気記憶部付フィルムを使用することのできる
カメラ等の装置に関するものである。

（発明の背景） 近年、フィルムパトローネより突出されたフィルム先
端部を巻き取りスプール等にセットする作業が煩わし
い、フィルム先端を不用意に引っ張ってしまうことによ
りフィルムが露光されてその部分を使用不可にしてしま
う等の理由から、フィルムを完全に内部に収納した（フ
ィルムのリーダ部をも内部に巻き込んだ）パトローネ筐
体を用い、これを例えばカメラの側面よりパトローネ室
に挿入し、フォーク駆動により該筐体内よりフィルムを
外部へ押し出す方式のものが提案（米国特許4841319号
等）されている。

また、磁気記憶部を持つフィルムを使用し、該磁気記
憶部にシャッタ秒時、絞り値やタイトル等の情報を磁気
ヘッドにより書き込み且つ読み出す方式のものが提案さ
れている。

そこで、前述のようなパトローネ筐体内に収納される
フィルムを磁気記憶部を持つフィルムとし、このような
パトローネ筐体を使用すると共に、カメラ本体内に磁気
ヘッドを配置した構成のカメラを実現しようとした場
合、書き込み及び読み出し用の磁気ヘッドを単にフィル
ム面に接触させた状態で配置していたのでは、フィルム
先端部がパトローネ筐体より押し出されてスプール室へ
と導かれる際に、前記磁気ヘッドにぶつかってしまい、
フィルムが折れ曲がったり、オートローディングが不能
になる危険性があった。

（発明の目的） 本発明は、以上の事情に鑑みなされたもので、磁気記
憶部付フィルムを使用することのできるカメラにおい
て、フィルムカートリッジより送り出されたフィルムの
オートローディング動作を正常に行えなかったり、フィ
ルムが折れ曲がってしまうといった不都合を防止できる
カメラを提供しようとするものである。

また、本発明は、磁気記憶部付写真フィルムに適用さ
れる作動装置において、フィルムカートリッジより送り
出された写真フィルムのオートローディング動作を正常
に行えなかったり、写真フィルムが折れ曲がってしまう
といった不都合を防止できる作動装置を提供しようとす
るものである。

（発明の特徴） 上記目的を達成するために、本発明は、磁気記憶部付
フィルムを使用することのできるカメラにおいて、フィ
ルムの磁気記憶部との間で磁気情報の伝達を行うための
磁気ヘッドと、フィルムを前記磁気ヘッド側へ押圧する
押圧手段と、フィルムがフィルムカートリッジより送り
出されて該フィルムの先端部が前記押圧手段の作用する
位置を通過した後に該押圧手段を作用方向に移動させる
作動手段とを有することを特徴とするものである。

また、上記目的を達成するために、本発明は、磁気記
憶部付写真フィルムに適用される作動装置において、写
真フィルムの磁気記憶部との間で磁気情報の伝達を行う
ための磁気ヘッドと、写真フィルムを前記磁気ヘッド側
へ押圧する押圧手段と、写真フィルムがフィルムカート
リッジより送り出されて該写真フィルムの先端部が前記
押圧手段の作用する位置を通過した後に該押圧手段を作
用方向に移動させる作動手段とを有することを特徴とす
るものである。

（発明の実施例） 以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第３図は本発明に係るカメラの機械的部分の一実施例
を示す斜視図であり、１はフィルムの全部を内部に収納
したフィルムカートリッジ、２はISO情報等が記憶され
た磁気記憶部（不図示）及び１画面に１つのパーフォレ
ーション2aを有するフィルム、３はフィルム巻取りスプ
ール、4,5はフィルム空送り用フィルム押えローラ、６
は前記パーフォレーション2aを検出するフォトリフレク
タ、７は前記磁気記憶部よりISO情報を読み取ったり、
該磁気記憶部へ情報の書き込みを行う磁気ヘッド、８は
フィルム２面を前記磁気ヘッド７に押し付け、情報の読
み取り及び書き込みを確実なものにする為のパッドであ
る。９は前記パッド８を固着する立下り部9a,バネ引掛
け部9b及び後述のレバー13と当接する突出部9cを有する
レバー、10,11は前記レバー９をスライド可能に保持す
る軸、12は前記レバー９（及びパッド８）をフィルム２
の方向に付勢するバネ、13は前記突出部9cと当接する突
出部13a,後述するウォームギヤ16と噛合するラック部13
bを有するレバー、14,15は前記レバー13をスライド可能
に保持する軸、16は出力ギヤ16aを有するウォームギ
ヤ、17は前記出力ギヤ16aと噛合するギヤである。18は
前記ギヤ17を先端に固着したパッドモータであり、後述
の制御回路により正通電がなされることにより後述のよ
うにパッド８をフィルム走行位置へ進入させ（フィルム
２を磁気ヘッド７に押し付け）、逆通電がなされること
によりパッド８をフィルム走行位置より退避させる。

第１図は上記の如き機構を有するカメラの主要部分の
ブロック図を示すものである。

該図において、19は前記フィルム２の給送を行う給送
モータであり、正通電がなされることにより不図示のギ
ヤ列を介してフィルム２をフィルムカートリッジ１より
押し出す。20は前記パッドモータ18ヘの通電時間を決定
するパッド用タイマ、21は上記フォトリフレクタ6,磁気
ヘッド7,パッドモータ18,給送モータ18,パッド用タイマ
20等を制御する制御回路である。

次に、以上の構成の動作を第２図のフローチャートに
従って説明する。

ステップ101においてカメラへフィルムカートリッジ
１の装填がなされたことを検知するとステップ102へ進
み、フォトリフレクタ６を動作可能状態にし、次のステ
ップ103において給送モータ19への正通電を行い、フィ
ルム空送りを開始する。これによりフィルムカートリッ
ジ１よりフィルム２が押し出され、前記フォトリフレク
タ６によりパーフォレーション2aの検出が行われる。制
御回路21は該フォトリフレクタ６にて検出されたパーフ
ォレーションの個数を計数し、ステップ104においてパ
ーフォレーション2aの数がｍ個に達したことを判別する
と、フィルム２の先端部がフィルム巻取りスプール３に
巻き付いたとしてステップ105へ進み、ここでパッド８
をフィルム走行位置へ進入させるためにパッドモータ18
への正通電を開始すると共に、次のステップ106におい
てパッド用タイマ20をスタートさせる。

ここで、前述のようにパッドモータ18に正通電がなさ
れた際の各部材の作動について述べると、パッドモータ
18の出力はギヤ17,ウォームギヤ16を介してレバー13に
伝わり、該レバー13は矢印Ａ方向にスライドしはじめ、
これに伴って該レバー13による位置規制が解かれるため
に同方向にレバー９もスライドするようになる（バネ12
の付勢により）。よってレバー９の立下り部9aに固着さ
れたパッド７もＡ方向、つまり磁気ヘッド７方向に移動
し、その後フィルム２面に達して該フィルム（磁気記憶
部）２を磁気ヘッド７に押圧するようになる。なおこの
際、レバー13の移動量はレバー９の移動量よりも大きく
なるように設定されているが、これはパッド８が確実に
フィルム２を磁気ヘッド７に押圧することを保証するた
めである。

次のステップ107においては前記パッド用タイマ20が
所定のカウント値をカウントし終えたかどうかを判別
し、カウント終了を検知すると、つまりパッド３がフィ
ルム２を磁気ヘッド７に押圧したであろう時間が経過す
ると、前記パッドモータ18への通電を停止する。そして
ステップ109において磁気ヘッド７を駆動して給送中の
フィルム２の磁気記憶部よりISO情報等の読み取りを行
わせ、次のステップ110においてフォトリフレクタ６よ
りｎ個目のパーフォレーションが入力されたことを判別
すると、第１駒目が撮影位置（アパーチャ位置）に達し
たとしてステップ111に進んで給送モータ19への通電を
停止すると共に、ステップ112において前記磁気ヘッド
７の駆動を停止する。次のステップ113においてはパッ
ド８をフィルム走行位置より退避させるためにパッドモ
ータ18への逆通電を開始し、次のステップ114において
パッド用タイマ20をスタートさせる。そしてパッド８が
初期位置まで退避したであろう時間が経過したことをス
テップ115において判別すると、ステップ116においてパ
ッドモータ18への通電を停止する。

第４図は本発明の他の実施例を示すカメラのブロック
図であり、第１図と同じ部分は同一符号を付してある。

第１図の実施例と異なる部分は、ｍ個目のパーフォレ
ーション2aをフォトリフレクタ６が検出したことを判別
してから所定時間経過してから始めてパッドモータ18へ
の正通電を行うようにするための遅延用タイマ22を備え
たところである。

次に、第４図の構成の動作を第５図のフローチャート
に従って説明するが、第２図と同じ動作を行う部分は同
一ステップ番号を付し、その説明は省略する。

ステップ104においてｍ個目のパーフォレーション2a
をフォトリフレクタ６が検出したことを判別するとステ
ップ201へ進み、ここで遅延用タイマ22をスタートさ
せ、次のステップ202において該遅延用タイマ22をカウ
ント終了するのを待つ。カウント終了したことを検知す
るとステップ105へ進み、前述したようにパッドモータ1
8への正通電を開始し、パッド８をフィルム走行位置ま
で進入させる。

前述のように所定時間遅延させた後にパッドモータ18
への通電を開始するようにしたのは、本実施例のように
１画面に対して１つのパーフォレーション2aしか持たな
いフィルム２が用いられた場合、例えば２個目のパーフ
ォレーション検出ではまだフィルム２の先端部はフィル
ム巻取りスプール３に巻き付いてないが、３個目のパー
フォレーション検出時点では多くのフィルムが巻き付い
てしまう事が考えられ、本実施例によれば例えば２個目
と３個目のパーフォレーションの中間位置より情報の読
み取りを開始したい様な場合に好適である。このことに
より、空送り枚数を少なく出来ることになる。

なお、以上のことから分かるように、この実施例にお
けるステップ104でのｍ個目のパーフォレーションと
は、先の実施例の場合と事なり、次のパーフォレーショ
ン検出では多くのフィルムがフィルム巻取りスプール３
に巻き付いてしまうであろう１個前のパーフォレーショ
ン数となる。

上記各実施例によれば、所定数のパーフォレーション
検出を行った後に、或は所定数のパーフォレーション検
出を行って所定時間経過後に、つまりフィルムがフィル
ム巻取りスプールに完全に巻き付いた時点で、パッドモ
ータ18への通電を開始してパッド８をフィルム走行位置
へ進入させ、磁気ヘッド７によりフィルム２に記憶され
た情報を読み取るように構成している為、フィルムカー
トリッジ１よりフィルム２の押し出しを正常に行われた
後、アパーチャ位置に１駒目が来るまでに（フィルム空
送り中に）ISO等様々の情報の読み取りを終える事がで
き、カメラを正確に作動できる体勢を事前にとることが
できる。

（変形例） 上記各実施例では、磁気ヘッド７を固定とし、押圧部
材であるところのパッド８をフィルム走行位置に対して
進入させ、該パッド８によりフィルム２を前記磁気ヘッ
ド７に押し付け、情報の読み取りを確実なものにするよ
うに構成しているが、これに限定されるものではなく、
逆にパッド８を固定にし、磁気ヘッド７をフィルム走行
位置に対して進退可能に構成したものであっても本発明
を適用することが可能であることは言うまでもないであ
ろう。

また、上記各実施例では、フィルム２の先端がフィル
ム巻取りスプール３に巻き付いたか否かの検知を、フォ
トリフレクタ６を用いてフィルム２に備わったパーフォ
レーション2aの数を計数することで行っているが、これ
に限定されるものではなく、例えばフィルム巻取りスプ
ール３近傍に投受光素子を配置し、該投受光素子により
この位置にフィルム２の先端が達した事を確認してから
ある時間経過後にフィルム巻取りスプール３へのフィル
ム２の巻き付きが完全に行われたと判別するようにして
も良い。

（発明と実施例の対応） 以上の実施例において、磁気ヘッド７が本発明の磁気
ヘッドに、パッド８が本発明の押圧手段に、フォトリフ
レクタ６、レバー９からパッドモータ18まで、及び制御
回路21が本発明の作動手段に、それぞれ相当する。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、磁気記憶部付
フィルムを使用することのできるカメラにおいて、フィ
ルムカートリッジより送り出されたフィルムのオートロ
ーディング動作を正常に行えなかったり、フィルムが折
れ曲がってしまうといった不都合を防止できるものであ
る。

また、本発明によれば、磁気記憶部付写真フィルムに
適用される作動装置において、フィルムカートリッジよ
り送り出された写真フィルムのオートローディング動作
を正常に行えなかったり、写真フィルムが折れ曲がって
しまうといった不都合を防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すカメラのブロック図、
第２図はその動作を示すフローチャート、第３図は第１
図のカメラの主要部分の機械的構成を示す斜視図、第４
図は本発明の他の実施例を示すカメラのブロック図、第
５図はその動作を示すフローチャートである。 １……フィルムカートリッジ、２……フィルム、３……
フィルム巻取りスプール、６……フォトリフレクタ、７
……磁気ヘッド、８……パッド、9,13……レバー、18…
…パッドモータ、19……給送モータ、21……制御回路、
22……遅延用タイマ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気記憶部付フィルムを使用することので
   きるカメラにおいて、フィルムの磁気記憶部との間で磁
   気情報の伝達を行うための磁気ヘッドと、フィルムを前
   記磁気ヘッド側へ押圧する押圧手段と、フィルムがフィ
   ルムカートリッジより送り出されて該フィルムの先端部
   が前記押圧手段の作用する位置を通過した後に該押圧手
   段を作用方向に移動させる作動手段とを有することを特
   徴とするカメラ。
2. 【請求項２】磁気記憶部付写真フィルムに適用される作
   動装置において、写真フィルムの磁気記憶部との間で磁
   気情報の伝達を行うための磁気ヘッドと、写真フィルム
   を前記磁気ヘッド側へ押圧する押圧手段と、写真フィル
   ムがフィルムカートリッジより送り出されて該写真フィ
   ルムの先端部が前記押圧手段の作用する位置を通過した
   後に該押圧手段を作用方向に移動させる作動手段とを有
   することを特徴とする作動装置。