JP2645202B2 - プラント模擬装置 - Google Patents

プラント模擬装置

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JP2645202B2
JP2645202B2 JP20528392A JP20528392A JP2645202B2 JP 2645202 B2 JP2645202 B2 JP 2645202B2 JP 20528392 A JP20528392 A JP 20528392A JP 20528392 A JP20528392 A JP 20528392A JP 2645202 B2 JP2645202 B2 JP 2645202B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラント等
の工業プラントの運転訓練生の運転訓練等に用いられる
プラント模擬装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば原子力発電プラント等の工業プラ
ントでは、プラントを安全かつ安定に運転するため、プ
ラントの運転員には、通常の運転操作を円滑に行うこと
だけでなく、異常発生時における処置を迅速に行うこと
のできる能力が要求される。そのために、運転訓練シミ
ュレータをはじめ、各種のプラント模擬装置が開発され
ている。
【0003】このような運転訓練用のプラント模擬装置
では、任意のプラント模擬状態を保存して、その保存し
たプラント模擬状態を再現することのできる機能を備え
ている。
【0004】かかるプラント模擬装置の従来例を図11
に示す。同図において、模擬演算手段1は、模擬操作盤
2を介して入力される操作指令により、模擬データ一時
ファイル3に記憶されているプラント模擬データに基づ
いてプラントの模擬演算を行うものであり、その演算結
果として得られたプロセス量、および模擬演算に必要な
各種の内部パラメータ(例えば、状態変数等)からなる
模擬データd1は、模擬データ一時ファイル3に上書き
される。模擬データ一時ファイル3に記憶される模擬デ
ータのうちのプロセス量d2は、表示制御手段4に出力
される。
【0005】表示制御手段4は、常時は、例えば、中央
に系統図を配し、その周囲にプラント状態を示すトレン
ドグラフを配した表示画面をCRT表示装置等の表示装
置5に表示するものである。その系統図には、模擬デー
タ一時ファイル3より入力したプロセス量が、おのおの
に対応した箇所に表示される。
【0006】なお、表示装置5およびキーボード等の入
力装置6は、模擬操作盤2に付設されているものであ
る。
【0007】初期状態登録手段7は、入力装置6より入
力される指令により、模擬データ一時ファイル3に記憶
されている模擬データをサンプリングして模擬データ記
憶手段8に記憶するものである。
【0008】初期状態設定手段9は、入力装置6より入
力される指令により、指定された模擬データを模擬デー
タ記憶手段8より読みだし、その読み出した模擬データ
によって模擬データ一時ファイル3の記憶内容を書き換
えるとともに、読みだした模擬データのうち模擬演算に
必要な各種パラメータを模擬演算手段1に設定して、模
擬状態をその指定された模擬データの時点の状態に再現
するものである。
【0009】以上の構成で、模擬操作盤をオペレータが
操作すると、模擬演算手段1は、模擬操作盤操作13に
応じてプラントの模擬演算を行う。それにより、模擬演
算手段1が模擬演算して得られたプロセス量がCRT表
示装置5の系統図に表示されて、オペレータはプラント
の動作状態を監視することが出来る。
【0010】ところで、プラントの運転操作は、プラン
トの状態変化に応じて行われるもので、模擬運転もそれ
と同様にして行われる。また、模擬装置では、各々の状
態変化の発生点をブレークポイント(またはサブブレー
クポイント)に設定して、各々のブレークポイントでの
模擬運転を繰り返し行うことのできるようにしている。
【0011】そのためには、まず、模擬運転操作中にプ
ラント模擬状態がそれらのブレークポイントに達したと
きに、入力装置6より初期状態登録を指令する。初期状
態登録の指令が入力されると、表示制御手段4は、表示
装置5の所定領域に、図12に示すような初期状態登録
画面を表示する。この初期状態登録画面は、登録した初
期状態の選別のための登録番号が表示される欄R1と、
登録した時点での時刻が表示される欄R2と、その初期
状態を容易に識別できるようにオペレータが付加したコ
メントが表示される欄R3とで構成されており、これら
の欄には、すでに登録されている初期状態が表示され
る。オペレータは、この初期状態登録画面を見て、その
ときのブレークポイントにおける模擬状態を登録する番
号およびコメントを入力エリアR4にキーボード等の入
力装置6により入力すると、入力された番号とコメント
が、対応する登録欄R1、R3にそれぞれ書込まれる。
すでに同じ番号が登録されている場合は、その上に上書
きされる。そして、その登録番号に対応した欄R2に、
登録時点の年月日・時刻が自動的に書込まれる。
【0012】これにより、初期状態登録手段7は、その
ときに模擬データ一時ファイル3に記憶されている模擬
データを、入力装置6により入力された登録番号に関連
づけて初期状態登録ファイル8に記憶する。図13に、
初期状態登録ファイル8の構成例を示す。図に示すよう
に、本ファイルは初期状態の登録番号順にコメント情報
11と模擬データ12が並ぶ構成となっている。
【0013】以上のような手順で、模擬運転の過程で各
ブレークポイントにおけるプラントの模擬状態が順次登
録される。
【0014】そして、ある時点から1つのブレークポイ
ントを再現しようとするとき、入力装置6より初期状態
設定(再現)を指令する。初期状態設定の指令が入力さ
れると、表示制御手段4は、表示装置5の所定領域に、
図14に示すような初期状態設定画面を表示する。この
初期状態設定画面の欄R5〜R7には、それまでに初期
状態登録画面で登録されている欄R1〜R3の内容が表
示される。
【0015】この初期状態設定画面において、オペレー
タが所望の初期状態に対応した登録番号を入力装置6に
より指定すると、初期状態設定手段9は、その指定され
た登録番号に基づいて模擬データ記憶手段8に記憶され
ている模擬データを読みだし、この読みだした模擬デー
タに模擬データ一時ファイル3の記憶内容を書き換える
とともに、読みだした模擬データのうち模擬演算に必要
な各種の内部パラメータを模擬演算手段1に設定する。
【0016】これにより、模擬演算手段1の内部状態お
よび表示装置5に表示されるプロセス量が、その指定さ
れたプラント状態に対応した内容に変更され、その状態
からプラントの模擬が続行される。
【0017】このようにして、1つのブレークポイント
の状態を再現することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のプラント模擬装置では、入力装置6により任意のプラ
ント状態を登録し、設定することができる。
【0019】しかしながら、このような従来のプラント
模擬装置では、初期状態登録を行う場合、オペレータが
入力装置6によりそのつど要求する必要があり、プラン
ト運転訓練中に初期状態として必要なプラント状態を登
録するのを忘れると、そのプラント状態は失われ再現で
きなくなる。このため、オペレータは絶えず現在のプラ
ント状態について初期状態登録が必要かどうか監視する
必要があった。
【0020】本発明は、かかる従来の事情に対処してな
されたもので、初期状態登録をオペレータ操作によらず
自動的に実施することにより、オペレータの負担を軽減
するとともに、必要となるプラント状態を誤りなく確実
に初期状態登録することができ、従来に比べて運転訓練
効果を向上させることのできるプラント模擬装置を提供
することを目的とする。
【0021】また、従来のプラント模擬装置では、一度
登録した初期状態は、新たに初期状態登録を実施し、デ
ータの上書きをしない限り変更できず、オペレータが、
初期状態番号の変更、初期状態の移動およびコピー等の
編集作業を実施する場合、まず初期状態設定の操作を行
って、該当する初期状態を再現するとともに、模擬操作
盤2のスイッチ状態を全てその初期状態のスイッチ位置
に合わせ、ついでその状態でプラント運転できるかどう
か確認しプラントの安定した状態を初期状態としてとる
ためのシミュレーション実行(RUN)の運転操作を行
うという一連の操作を実施した後、初期状態登録を実施
する必要があった。特に模擬操作盤(以下、操作盤と略
す。)の現在のスイッチ状態が、編集しようとする初期
状態と大きく異なる場合には、引き保持あるいは引き保
持解除するスイッチの数が多く、これを初期状態に合わ
せて、いちいち操作しなければならず、オペレータにと
って大きな負荷となっていた。なお、初期状態編集時に
はプラント起動から停止まで運転状態の大きく異なる初
期状態を扱うことが多く、編集する初期状態が多い場合
には、スイッチ合わせを行うスイッチ数は膨大な量とな
る。
【0022】本発明は、さらにかかる従来の事情に対処
してなされたもので、オペレータが初期状態番号の変更
およびコメントの変更等の編集作業を実施する場合に、
オペレータの負担を軽減するとともに、必要となる初期
状態編集を確実に実施することができ、従来に比べて運
転訓練効果、効率を向上させることのできるプラント模
擬装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】前者の目的を達成するた
めに、本発明のプラント模擬装置は、プラント模擬運転
時のプラント状態の模擬データを記憶する模擬データ一
時ファイルと、模擬操作盤を介して入力される機器操作
指令により、模擬データ一時ファイルに記憶されている
模擬データを用いてプラント動特性を模擬演算し、演算
して得られた模擬データを模擬データ一時ファイルに上
書き保存する模擬演算手段と、初期状態として登録すべ
きプラント状態の条件を予め入力装置を介して入力し設
定する初期状態登録条件設定手段と、模擬データ一時フ
ァイルに記憶されている模擬データが初期状態登録条件
設定手段により設定されている初期状態として登録すべ
きプラント状態の条件を満足するか否かを判定し、満足
すると判定したとき初期状態登録指令を出力する初期状
態登録判定手段と、この初期状態登録判定手段からの初
期状態登録指令または入力装置を介して入力される初期
状態登録指令により、模擬データ一時ファイルに記憶さ
れている模擬データを初期状態として初期状態登録ファ
イルに保存する初期状態登録手段と、入力装置を介して
入力される初期状態設定指令により、初期状態登録ファ
イルに記憶されている初期状態の中から指定された初期
状態を模擬データ一時ファイルに設定する初期状態設定
手段と、模擬データ一時ファイルに記憶されている模擬
データおよび入力装置からの入力情報を表示装置へ表示
する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0024】また、後者の目的を達成するために、本発
明のプラント模擬装置は、プラント模擬運転時のプラン
ト状態の模擬データを記憶する模擬データ一時ファイル
と、模擬操作盤を介して入力される機器操作指令によ
り、模擬データ一時ファイルに記憶されている模擬デー
タを用いてプラント動特性を模擬演算し、演算して得ら
れた模擬データを模擬データ一時ファイルに上書き保存
する模擬演算手段と、入力装置を介して入力される初期
状態登録指令により、模擬データ一時ファイルに記憶さ
れている模擬データを初期状態として登録する初期状態
登録手段と、この初期状態登録手段によって登録された
初期状態を入力装置を介して付加された登録番号および
コメントとともに記憶する初期状態登録ファイルと、入
力装置を介して入力される初期状態編集指令により、初
期状態登録ファイルに記憶されている初期状態の登録番
号およびコメントに対して書き替えの編集を実施する初
期状態編集手段と、入力装置を介して入力される初期状
態設定指令により、初期状態登録ファイルに記憶されて
いる初期状態の中から指定された初期状態を模擬データ
一時ファイルに設定する初期状態設定手段と、模擬デー
タ一時ファイルに記憶されているプラント模擬データお
よび入力装置からの入力情報を表示装置へ表示する表示
制御手段とを具備することを特徴とする。
【0025】
【作用】前者の発明のプラント模擬装置においては、初
期状態登録条件設定手段によって、初期状態として登録
すべきプラント状態の条件を予め設定しておくことがで
きる。そして、この設定された初期状態登録条件に基づ
いて、初期状態登録判定手段が、プラント模擬運転開始
後模擬演算手段によって模擬演算され模擬データ一時フ
ァイルに刻々更新保存されるプラント模擬データについ
て、登録すべきか否か絶えず判断して、登録すべき模擬
データを検出するため、オペレータから登録要求を行わ
なくても初期状態登録手段により初期状態として登録す
べき模擬データを初期状態登録ファイルに保存すること
ができる。したがって、初期状態登録が必要かどうか表
示装置に表示されるプラント状態値を絶えず監視しなけ
ればならないというオペレータの負担が軽減されるとと
もに、必要となるプラント状態をオペレータ操作によら
ず自動的に誤りなく確実に初期状態登録することがで
き、従来に比べて運転訓練効果、効率を向上させること
ができる。
【0026】また、後者の発明のプラント模擬装置にお
いては、初期状態編集手段を設け、この初期状態編集手
段により、初期状態登録ファイルに保存されている初期
状態に対して、初期状態登録番号の変更およびコメント
の変更等の編集作業をオペレータが容易に実施すること
ができるようにしたため、初期状態番号の変更およびコ
メントの変更には従来必要であった初期状態設定、不正
スイッチ合わせ、シミュレーション実行(RUN)とい
う一連の操作を省略することができ、オペレータの負担
が軽減されるとともに、必要となる初期状態編集を確実
に実施することができ、従来に比べて運転訓練効果、効
率を向上させることができる。
【0027】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例を詳細に説明する。なお、従来例と共通する部分に
は同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0028】図1は、本発明のプラント模擬装置の一実
施例を示すもので、この実施例では、図11に示す従来
のプラント模擬装置の構成に加えて、初期状態登録条件
設定手段21と、初期状態登録判定手段22が設けられ
ている。
【0029】ここで、初期状態登録条件設定手段21
は、初期状態として登録すべきプラント状態の条件を予
めオペレータからキーボード等の入力装置6を介して入
力し設定するものである。初期状態登録判定手段22
は、プラントの運転操作に応じて、模擬演算手段1によ
り演算され、変化する模擬データ一時ファイル1内の模
擬データを常時監視し、それが初期状態登録条件設定手
段21により設定された初期状態として登録すべきプラ
ント状態の条件を満足する場合に、初期状態登録手段7
へ初期状態登録指令を出すものである。
【0030】次に、上記構成のプラント模擬装置おい
て、初期状態登録条件設定手段21および初期状態登録
判定手段22による作用を、図2ないし図4を参照して
説明する。
【0031】このプラント模擬装置においては、ある初
期状態から模擬運転を開始する前に、初期状態登録条件
設定を行うことができる。図2は、初期状態登録条件設
定時のプラント模擬装置の動作を示すものである。この
フロー図に示すように、オペレータがキーボード等の入
力装置6より初期状態登録条件設定の指令を入力するこ
とにより、初期状態登録条件設定処理が起動され、表示
装置5に、表示制御手段4により図3に示すような初期
状態登録条件設定画面が表示される(ステップ10
1)。
【0032】この初期状態登録条件設定画面において、
エリアaは、登録すべき初期状態の登録番号およびその
初期状態を明示するコメントを入力するための入力部で
ある。エリアbは、初期状態登録条件種別が時刻Tかサ
ブブレークポイントSかプロセスデータPかを選択入力
するための入力部である。エリアcは、エリアbで選択
された初期状態登録条件種別が時刻の場合、時刻の入力
する条件入力部、エリアdは、初期状態登録条件種別が
サブブレークポイントの場合、そのサブブレークポイン
ト記号を入力する条件入力部、エリアeは、初期状態登
録条件種別がプロセスデータの場合の条件入力部であ
る。
【0033】オペレータが、上記初期状態登録条件設定
画面の各入力部に入力装置6により所定の情報を入力す
ると(ステップ102)、入力された各情報は初期状態
登録条件設定手段21により初期状態登録条件ファイル
に格納され保存されるとともに(ステップ103)、表
示制御手段4により表示装置5に表示される(ステップ
104)。
【0034】ついで、初期状態登録条件判定処理の起動
が行われる(ステップ105)。
【0035】このようにして、初期状態登録条件設定手
段21により初期状態として登録すべきプラント状態の
条件が予め設定され初期状態登録条件ファイルに格納さ
れると、初期状態登録判定手段22は、プラント模擬運
転開始に伴って順次更新される模擬データ一時ファイル
3内の模擬データについて、図4に示すような初期状態
登録判定処理を実施する。このフロー図に示すように、
まず模擬データ一時ファイル3内の模擬データを読込み
(ステップ201)、ついで初期状態登録条件ファイル
内の初期状態登録条件を順次読込んで(ステップ20
2)、その初期状態登録条件の種別(時刻、サブブレー
クポイント、プロセスデータ)に基づいて、ステップ2
01で読込んだ模擬データについて条件が成立している
か否かを判定し(ステップ203〜205)、いずれか
の種別の条件が成立している場合には、その初期状態登
録条件に付加されている登録番号とコメントとともに初
期状態登録指令を初期状態登録手段7に送信する(ステ
ップ206)。
【0036】初期状態登録手段7は、初期状態登録判定
手段22から初期状態登録指令を受け取ると、そのとき
の模擬データ一時ファイル3内の模擬データを初期状態
として、図13に示すような初期状態登録ファイル8に
保存する。なお、初期状態登録手段7は、従来例と同様
に、オペレータからの初期状態登録要求によっても、初
期状態登録を行うものである。
【0037】初期状態登録ファイル8に登録されたプラ
ント状態は、オペレータにより任意に選択し、プラント
模擬運転の初期状態として設定することができる。
【0038】次に、上記初期状態登録条件設定およびそ
の判定の具体例を説明する。
【0039】例えばあるプラントでは、プラント起動前
点検から100%定格出力までの起動過程で51個、1
00%定格出力から低温停止までの停止過程で24個の
サブブレークポイントを持っている。ここでは、プラン
ト起動過程のタービン昇速時を例に挙げて説明する。
【0040】図5は、タービン昇速時のプロセスデータ
の一例としてタービンの回転数Rおよびタービン軸振動
Vについて、それらの値と時刻との関係を示したもので
ある。タービン昇速は、例えばタービン昇速(1)、タ
ービン昇速(2)、タービン昇速(3)の3段階のサブ
ブレークポイントに分かれて昇速される。自動化により
これを実施する場合は、通常、該当するサブブレークポ
イントの開始ボタンを押下することにより行われる。図
5において、タービン昇速(1)の開始は時刻t0 で、
それに従ってタービン回転数Rおよびタービン軸振動V
が上昇しているのがわかる。同様にして、タービン昇速
(2)の開始時刻はt2 、タービン昇速(3)の開始時
刻はt4 である。時刻t1 〜t2 は、タービン昇速
(1)後、タービンに異常がないかどうか調べるための
時間であり、通常ラブチェックと呼ばれている。なお、
時刻t5 で、タービン軸振動Vが大きく振れているの
は、タービンの共振点のためである。
【0041】このようなタービン昇速時において、まず
時刻を初期状態登録条件としてタービン昇速(2)開始
のプラント状態を初期状態登録する場合について説明す
る。
【0042】最初に、図3に示すような初期状態登録条
件設定画面において、対応する初期状態登録番号と「タ
ービン昇速(2)」のようなコメントをエリアaに入力
する。次に、エリアbにTを入力、つまり時刻を指定す
る。そして、エリアcにタービン昇速(2)の開始予定
時刻t2 を入力する。
【0043】以上の方法により、時刻をパラメータとし
てタービン昇速(2)開始のプラント状態を初期状態と
して登録することができる。
【0044】また、初期状態登録条件としてサブブレー
クポイントを用いてタービン昇速(2)開始のプラント
状態を初期状態登録する場合、前述したように、初期状
態登録条件設定画面のエリアaに対応する初期状態登録
番号と「タービン昇速(2)」のようなコメントを入力
し、ついでエリアbにSを入力、つまりサブブレークポ
イントを指定する。そして、エリアdにタービン昇速
(2)のサブブレークポイント記号(例えばI−7)を
入力する。
【0045】このような初期状態登録条件が設定された
場合、模擬操作盤2上のタービン昇速(2)のサブブレ
ークポイントの押しボタンが押されたときに、その押信
号の入力を合図に初期状態登録が行われる。
【0046】以上の方法により、サブブレークポイント
をパラメータとして、タービン昇速(1)の完了、すな
わちタービン昇速(2)開始前のプラントの状態を初期
状態登録することができる。
【0047】また、初期状態登録条件としてプロセスデ
ータを用いてタービン共振時t5 のプラントの状態を初
期状態登録する場合について説明する。
【0048】最初に、前述の初期状態登録条件設定画面
において、エリアaに対応する初期状態登録番号とコメ
ントを入力する。次に、エリアbに初期状態登録条件種
別としてPを入力、つまりプロセスデータを指定する。
そして、エリアeにプロセスデータの識別番号PID、
プロセスデータ(条件値)等を入力する。例えば、エリ
アe1 のAにタービン回転数のPIDとしてTA00
0、このプロセスデータ条件値として1500、エリア
e2 のBにタービン軸振動のPIDとしてTB002、
このプロセスデータ条件値として2.5exp−2の値
を入力し、エリアe2 に、例えばA+Bを条件式として
入力する。これにより、タービン回転数が1500RP
M以上でかつ、タービン軸振動が2.5exp−2以上
のときのプラント状態を初期状態登録することができ
る。なお、エリアe3 には条件式成立後、何時何分後に
初期状態登録を行うかを指定することもできる。また、
上記例では、初期状態登録条件としてタービン回転数と
タービン軸振動の2つのパラメータしか用いなかった
が、必要により、タービン蒸気加減弁内面および外面メ
タル温度、主蒸気圧力等のパラメータを初期状態登録条
件として加えることにより、初期状態登録タイミングの
精度アップを図ることができる。
【0049】以上説明したように、本実施例によれば、
登録すべきプラント状態の条件を予め設定することによ
り、絶えず現在のプラント状態の初期状態登録が必要か
どうか監視しなければならないというオペレータの負担
を軽減することができるとともに、必要となるプラント
状態をオペレータ操作によらず自動的に誤りなく確実に
初期状態登録することができ、従来に比べて運転訓練効
果を向上させることができる。
【0050】図6は、本発明のプラント模擬装置の他の
実施例を示すもので、この実施例では、図11に示した
従来のプラント模擬装置の構成に加えて、初期状態編集
手段31が新たに設けられている。
【0051】初期状態編集手段31は、入力装置6を介
してオペレータから入力される初期状態編集指令に基づ
いて、すでに初期状態登録手段7により登録された初期
状態に対し、初期状態登録番号の変更、コメントの変更
等を受付け、それに伴う初期状態の移動、コピー等の編
集作業を実施するものである。
【0052】次に、上記構成のプラント模擬装置の、初
期状態編集時の情報入力動作を図7を参照しながら説明
する。まず、オペレータがキーボード等の入力装置6よ
り初期状態編集指令入力することにより、初期状態編集
処理が起動され、表示制御手段4により初期状態編集画
面が表示装置5に表示される(ステップ301)。
【0053】図8は、初期状態編集画面の一例を示した
もので、エリアfは、編集前の初期状態登録番号を入力
する入力部を、エリアgは、編集後の初期状態登録番号
およびコメントを入力する入力部を示している。また、
エリアhは、エリアfおよびエリアgにデータを入力設
定しやすいように、現在の初期状態登録状況を表示する
表示部である。
【0054】オペレータは、まず編集したい初期状態
を、エリアhの現在登録されている初期状態登録番号、
年月日・時刻およびコメントを参照して選び出し、その
初期状態登録番号をエリアfに入力する(ステップ30
2)。エリアfに初期状態登録番号が入力されると、そ
の初期状態登録番号に対応した年月日・時刻およびコメ
ント情報が表示装置5に表示される(ステップ30
3)。
【0055】この初期状態の登録番号を変更したい場合
には、ついで新たに設定する初期状態登録番号をエリア
gに入力し、初期状態登録番号の変更がない場合には、
初期状態登録番号を入力しない(ステップ304、30
5)。そして、初期状態の内容を示すコメントを変更し
たい場合には、新たに設定するコメントを入力し、コメ
ントの変更がない場合には、コメントは入力しない(ス
テップ306、307)。初期状態登録番号およびコメ
ントの入力が終了すると、下段のエリアiにオペレータ
へ初期状態の編集を開始して良いかどうかの注意および
確認表示が行なわれ(ステップ308、309)、オペ
レータの確認が得られた場合には、初期状態編集手段3
1は初期状態登録ファイル8内の初期状態に対して初期
状態編集処理を実行する(ステップ310)。
【0056】図9は、この初期状態編集処理を示したも
のである。この図に示すように、まず初期状態登録番号
の変更かどうかのチェックを行い(ステップ401)、
初期状態登録番号の変更がある場合には、初期状態登録
番号インデックステーブルを検索し(ステップ40
2)、変更しようとする初期状態がすでに使用されてい
るかどうかをチェックする(ステップ403)。編集対
象となる初期状態登録番号のインデックス情報を抽出
し。(ステップ403)図10に初期状態登録番号イン
デックステーブルの一例を示す。この図に示すように、
初期状態登録番号インデックステーブルは、どの初期状
態登録番号がどのコメント情報及び模擬データと対応し
ているかを示す初期状態登録番号インデックス情報41
により構成されている。
【0057】チェックの結果、初期状態登録番号が重複
している場合には、入力した初期状態登録番号がすでに
使用されているというエラー表示を行い(ステップ40
4)、すでに登録されている初期状態登録番号の初期状
態を取り消してよいかどうかをオペレータに問う(ステ
ップ405)。これは、オペレータが誤ってすでに登録
されている初期状態登録番号を設定してしまい、登録済
みの初期状態が失われることを防止するために行われる
ものである。
【0058】チェックの結果、初期状態登録番号の重複
がない場合、または重複している初期状態登録番号の初
期状態を取り消してよい場合には、該当する初期状態登
録番号インデックを変更する(ステップ406)。
【0059】次にコメントの変更かどうかのチェックを
行い(ステップ407)、コメントの変更が有る場合に
は、初期状態登録番号インデックステーブルを検索し、
該当する初期状態登録番号インデックス情報を抽出する
(ステップ408)。ついで、抽出した初期状態登録番
号インデックス情報により、初期状態登録ファイル8内
の該当するコメント情報11のエリアを検索し(ステッ
プ409)、オペレータが入力したコメントに変更する
(ステップ410)。
【0060】従来の初期状態登録機能では初期状態登録
番号、コメント情報および模擬データを一括管理してい
たため、初期状態登録番号およびコメント情報を変更す
るにはシミュレーションを必ず実行する必要が有り、こ
のため不正スイッチ合わせが必ず必要であったが、本実
施例では、上記したように、初期状態登録ファイル8に
初期状態登録番号インデックステーブルを設け、初期状
態登録番号とコメント情報および模擬データとを分割管
理するようにしたため、初期状態登録およびコメント情
報11のみを変更することができ、模擬データを作成す
るための初期状態設定、不正スイッチ合わせ、シミュレ
ーション実行(RUN)という一連の操作を省略するこ
とができる。
【0061】したがって、本実施例によれば、初期状態
編集作業を容易に実施することができるため、オペレー
タの負担を軽減するとともに、必要となる初期状態編集
を確実に実施することができ、従来に比べて運転訓練効
果、効率を向上させることができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
模擬演算手段により模擬されるプラント状態のうち、登
録すべきプラント状態の条件を予め設定する初期状態登
録条件設定手段と、この設定された初期状態登録条件を
満足するプラント状態の模擬データを検出する初期状態
登録判定手段とを備えることにより、絶えず現在のプラ
ント状態の初期状態登録が必要かどうか監視しなければ
ならないというオペレータの負担を軽減することができ
るとともに、必要となるプラント状態をオペレータ操作
によらず自動的に誤りなく確実に初期状態登録すること
ができ、従来に比べて運転訓練効果を向上させることが
できる。
【0063】また本発明によれば、すでに初期状態登録
手段により登録された模擬データを変更することなく、
初期状態番号の変更およびコメントの変更等の編集作業
を実施する初期状態編集手段を備えることにより、従来
必ず実施していた初期状態設定、不正スイッチ合わせ、
シミュレーション実行(RUN)という一連の操作を実
施することなく初期状態編集作業を容易に実施すること
ができ、オペレータの負担を軽減するとともに、必要と
なる初期状態編集を確実に実施することができ、従来に
比べて運転訓練効果、効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のプラント模擬装置を示すブ
ロック図である。
【図2】図1に示す実施例の初期状態登録条件設定時の
処理動作を示すフロー図である。
【図3】本発明にかかる初期状態登録条件設定画面を例
示する図である。
【図4】本発明にかかる初期状態登録判定手段の作用を
説明するフロー図である。
【図5】タービン昇速時のタービンの回転数Rおよびタ
ービン軸振動Vの挙動を示すグラフである。
【図6】本発明の他の実施例のプラント模擬装置を示す
ブロック図である。
【図7】図6に示す実施例における初期状態編集時の情
報入力動作を示すフロー図である。
【図8】本発明にかかる初期状態編集画面を例示する図
である。
【図9】本発明にかかる初期状態編集手段の作用を説明
するフロー図である。
【図10】初期状態登録番号インデックステーブルの構
成例を示す図である。
【図11】プラント模擬装置の従来例を示すブロック図
である。
【図12】初期状態登録画面を例示する図である。
【図13】初期状態登録ファイルの構成例を示す図であ
る。
【図14】初期状態設定画面を例示する図である。
【符号の説明】
1………模擬演算手段 2………模擬操作盤 3………模擬データ一時ファイル 4………表示制御手段 5………表示装置 6………入力装置 7………模初期状態登録手段 8………初期状態登録ファイル 9………初期状態設定手段 21………初期状態登録条件設定手段 22………初期状態登録判定手段 31………初期状態編集手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラント模擬運転時のプラント状態の模
    擬データを記憶する模擬データ一時ファイルと、 模擬操作盤を介して入力される機器操作指令により、前
    記模擬データ一時ファイルに記憶されている模擬データ
    を用いてプラント動特性を模擬演算し、演算して得られ
    た模擬データを前記模擬データ一時ファイルに上書き保
    存する模擬演算手段と、 初期状態として登録すべきプラント状態の条件を予め入
    力装置を介して入力し設定する初期状態登録条件設定手
    段と、 前記模擬データ一時ファイルに記憶されている模擬デー
    タが前記初期状態登録条件設定手段により設定されてい
    る初期状態として登録すべきプラント状態の条件を満足
    するか否かを判定し、満足すると判定したとき初期状態
    登録指令を出力する初期状態登録判定手段と、 この初期状態登録判定手段からの初期状態登録指令また
    は入力装置を介して入力される初期状態登録指令によ
    り、前記模擬データ一時ファイルに記憶されている模擬
    データを初期状態として初期状態登録ファイルに保存す
    る初期状態登録手段と、 前記入力装置を介して入力される初期状態設定指令によ
    り、前記初期状態登録ファイルに記憶されている初期状
    態の中から指定された初期状態を前記模擬データ一時フ
    ァイルに設定する初期状態設定手段と、 前記模擬データ一時ファイルに記憶されている模擬デー
    タおよび前記入力装置からの入力情報を表示装置へ表示
    する表示制御手段とを具備することを特徴とするプラン
    ト模擬装置。
  2. 【請求項2】 プラント模擬運転時のプラント状態の模
    擬データを記憶する模擬データ一時ファイルと、 模擬操作盤を介して入力される機器操作指令により、前
    記模擬データ一時ファイルに記憶されている模擬データ
    を用いてプラント動特性を模擬演算し、演算して得られ
    た模擬データを前記模擬データ一時ファイルに上書き保
    存する模擬演算手段と、 入力装置を介して入力される初期状態登録指令により、
    前記模擬データ一時ファイルに記憶されている模擬デー
    タを初期状態として登録する初期状態登録手段と、 この初期状態登録手段によって登録された初期状態を前
    記入力装置を介して付加された登録番号およびコメント
    とともに記憶する初期状態登録ファイルと、 前記入力装置を介して入力される初期状態編集指令によ
    り、前記初期状態登録ファイルに記憶されている初期状
    態の登録番号およびコメントに対して書き替えの編集を
    実施する初期状態編集手段と、 前記入力装置を介して入力される初期状態設定指令によ
    り、前記初期状態登録ファイルに記憶されている初期状
    態の中から指定された初期状態を前記模擬データ一時フ
    ァイルに設定する初期状態設定手段と、 前記模擬データ一時ファイルに記憶されているプラント
    模擬データおよび前記入力装置からの入力情報を表示装
    置へ表示する表示制御手段とを具備することを特徴とす
    るプラント模擬装置。
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