JP2643582B2 - 自動リズム生成装置 - Google Patents

自動リズム生成装置

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JP2643582B2 JP2282889A JP28288990A JP2643582B2 JP 2643582 B2 JP2643582 B2 JP 2643582B2 JP 2282889 A JP2282889 A JP 2282889A JP 28288990 A JP28288990 A JP 28288990A JP 2643582 B2 JP2643582 B2 JP 2643582B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、任意の楽曲に対し、リズム伴奏を行なう
自動リズム生成装置に関する。
(従来の技術) 自動リズム生成装置において、演奏者が1曲分のリズ
ムデータを作成する方法として、従来大きく分けて次の
2種類の方法が知られている。
第1に、リズムデータをひとつひとつ入力・記憶させ
る方法であり、第2に、予め用意された複数のリズムパ
ターンを任意に組み合わせてリズム演奏シーケンスをプ
ログラムする方法(特開昭62−159185)であった。
(発明が解決しようとする課題) しかし、第1のリズムデータを記憶手段にひとつひと
つ入力する方法では、楽曲1曲分のリズムデータを入力
するのには大変な手間が掛かった。第2の複数の演奏パ
ターンを任意に組み合わせてプログラムする方法では、
演奏パターンの組合せには限界があり、所望のリズム演
奏シーケンスを作成することは困難であった。
また、特に、初心者にとっては、メロディラインをな
ぞることはできても、そのメロディに基づいてリズム伴
奏を作り出すのはたいへん難しく、従って種々の楽曲に
対してそれに適したリズムデータを生成することは困難
であった。
(発明の目的) この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、楽曲に基づいたリズム音を容易
に発生することができる自動リズム生成装置を提供する
ことを目的とする。
(課題を解決するための手段) リズムパートではないパートの演奏データを受け、該
演奏データをパターン化した演奏パターン情報を出力す
る演奏パターン情報出力手段と、該演奏パターン情報出
力手段から出力される該演奏パターン情報を、予め学習
された重み付け係数でシナプス結合したニューロンを介
して伝達することによってリズム情報を推論出力するニ
ューラルネットワーク手段と、該ニューラルネットワー
ク手段から出力されたリズム情報に基づきリズムの発音
タイミングを示すリズムデータを形成するリズムデータ
形成手段と、を具備し、該リズムデータ形成手段で形成
されたリズムデータに従ってリズム音信号を発生するよ
うにしたことを特徴とする。
(作用) この発明の自動リズム生成装置では、楽曲の演奏デー
タをニューラルネットワーク手段に入力する。ニューラ
ルネットワーク手段は、入力層への入力がシナプス結合
により中間層から出力層へと伝達されることによりリズ
ム情報を推論する。このニューラルネットワーク手段
は、リズム情報について予め学習されており、このよう
なニューラルネットワーク手段を用いてリズム情報を推
論することにより、楽曲に基づいたリズム音を自動的に
かつ、容易に生成することができる。
(実施例) 第1図はこの発明の実施例である電子楽器のブロック
図である。この電子楽器はCPU1によって制御され、演奏
者の指示に基づいて楽曲の演奏音およびリズム音の発生
が行なわれる。CPU1はバス9を介して各回路部と接続さ
れており、データ等の送受を行う。回路部としては、RO
M2、RAM3、記憶手段4、操作パネル5、音源回路6があ
る。音源回路6の出力側には、同回路6で発生した楽曲
の楽音信号及びリズム音信号を増幅してスピーカ等から
出力するためのサウンドシステム(S.S)7が接続され
ている。
記憶手段4は、任意の楽曲のメロディに関する演奏デ
ータ(高音データや符長データからなる)を記憶するも
ので、演奏データを読み書き自在にしてなり、例えば半
導体メモリが用いられる。
操作パネル5は、リズムの特徴を表現する複数のイメ
ージパラメータを設定するスイッチ群が設けられてい
る。ここで、イメージパラメータとは、例えば、音色
(シンバル、バスドラム、スネアドラム等)・ジャンル
(ロック、ハードロック、バラード、サンバ等)・ビー
ト(4ビート、8ビート、16ビート等)である。
CPU1は、各回路間のデータの送受を制御したり、ニュ
ーラルネットワークの処理を含む各種演算をする中央処
理装置である。
ニューラルネットワークは、第2図に示すような階層
型ニューラルネットワークであり、CPU1によってソフト
的に処理される。ニューラルネットワークは、有名な楽
曲のメロディパートに対応させてリズムパートが予め複
数楽曲について学習されている。この学習は、楽曲のメ
ロディパートの演奏データを入力したとき、出力層の実
際の演算値とその楽曲のリズムパートの発音タイミング
を示すリズムデータとの誤差が最小になるように、各ニ
ューロン間のシナプスウエイトwを変化させて行う。な
お、この学習方法は、例えばバックプロパゲーション方
式で行うことができるが、他の方法であってもよい。こ
の学習されたシナプスウエイトwは、ROM2に記憶されて
いる。ニューラルネットワークは、入力層の各ニューロ
ンI1〜I11に入力される複数のパラメータとROM2内のシ
ナプスウエイトwとに基づいて、演奏データの楽曲に対
するリズム伴奏のリズム情報を推論して出力する。この
場合、入力層→中間層、中間層→出力層の各ニューロン
は、所定の重み付けでシナプス結合されており、結合の
強さは、シナプスウェイトwによって決定される。
ROM2には、CPU1の制御プログラムと学習されたシナプ
スウエイトw等が記憶されている。なお、このROM2に
は、音色種類毎で、かつジャンル種類毎で、かつビート
種類毎にそれぞれ一組のシナプスウエイトwが記憶され
ている。
RAM3は読み書き自在なメモリで、入力される各種パラ
メータ及び入力層・中間層・出力層の各ニューロンのデ
ータとニューラルネットワーク処理により推論されたリ
ズム情報から得たリズム音の発音タイミングを示すリズ
ムデータ等を記憶する。
音源回路6は、記憶手段4に記憶された楽曲の演奏デ
ータとROM3に記憶されたリズムデータに基づいて楽曲の
楽音およびリズム音の音信号を発生し、この音信号は音
源回路6に接続されたサウンドシステム7によって増幅
されスピーカ等から発音される。
次ぎに、記憶手段4に記憶されている楽曲の演奏デー
タが全音符・2分音符・4分音符・全休符・2分音符・
4分休符から構成されているものとして、第2図・第3
図を用いて本発明のリズム作成動作について説明する。
まず、CPU1は、操作パネル6の音色・ジャンル・ビー
トのスイッチ状態を検出して、選択指定された音色・ジ
ャンル・ビートを示す各データをそれぞれRAM3内のI2、
I3、I4に対応する記憶部分に記憶させる(step1)。
記憶手段4に記憶されている楽曲のメロディの演奏デ
ータは、CPU1の指令にしたがい順次読み出される。読み
出された演奏データは、CPU1により、音符・休符の種類
が判別され、1小節を4等分して4つのセクションに分
けた第1〜4番目の各セクションの音符の有無を示すデ
ータと各セクションのつながりを示すデータとにデータ
変換され、RAM3内のI5〜I11に対応する記憶部分に記憶
される(step2)。なお、このつながりを示すデータ
は、第1セクションと第2セクション・第2セクション
と第3セクション・第3セクションと第4セクションの
各セクション間で音符・休符が継続するか否かを1、0
で示すデータである。この場合、1小節が4等分されて
いるので、各セクションの長さは、4分音符長に相当す
る。4分音符または4分休符のときは、次のセクション
まで継続されないので、つながりを示すデータは0とな
る。2分音符または2分休符の時は、次のセクションま
で継続されるので、つながりを示すデータは1となる。
このデータ変換は、4分音符(休符)長を基準として読
みだされた音符(休符)がその何倍の長さかによって判
断し変換が行なわれる。
また、CPU1は、記憶手段4から順次読み出される演奏
データのうちの符長データを計数し、1小節長に等しく
なると、小節数を計数し、RAM3内の小節数のI1に対応す
る記憶部分に記憶させる(step2)。ここで、CPU1は、
上記の各計数をRAM3内のレジスタをカウンタとして利用
して行うものであり、計数された小節数および操作パネ
ル5で設定された音色・ジャンル・ビートとをニューラ
ルネットワークの入力層に入力するように指示する。ニ
ューラルネットワークの入力層は、12個のニューロンI1
〜I11からなり、楽曲の何小説目かを表す小節数i1・音
色i2(シンバル、バスドラム、スネアドラム等)・ジャ
ンルi3(ロック、ハードロック、バラード、サンバ等)
・ビートi4(4ビート、8ビート、16ビート等)・各セ
クションの音符の有無i5、i7、i9、i11と2分音符や全
休符であったときの次セクションへのつながりを表すデ
ータi6、i8、i10が、各ニューロンにパラメータとして
入力される。
ここで、1小節の演奏データが第2図に示すように2
分音符・4分休符・4分音符の順に構成されているとす
る。第1セクションには2分音符があるので、音符の有
無を示すデータは1となりI5に入力され、第2セクショ
ンでも継続して2分音符の発音が行なわれるので、つな
がりを示すデータも1となりI6に入力される。第2セク
ションには2分音符があるので、音符の有無を示すデー
タは1となりI7に入力され、第3セクションでは2分音
符の発音は行なわれないので、つながりを示すデータは
0となりI8に入力される。第3セクションには4分休符
があるので、音符の有無を示すデータは0となりI9に入
力され、またこの4分休符は第4セクションまで継続し
ないので、つながりを示すデータも0となりI10に入力
される。第4セクションには4分音符があるので、音符
の有無を示すデータは1となりI11に入力される。つま
り、ニューラルネットワークの入力層I5〜I11には、演
奏パターン情報としてのパラメータi5〜i11として“1
・1・1・0・0・0・1"が入力される。
次に、CPU1は、ニューラルネットワークに入力された
パラメータi1〜i11に基づいて推論演算し、リズム伴奏
のリズム情報を形成出力する(step3)。この推論演算
は、ROM2に記憶されたシナプスウエイトwを適宜読出
し、CPU1によって行う。入力層の各ニューロンI1〜I11
は、中間層の全てのニューロンにシナプス結合してお
り、結合の強さはシナプスウェイトwによって決定され
る。すなわち、中間層はm個のニューロンN1〜Nmからな
っており、N1に入力されるデータは、i1×w1+i2×w2+
…+i11×w11となり、N2〜Nmについても同様である。ま
た、中間層の各ニューロンN1〜Nmは出力層のすべてのニ
ューロンにシナプス結合している。出力層は4個のニュ
ーロンO1〜O4からなっており、O1からO4に入力されるデ
ータは中間層N1〜Nmと同様である。この出力層の各ニュ
ーロンO1〜O4は1小節を4等分した4つのセクションの
リズム音のリズム情報を出力する。このリズム情報は、
CPU1によって任意のしきい値で正規化され(例えば、Oi
≧0.5ならばOi=1)、発音の有無を1、0で示すリズ
ムデータとなる(step4)。すなわち、各ニューロンO1
〜O4の出力により、1小節分のリズムパターンを作るこ
とができる。このリズムデータは、RAM3に記憶される
(step5)。このように順次1小節ごとに楽曲の演奏デ
ータを入力し、1小節分のリズムデータを作成しRAM3に
順次記憶される(step6)ことによって、楽曲に基づく
と共に操作者が指示した音色ジャンル・ビートに対応し
たリズム伴奏のリズムデータを作ることができる。
このようにして形成されてRAM3に記憶されたリズムデ
ータは、周知の自動リズム演奏装置と同様にして演奏ス
タート指示に応じて順次読みだされ、音源回路6からこ
のリズムデータに従ったタイミングでリズム音信号が出
力されてリズム音が発音される。また、楽曲の演奏デー
タの読み出しに同期してRAM3に記憶されたリズムデータ
を読み出すことによって、楽曲の楽音とリズム音を同時
に発音することができる。
なお、この実施例では、予め学習させておいたROM2の
シナプスウェイトに従ってニューラルネットの演算を行
うようにしたが、ユーザが任意に学習させられるように
してもよい。
この実施例においては、演奏データを記憶手段から読
み出したが、高速の演算手段を用いることによってキー
ボードからリアルタイム入力してもよい。
また、操作パネルで音色をn個選択し、出力層のニュ
ーロンを(出力層の等分数)×n個設けることによっ
て、複数種類の音色のリズムを1度に出力することがで
きる。
また、ニューラルネットワークの入力層と出力層に1
小節分のニューロンを設けたが、任意の長さでよく、2
小節分でも1曲分であってもよい。
さらに、本実施例では1小節を4等分して4つのセク
ションに分けたが、8等分でも16等分でも32等分でもよ
く、分割数を多くすればするほど8分音符(休符)・16
分音符(休符)等に対応できるため、より複雑なメロデ
ィーに対してより豊かなリズム伴奏を付加することが可
能となる。
ニューラルネットワークは、同一の機能を実現できれ
ばCPUによる処理に代えてハードウェアを用いて処理す
るようにしてもよい。
本実施例では、楽曲(演奏データ)の音高を考慮しな
かったが、音高データを所定の数値化によってニューラ
ルネットワークにおける所定の入力層に入力し、音高変
化パターンとリズムとの間に一定の関係がある楽曲につ
いてニューラルネットワークの学習を行なうことによっ
て、符長データと音高データの両者に基づいたリズムデ
ータを作ることができ、楽曲により適したリズム音が得
られる。
(発明の効果) 以上のようにこの発明の自動リズム生成装置によれ
ば、ニューラルネットワークを用いて演奏データからリ
ズム情報を推論出力することにより、イメージ通りで、
かつ楽曲の曲想にあったリズム音を容易に発生すること
ができる。したがって、元の楽曲が旋律だけであって
も、これにリズムパートを付加することができ、編成の
異なる曲へと容易に編曲(transcription)することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例である自動リズム生成装置の
ブロック図、第2図は同自動リズム生成装置に用いられ
るニューラルネットワークの概略構成を示す図、第3図
はCPUの動作を示すフローチャートである。 1……CPU 2……ROM 3……RAM 4……記憶手段 5……操作パネル 6……音源回路 7……S.S(サウンドシステム) 8……バス

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リズムパートではないパートの演奏データ
    を受け、該演奏データをパターン化した演奏パターン情
    報を出力する演奏パターン情報出力手段と、 該演奏パターン情報出力手段から出力される該演奏パタ
    ーン情報を、予め学習された重み付け係数でシナプス結
    合したニューロンを介して伝達することによってリズム
    情報を推論出力するニューラルネットワーク手段と、 該ニューラルネットワーク手段から出力されたリズム情
    報に基づきリズムの発音タイミングを示すリズムデータ
    を形成するリズムデータ形成手段と、 を具備し、該リズムデータ形成手段で形成されたリズム
    データに従ってリズム音信号を発生するようにしたこと
    を特徴とする自動リズム生成装置。
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