JP2643486B2 - 加工布保持装置 - Google Patents

加工布保持装置

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JP2643486B2 JP28084789A JP28084789A JP2643486B2 JP 2643486 B2 JP2643486 B2 JP 2643486B2 JP 28084789 A JP28084789 A JP 28084789A JP 28084789 A JP28084789 A JP 28084789A JP 2643486 B2 JP2643486 B2 JP 2643486B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は縫製機の加工布保持装置に関する。
「従来の技術」 ポケットセッタと呼ばれる自動縫製機では、特開昭63
−267388号公報に示されている様に、ポケット折機によ
り縁部を折り畳まれたポケット地を身頃に縫い付ける。
ポケットセッタの概要について第10図を参照し説明す
る。このポケットセッタは、縫製加工をするミシン101
と、加工布Wをミシンテーブル102の上に押圧保持する
加工布保持送り装置103と、加工布Wであるポケット地
の縁部の折り込みを行い身頃の上に載置するポケット折
機104と、縫着の終了した加工布が積み重ねられるスタ
ッカ105とを備えている。ミシンテーブル102は、ポケッ
ト折機104とミシン101の共通の作業台となり、ミシン10
1の針板としても機能する。ミシン101はY軸サーボモー
ター及び歯付ベルト112を有する移動機構によりY軸方
向に移動可能である。加工布保持送り装置103はスリッ
ト状の針溝113が形成された押え板114と押え板114が装
着される送り腕115とを主たる要素とし、送り腕115はX
軸サーボモータ116及び歯付ベルト117を有する移動機構
によりX軸方向に移動可能である。また、送り腕115は
上下方向に揺動可能に摺動部材118に支承されており、
上下方向に伸縮するエアシリンダ119の付勢力により、
押え板114をミシンテーブル102上に押圧した状態と、押
え板114をミシンテーブル102から上方に開いた状態との
間で揺動可能である。ポケット折機104により縁部が折
り込まれたポケット地は、ミシンテーブル102上に載置
された身頃の上に載置される。そして、ポケット折機10
4が上方に逃避し、加工布保持送り装置103が移動して押
え板114によりポケット地と身頃からなる加工布Wをミ
シンテーブル102上に押圧保持する。加工布保持送り装
置103は加工布Wをミシンテーブル102上を滑動させてポ
ケット折機104の位置からミシン101の位置まで搬送し、
さらに、ミシン101と加工布保持送り装置103との両者の
移動を制御して押え板114の針溝113に沿った縫製軌跡を
描かせ、ポケット地の縫着を行う。
この種の自動縫製機では、ポケット地と身頃を重ね合
わせた加工布Wをミシンテーブル102上に押圧保持する
と共に、縫製軌跡に沿ってミシン101の針落ち位置に加
工布Wを滑動移動させる加工布保持送り装置103が必要
である。加工布保持送り装置103には、上記公報にも示
されている様に、縫製軌跡に沿った細い針溝113が形成
された押え板114を用いるのが一般的である。
しかし、縫製軌跡が一列のものについては上記の単純
な押え板114で十分であるが、第9図に示す様に、二列
の縫製軌跡3,4を形成するものについては単純な針溝113
を形成した押え板114では縫製軌跡3,4の近傍を押さえる
ことができない。
従来、この種の二列縫いを可能とする加工布保持装置
として、米国特許USP3,930,454号には、ポケット地の内
側を押圧する部材を三片の可動プレートに分割し、該可
動プレートをエアシリンダで移動させるようにしたもの
が提案されている。外側の縫製軌跡3を縫製するときは
ポケット地2の外側を押圧する固定プレートのエッジに
可動プレートを近接せしめて外側の縫製軌跡3に対応し
た細いスリットを構成し、内側の縫製軌跡4を縫製する
ときは可動プレートを後退せしめて幅広のスリットを構
成し、可動プレートで内側の縫製軌跡4の内側近傍を押
圧しようとするのである。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上記従来の装置では内側の縫製軌跡4
を縫製する際に、可動プレートと固定プレートとの間隙
が大きくなり、固定プレートは内側の縫製軌跡4から離
れた場所しか押圧できない。
このため、ジーンズ等の厚地物を縫製する場合はまだ
よいのだが、シャツ等の薄地物を縫製する場合は、加工
布がミシン針の挿通に伴って跳躍し、ミシン釜の剣先が
糸の捕捉に失敗して目飛びや糸切れが多発するという問
題点があった。
また、可動プレートを移動する際に加工布を押圧した
まま移動するので、加工布1,2がずれてしまい、生地ず
れを生ずることがあるという問題点があった。特にシャ
ツ等の薄地物ではポケット地2端縁の折り畳まれた部分
で生地ずれが生じやすい。このため、可動プレートの底
面にはスポンジ状のラバー材を貼着せず金属面を露出さ
せ、加工布1,2との摺動抵抗を小さくすることが行われ
るが、それでは加工布保持能力が低下し、加工布保持装
置で加工布1,2全体をミシンテーブル9上を滑動移動さ
せる際に、やはり可動プレートで押圧している部分で生
地ずれを生ずることがあった。
また、可動プレートを移動する際に固定プレートと共
に加工布保持装置全体を持ち上げるようにするもので
は、ミシンテーブル上の加工布がずれないように保持す
る真空吸着装置などが必要になり、装置が複雑化する。
本発明は上記の問題点を解決するためなされたもので
あり、その目的とするところは、薄地物であっても目飛
びなく多列縫いを可能とすると共に、生地ずれを生じな
い加工布保持装置を提供することにある。
「課題を解決するための手段」 上記の目的を達成するため、本発明では、実例例図面
第1図に例示するように、テーブル上に載置された加工
布を上方から押圧しテーブル上をミシンの針落ち位置に
相対的に移動して縫製中上記加工布を押圧保持する縫製
機の加工布保持装置10において、前記加工布を押圧可能
に支承され、加工布の縫製軌跡部分を露出させる開口15
が設けられた下板11と、前記下板11上に水平移動及び上
下移動可能に支承され、下降位置において前記下板11の
開口15内に突出して底面が下板11の底面と同一平面をな
す布押え部23,24を有すると共に、その布押え部23,24に
ミシン針が挿通可能な幅狭の透溝21,22が設けられた複
数の上板12,13と、前記複数の上板12,13を下板11上で水
平移動させて、その複数の上板を水平方向に拡縮する水
平移動駆動手段41〜44,50と、前記複数の上板12,13を下
板11上で上下移動させる上下移動駆動手段71〜75,80,90
とを備え、前記複数の上板12,13を上昇させた状態で水
平移動させて下降位置における複数の上板12,13の位置
を変更することにより各上板12,13の透溝21,22を接続し
て構成される縫製軌跡を変更するようにしたことを特徴
とする加工布保持装置10が提供される。
「作用」 上記のように構成された加工布保持装置10では、加工
布の大部分は下板11により押圧保持され、針落ち位置の
近傍は上板12,13の布押え部23,24により押圧保持され
る。複数の上板12,13は下板11上で移動可能であるか
ら、上板12,13を水平移動させて水平方向に拡縮するこ
とにより、各上板12,13の布押え板23,24の透溝21,24を
接続して得られる縫製軌跡を下板11の開口15内において
変更することができる。
そして、複数の上板12,13を移動し縫製軌跡を変更す
る際には、下板11で加工布の押圧保持を継続しながら、
上板12,13を下板11上で一旦上昇させてから移動する。
このため、上板12,13の水平移動時には上板12,13の布押
え部23,24が加工布から離れ、生地ずれを生じない。
縫製軌跡は透溝21,22により構成されるのであるか
ら、縫製軌跡を変更しても縫製軌跡の両側方の近傍は透
溝21,22の両側壁をなす布押え板23,24により必ず押圧さ
れることになり、加工布の針落ち位置の左右両側近傍を
確実に押圧保持することができる。
「実施例」 本発明をポケットセッタの加工布保持装置に具体化し
た実施例について図面を参照し説明する。第1図及び第
2図は加工布保持装置を示す平面図である。この加工布
保持装置10は第10図に示したポケットセッタの押え板11
4に相当する部分の装置であり、X軸方向に水平移動さ
れると共に開閉揺動される送り腕115に押え板114に替え
て装着される装置である。この加工布保持装置10は多列
縫いを可能とするものであり、第9図に示す様に、シャ
ツの前身頃1にポケット地2を重ねた加工布1,2を2列
の縫製軌跡3,4で着する際に、加工布1,2をミシンテーブ
ル102上に押圧保持するのに用いられる。第1図は外側
の縫製軌跡3を、第2図は内側の縫製軌跡4をそれぞれ
縫う場合の状態を示している。
加工布保持装置10は、前身頃1とポケット地2からな
る加工布1,2の比較的大きな面積部分をミシンテーブル1
02上に押圧する下板11と、針落ち位置となる縫製軌跡3,
4のごく近傍を押圧する2枚の上板12,13とを主要な要素
としている。
下板11は、第3図に示す様に、ステンレス材で形成さ
れた長方形の板状部材であり、その一端に第10図に示す
送り腕115に着脱自在に装着するための治具14,14′が固
定されている。送り腕115は、加工布保持装置10をミシ
ンテーブル102から上昇させて加工布1,2の挿入を可能に
し、加工布保持装置10を下降させて加工布1,2をミシン
テーブル102上に押圧保持し、水平移動して保持した加
工布1,2をミシンテーブル102上で滑動移動させる。
下板11の中央には略U字形状をした溝状の開口15が設
けられている。この開口15は加工布1,2の縫製軌跡部分
3,4を露出させるためのものであり、その形状はポケッ
ト地2の周縁形状に対応している。開口15のポケット底
中央に相当する部分に、下板11の一部が開口15内に延出
した延出部16が設けられ、その延出部16に対向する部分
に切欠き部17が設けられている。これら延出部16及び切
欠き部17は後述する補助押え板95のためのものである。
また、下板11には後述するエアシリンダ41〜44やリンク
機構50の取付のための座18,19が設けられている。
上板12,13は、第4図に示す様に、互いに左右対称に
形成された2枚のステンレス板材からなる。左右の各上
板12,13には略L字形状をした幅狭の透溝21,22が設けら
れている。この透溝21,22は、ポケット地2の中央で分
割した一本の縫製軌跡3又は4に対応し、左右の透溝2
1,22が突き合わされるポケット2底縁の中央に相当する
部分で上板12,13の側縁に開放されている。透溝21,22の
直線部はミシン針が挿通可能なだけの幅狭に形成され、
コーナ部21A,22Aはやや幅広に形成されている。また、
ポケット地2の側縁上縁5,5′に相当する部分21B,22Bは
略菱形の形状に拡げられている。
第5図(a)は第1図のV−V線断面図、第5図
(b)は第2図のV−V線断面図である。図中には、動
作説明の便宜に供するためミシンテーブル102及び加工
布1,2を想像線で互いに離して示している。実際には、
テーブル102上に前身頃1及びポケット地2が密着して
載置され、加工布1,2の上面を下板11等で押圧した状態
になる。
上板12,13の透溝21,22の両側は、板厚が厚く形成され
下方に突出した布押え部23,24を構成している。布押え
部23,24の突出寸法は下板11の厚さと同じ寸法にされ、
上板12,13の底面を下板11の上面に密接させて組込んだ
ときに、上板12,13の布押え板23,24が下板11の開口15内
に突出し、布押え部23,24の底面が下板11の底面と同一
平面をなすようにされている。下板11の底面と上板12,1
3の布押え部23,24の底面にはそれぞれスポンジ状の薄い
ラバー材25,26が貼着され、ミシンテーブル102上に押圧
する加工布1,2の保持を確実ならしめている。
再び第4図を参照し、各上板12,13には、後述するリ
ンク機構50のための座27,28が設けられ、斜め方向に走
る多数の長孔29,30及び長円孔31,32が設けられている。
さらに、透溝21,22の突き合わせ部33,34の上方は上板1
2,13の側縁が削られ、左右の上板12,13の突き合わせ部3
3,34を当接させた場合に、下板11の切欠き部17に対応し
た開放部35を構成するようにされている。
再び第1図を参照し説明する。左右2枚の上板12,13
は布押え部23,24が下板11の開口15内に挿入され、上板1
2,13の下面を下板11の上面に密接させた状態で下板11上
に組込まれる。開口15の幅は布押え板23,24の幅より大
きく形成されているから、2枚の上板12,13はその範囲
内で水平移動可能である。本実施例では、2枚の上板1
2,13は下板11を斜め方向A,Bに水平移動されると共に、
上下移動もされるように構成されている。
上板を水平移動させる水平移動駆動手段について説明
する。各上板12,13はそれぞれ2つのエアシリンダ41,42
及び43,44により水平移動される。各エアシリンダ41〜4
4のロッド45はリンク機構50を介して上板12,13の略対角
線上に立設された軸46,47及び48,49に連結され、エアシ
リンダのロッド45の伸縮に従って斜め方向の長孔29,30
の方向(それぞれ図中に矢印A,Bで示す方向)に移動さ
れる。
第6図はリンク機構50を示す第1図の矢印VI方向から
見た側面図である。下板11上に立設された柱状の軸51に
エアシリンダ41の後端の二叉ジョイント部52が軸支さ
れ、エアシリンダ41は水平面内で揺動可能に後端を支承
されている。エアシリンダ41のロッド45には2枚のスト
ップカラー53,54及び二叉ジョイント55が固定されてい
る。ストップカラー53,54はエアシリンダ41のストロー
クを調整するための部材であり、後方のストップカラー
53はエアシリンダ41の前端面に当接してロッド45の後退
位置を規制し、前方のストップカラー54は下板上に固定
されたブロック状のストッパ56に当接してロッド45の前
進位置を規制する。ロッド45先端の二叉ジョイント55は
垂直方向の軸57により段違い揺動レバー58に結合されて
いる。
段違い揺動レバー58は、スリーブ形状をした部材の上
端と下端に水平方向に突出し、それぞれ互いに45゜の角
度をなす2つの腕部58A,58Bを有する部材であり、スリ
ーブ部が下板11上に立設された軸59に回動自在に支承さ
れている。段違い揺動レバー58の上腕58Aはロッド45先
端の二叉ジョイント55に軸57により連結され、下腕58B
は段軸60により第2の二叉ジョイント61に連結されてい
る。一方、上板12上には軸46が立設され、その軸46に第
3の二叉ジョイント62が水平面内で揺動自在に支承され
ている。そして、第2の二叉ジョイント61と第3の二叉
ジョイント62とがジョイント板63により連結されてい
る。ジョイント板63は水平方向のピン64,65により各二
叉ジョイント61,62に結合され、ジョイント板63は垂直
面内で揺動可能である。
エアシリンダ41のロッド45が前進又は後退すると、段
違い揺動レバー58が下板11に固定された軸59を中心に水
平方向に揺動され、段違い揺動レバー58の下腕58Bの揺
動に従って上板12が斜め方向(矢印A方向)に移動され
る。ジョイント板63による連結は、後述する上板12の上
下移動を逃がすための機構である。
他の3つのエアシリンダ42,43,44と上板12,13上の軸4
7,48,49とを連結するリンク機構50も、同様の構造から
なる。
次に、上板12,13を上下移動させる上下移動駆動手段
について説明する。2枚の上板12,13は下板上11に立設
された5つの昇降用エアシリンダ71〜75により上下移動
される。
第7図は第1図のVII−VII線断面図である。下板11上
に2本の円柱上のスペーサ76,77が立設され、スペーサ7
6,77は上板12の長円孔31を挿通して上方に突出してい
る。その2本のスペーサ76,77に昇降用エアシリンダ71
の前端面が締着され固定されている。昇降用エアシリン
ダ71のロッド78は下方に突出し、上下動する。ロッド78
の軸端に幅狭な長方形をした連結板80がねじ81により締
着され、一体に上下動する。連結板80にはスペーサ76,7
7が挿通される孔82,82′が設けられると共に、両端部に
孔83,83′が設けられている。その両端の孔83,83′に挿
通されるねじ84,84′により連結板80下面にワッシャ85,
85′及び段カラー86,86′が2組締着されている。この
段カラー86,86′に上板12の斜め方向に走る長孔29が係
合され、段カラー86,86′のフランジ部により上板12の
上下位置が支承されている。下板11には、段カラー86,8
6′のフランジ部を逃がすためのぬすみ孔87,87′が設け
られている。
昇降用エアシリンダ71のロッド78が前進すると連結板
80が下降し、上板12はその座面がエアシリンダ71の付勢
力により下板11の上面に押し付けられた状態になる。こ
の位置が下降位置である。昇降用エアシリンダ71のロッ
ドが後退すると連結板80が持ち上げられ、段カラー86,8
6′のフランジ部により上板12が持ち上げられる。この
位置が上昇位置である。上板12と段カラー86,86′とは
斜め方向の長孔29により係合しているので、上下いずれ
の位置においても上板12は長孔29の方向(矢印A方向)
に水平移動可能である。
5つの昇降用エアシリンダ71〜75のうち、3つの昇降
用エアシリンダ71,72,73にはそれぞれ1枚の連結板80,8
0′,80″が結合され、上記と同様の構造をなしている。
そのうち中央の昇降用エアシリンダ73に結合された連結
板80″は左右の段カラー86,86′で異なった上板12,13を
支承している。
下板11の中央部に配設された2つの昇降用エアシリン
ダ74,75は2枚の上板12,13の間に立設されたスペーサに
より下板11に固定され、その2つのエアシリンダ74,75
のロッドは1枚の中央連結板90に結合されている。中央
連結板90には左右3つづつ合計6つの段カラー86,86′
及びワッシャ85,85′が締着されており、それぞれの段
カラー86,86′が左右の上板12,13の長孔29,30に係合す
る。中央連結板90は2つの昇降用エアシリンダ74,75に
より昇降されることになる。
5つの昇降用エアシリンダ71〜75を同時に駆動し、ロ
ッド78を前進させることにより左右2枚の上板12,13は
下降位置に移動し、ロッド78を後退させることにより上
昇位置に移動する。
次に、補助押え板95とその移動駆動手段について説明
する。前記中央連結板90の上面にツインロッドエアシリ
ンダ91が固定されている。
第8図はツインロッドエアシリンダ91及び補助押え板
95を示す斜視図である。本図では上板12,13を省略して
図示している。ツインロッドエアシリンダ91は2本の平
行なロッド92を有し、水平面内で伸縮する。ロッド92の
先端に2本のロッド92を結合するプレート93が設けられ
ている。そのプレート93に補助押え板95が締着されてい
る。
補助押え板95は取付け部95Aから下方に延出し、さら
に前方に屈曲して布押え部95Bを形成している。布押え
部95Bは第3図に示す下板11開口15の切欠き部17に嵌り
込み、ロッド92の前進,後退に対応して下板11の延出部
16に近接し対向する作用位置と、切欠き部17に退避した
不作用位置との間で水平移動する。また、補助押え板95
は中央連結板90が下降位置にあるときに補助押え板95の
布押え部95Bの底面が下板11の底面と同一平面をなすよ
うに形成されている。
上記の構成に基づき作動について説明する。ポケット
地2は外側の縫製軌跡3から縫われる。外側の縫製軌跡
3を縫う際は、第1図に示す様に、ポケット地2上方の
エアシリンダ42,44を後退させ、ポケット地2下方のエ
アシリンダ41,43を前進させる。これにより左右2枚の
上板12,13はそれぞれ斜め方向A,Bに離れるように移動さ
れ、第5図(a)に示す様に、布押え部23,24が下板11
開口15の外側の縁に近接した位置に位置決めされる。次
に、ツインロッドエアシリンダ91を前進させ、補助押え
板95を下板11の延出部16に近接した位置にする。そし
て、5つの昇降用エアシリンダ71〜75を前進させ、各連
結板80,80′,80″,90を下降させて上板12,13を下板11に
密着させた下降位置にする。この状態では、下板11の底
面と、上板12,13の布押え部23,24の底面と、補助押え板
95の底面とは同一平面をなす。また、縫製軌跡3は右側
上板12の透溝21と、補助押え板95と下板11の延出部16と
の間の間隙と、左側の上板13の透溝22とを接続するスリ
ットとして構成される。
上記の状態で加工布保持装置10の準備を完了し、第5
図(a)に示す様に、図示しないポケット折機により縁
部が折り畳まれたポケット地2と身頃1とが重ね合わさ
れてミシンテーブル102上に載置された加工布1,2を上方
から押圧する。このとき、下板11はポケット地2及び身
頃1の大きな面積を押圧保持し、上板12,13の布押え部2
3,24はポケット地2の端縁近傍を押圧保持する。そし
て、下板11で加工布1,2を押圧保持したまま加工布保持
装置10を水平移動させ、加工布1,2をミシンテーブル102
上を滑動させてミシン101の位置に搬送する。次いで、
ミシン101と加工布保持装置10を共に移動させて加工布
1,2をミシン101の針落ち位置に相対的に移動させ、外側
の縫製軌跡3の縫製を実行する。
外側の縫製軌跡3が縫い終わり、ポケット地2上縁の
運針位置5又は5′に達すると、上板12,13の移動によ
る縫製軌跡3,4の変更が行われる。まず、5つの昇降用
エアシリンダ71〜75を後退駆動する。これにより各連結
板80,80′,80″,90が上昇され、左右の上板12,13が上昇
すると共に、補助押え板95も上昇する。従って、上板1
2,13の布押え部23,24及び補助押え板95の底面は加工布
1,2から離れる。下板11は加工布1,2を押圧保持したまま
である。次に、ツインロッドエアシリンダ91を後退さ
せ、補助押え板95を下板11の切欠き部17に退避させる。
次に、第2図に示す様に、ポケット地2上方のエアシリ
ンダ42,44を前進駆動し、ポケット地2下方のエアシリ
ンダ41,43を後退駆動して左右の上板12,13を互いに近接
するように斜め方向(矢印A,B方向)に移動させ、第5
図(b)に示す様に、布押え部23,24が下板11開口15の
内側の縁に近接した位置に位置決めする。そして、再び
5つの昇降用エアシリンダ71〜75を前進駆動し、各連結
板80,80′,80″,90を下降させて上板12,13を下板11に密
着させた下降位置にする。
この状態では縫製軌跡4は、第2図に示す様に、左右
の上板12,13の布押え部23,24の突き合わせ部33,34が互
いに当接し、縫製軌跡4は右側上板12の透溝21と左側上
板13の透溝22とを接続するスリットに変更されて構成さ
れる。補助押え板95は切欠き部17に退避し、今回の縫製
軌跡4には関与しない。また、上板12,13の布押え部23,
24の底面は下板11の底面と同一平面をなし、布押え部2
3,24はポケット地2のやや内側を押圧するようになり、
内側の縫製軌跡4の両側を布押え部23,24により押圧保
持することになる。
そして、この状態で加工布保持装置10及びミシン101
を共に移動して加工布1,2をミシンの針落ち位置に相対
的に移動し、内側の縫製軌跡4の縫製を実行する。
以上説明した本実施例の利点について説明する。本実
施例ではプレートを移動して縫製軌跡3,4に対応して間
隙の幅を変更するのではなく、予め透溝21,22が形成さ
れた左右の上板12,13の位置を移動することにより、左
右の透溝21,22を接続して得られる縫製軌跡3,4を変更す
るようにしている。このため、ポケット2の内側及び外
側の縫製軌跡3,4を縫う際も、常に針落ち位置の左右近
傍を透溝21,22の側壁をなす布押え部23,24により押圧す
ることができ、加工布1,2が薄地物であっても加工布1,2
が躍ることを防止でき、目飛び、糸切れを生ずることな
く二列縫い(3,4)を行うことができる。
さらに、ポケット2外側の縫製軌跡3を縫う際に、左
右の上板12,13の間に生ずるすきま部分を、下板11の延
出部16の補助押え板95により押圧するようにしているの
で、このすきま部分においても針落ち位置の左右近傍を
確実に押圧することができ、2枚の上板12,13のすきま
部分でも目飛び,糸切れを生ずることがなく縫製するこ
とができる。
各上板12,13の透溝21,22の幅を、コーナ部21A,22Aに
おいてやや広く形成したのは、外側の縫製軌跡3と内側
の縫製軌跡4とではコーナ部の半径が異なるため、両軌
跡3,4共に透溝21,22を通過できるようにするためであ
る。
また、ポケット地2側縁上端に相当する部分5,5′で
透溝21,22を略菱形21B,22Bに形成したのは、上端の水平
方向に走る縫製軌跡部分5,5′のどの運針位置でミシン
を止めても、左右の上板12,13の移動を行うことができ
るようにするためである。
本実施例では、さらに、左右の上板12,13を移動し、
縫製軌跡3,4を変更する際に上板12,13及び補助押え板95
を一旦上昇させてから移動するようにしている。このた
め、水平移動の際に布押え部23,24及び補助押え板95の
底面が加工布1,2、特に折り畳まれたポケット地2の縁
部から離れ、加工布1,2を押圧したまま移動させること
がないのでポケット地2の縁部の折り畳み位置がずれる
などの生地ずれを生じない。また、身頃1及びポケット
地2の中央部は下板11により移動中も押圧保持されてい
るので、ミシンと相対的な位置がずれることもない。
また、上板12,13を昇降させるのに多数の昇降用エア
シリンダ71〜75を用いているのは、布押え部23,24の全
長に渡って均一な加圧力を与えるためである。
前記実施例では、2コーナのポケット2を縫製するた
めの加工布保持装置10を例に説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
たとえば、前記実施例では2枚の上板12,13を下板11
に対して平行移動させ、平行な二列縫い3,4を実行した
が、上板12,13の水平移動時に回転移動も加味し、平行
でない縫製軌跡を示す二列縫いを実行させることもでき
る。上板12,13の回転移動は、ストップカラー53,54の厚
さを調整し、各エアシリンダ41〜44のストロークを調整
することにより行うことができる。
さらに、上板12,13の数を2枚ではなくさらに多数枚
にし、複雑な縫製軌跡の変更をするようにすることもで
き、加工布1,2もポケット地2に限らない。
また、上板12,13の水平位置を規制しながら昇降移動
を可能にするため、垂直方向に揺動可能なジョイント板
63による連結を用いたが、昇降距離は僅かでよいのであ
るから、板ばねにより上板12,13を水平リンク機構に上
下移動可能に支承し、昇降用エアシリンダ71〜75により
板ばねの付勢力に抗して上板12,13を持ち上げるように
してもよい。
また、補助押え板95をツインロッドエアシリンダ91の
ロッド92に固定し、該シリンダ91の前後進により作用位
置と不作用位置との間を直線移動させることとしたが、
補助押え板95を旋回可能に中央連結板90に支承し、旋回
運動により作用位置と不作用位置との間を移動させても
よい。
「発明の効果」 本発明は、上記の構成を有し複数の上板にそれぞれ形
成された透溝を接続して縫製軌跡を構成し、その上板の
位置を変更して縫製軌跡を変更するようにしたものであ
るから、針落ち位置の両側近傍を絶えず布押え部で押圧
保持することができ、ミシン針が挿通する際の加工布の
跳躍を全ての縫製軌跡において防止することができると
いう優れた効果がある。
また、上板を上下移動させるようにしたものであるか
ら、加工布を保持したまま縫製軌跡を変更する際に、加
工布の生地ずれが生じないという優れた効果がある。
このため、たとえばシャツ等の薄地物のポケット地の
二列縫いを行う際に、ポケット地縁部の折り畳み部での
生地ずれを生ずることなく、また、目飛び、糸切れを生
ずることなく容易に自動縫製することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第9図は本発明の実施例を示し、第1図は外
側縫製軌跡を縫製する状態の加工布保持装置を示す平面
図、第2図は内側縫製軌跡を縫製する状態の加工布保持
装置を示す平面図、第3図は下板を示す平面図、第4図
は左右の上板を示す平面図、第5図(a)は第1図のV
−V線断面図、第5図(b)は第2図のV−V線断面
図、第6図は第1図のVI方向矢視で示す側面図、第7図
は第1図のVII−VII線断面図、第8図は補助押え板を示
す斜視図、第9図は加工布を示す平面図であり、第10図
はポケットセッタの概要を示す斜視図である。 10……加工布保持装置、11……下板、12,13……上板、1
5……開口、21,22……透溝、23,24……布押え部、41〜4
4……エアシリンダ、50……リンク機構、71〜75……昇
降用エアシリンダ、80,80′,80″……連結板、90……中
央連結板、102……ミシンテーブル、103……加工布保持
送り装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 利昭 愛知県名古屋市瑞穂区堀田通9丁目35番 地 ブラザー工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭62−184879(JP,U) 実公 平4−9994(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テーブル上に載置された加工布を上方から
    押圧しテーブル上をミシンの針落ち位置に相対的に移動
    して縫製中上記加工布を押圧保持する縫製機の加工布保
    持装置において、 前記加工布を押圧可能に支承され、加工布の縫製軌跡部
    分を露出させる開口が設けられた下板と、 前記下板上に水平移動及び上下移動可能に支承され、下
    降位置において前記下板の開口内に突出して底面が下板
    の底面と同一平面をなす布押え部を有すると共に、その
    布押え部にミシン針が挿通可能な幅狭の透溝が設けられ
    た複数の上板と、 前記複数の上板を下板上で水平移動させて、その複数の
    上板を水平方向に拡縮する水平移動駆動手段と、 前記複数の上板を下板上で上下移動させる上下移動駆動
    手段とを備え、 前記複数の上板を上昇させた状態で水平移動させて下降
    位置における複数の上板の位置を変更することにより各
    上板の透溝を接続して構成される縫製軌跡を変更するよ
    うにしたことを特徴とする加工布保持装置。
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