JP2642642B2 - 反射型拡大投影装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液晶表示素子に表示された文字や図形をス
クリーン上に拡大投影する反射型拡大投影装置に関す
る。

従来の技術 従来、液晶表示素子に表示された文字や図形をスクリ
ーン上に拡大投影する反射型の拡大投影装置において、
第２図に示すように、液晶表示素子１は、液晶層２がそ
の上下両面から第一基板3,第二基板４により挟まれ、さ
らに、それら基板3,4を第一偏光板5,第二偏光板６によ
り上下両面から挟んだ構造となつている。そして、この
ような液晶表示素子１は、その下面に置かれたフレネル
反射板７により光を反射することにより、その反射光を
図示しないスクリーン上に文字や図形を拡大投影する。

上述したようなフレネル反射板７を利用した反射型の
液晶表示装置の場合、液晶層２からフレネル反射板７の
反射面までの距離ｔがある一定値より長くなると、スク
リーン上に表示される文字や図形が二重となり投影画像
の品質が著しく劣化してしまう。

そこで、液晶層２からフレネル反射板７までの距離ｔ
をある一定値より短くなるように第二基板４の厚さを薄
くしたりすれば投影画像の画像ズレや画像にじみはなく
なるわけである。しかし、液晶表示素子１の実装上の問
題やガラスからなる第二基板４の保護等を考えると、液
晶層２からフレネル反射板７の反射面までの距離ｔをあ
まり短くすることができないという問題点がある。

さらに、このような問題点を取り除くために、反射型
の代わりに透過型の拡大投影装置を用いれば良いわけで
あるが、しかし、その透過型の拡大投影装置の場合、手
軽に持ち運びができないという問題点がある。

目的 本発明は、このような点に鑑みなされたもので、反射
型の拡大投影装置において、液晶表示素子からフレネル
反射板の反射面までの距離を短くすることによつて、ス
クリーン上に拡大投影される文字や図形の画像ズレや画
像にじみをなくし鮮明な画像を得ることを目的とする。

構成 本発明は、液晶層の両面を第一基板と第二基板とによ
り挟み、前記第一基板の外面に偏光板を設け、前記第二
基板の外面に輪帯状の微細な溝とこの溝が形成された面
の外面に形成された反射面とよりなる偏光反射板を設け
たので、その輪帯状の微細な溝によりフレネルレンズ効
果を発揮することができ、従来のようにフレネル反射板
を用いる必要がなくなるため液晶層からその反射面まで
の距離を短くすることができ、これにより、画像ズレや
画像にじみをなくし一層明るく鮮明な投影画像をスクリ
ーン上に得ることができ、また、部品点数を減らすこと
ができるため、歩留りを上げて低コストにすることがで
きるように構成したものである。

本発明の一実施例を第１図に基づいて説明する。反射
型拡大投影装置８の液晶表示素子９は、文字や図形が表
示される液晶表示素子としての液晶層10と、この液晶層
10を上下両面から挟んだ第一基板11,第二基板12と、前
記第一基板11の上面に設けられた偏光板13と、前記第二
基板12の下面に設けられた輪帯状の微細な溝14が一面に
形成された偏光反射板15とにより構成されている。この
偏光反射板15の溝14が形成された面の外面には、反射面
としての金属薄膜16が形成されている。

このような構成において、図示しない光源からの光
は、液晶表示素子９の偏光板13に入射した後、第一基板
11、液晶層10、第二基板12を順次透過していく。そし
て、フレネルレンズ効果を有する偏光反射板15により反
射されることにより、その反射光は、再び、第二基板1
2、液晶層10、第一基板11、偏光板13を順次透過してい
き、液晶表示素子９から出射される。そして、その液晶
表示素子９から出射された反射光は、その後、図示しな
いスクリーン上に照射されることにより、液晶表、素子
９に表示されていた文字や図形が拡大投影される。

この場合、偏光反射板15には、輪帯状の微細な溝14が
形成されているのでフレネル反射板７（第２図参照）と
同様なフレネルレンズ効果を発揮することができるの
で、従来技術で用いたフレネル反射板７を用いる必要が
なくなる。

従つて、偏光反射板15は、従来技術（第２図参照）で
説明したフレネル反射板７および第二偏光板６の２つの
機能を合わせもつているので、これら２つの板に代用さ
せることができ、これにより、液晶層10から偏光反射板
15の反射面までの距離ｔを、スクリーン上における投影
画像の画像ズレや画像にじみを実用上無視できる厚さ
（通常ｔ＝1.5mm以下）にまで薄くすることができる。
例えば、第二基板12の板厚0.8mm、偏光反射板15の板厚
0.5mmに設定することができ、距離ｔ＝1.3mmとなり、1.
5mm以下に押えることができるので、投影画像に画像ズ
レや画像にじみが生じるようなことはなくなる。

また、従来技術（第２図参照）のように、フレネル反
射板７を用いないため液晶表示素子１とフレネル反射板
７との界面がなくなり、また、フレネル反射板７の媒体
を透過しないため透過率が改善され、これにより、スク
リーン上での明るさを約15％も向上させることができ
る。

なお、偏光板13と第一基板11とは粘着剤や接着剤によ
り固定もしくは密着固定し、偏光反射板15と第二基板12
とも同様に粘着剤や接着剤により固定もしくは密着固定
することにより、偏光反射板15の色調を変えたものに交
換することで、色調の異なる投影画像を得ることもでき
る。また、第一基板11および第二基板12には、ガラス基
板、プラスチックフイルム基板等を用いることができ
る。

効果 本発明は上述のように、液晶層の両面を第一基板と第
二基板とにより挟み、前記第一基板の外面に偏光板を設
け、前記第二基板の外面に輪帯状の微細な溝とこの溝が
形成された面の外面に形成された反射面とよりなる偏光
反射板を設けたので、その輪帯状の微細な溝によりフレ
ネルレンズ効果を発揮することができ、従来のようにフ
レネル反射板を用いる必要がなくなるため液晶層からそ
の反射面までの距離を短くすることができ、これによ
り、画像ズレや画像にじみをなくし一層明るく鮮明な投
影画像をスクリーン上に得ることができ、また、部品点
数を減らすことができるため、歩留りを上げて低コスト
にすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す縦断側面図、第２図は
従来例を示す縦断側面図である。 ８……反射型拡大投影装置、９……液晶表示板、14……
溝（フレネル反射板）、16……金属薄膜（反射面）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光源からの光を液晶表示素子に透過させ、
   その透過光をフレネル反射板により反射して、その反射
   光をスクリーン上に拡大投影する反射型拡大投影装置に
   おいて、液晶層の両面を第一基板と第二基板とにより挾
   み、前記第一基板の外面に偏光板を設け、前記第二基板
   の外面に輪帯状の微細な溝とこの溝が形成された面の外
   面に形成された反射面とよりなる偏光反射板を設けたこ
   とを特徴とする反射型拡大投影装置。