JPH06331825A - 偏光板の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】偏光板において、当発明を採用することで、最
小の部品点数・工程数で、薄型・小型・高精細の液晶表
示体を得ることを目的とする。 【構成】本発明の偏光板の構造は、図１に示したよう
に、偏光フィルム（１）の表面に回折パターン（４）が
形成された透明保護板（２）と平坦な保護板（３）を貼
り合わせたものである。 【効果】本発明によれば、薄型・小型で高精細・高品質
の液晶表示体モジュールを提供する偏光板を得る事がで
きた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示体に用いられ
る偏光板の構造及び製造方法に関する。

【０００２】特に本発明では、その効果が著しいＴＦＴ
などの高精細の液晶表示体への用途のための偏光板の構
造に関する。

【０００３】

【従来の技術】従来の偏光板のおもな構造は、図２に示
したように、ヨウ素などを分散させたポリビニルアルコ
ールなどを一軸延伸してなる偏光フィルム（１）をセル
ローストリアセテート（以下、ＴＡＣと記す）などの透
明保護板（２、３）で上下からおおったものであった。

【０００４】また、液晶表示体、特にＴＦＴなどの高精
細パネルに用いて拡大して画像を見る用途の場合（たと
えば、ビデオムービー用のビューファインダやビデオプ
ロジェクター用のライトバルブなど）、偏光板のみでは
画素の輪郭が目立ってしまい荒い印象の画像になってし
まう。

【０００５】そこで、上記のような使用方法の場合は図
３に示したように、液晶パネル（５）と偏光板（６）を
通った光の通路に回折格子（７）を配し、光の回折によ
ってできる一次及び二次の回折光によって画素の輪郭が
ぼやけるようにしていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術にお
いては、以下に記すような問題点が認められる。

【０００７】すなわち、高精細液晶表示体の画質向上の
ために、通常の液晶表示体のほかに回折格子をモジュー
ルにつけ加えなくてはならず、そのために、 実装・組立工程において回折格子を取り付ける工程が
必要となり、製造工数がアップしてしまう モジュールのきょう体に回折格子を取り付けるための
機構を付与しなくてはならず、きょう体の構造が複雑に
なってしまう モジュールに回折格子を取り付けるため、モジュール
が厚くなってしまうといった問題点を有する。

【０００８】本発明は、この様な問題点を解決するもの
で、その目的とするところは、 部品点数を最小に抑え、組立工数も必要最小限にする モジュールのきょう体を単純な形にする 薄型のモジュール と、いうような特徴をもつ液晶表示体を得るために用い
る偏光板を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の偏光板の構造
は、少なくとも偏光フィルムとその上下を保護するため
の２枚の保護板を含む偏光板において、当該保護板の一
方の表面に透過光の回折用のパターンが形成されている
ことを特徴とする。

【００１０】

【実施例】以下、実施例に従って、本発明を更に詳しく
説明する。

【００１１】〈１〉本発明をビデオカメラのビューファ
インダに用いられるポリシリコンＴＦＴのドライバ内蔵
型液晶表示体用の偏光板に用いた。

【００１２】偏光板の構造は、図１に示したように、ヨ
ウ素を分散させたポリビニルアルコールを一軸延伸した
偏光フィルム（１）に、表面にピッチ（図中ａ）１５μ
ｍ、深さ（図中ｂ）１５μｍで断面が正弦カーブになっ
ている規則的なグルーブの回折パターン（４）が形成さ
れたＴＡＣ製の透明保護板（２）と平坦なＴＡＣ製の保
護板（３）を貼り合わせたものである。なお、本実施例
では偏光板を直接液晶パネルのガラス基板に貼りつけら
れるように、偏光板の平坦な保護板側の表面にアクリル
系の粘着剤層を形成した。

【００１３】本実施例による偏光板を上記ＴＦＴ液晶表
示体のパネルを通過した光が出てくる側のガラス基板の
外側面に貼りつけ、通常の偏光板を液晶表示体の反対側
に貼りつけることによって液晶ビューファインダモジュ
ールとした。

【００１４】本実施例によって得られた液晶ビューファ
インダは、回折格子がなくなったため、 組立・実装工程が削減でき、検査工程も省くことがで
きた。

【００１５】モジュールきょう体に回折格子取付用の
構造を設ける必要がなく、きょう体のコストダウンがは
かれた。

【００１６】従来の回折格子付きのモジュールに比べ
て、モジュールの厚さが１／２になった。

【００１７】といった効果が現われた。

【００１８】また、本実施例によって従来の回折格子外
付けのモジュールと同様に、液晶パネル及び偏光板を通
過してくる光が偏光板上の当該回折パターンによって回
折を起こし、これによって生じる一次及び二次回折光の
ために、得られる液晶ビューファインダの画像が液晶表
示画素の輪郭がぼやけて目立たなくなったソフトなもの
になった。

【００１９】その結果、薄型・小型で高精細の液晶表示
体を得ることができた。

【００２０】なお、以下の実施例でも、同様な効果が得
られる。

【００２１】〈２〉本発明を液晶プロジェクションテレ
ビ用のライトバルブに適用した。

【００２２】偏光板の構造は、ヨウ素を分散させたポリ
ビニルアルコールを一軸延伸した偏光フィルムに、表面
にピッチ２０μｍ、深さ２０μｍで断面が矩形波型にな
っている規則的なグルーブの回折パターンが形成された
ＴＡＣ製の透明保護フィルムと平坦なガラス板を貼り合
わせたものである。本実施例による偏光板を上記ＴＦＴ
液晶表示体のパネルを通過した光が出てくる側のガラス
基板の外側面に組み込んでモジュールとした。尚、光源
からの光線からＰ偏光叉はＳ偏光の一方を取り出して、
液晶表示体パネルに入射する光学系を用いた場合は、本
発明の偏光板をパネルの出射側に配置するだけでも良
い。

【００２３】

【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
高精細液晶パネルに対して回折格子の使用が不要となっ
たことで、 パネルモジュールの実装・組立工程及び検査工程の削
減 モジュールのきょう体の単純化 モジュールの薄型化 と、いった効果がもたらされ、安価で薄型・小型の高精
細化に対応した液晶表示体を実現できる偏光板得ること
ができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の偏光板の構造を示す断面図。

【図２】従来の偏光板の構造を示す断面図。

【図３】従来の偏光板を用いた液晶表示体の構造を示す
断面図。

【符号の説明】

１ … 偏光フィルム ２ … 保護板 ３ … 保護板 ４ … 回折パターン ５ … 液晶パネル ６ … 偏光板 ７ … 回折格子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも偏光フィルムとその上下を保
   護するための２枚の保護板を含む偏光板において、当該
   保護板の一方の表面に透過光の回折用のパターンが形成
   されていることを特徴とする偏光板の構造。