JP2642059B2 - Pvc加工用熱安定剤としての亜鉛メルカプト酸のポリオールエステル - Google Patents

Pvc加工用熱安定剤としての亜鉛メルカプト酸のポリオールエステル

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JP2642059B2 JP6091864A JP9186494A JP2642059B2 JP 2642059 B2 JP2642059 B2 JP 2642059B2 JP 6091864 A JP6091864 A JP 6091864A JP 9186494 A JP9186494 A JP 9186494A JP 2642059 B2 JP2642059 B2 JP 2642059B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】ハロゲン含有ポリマー、特に塩素含有ポリ
マーは広く用いられ、高い商業的重要性を有する。ポリ
ビニルクロリド(PVC)は、特に包装、羽目(sidin
g) 、管および多くの押出形材に用いられる。ハロゲン
含有ポリマーのこのような大規模で種々の使用はその中
への良好な熱および光安定剤の混入による。PVCは、
例えば、加工および使用の間に熱および光に長時間さら
されるときに劣化する傾向があることが知られる。暗色
化または他の色相の変化並びに引張、曲げおよび衝撃強
度の損失はこのような劣化の結果である。ポリマー組成
物への添加のための良好で低コストの安定剤が入手可能
でなければ、この組成物から製造された製品の使用寿命
は限定され、その使用およびそれを製造するための条件
は酷く制約されるであろう。
【0002】ポリマー組成物がポリマーを溶融または柔
軟化させるために熱を用いる方法によって製品に加工さ
れるときに、1つの特に厄介な劣化の形態は起こる。色
相の変化は高温(例えば、約175〜約200℃)にお
いて最初の数分間で起こり、一般には初期変色(early
color or early discoloration) と呼ばれる。このよう
な初期変色を避けることはプラスティック管および羽目
の製造において極めて重要である。勿論、ピッチ状の研
磨材料へ突然の破局的な劣化を導き、加工装置内部でH
Clのような腐蝕性材料を形成するような高温に長時間
さらされる間のポリマーの変色および劣化を防ぐまたは
減じることも重要である。装置の内部の高度に磨かれた
表面は、このようにして本質的に使い物にならなくな
る。亜鉛化合物が安定剤として用いられるときにこのよ
うな突然の劣化の特に厄介な例はしばしば起こり、PV
C業界でこの現象は「ジンクバーン」として知られる。
【0003】ジンクバーンの例は米国特許第4,515,916
号に例示され、ここで、安定剤として亜鉛ビス−(オク
チルチオグリコレート)を含むPVC組成物は193℃
において2台のロールミル上で3分間後にこのような燃
焼を示した。
【0004】本発明の目的は、ハロゲン含有ポリマー組
成物のための向上した熱安定剤を提供することである。
【0005】本発明の目的は向上した熱安定性を有する
ハロゲン含有ポリマー組成物を提供することである。
【0006】本発明の関連する目的は、高い温度でのP
VC組成物の加工の間のジンクバーンを排除することで
ある。
【0007】次の説明で明らかになるこれらおよび他の
目的はハロゲン含有ポリマーを含む組成物に、次式を有
する新規の亜鉛メルカプトエステルを取り込むことによ
って達成される。 Zn−[S(CHR)a (CH2 x −[C−(O)O]R’]2 (式中、 RはメチルまたはC−(O)OR’であり、 R’は[(CH2 −[C−(R1 )(R2 )]y CH2
O)z 3 ]であり、 R1 はH、アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、 R2 はOH、ヒドロキシ置換アルキルまたはO(O=)
C−R4 であり、 R3 はH、(O=)C−R4 アルキルまたはアリールで
あり、 R4 はアルキル、アルケニルまたはアリールであり、 a=0または1であり、x=1または2であり、y=0
または1であり、z=1〜4であり、但し、zが1より
大きいときにはy=0である。)
【0008】アルキルおよびヒドロキシアルキル基は1
〜10個の炭素原子を有し、好ましくは4個以下であ
る。アリール基はフェニルによって代表される。
【0009】この新規の種類の亜鉛ビス−メルカプト酸
エステルは、エチレングリコール、グリセロール、グリ
セロール、テトラエチレングリコール、トリメチロール
エタン、ペンタエリトリトール、テトラエチレングリコ
ールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモ
ノエチルエーテルのようなグリコールエーテル、ジエチ
レングリコールモノカプレートおよびエチレングリコー
ルモノカプレートのようなグリコールモノカルボキシレ
ート、並びにグリセロールモノカプレートのようなグリ
セロールカルボキシレートによって代表されるような少
なくとも1個の官能性ヒドロキシ基を有する多価アルコ
ールもしくはエーテル、カルボキシレートもしくはエー
テルカルボキシレートの亜鉛ビス−チオグリコレート、
亜鉛ビス−メルカプトプロピオネート、および亜鉛ビス
−メルカプトスクシネートを含み、これらの全ては市販
であるか、または従来法によって容易に製造される。メ
ルカプト酸エステルは従来の手順によって製造されるこ
とができ、ここで、メルカプト酸およびヒドロキシル基
含有化合物は、メタンスルホン酸またはp−トルエンス
ルホン酸のような適切な触媒およびトルエンまたはヘプ
タンのような共沸用有機溶剤の存在下において加熱され
る。別の方法では、減圧下でエステル化を行ってもよ
い。この反応は酸価が約12〜15に減じられるまで続
けられる。
【0010】エステルが誘導される酸も一般には市販さ
れているが、所望により化学業界で長年続いている手順
によって製造されうる。メルカプト酢酸は、例えば、ナ
トリウムヒドロスルフィドのナトリウムクロロアセテー
トとの反応および次いで行う酸性化によって製造されう
る。β−メルカプトプロピオン酸は、アセトニトリル中
においてナトリウムヒドロスルフィドのβ−プロピオラ
クトンとの反応および次いで行う酸性化によって約80
%収率で得られる。メルカプト琥珀酸は、無水マレイン
酸の二重結合に硫化水素を添加し、次いで加水分解する
ことによって製造されうる。α−メルカプトプロピオン
酸のアルキルエステルも本発明の目的に適切であり、そ
れは米国特許第2,413,361 号(引用文献としてここに取
り入れる)に従ってα−クロロプロピオン酸およびチオ
硫酸ナトリウムから製造されうる。
【0011】亜鉛メルカプトエステルは、適切な塩化水
素掃去剤、例えば、水酸化アンモニウムおよびアルカリ
金属水酸化物またはその炭酸塩の存在下で、対応するメ
ルカプト酸エステルと塩化亜鉛の反応によって容易に製
造されうる。別の方法は、有機媒体、例えば、高沸点ナ
フサ、キシレン、パラフィンワックス等の存在下でのメ
ルカプト酸エステルの酸化亜鉛との縮合である。亜鉛化
合物およびメルカプトエステルのいかなる比も、縮合を
起こすような条件であるかぎり充分であるが、反応物の
理論比を用いることが望ましい。常圧は適切であるが、
減圧下で約50〜約80℃において反応は満足に進行す
るであろう。
【0012】本発明の安定剤組成物は米国特許第4,515,
916 号に教示されるような置換ジヒドロピリジンをも含
みうる。ここで用いるときに、置換ジヒドロピリジンと
いう言葉は式
【0013】
【化1】
【0014】によって表される複素環式化合物を意味
し、ここで、R6 は直鎖または分枝鎖において1〜20
個の炭素原子を有する同一または異なる不飽和アルキル
基である。適切な特定のジヒドロピリジンの例はR6
の両方がエチルまたはドデシルである。前記のジヒドロ
ピリジンの製造法は米国特許第4,209,439 号に教示され
ており、ここに引用文献として取り入れる。
【0015】本発明の安定剤組成物によって安定化さ
れ、且つ、本発明のポリマー組成物に有用であるハロゲ
ン含有ポリマーは、例えば、ハロゲン化ポリオレフィン
ホモポリマー、ハロゲン化ポリオレフィンコポリマー、
ハロゲン化ポリオレフィンホモポリマーもしくはコポリ
マーを含有するポリマーブレンド、ビニルハリドホモポ
リマー、ビニルハリドコポリマーおよびビニルハリドホ
モポリマーもしくはコポリマーを含有するポリマーブレ
ンドを含む。本発明の実施に使用可能なビニルハリドホ
モポリマー、ビニルハリドコポリマーおよびビニルハリ
ドホモコポリマーもしくはビニルハリドコポリマーを含
有するポリマーブレンドとしては、例えば、(1)ポリ
ビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニル
ブロミド、ポリビニルフロリド、(2)ビニルクロリド
の共重合性エチレン系不飽和モノマー、例えば、ビニリ
デンクロリド、ビニルアセテート、ビニルブチレート、
ビニルベンゾエート、ジエチルフマレート、ジエチルマ
レエート、他のアルキルフマレートおよびマレエート、
ビニルプロピオネートメチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルア
クリレート、および他のアルキルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、および他
のアルキルメタクリレート、メチル−α−クロロアクリ
レート、スチレン、ビニルエーテル、例えば、ビニルエ
チルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルフ
ェニルエーテル、ビニルケトン、例えば、ビニルメチル
ケトン、ビニルフェニルケトン、1−フロロ−1−クロ
ロエチレン、アクリロニトリル、クロロアクリロニトリ
ル、アリリデン、ジアセテート、エチレンおよびプロピ
レンとのコポリマー、(3)ポリマーブレンド、例え
ば、ポリビニルクロリドおよびポリエチレン、ポリビニ
ルクロリドおよび塩素化ポリエチレン、ポリビニルクロ
リドおよびポリメチルメタクリレート、ポリビニルクロ
リドおよびポリブチルメタクリレート、ポリビニルクロ
リドおよびポリスチレン、ポリビニルクロリドおよびア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、並
びにポリビニルクロリドおよびポリエチレンおよびポリ
メチルメタクリレートのポリマーブレンド、を含む。本
発明に使用可能な典型的なビニルハリドコポリマーはビ
ニルクロリド−ビニルアセテート(87:13)、ビニ
ルクロリド−ビニリデンクロリド(95:5)、ビニル
クロリド−トリクロロエチレン(95:5)およびビニ
ルクロリド−20−エチルヘキシルアクリレート(8
0:20)を含む。本発明の実施に使用可能なぽりまー
ブレンドは少なくとも2種の明確なポリマー種の物理的
配合を含み、25〜95重量%のビニルハリドホモポリ
マーを含む。
【0016】本発明の目的のために、安定剤組成物は、
混練および押出しの間のポリマー組成物の安定性に与え
る重要な影響のために、潤滑剤を含みうる。本発明の安
定剤組成物において各成分の量は幅広い範囲で変化しう
るが、それらは一般には重量基準で約5〜約85%、好
ましくは約10〜約20%の本発明の亜鉛メルカプトエ
ステルを含み、約5〜約20%、好ましくは約10〜約
15%の無機塩基アルカリもしくはアルカリ土類金属化
合物、例えば、炭酸カルシウムを含み、約20〜約80
%の潤滑剤、例えば、パラフィンワックス、エチレンビ
スステアラミドおよびステアリン酸カルシウムを含み、
および、用いられるときには、約5〜約10%の置換ジ
ヒドロピリジンを含む。0〜約10%の部分的に酸化さ
れたポリエチレン、例えば、商品名AC629Aで販売される
Allied Chemical の製品は本発明の組成物において更な
る潤滑剤として用いられてよい。
【0017】ハロゲン含有ポリマーおよび安定剤組成物
に加えて、本発明のポリマー組成物は従来の添加剤、例
えば、充填剤、顔料、可塑剤、染料、酸化防止剤および
紫外光安定剤を含みうる。上記以外の潤滑剤、例えば、
ステアリルステアレート、セチルパルミテートおよび他
のエステルワックス等をも含んでよい。焼成クレー、炭
酸カルシウムおよびタルクのような材料も充填剤として
用いられうる。適切な顔料は二酸化チタン、カーボンブ
ラックおよび酸化鉄を含む。フタレート、セバケート、
アジペート、ホスフェートおよび6〜150個の炭素原
子を有する脂肪酸エステルは、本発明の組成物に適切な
よく知られる可塑剤の代表例である。適切な酸化防止剤
はトリクレジルホスフィット、2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−デシルオキシフェノール、および2−t−ブチル−4
−メチルフェノール、2−t−ブチル−4−オクタデシ
ルオキシフェノールを含む。
【0018】本発明のポリマー組成物中に用いる安定化
剤組成物の量は幅広く変化させうる。有効な量は、勿
論、必要量の全量である。一般に、有効量はハロゲン含
有ポリマーの100重量部当たり0.10重量部以下の
安定剤組成物でありうる。安定剤組成物の重要な上限は
ないが、ハロゲン含有ポリマーの100重量部当たり1
5重量部を越える量は効果の見合った増加を生じない。
好ましくは、本発明の安定剤組成物はハロゲン含有ポリ
マーの100重量部当たり約0.4〜約7重量部の範囲
の量で用いられる。
【0019】本発明のポリマー組成物は当業界によく知
られる方法および従来の装置の使用によって製造されう
る。安定剤組成物は、ヘンシェルブレンダーのような高
強度混合機において連続的に混合しながらハロゲン含有
ポリマーに加えられうる。重要な注意事項は安定剤組成
物およびハロゲン含有ポリマーが完全に混合されること
である。
【0020】本発明の安定化されたハロゲン含有ポリマ
ー組成物は、管のような製造品を形成するために用いら
れてよい。種々の従来の成形技術は、安定化された組成
物をあらゆる望ましい造形品に成形するために用いられ
てよい。
【0021】次の実施例は本発明を例示する。
【0022】実施例1 チオグリコール酸(92.12g、1モル)、グリセロ
ール(92.09g、1モル)、100mlのヘプタ
ン、0.4gのp−トルエンスルホン酸、および0.1
gのブチルヒドロキシトルエンは、凝縮器およびDean S
tarkトラップを装備した500mlの丸底フラスコに加
えられ、材料を100℃に加熱した。18.2mlが回
収されるまで水の共沸蒸留を90℃で行った。ヘプタン
はストリップオフされ、残留物の一部分は更に10〜2
0トールの圧力で110℃においてストリップされ、1
5の酸価および17.29のSH価に達した。理論SH
価は19.85である。残留物の濾過は金色の透明な生
成物を提供した。
【0023】実施例2 実施例1の一般手順に従ったが、150.17g(1モ
ル)のトリエチレングリコールをグリセロールの代わり
に用いた。Rotovac 装置においてヘプタンをストリップ
オフし、8.8の酸価および12.8のSH価を有する
生成物を提供した。理論SH価は14.7である。
【0024】実施例3 実施例2の一般手順に従ったが、106.12g(1モ
ル)のジエチレングリコールをトリエチレングリコール
の代わりに用い、共沸用溶剤としてヘキサンを用いた。
水の共沸蒸留を90℃のポット温度および69℃のベー
パー温度で行った。透明生成物のSH価は16.2であ
った。理論SH価は18.3である。
【0025】実施例4 カプリル酸(酸価 373.6;75.08g、0.5
当量)、チオグリコール酸(46.06g、0.5当
量)、グリセロール(46.05g、1.5当量)、お
よび0.13gのメタンスルホン酸は、攪拌機を装備
し、真空ポンプを設置した500ml丸底フラスコにチ
ャージされた。この反応混合物を100℃、減圧下で1
0時間保持した。残留物および濾過助剤は40℃におい
て濾過され、8.3の酸価および9.7のSH価を有す
る生成物を提供した。混合カプリラート/チオグリコレ
ートの理論SH価は10.4である。
【0026】実施例5 チオグリコール酸(46.06g、0.5モル)、テト
ラエチレングリコール(97.12g、0.5モル)、
100mlのヘプタン、0.4gのp−トルエンスルホ
ン酸、および0.1gのブチルヒドロキシトルエンは、
攪拌機およびDean-Starkトラップを装備した丸底フラス
コ中で加熱され、約9.2mlの水は除去された。減圧
下での連続した加熱および溶剤の除去は酸価を17.3
に減じた。SH含有率は11.35%であったが、一
方、理論値は12.30である。
【0027】実施例6 カプリル酸(78.72g、0.5当量)、グリセロー
ル(46.05g、1.5当量)、50mlのトルエ
ン、および1.2gのp−TSAは、攪拌機、凝縮器お
よびDean-Starkトラップを装備した丸底フラスコ中で加
熱された( 更なるトルエンはトラップに加えられた。)
。125℃において9mlの水はエステル化反応から
回収された。それから、46.06gのチオグリコール
酸(0.5当量)を加え、混合物を110℃に加熱し、
更に9mlの水を除去した。この反応混合物を減圧下で
ストリップし、濾過した。SH含有率は9.78%であ
ったが、一方、理論値は10.8%である。
【0028】実施例7 1モル(92.12g)のチオグリコール酸、1モル
(90.12g)のエチレングリコールモノエチルエー
テル、100mlのヘプタン、0.4gのp−TSA、
および0.1gのブチルヒドロキシトルエンは、攪拌
機、凝縮器およびDean-Starkトラップを装備した500
ml丸底フラスコ中で、酸価が約10に減少するまで1
00℃に加熱した。溶剤のストリップオフの後、酸価は
16であった。追加のエチレングリコールモノエチルエ
ーテルを加え、混合物を真空下で100℃に加熱して、
酸価は13.2にまで減少した。SH含有率は16.8
/20.1であった。
【0029】実施例8 0.5モル(78.72g)のカプリル酸、0.5モル
(31.04g)のエチレングリコール、100mlの
トルエン、および0.2gのp−TSAは、攪拌機、凝
縮器およびDean-Starkトラップ(トルエンで充填)を装
備したフラスコ中で110℃に加熱し、9mlの水を除
去した。00.5モル(46.06g)のチオグリコー
ル酸を冷却された混合物に加え、温度を125℃に上昇
させ、更に水を除去した。反応混合物をストリッピング
しおよび濾過した後、SH含有率は11.99/11.
97%であった。
【0030】実施例9 1モル(92.12g)のチオグリコール酸、1モル
(118.12g)のエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、100mlのトルエン、および0.4gのp−
TSAは攪拌機、凝縮器およびDean-Starkトラップを装
備したフラスコ中で110℃に加熱され、約1モルの水
を除去した。反応混合物を真空下でストリップした。S
H価は15.83/17.17%であった。
【0031】実施例10 0.5モル(46.06g)のチオグリコール酸、0.
5当量(75.06g)のカプリル酸、1.5当量(6
0.08g)のトリメチロールエタン、および0.13
gのp−TSAはフラスコ中で、酸価が9.8になるま
で減圧下で90℃に加熱された。反応混合物を濾過し
て、8.25の酸価および8.64/10.13%のS
H含有率を有する透明液体を提供した。
【0032】実施例11および13 実施例5および7において製造したエステルの亜鉛塩
は、0.1gの酢酸を液体エステルに加えること、それ
から、この混合物に理論量の酸化亜鉛を徐々に加えるこ
と、そして真空下で2時間100〜110℃にそれを加
熱することによって製造した。テトラエチレングリコー
ルチオグリコール酸の亜鉛塩(実施例11の生成物)は
透明な黄色っぽい固体である。実施例13の生成物は、
温かいときには水のように注がれる白色液体であった。
【0033】実施例12および14〜16 実施例6、8、9および10のエステルの亜鉛塩は、攪
拌された混合物を氷浴によって冷却しながら、当量の水
酸化ナトリウム水溶液中に分散した当量のエステルに塩
化亜鉛水溶液を25〜30℃の温度で加えることによっ
て製造された。温度を1時間維持した。実施例12およ
び14の水性反応混合物を真空下でストリップした。実
施例12の生成物(実施例6のエステルからの)は粘性
液体であった。実施例14の生成物(実施例8のエステ
ルからの)はクリーム状の白色液体であった。実施例1
5の反応混合物(実施例9のエステルからの)は二相に
分離し、有機相は真空下でストリップされ、粘性の白色
液体を生じた。実施例16の反応混合物(実施例10の
エステルからの)二相に分離し、有機相は70℃におい
て30分間ストリップされて粘性の白色液体を生じた。
【0034】実施例17〜22 次の典型的なPVC管の配合比を有するポリマー組成物
に、成分 phr ポリビニルクロリド(K−67) 100.0 炭酸カルシウム 5.0 二酸化チタン 1.0 ステアリン酸カルシウム 0.45 パラフィンワックス 1.3 酸化ポリエチレン(Allied AC-629A) 0.15 水酸化カルシウム 0.3 ジヒドロピリジン 0.3 次のような0.4phrの熱安定剤を加えた。 対照 亜鉛ビス(2−エチルヘキシルチオグリ
コレート) 実施例 17 亜鉛ビス(テトラエチレングリコールチ
オグリコレート) 実施例 18 亜鉛ビス(グリセロールカプレートチオ
グリコレート) 実施例 19 亜鉛ビス(エチレングリコールモノエチ
ルエーテルチオグリコレート) 実施例 20 亜鉛ビス(エチレングリコールカプレー
トチオグリコレート) 実施例 21 亜鉛ビス(エチレングリコールモノブチ
ルエーテルチオグリコレート) 実施例 22 亜鉛ビス(トリメチロールエタンカプリ
レートチオグリコレート)
【0035】対照および本発明のポリマー組成物の動的
ミル性能試験は、管の製造の間の「ジンクバーン」の制
御において本発明の有効性を示す。本試験の手順におい
て、対照および実施例は、30rpmで運転するフロン
トロールおよび40prmで運転するリアーロールを有
するミル上に別々に置かれ、390°F(199℃)に
加熱され、2分間隔でサンプリングしながら混練した。
試料の熱量試験は次の表に示す結果を与えた。ここで、
総色相変化(ΔE)の単位は毎分与えられた。約1単位
のΔEは目で認識されうる。
【0036】
【表1】
【0037】表におけるデータは、従来技術の安定剤の
対照の総色相の変化は10分間で約58という値で2倍
になり、一方、本発明の安定剤は12分間の混練の後で
さえ約38という最大色相変化を有したことを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライオネル アール.プライス アメリカ合衆国,オハイオ 45219,シ ンシナティ,バン ストリート 2723 (56)参考文献 特開 昭60−115651(JP,A) 特開 昭58−206653(JP,A) 特開 昭57−209944(JP,A) 米国特許4515916(US,A)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 Zn−[S(CHR)a (CH2 x −[C−(O)O]R’]2 (ここで、 RはメチルまたはC−(O)OR’であり、 R’は[(CH2 −[C−(R1 )(R2 )]y CH2
    O)z 3 ]であり、 R1 はH、アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、 R2 はOH、ヒドロキシ置換アルキルまたはO(O=)
    C−R4 であり、 R3 はH、(O=)C−R4 アルキルまたはアリールで
    あり、 R4 はアルキル、アルケニルまたはアリールであり、 a=0または1であり、x=1または2であり、y=0
    または1であり、z=1〜4であり、但し、zが1より
    大きいときにはy=0である)を有する亜鉛メルカプト
    エステルを含む熱安定剤組成物。
  2. 【請求項2】 z=4である請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 z=2であり、且つ、R3 がアルキルで
    ある請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 z=1であり、且つ、R3 が(O=)C
    −R4 であり、且つ、R4 がアルキルである請求項1に
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】 z=1であり、y=1であり、R1 がア
    ルキルであり、且つ、R2 がヒドロキシアルキルである
    請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 z=1であり、y=1であり、且つ、R
    2 がOHである請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 ハロゲン含有ポリマー、および、式 Zn−[S(CHR)a (CH2 x −[C−(O)O]R’]2 (ここで、 RはメチルまたはC−(O)OR’であり、 R’は[(CH2 −[C−(R1 )(R2 )]y CH2
    O)z 3 ]であり、 R1 はH、アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、 R2 はOH、ヒドロキシ置換アルキルまたはO(O=)
    C−R4 であり、 R3 はH、(O=)C−R4 アルキルまたはアリールで
    あり、 R4 はアルキル、アルケニルまたはアリールであり、 a=0または1であり、x=1または2であり、y=0
    または1であり、z=1〜4であり、但し、zが1より
    大きいときにはy=0である)を有する安定剤、を含む
    熱劣化効果に対して安定化されたポリマー組成物。
  8. 【請求項8】 z=4である請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 z=2であり、且つ、R3 がアルキルで
    ある請求項7に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 z=1であり、且つ、R3 が(O=)
    C−R4 であり、且つ、R4 がアルキルである請求項7
    に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 z=1であり、y=1であり、R1
    アルキルであり、且つ、R2 がヒドロキシアルキルであ
    る請求項7に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 z=1であり、y=1であり、且つ、
    2 がOHである請求項7に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 ハロゲン含有ポリマー、および、式 Zn−[S(CHR)a (CH2 x −[C−(O)O]R’]2 (ここで、 RはメチルまたはC−(O)OR’であり、 R’は[(CH2 −[C−(R1 )(R2 )]y CH2
    O)z 3 ]であり、 R1 はH、アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、 R2 はOH、ヒドロキシ置換アルキルまたはO(O=)
    C−R4 であり、 R3 はH、(O=)C−R4 アルキルまたはアリールで
    あり、 R4 はアルキル、アルケニルまたはアリールであり、 a=0または1であり、x=1または2であり、y=0
    または1であり、z=1〜4であり、但し、zが1より
    大きいときにはy=0である)を有する安定剤、を含む
    熱劣化効果に対して安定化されたポリマー組成物から加
    工された製品。
  14. 【請求項14】 z=4である請求項13に記載の
  15. 【請求項15】 z=2であり、且つ、R3 がアルキル
    である請求項13に記載の製品
  16. 【請求項16】 z=1であり、且つ、R3 が(O=)
    C−R4 であり、且つ、R4 がアルキルである請求項1
    3に記載の製品
  17. 【請求項17】 z=1であり、y=1であり、R1
    アルキルであり、且つ、R2 がヒドロキシアルキルであ
    る請求項13に記載の製品
  18. 【請求項18】 z=1であり、y=1であり、且つ、
    2 がOHである請求項13に記載の製品
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