JP2641731B2 - 無線回線終端部の信号処理装置 - Google Patents

無線回線終端部の信号処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 無線回線終端部において、符号誤り率が劣化した時に
保護回路を動作させて障害や誤動作を未然に防止する信
号処理装置に関し、 フレーム同期外れが起る迄においてデータに誤りが発
生した場合に障害や誤動作を少なくすることを目的と
し、 符号誤り率が高くなってフレーム同期が外れる迄にお
いて符号誤り率を監視してその符号誤り率の大きさを検
出する符号誤り率検出手段と、符号誤り率検出手段にて
検出された符号誤り率の大きさに応じてデータ保護段数
を自動的に切換える保護段数切換設定手段とよりなる構
成とする。
〔産業上の利用分野〕
本発明は無線回線終端部において、符号誤り率が劣化
した時に保護回路を動作させて障害や誤動作を未然に防
止する信号処理装置に関する。
近年、無線電話等のサービスの多様化に伴ない、主と
して高速デジタルデータ伝送用に開発された加入者無線
方式を用いてISDN(サービス統合デジタル網)のサービ
スが開始されるに至り、ベーシックIインタフェースの
如き小伝送容量のサービスもこの加入者無線方式を用い
ることになった。この場合、親局及び子局のISDN用無線
回線終端装置は交換機と接続されて加入者にIインタフ
ェースを提供するものであり、親局と子局との間で回線
を確立するためにコントロールビット及びステータスビ
ットが用いられ、両局間の無線区間及び装置における警
報を伝送するためにサービス信号(SV信号)が用いられ
る。
ここで、無線区間に符号誤りを生じると、コントロー
ルビット及びステータスビット、SV信号にも誤りを生
じ、回線の確立に障害を及ぼしたり、誤って警報に対す
る処理を行なってしまうことがある。そこで、符号誤り
率が少し劣化した場合でも障害や誤動作なくISDNシステ
ムを運用することが必要である。
〔従来の技術〕
第6図は一般のISDNシステムの概略構成図を示す。同
図において、端末機1を接続された子局のISDN用無線回
線終端装置(I−DSU−R)2及び親局のISDN用無線回
線終端装置(I−OCU−R)5は交換機6と接続され、
両局の送受信無線機(TA)3及び4間の無線区間におい
てデータ伝送が行なわれる。
ここで、回線を確立するに際し、I−OCU−R5からコ
ントロールビット(例えば24ビット)を伝送してこれを
I−DSU−R2が受けて回線を接続し、I−DSU−R2からス
テータスビット(例えば24ビット)を返す。交換機6で
はこれを受けて回線が接続されたと判断し、主データを
伝送する。つまり、コントロールビット及びステータス
ビットは両局間における回線(レイヤ1と称する回線接
続の初期段階)の確立に使用される。
これらコントロールビット,ステータスビットの他
に、両局間の無線区間及び装置における警報を伝送する
ためのSV信号があり、更に、例えば64kbpsの主通信チャ
ンネル2本(2B)及び例えば16kbpsの制御信号用チャン
ネル1本(D)にて構成されるいわゆる(2B+D)チャ
ンネル構成のデータがある。これらコントロールビッ
ト,ステータスビット,SV信号,(2B+D)データ等は
レイヤ1のデータフォーマット上、各フレーム周期(1
フレーム周期は例えば1024ビット)毎にその所定タイム
スロット部分に挿入されて伝送される。
ところで、両局間の無線区間に符号誤りが発生する
と、上記コントロールビット,ステータスビット,SV信
号にも誤りを生じ、回線の確立に障害を及ぼしたい、或
いは、誤って警報に対する処理を行なってしまうことが
ある。この場合、符号誤り率が少し劣化した場合でも、
エラーフリー(誤り率零)でない限りはこれらの問題は
無視できず、従来、これらの問題に対して種々の対策が
とられている。
第7図は従来の信号処理方式の一例のブロック図を示
す。この回路は第6図中I−DSU−R2及びI−OCU−R5に
設けられている。無線機3又は4からのデータ(前述の
レイヤ1のデータフォーマット上のデータ)は多重分離
回路(DMUX)7に供給され、ここで、例えばコントロー
ルビット(I−OCU−R5からI−DSU−R2へデータ伝送す
る場合)又はステータスビット(I−DSU−R2からI−D
CU−R5へデータ伝送する場合)を分離され、マスク用の
アンドゲート8へ供給される。
一方、無線機3又は4からのデータはヘッド同期検出
回路9に供給され、ここでフレーム同期がとられている
か外れているかを検出される。デジタル通信システムで
は、一般に送信側回路と受信側回路とを同期をとって動
作させる。この場合、送信側回路からのデータ中フレー
ムの冒頭にデータの先頭を受信側回路に知らせるための
フレーム同期信号が付せられている。受信側回路ではフ
レーム周期カウンタから出力されるフレームパルスの位
相と上記送信側回路からデータ中のフレーム同期信号の
位相とが一致した時フレーム同期検出信号をHレベルに
する一方、これらの位相が不一致になった時(同期外
れ)フレーム同期検出信号をLレベルにする。
符号誤りがなく、フレーム同期がとられている場合は
フレーム同期検出回路9からは論理「1」が出力され、
アンドゲート8へ供給され、これにより、アンドゲート
8からは多重分離回路7にて分離されたコントロールビ
ット又はステータスビットはそのまま取出され、I−DS
U−R2又はI−OSU−R5へ供給される。符号誤り率が高
く、フレーム同期が外れた場合はフレーム同期検出回路
9からは論理「0」が出力され、これにより、多重分離
回路7からのコントロールビット又はステータスビット
はアンドゲート8でマスクされ、出力されない。
このように、第7図に示す従来例のものは、フレーム
同期が外れた場合に限ってコントロールビット又はステ
ータスビットがマスクされ、回線の確立に障害が及ぼさ
れるのを防止している。
又、SV信号に対しては、多重分離回路の後に3段程度
の保護段数をもつ保護回路を設け、誤りが多く、3周期
正確なタイミングでSV信号が入ってこない場合はSV信号
をマスクすることで、誤って警報する処理を行なうこと
を防止している。
〔発明が解決しようとする解題〕
前述の如く、第7図に示す従来例は、フレーム同期が
外れる程に誤り率がかなり劣化した時点で初めてコント
ロールビット又はステータスビットの保護(マスク)が
行なわれる。然るに、実際にはフレーム同期が外れる以
前においても、レイヤ1におけるデータ全体に対する誤
り率が例えば1×10-7〜1×10-4の場合にはコントロー
ルビット,ステータスビットそのものに誤りが発生して
いることがあり、又、コントロールビット,ステータス
ビットに付加されているパリティビツトによるチェック
結果で誤り(パリティエラー)が発生することもある。
従って、従来のものは、フレーム同期が外れる以前
(例えば1×10-7〜1×10-4の比較的低い誤り率の場
合)において生じるコントロールビット,ステータスビ
ット,SV信号等の誤りをそのまま通過させてしまい、回
線の確立に障害を及ぼしたり、誤って警報に対する処理
を行なう等の誤動作を生じることがある問題点があっ
た。
本発明は、フレーム同期外れが起る迄においてデータ
に誤りが発生した場合に障害や誤動作を少なくできる無
線回線終端装置の信号処理方式を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明の原理図で示す。同図中、20は符号誤
り率検出手段で、符号誤り率が高くなってフレーム同期
が外れる迄において符号誤り率を監視してその符号誤り
率の大きさを検出する。21は保護段数切換設定手段で、 符号誤り率検出手段20にて検出された符号誤り率の大
きさに応じてベース保護段数を自動的に切換える。
〔作用〕
符号誤り率検出手段20において、フレーム同期が外れ
る迄の間の符号誤り率の大きさを検出し、その大きさに
夫々応じたアラームを出力する。保護段数切換設定手段
21に複数の種類のデータ保護段数が設定されており、符
号誤り率検出手段20からのアラームに応じてデータ保護
段数を切換えられる。データはこの切換えられた保護段
数で保護されて出力される。
本発明では、フレーム同期が外れる迄の間の符号誤り
率に応じて保護を行なっているので、比較的低い符号誤
り率において保護を行ない得、フレーム同期が外れた場
合において初めて保護を行なう従来例に比して回線の障
害、誤動作等を確実に防止できる。
〔実施例〕
第2図は本発明の一実施例のブロック図を示し、同図
中、第7図と同一構成部分には同一番号を付す。このも
のは、第7図に示す従来例と同様、第6図中I−DSU−R
2及びI−OCU−R5に設けられている。第2図中、10は多
重分離回路(DMUX)で無線機3又は4からのデータ(前
述のレイヤ1のデータフォーマット上のデータ)からコ
ントロールビット又はステータスビット,データ全体に
対するパリティビットを分離する。11は誤り率検出回路
で、第3図に示す構成とされており、パリティエラー個
数に応じた(誤り率に応じた)例えば4段階(10-4,10
-5,10-6,10-7)のアラームを出力する。12は保護回路
(保護段数設定回路)で、第4図に示す構成とされてお
り、誤り率検出回路11からのアラームに応じて保護段数
を切換え設定して比較的低い誤り率時のコントロールビ
ット又はステータスビットの保護を行なうもので、保護
回路部12a及びセレクタ12bにて構成されている。
次に、本発明の信号処理動作について説明する。
先ず、誤り率検出回路11の動作から説明する。第3図
において、多重分離回路10から分離されて取出されたパ
リティビットは誤り率検出回路11のパリティチェック回
路13にてバリティチェックされてパリティエラー個数が
出力され、エラーカウンタ14に供給される。この場合、
パリティチェック回路13はフレーム同期検出回路9から
のフレーム同期検出タイミングに同期してパリティチェ
ック動作を行なう。エラーカウンタ14にはタイマ15から
夫々クロックパルス及びクリアパルスが供給されてお
り、クリアパルスにてクリアがかかる迄にパリティチェ
ック回路13からのパリティエラー個数をクロックパルス
に同期してカウントする。
エラーカウンタ14にて所定時間内にカウントされたパ
リティエラー個数は誤り率10-4,10-5,10-6,10-7の4段
階に対応して設けられたコンパレータ161〜164に供給さ
れ、ここで、コンパレータ161〜164毎に夫々異なる閾値
パリティエラー個数(基準パリティエラー個数)と比較
され、エラーカウンタ14の出力パリティエラー個数がコ
ンパレータ161〜164にて夫々設定されている閾値パリテ
ィエラー個数を越えた場合、そのコンパレータよりアラ
ームが出力される。つまり、誤り率検出回路11では、デ
ータに含まれるパリティエラー個数をカウントし、その
パリティエラー個数に応じて(誤り率10-4,10-5,10-6,1
0-7に応じて)4段階のアラームを出力する。この場合1
0-7アラームは誤り率が極めて低い場合、10-4アラーム
は誤り率が比較的高い場合に夫々出力されるアラームで
ある。
次に、保護回路12の動作を説明する。第4図におい
て、多重分離回路10から分離されて取出されたコントロ
ールビット又はステータスビットは保護回路部12aに供
給され、夫々異なる保護段数を似て出力される。保護回
路ブロック12aは例えば零段保護回路12a0,2段階保護回
路12a2(2つの保護段数設定用フリップフロップFF,ナ
ンドゲートN,ラッチ用ナンドゲートN2,不要パルス除去
用フリップフロップffにて構成)、3段保護回路12a
3(3つの保護段数設定用フリップフロップFF,ナンドゲ
ートN1,ラッチ用ナンドゲートN2,不要パルス除去用フリ
ップフロップff)、4段保護回路12a4(4つの保護段数
設定用フリップフロップFF,ナンドゲートN1,ラッチ用ナ
ンドゲートN2,不要パルス除去用フリップフロップff)
にて構成されており、夫々、保護なし,前方後方各2
段,前方後方各3段,前方後方各4段の各保護を行な
う。2段保護回路12a2,3段保護回路12a3,4段保護回路12
a4全体を概念的に示すと第5図に示す如くとなる。第5
図中、17はn段シフトレジスタで、第4図に示す保護段
数設定用フリップフロップFFの段数をもつ。出力回路18
a,18b及びインバータ19a,19bにて第4図に示すナンドゲ
ートN1が構成されている。
2段保護回路12a2においては2周期連続して同じタイ
ミングでコントロールビット(又はステータスビットが
入来した場合のみこれが正しいコントロールビット(又
はステータスビット)として取出す(後方保護)一方、
2周期連続してコントロールビット(又はステータスビ
ット)が同じタイミングで入来しない場合のみコントロ
ールビット(又はステータスビット)がなくなったこと
を検出する(前方保護)。これと同様に、3段保護回路
12a3において3周期、4段保護回路124においては4周
期、夫々コントロールビット(又はステータスビット)
の連続性を見て保護を行なう。
保護回路部12aにて保護されて取出されたコントロー
ルビット(又はステータスビット)はセレクタ12bに供
給され、ここで、第3図に示す誤り率検出回路11から出
力された4段階のアラームに応じて保護回路部12aの各
出力がセレクトされて取出される。つまり、例えば低い
誤り率10-7の場合は第3図に示すコンパレータ164の10
-7アラームによって第4図に示すセレクタ12bの零段保
護回路12a0の出力がセレクトされ、保護されずにそのま
ま取出される。この場合、誤り率10-7は低いので余り保
護は必要とせず、むやみに応答時間が長くならないよう
にしている。又、誤り率が10-6,10-5の場合は夫々10-6
アラーム,10-5アラームによって夫々2段保護回路12a,3
段保護回路12a3の各出力がセレクトされ、夫々2段、3
段の保護をもって取出される。更に、誤りが頻繁に生じ
ているような誤り率10-4の場合は10-4アラームによって
4段階保護回路12a4の出力セレクトされ、4段保護をも
って取出される。
このように、本発明では、データの符号誤り率を常に
監視し、フレーム同期が外れる以前において、データに
対する保護回路の保護段数をデータ符号誤り率の状況に
応じて自動的に切換え設定するものである。この場合、
誤り率が劣化していく(高くなる)に従って保護段数を
多いものに設定する。保護段数が多いとその分だけコン
トロールビット(又はステータスビット)の応答時間は
長くなってしまうが(一般に、応答時間は短い方がよ
い)、回線に障害を生じたり誤動作を生じるよりはよい
ので、この応答時間が長くなる点に関してはやむを得な
い。
〔発明の効果〕
以上説明した如く、本発明によれば、フレーム同期が
外れる迄の間の比較的低い符号誤り率ににおいて保護を
行ない得、例えば、ISDNシステムにおける無線回線終端
部で、フレーム同期が外れる迄の比較的低い符号誤り率
の場合にコントロールビット,ステータスビットそのも
のに誤りがある時でも、これらの誤りを確実にマスクで
き、回線の確立に障害を及ぼしたり、誤動作を起すよう
なことはなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理図、 第2図は本発明の一実施例のブロック図、 第3図は本発明に用いる誤り率検出回路のブロック図、 第4図は本発明に用いる保護回路のブロック図、 第5図は本発明に用いる保護回路の概念図、 第6図は一般のISDNシステムの概略構成図、 第7図は従来の信号処理方式の一例のブロック図であ
る。 図において、 8はマスク用のアンドゲート、 9はフレーム同期検出回路(F SYNC)、 10は多重分離回路(DMUX)、 11は誤り率検出回路、 12は保護回路(保護段数設定回路)、 12aは保護回路部、 12a0は零段保護回路、 12a2は2段保護回路、 12a3は3段保護回路、 12a4は4段保護回路、 12bはセレクタ、 13はパリティチェック回路、 14はエラーカウンタ、 15はタイマ、 161〜164はコンパレータ、 20は符号誤り率検出手段、 21は保護段数切換設定手段 を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】符号誤り率が高くなってフレーム同期が外
    れる迄において符号誤り率を監視してその符号誤り率の
    大きさを検出する符号誤り率検出手段(20)と、 該符号誤り率検出手段(20)にて検出された符号誤り率
    の大きさに応じてデータ保護段数を自動的に切換える保
    護段数切換設定手段(21)とよりなることを特徴とする
    無線回線終端部の信号処理装置。
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