JP2641645B2 - 果菜類収穫機の誘導装置 - Google Patents

果菜類収穫機の誘導装置

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JP2641645B2
JP2641645B2 JP3144313A JP14431391A JP2641645B2 JP 2641645 B2 JP2641645 B2 JP 2641645B2 JP 3144313 A JP3144313 A JP 3144313A JP 14431391 A JP14431391 A JP 14431391A JP 2641645 B2 JP2641645 B2 JP 2641645B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、収穫対象を撮像する撮
像手段と、その撮像手段の情報に基づいて作業用ハンド
を収穫対象に向けて誘導する誘導手段と、前記作業用ハ
ンドが収穫対象に対して設定距離内に接近したか否かを
検出する接近状態検出手段とが設けられている果菜類収
穫機の誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】接近状態検出手段としては、一般的に近
接センサが用いられている。ハンドを収穫対象に向けて
アプローチしているときに、近接センサがON作動する
に伴ってハンドが収穫対象に対して設定距離内に接近し
たと判断する。そして、近接センサがON作動してから
設定距離移動する間に、ハンドが収穫対象を収穫出来な
いときには収穫失敗と判断するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】収穫対象の手前に枝や
葉などがあると、近接センサは、ハンドが収穫対象に対
して設定距離内に接近しないうちに収穫対象の手前の枝
や葉などでONする可能性がある。このような場合、近
接センサがON作動してから設定距離移動する間に、ハ
ンドが収穫対象を収穫出来ないので収穫失敗と判断する
ことになる。本発明の目的は、上記従来欠点を解消し
て、ハンドが収穫対象に対して設定距離内に接近しない
うちに、近接センサが収穫対象の手前の枝や葉などでO
Nした場合にも、収穫対象を確実に収穫出来る果菜類収
穫機の誘導装置を得る点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明による果菜類収穫機の誘導装置の特徴構成
は、前記誘導手段が、前記作業用ハンドを収穫対象に向
けて誘導しているときに、前記接近状態検出手段の検出
情報が非接近状態から接近状態に変化した後、再び接近
状態から非接近状態に変化した場合には、前記作業用ハ
ンドの誘導を一旦停止して、収穫対象を再撮像した情報
に基づいて前記作業用ハンドの誘導を再開するように構
成されていることである。
【0005】
【作用】収穫対象を撮像した情報に基づいてハンドを収
穫対象に向けて誘導しているときに、収穫対象の手前に
枝や葉などがあると、接近状態検出手段の検出情報は、
一旦非接近状態から接近状態に変化するが、その位置か
ら設定距離ハンドの誘導を続けるとハンドが枝や葉など
を通過して、収穫対象を収穫できないまま再び接近状態
から非接近状態に変化する。このような場合には、ハン
ドの誘導を一旦停止して、収穫対象を再撮像した情報に
基づいてハンドの誘導を再開することにより、収穫対象
の手前に枝や葉などがない状態で収穫対象に向けてアプ
ローチできる。
【0006】
【発明の効果】収穫対象の手前に枝や葉などがある場合
にも、ハンドを手前側の枝や葉などよりも収穫対象に接
近させた位置から、収穫対象の手前に枝や葉などがない
状態で収穫対象に向けてアプローチできるので、収穫対
象を確実に収穫出来る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図5に示すように、左右一対の走行車輪1を前後
に備えた車体Vに、ブーム2が昇降駆動並びに旋回駆動
自在に取り付けられ、そのブーム2の先端部に、補助ブ
ーム3が水平方向に揺動駆動自在に取り付けられ、そし
て、果実収穫用の作業用ハンドHを備えた作業用マニプ
レータ4が、補助ブーム3の先端部に取り付けられてい
る。尚、図中、5はブーム昇降用油圧シリンダ、6はブ
ーム旋回用油圧シリンダ、7は補助ブーム揺動用油圧シ
リンダである。
【0008】作業用マニプレータ4は、多関節型の伸縮
アーム8と、その伸縮アーム8の先端部に取り付けられ
た作業用ハンドHとからなる。そして、伸縮アーム8
は、電動モータ9aにて縦軸芯Y周りで旋回操作され、
且つ、電動モータ9bにて横軸芯X周りで揺動操作さ
れ、さらに電動モータ9cにて伸縮操作されるように構
成されている。
【0009】作業用ハンドHについて説明すれば、図6
乃至図8に示すように、その先端部に、収穫対象として
の果実Fを吸着するためのバキュームパッド10と、そ
のバキュームパッド10の吸引口10aに吸着された果
実Fを覆うための捕捉部ケース12と、その捕捉部ケー
ス12内に取り込んだ果実Fの柄部分を上下方向に挾み
込んだ状態で切断する柄切断装置13とが設けられてい
る。
【0010】バキュームパッド10について説明を加え
ると、バキュームパッド10は、圧縮バネを利用して螺
旋状の蛇腹に形成されて、通気管11に対して向き変更
自在に且つ前方向きに復帰付勢された状態で取り付けら
れている。又、先端部の吸引口10aと夫々ワイヤ22
を介して連結された3個のエアシリンダ21と、3個の
近接スイッチS4とが通気管11に取り付けられてい
る。各エアシリンダ21と近接スイッチS4とは、夫々
交互に同一円周上に60度ごとに配設されている。又、
吸引口10aの近接スイッチS4に対向する位置に夫々
突起部10bが設けられ、吸引口10aの通気管11に
対する後退移動を各別に検出するようになっている。と
ころで、3個のエアシリンダ21を同時に出退させるこ
とにより、吸引口10aを前方向きにした状態で通気管
11に対して出退させることができる。又、1個或いは
2個のエアシリンダ21を引退させ、且つ、他のエアシ
リンダ21を伸長させることによりバキュームパッド1
0の通気管11に対する向きを変更できるようになって
いる。図中、S1は作業用ハンドHが向いた方向に位置
する果実Fを撮像する撮像手段としてのカラー式のイメ
ージセンサ、S2は作業用ハンドHが収穫対象果実Fに
対して設定距離内に接近したことを検出する接近状態検
出手段としての赤外光利用の反射式近接センサであっ
て、それら両センサS1,S2はアプローチや果実収穫
の邪魔にならないようにするために、バキュームパッド
10の内部に設けられている。又、15はイメージセン
サS1の撮像処理に同期して作業用ハンドHの前方側を
設定光量で照光するための照光装置であって、一般的に
は、いわゆるストロボ発光装置が用いられることにな
る。
【0011】捕捉部ケース12は、ハンド前後方向にス
ライド移動自在に通気管11に外嵌支持される基端部分
12aと、その先端側上部に止着される上部カバー12
bと、同じく先端側下部に止着される下部カバー12c
とからなる。そして、バキュームパッド10が果実Fを
吸着するまではアプローチの邪魔にならないようにハン
ド後方側に引退させ、且つ、バキュームパッド19が果
実Fを吸着した後は、吸着された果実Fを覆うようにハ
ンド前方側に突出させるようになっている。下部カバー
12cの下部後方側にシャッタ25が設けられ、開閉用
のエアシリンダ23によって開閉できるようになってい
る。又、横軸芯回りに揺動自在な樹脂製のレバー24
と、そのレバー24の揺動を検出する近接スイッチS5
とがシャッタ25に備えてある。レバー24は、起立姿
勢に復帰付勢すべく下部のみ金属で形成され、柄を切断
された果実Fがシャッタ25上に落下することにより倒
伏姿勢に揺動するようになっている。前記近接スイッチ
S5はレバー24が倒伏姿勢のときにONする。もっ
て、果実Fの柄の切断を検出できるようになっている。
【0012】柄切断装置13は、果実Fの柄を切断する
バリカン型の刃体13aと、その刃体13aに果実Fの
柄を下方側から押圧支持する柄支持部材13bとからな
る。
【0013】果実収穫の手順について説明を加えると、
捕捉部ケース12をハンド後方側に引退させてバキュー
ムパッド10の吸引口10aが捕捉部ケース12よりも
前方側に突出する状態で、作業用ハンドHを予め設定さ
れたアプローチ開始位置に位置させ、且つ、収穫対象と
なる果実Fが位置する方向に向けて、イメージセンサS
1にて撮像処理する。そして、その撮像画像情報を画像
処理した情報に基づいて果実Fに対するアプローチ順序
を決定し、作業用ハンドHのアプローチ方向を求めるよ
うにしてある。アプローチ方向を決定した後は、作業用
ハンドHが決定されたアプローチ方向に向かって直線的
に移動するように、各電動モータ9a,9b,9cを作
動させると共に、近接センサS2が果実Fを感知するに
伴って、バキュームパッド10を吸引作動させて収穫対
象果実Fを吸着させ、そして、捕捉部ケース12を突出
させて、その内側に果実Fを取り込んだ後、柄を切断し
て収穫させることになる。但し、近接センサS2がON
作動した後、ハンドHを近接センサS2が作動する設定
距離分、前方側に移動させる間に負圧センサS3が作動
しない場合には収穫失敗と判断させて、前記設定距離を
手前側に後退させた位置から、近接スイッチS4の検出
情報に基づいて、バキュームパッド10が前方向きから
向きを変更させた方向に所定距離だけハンドHの位置を
修正して再アプローチさせるようになっている。又、近
接センサS2が一旦ON作動した後、OFF状態に変化
した場合には、ハンドHのアプローチを一旦停止して、
果実Fを再撮像した情報に基づいて再アプローチさせる
ようになっている。
【0014】次に、イメージセンサS1による撮像画像
情報等の検出情報に基づいて、果実Fに向けてハンドH
を誘導するための構成について説明する。図1に示すよ
うに、マイクロコンピュータ利用の制御装置16が設け
られ、その制御装置16に、前記各センサS1,S2,
S3,S4,S5が接続されている。そして、制御装置
16は、予め設定記憶された情報及び各種の入力情報に
基づいて前記エアシリンダ21、前記各油圧シリンダ
5、6、7や各電動モータ9a,9b,9cの作動を制
御してハンドHを収穫対象果実Fに向けて誘導するよう
に構成されている。即ち、制御装置16を利用して、イ
メージセンサS1の情報に基づいて作業用ハンドHを収
穫対象果実Fに向けて誘導する誘導手段100が構成さ
れ、この誘導手段100が、作業用ハンドHを収穫対象
果実Fに向けて誘導しているときに、近接センサS2の
検出情報が非接近状態(OFF状態)から接近状態(O
N状態)に変化した後、再び接近状態から非接近状態に
変化した場合には、作業用ハンドHの誘導を一旦停止し
て、収穫対象を再撮像した情報に基づいて作業用ハンド
Hの誘導を再開するように構成されている。
【0015】次に、図2乃至図4に示すフローチャート
に基づいて制御装置16の動作を説明する。先ず、ハン
ドHを、予め設定されたアプローチ開始位置にセット
し、全エアシリンダ21を引退させた状態で撮像処理
し、その撮像画像情報を画像処理して、アプローチ順序
を決定する。そして、アプローチする果実Fが位置する
方向に向けてハンドHを移動させるように、ハンドHの
アプローチ方向を決定して伸縮アーム8を伸長させるこ
とになる。このとき、全エアシリンダ21は突出作動さ
せておく。伸縮アーム8の伸長を開始した後は、近接セ
ンサS2の情報に基づいて、ハンドHが収穫対象果実F
に対して前記設定距離手前側まで接近したか否かを判別
し、前記設定距離内に接近するに伴って、伸縮アーム8
の伸長速度を低速に切り換えると共に、バキュームパッ
ド10の吸引作動を開始して、更に負圧センサS3がO
N作動するまでハンドHを果実側に移動させる。負圧セ
ンサS3がON作動して果実吸着を検出すると、伸縮ア
ーム8を停止させて、収穫作動を開始させることにな
る。但し、近接センサS2がON作動してから設定距離
移動する間に負圧センサS3が作動しない場合には、収
穫失敗と判断する。このとき、近接スイッチS4の少な
くとも1つがON作動していた場合には、ハンドHを近
接センサS2がON作動した位置まで一旦戻して、前述
のように、ハンドHの位置を修正して再アプローチさせ
るのである。近接スイッチS4がいずれもON作動して
いない場合には、収穫不能と判断してハンドHをアプロ
ーチ開始位置まで戻す。又、前述のように、近接センサ
S2が一旦ON作動した後、OFF状態に変化した場合
には、ハンドHのアプローチを一旦停止して、果実Fを
再撮像した情報に基づいて再アプローチさせるのであ
る。最初のアプローチ又は再アプローチによって果実を
収穫できた場合には、捕捉部ケース12内に柄を切断さ
れた果実Fを保持する状態で、作業用ハンドHをアプロ
ーチ開始位置まで戻して、果実Fを排出することにな
る。収穫した果実Fを排出した後は、作業終了か否かを
判別して、作業終了でない場合には、作業用ハンドHを
アプローチ開始位置に再セットして撮像処理させ、そし
て、残りの果実Fに対するアプローチ順序を決定して、
決定されたアプローチ方向に向けて作業用ハンドHを誘
導する各処理を繰り返すことになる。
【0016】〔別実施例〕上記実施例では、本発明を果
実収穫用作業機の誘導装置に適用した場合を例示した
が、本発明は、トマト等の野菜用収穫機等、各種の果菜
類用作業機に適用できるものであって、ハンドHの具体
構成等、各部の具体構成は各種変更できる。
【0017】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御構成のブロック図
【図2】制御作動のフローチャート
【図3】制御作動のフローチャート
【図4】制御作動のフローチャート
【図5】収穫機の概略側面図
【図6】ハンドの要部側面図
【図7】バキュームパッドの要部側面図
【図8】ハンドの要部正面図
【符号の説明】
100 誘導手段 S1 撮像手段 S2 接近状態検出手段 H 作業用ハンド
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 弘 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 昭63−119614(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収穫対象を撮像する撮像手段(S1)
    と、その撮像手段(S1)の情報に基づいて作業用ハン
    ド(H)を収穫対象に向けて誘導する誘導手段(10
    0)と、前記作業用ハンド(H)が収穫対象に対して設
    定距離内に接近したか否かを検出する接近状態検出手段
    (S2)とが設けられている果菜類収穫機の誘導装置で
    あって、 前記誘導手段(100)が、前記作業用ハンド(H)を
    収穫対象に向けて誘導しているときに、前記接近状態検
    出手段(S2)の検出情報が非接近状態から接近状態に
    変化した後、再び接近状態から非接近状態に変化した場
    合には、前記作業用ハンド(H)の誘導を一旦停止し
    て、収穫対象を再撮像した情報に基づいて前記作業用ハ
    ンド(H)の誘導を再開するように構成されている果菜
    類収穫機の誘導装置。
JP3144313A 1991-06-17 1991-06-17 果菜類収穫機の誘導装置 Expired - Fee Related JP2641645B2 (ja)

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