JP2641300B2 - 成形材料用ポリエステル - Google Patents

成形材料用ポリエステル

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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、成形材料用ポリエステル、特に繊維、フィ
ルム以外の一般成形物の製造に適した成形性の優れたポ
リエステルの製造法に関するものである。
従来技術 従来、ポリエステル特にポリエチレンテレフタレート
は高軟化点を有し、耐薬品性、耐光性、耐熱性を始め、
優れた電気的性質や物理的・機械的性質を有することか
ら、繊維又はフィルムとして広く使用されている。しか
しながら、ポリエチレンテレフタレートは射出成形品や
押出成形品として十分に活用されているとはいえない。
この理由としては、ポリエチレンテレフタレートは結晶
性ポリマーではあるが、同じ結晶性ポリマーであるナイ
ロン、ポリアセタール等に比較して結晶化速度が遅く、
特に120℃以下で殆んど結晶化が進行しない為、通常の
射出成形条件では満足な成形品を得ることができない為
である。通常、熱可塑性樹脂の成形の行なわれる60〜12
0℃の温度の金型では部分的にしか結晶化が進行せず、
製品が不均一となり、また寸法安定性も良くない。
これらの欠点を解消する目的で、ポリエチレンテレフ
タレートの結晶化速度が160〜180℃で最大となることを
利用し、金型温度を高くし且つ長い保持時間を採用する
試みもなされているが、140℃以上の金型は一般的で無
く、また極めて作業能率が悪く、成形コストが大となっ
て実用性に乏しくなる。
従って高度な成形性が要求される射出成形用途への利
用は著しく制限されている。
従来から、ポリエチレンテレフタレートの結晶化を促
進する方法として種々の方法が提案されている。例え
ば、結晶核生成速度を高めるためにいわゆる核剤を添加
する方法がある。核剤としてはタルク等の無機固体物
質、無機及び有機酸の金属塩、金属グリコレート等が知
られているし、また、イオン性共重合体や高融点ポリエ
チレンテレフタレートなどの有機重合体核剤の使用も試
みられている。しかしながら、このような核剤の添加の
みではポリエチレンテレフタレートの結晶化促進に限界
がある。すなわち、この種の核剤を添加することによっ
て140℃以上における高温金型での成形サイクルは短縮
できるものの金型温度120℃以下では未だ結晶化が充分
には進行せず、そのため加工上或いは物性的に安定した
高結晶化成形品を得ることは困難である。更に、核剤が
ポリエチレンテレフタレートに不溶性の無機固体物質の
場合はポリマー中に均一に分散せしめることが困難であ
り、核剤効果を充分に発揮できない。更にタルクや石膏
などの核剤と共にポリアルキレングリコール類を核剤助
剤として添加する試みもなされているが、金型温度を12
0℃以下まで降下できるには至っていない。
そこで本発明者らは、ポリエチレンテレフタレートの
結晶性を改良するためにはガラス状態においてもポリエ
ステル分子鎖がある程度運動し、配向し得るように易動
性を与えうるような成分を導入する方法が有効ではない
かという観点に立って、成形時の金型温度を120℃以下
にしても結晶化が迅速で、成形加工性と表面外観に優れ
且つ機械的強度及び耐熱性に優れた成形品を得るべく鋭
意研究の結果、本発明に到達したものである。
一方、上述したように、一般式 HOR−OnHで示されるポリアルキレングリコールを
核剤と併用してポリマー合成の任意の時点で添加する方
法や、共重合させてポリエステルポリマーの性能を改良
しようとする方法が従来から研究され提案されている。
例えば特公昭47−3026には、一般式 HOR−OnHの連鎖R−Oの一部のRを窒素、
酸素、燐、硫黄を含む炭化水素系有機基に置き換えた化
合物を利用し高重合度ポリエステルの成形性を改良する
方法が述べられている。
また特開昭51−37993には、一般式 HOR−OnHで示されるポリアルキレングリコールを
共重合させるとともに、一般式 R1OR2OnHで示される片末端を封鎖したポリアルキレ
ングリコールを添加し、ポリエステルポリマーの制電性
を改良する方法が述べられている。しかしながら、成形
材料用のポリエステルとして成形時の金型温度が120℃
以下であっても結晶化が迅速となり、成形性が良好とな
るような改質には到っていない。
発明の構成 本発明は、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導
体とエチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体
と、一般式 [ただし、R1はアルキレン基、R1′はアルキレン基R1
1つの水素がR2で置き換えられたアルキレン基、R2は炭
素数10以上の脂肪族炭化水素基、m、nはm+nが20〜
340の整数である。] で示される平均分子量1000〜15000のポリアルキレング
リコール誘導体とを共重合することにより得られる共重
合体であって、該共重合体(全体)に対して該誘導体を
0.1〜10重量%含有させた成形材料用ポリエステル、で
ある。
本発明においていう「テレフタル酸又はそのエステル
形成性誘導体」とは、テレフタル酸又はその低級アルキ
ルエステル、フェニルエステルの如きエステル形成性誘
導体である。
本発明においていう、「エチレングリコール又はその
エステル形成性誘導体」とは、エチレングリコール又は
エチレンオキサイドの如きエチレングリコールのエステ
ル形成性誘導体である。
本発明においては、上記「テレフタル酸又はそのエス
テル形成性誘導体」とエチレングリコール又はそのエス
テル形成性誘導体」とからなる基体ポリエステルに下記
一般式 で表わされる化合物を共重合する。
式中R1はアルキレン基で炭素数2〜4のアルキレン基
が好ましく、具体的にはエチレン基、プロピレン基、テ
トラメチレン基で例示される。R1′はR1と同炭素数のア
ルキレン基であり、1つの水素が炭素数10以上の脂肪族
系炭化水素基であるR2で置き換えられている。m,nは重
合度を示す正の整数であり、平均分子量が1000〜15000
の範囲となる繰り返し数である。ここで平均分子量が10
00未満の場合には、共重合の効果が発現せず、15000を
超える場合には反応性が著しく低下し、好ましい共重合
体が得られない。
該ポリアルキレングリコール誘導体として、ポリオキ
シエチレングリコール誘導体、すなわち、先の一般式の
うちR1がエチレン基であるものが特に好ましい。またR2
は炭素数10〜12が好ましい。
上記化合物は1種を単独で使用しても、また2種以上
併用してもよい。また該ポリアルキレングリコール誘導
体の共重合体中の含有量(共重合量)は0.1〜10重量
%、好ましくは1〜5重量%である。
ここで0.1重量%未満の場合には、結晶化速度向上の
効果が発現せず、10重量%を超える場合には、該ポリア
ルキレングリコールを共重合しないホモポリマーの融点
に比較して、共重合ポリマーの融点の低下が大きく、成
形品の耐熱性が低下する。
前記ポリエステル共重合体は公知の方法、例えば「テ
レフタル酸成分」と「エチレングリコール成分」とをエ
ステル化又はエステル交換後に溶融重縮合せしめる方法
のエステル交換又はエステル化反応開始前、反応中、反
応終了後、重縮合反応中に該ポリアルキレングリコール
誘導体と添加し、添加後重縮合反応を完結する方法で製
造できる。
また、この共重合体に公知の核剤、熱安定剤、光安定
剤、着色剤や難燃剤、充填剤、強化剤などを溶融配合法
などの方法により添加してもよい。また、他種重合体を
少割合混合してもよい。
更にこの共重合体を固相重合させて分子量の増大を図
ることも可能である。
かくして得られる共重合体は特に射出成形用として好
ましいものであるが、押出成形、その他の成形法で成形
することも可能である。
本発明の共重合体を成形して得られる成形体は以下に
述べる実施例からも明らかなようにポリエチレンテレフ
タレート単独成形体に比較して結晶化特性並びに成形性
が著しく優れ、金型温度120℃以下、且つ短い成形サイ
クルでも離型性、表面外観とも極めて良好であり、機械
的強度、耐熱性等諸物性も安定的に優れている。成形品
の具体例としては、例えば、自動車部品たとえばカム、
ギヤ、ローラ、軸受などやテレビおよび通信分野の小型
電子および電気部品たとえばチューナ、スイッチ、リレ
ーハウジング、コネクタなどがある。
以下、実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明
はこの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の部はすべて重量基準であり、実施例中の
共重合体の[η]は、フェノール/テトラクロルエタン
(3:2重量部)中、35℃で測定した溶液粘度から求めた
ものである。
共重合体の融点Tm、冷却結晶化温度Tcd、昇温結晶化
温度Tciの測定はDupont社製910DSC及び990Thermal Anal
yzerによった。このTcd温度が高い程、またTci温度が低
い程結晶化が速いことを意味する。従って△T=Tcd−T
ciで示した場合、その値が大きい程結晶化速度が大きい
ことの目安となり、金型温度120℃以下で結晶化速度が
大きく、成形性良好なポリマーは△Tが50℃以上の場合
に対応する。また成形品の熱変形温度(4.7Kg/cm2
重)はASTM−D648に準じた方法で測定した。
[実施例1,2及び比較例1] テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール60
部、酢酸マンガン0.08部をエステル交換槽に仕込み出発
原料とし、エステル交換反応を終了させた後、リン酸0.
06部及び三酸化アンチモン0.08部を添加し、同時に過剰
のエチレングリコールを追い出しながら240℃まで昇温
した後重縮合反応槽に移した。更に重縮合反応槽に平均
分子量2000の で表わされる化合物を表−1に掲げた共重合成分となる
ように添加し、昇温、減圧反応により重縮合反応を行な
い共重合ポリマーを得た。得られたポリマーの固有粘
度、融点、冷却結晶化温度、昇温結晶化温度の測定を行
ない、さらに射出成形にて成形した試験片で熱変形温度
を測定した。
[比較例2] 実施例1において共重合成分として用いた化合物にか
えて で表わされる化合物(平均分子量2000)のものを使用し
た以外は実施例1と同様に共重合ポリマーを作成し評価
した。
[比較例3] 実施例1において共重合成分として用いた化合物 にかえてポリオキシエチレングリコール(平均分子量20
00)を使用する以外は実施例1と同様に共重合ポリマー
を作成し評価した。
[比較例4] 実施例1において共重合成分として用いた化合物 平均分子量2000のものから500(m,n≒3)のものに代
えた以外は実施例1と同様に共重合ポリマーを作成し評
価した。
[比較例5] 実施例1において共重合成分として用いた化合物 平均分子量2000のものから20,000(m,n≒225)のもの
に代えた以外は実施例1と同様に共重合ポリマーの作成
を試みたが思うように重合度が上昇せず、成形評価は実
施しなかった。
[比較例6] 実施例1で使用した共重合成分を使用せず、テレフタ
ル酸ジメチル、エチレングリコールからなるポリエステ
ルを作成した。
なお、実施例1,2及び比較例1〜6で得られたポリマ
ーの分析・評価結果を表−1にまとめて示した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導
    体とエチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体
    と、一般式 [ただし、R1はアルキレン基、R1′はアルキレン基R1
    1つの水素がR2で置き換えられたアルキレン基、R2は炭
    素数10以上の脂肪族炭化水素基、m、nはm+nが20〜
    340の整数である。] で示される平均分子量1000〜15000のポリアルキレング
    リコール誘導体とを共重合することにより得られる共重
    合体であって、該共重合体(全体)に対して該誘導体を
    0.1〜10重量%含有させた成形材料用ポリエステル。
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