JP2641187B2 - ガラス板の位置決め装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板の位置決め装
置に関し、詳細には異形ガラスの位置決め装置に係るも
のである。

【０００２】

【従来の技術】ガラス板の加工においては数多くの工程
からなり、自動化において搬送ライン上のガラス板の位
置決めは、高度の精度を要求され、その先行技術として
例えば特公昭５４−２１８４６号公報のものは、板ガラ
スを移送する２本のベルトコンベアと、その移送方向の
前方に設けた２個の停止ローラーと、２個の押圧ローラ
ーを昇降自在に装着し、前記ベルトコンベアの走行方向
に前後進するように設けた移動台と、前記ベルトコンベ
アの走行方向に水平面内において交差する方向に同一量
前後進する接触ローラーを装着した２個の揃え台よりな
る合せガラスの板揃え装置が開示され、特開平３−７２
２０６号公報の湾曲板状体の形状検査装置には、ガラス
板を検査するため、片側が徐々に立ち上がりる搬送コン
ベアの他方側にサイドベルトを設け、搬送中の硝子板は
重力によりその下縁がサイドベルトに当接して位置決め
されることが記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】特公昭５４−２１８
４６号公報のものは、四辺形あるいは台形状のガラス板
を四方向よりローラーで位置を固定するためガラス板の
形状を限定し、本発明の添付図６に示される特異な形状
の場合には使用することが出来ず、後者の特開平３−７
２２０６号公報のものも前記同様に特異な形状、例えば
上記したような本発明の添付図６に示すような形状のガ
ラス板２で窪み部分を位置決め基準線にすることは出来
ないという問題があった。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明はかかる問題点
に鑑みてなしたもので、ガラス板を搬送せしめるロール
コンベアで該ガラス板を所定の位置に停止せしめ、停止
したガラス板の一辺（以下底辺という。）の形状にとら
われることなく位置決め可能な装置で、位置決めしたガ
ラス板をコンベアで搬送し、別途センサーにより搬送方
向の位置決めを行う前段装置の提供を目的として、ロー
ルコンベア上で搬送中のガラス板を所定の位置に停止せ
しめ、該ガラス板の一辺を位置決めするガラス板の位置
決め装置において、前記コンベアのロール間に、複数の
フリーベアを上面に並設し該コンベアの片側より離隔し
て設けたシャフトを介し傾動自在な複数の俯仰アームを
配設し、該シャフト側の前記ロール上に立設し前記コン
ベアの中心方向に横行往復動自在／および上下動自在、
かつ前記俯仰アームの傾動に追動して傾く底辺プレート
の下縁に、前記フリーベアで滑動の前記ガラス板を当接
停止せしめる底辺ストッパーを並設し、さらに前記底辺
プレートの前記コンベア側にレールを固着し、該底辺プ
レートに並設する前記底辺ストッパー間に前記レールに
沿って搬送および横行方向に移動および固定可能な底辺
補助ストッパーを設けたガラス板の位置決め装置を提供
する。

【０００５】

【作用】搬送されるガラス板はロールコンベアの停止で
所定の位置に停止し、前記ガラス板は俯仰アームの傾動
によりフリーベア上を滑動し、前記俯仰アームの傾動に
追動の底辺プレートに設けた底辺ストッパーおよび底辺
補助ストッパーに当接停止によりガラス板の底辺を横行
方向に位置決めし、俯仰アームおよび底辺プレートの復
動と共に底辺を位置決めされたガラス板は、次に行う搬
送方向に対し正確な位置決めを行うために待機する。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１は本発明に係る位置決め装置の一部を切欠、省略す
る全体斜視図を示し、図２は図１を反対方向より見た一
部を切欠、省略する全体斜視図、図３は俯仰アームの作
動を説明する一部を切欠し、一部を省略した斜視図、図
４は底辺ストッパーの連動機構を説明する一部を省略、
切欠した、（イ）はその側面図、（ロ）はその正面図を
示し、図５は底辺補助ストッパーの取付斜視図を示し、
図６の（ハ）、（ニ）は位置決めしたガラス板の底辺と
底辺ストッパーとの関係位置を示す平面図である。

【０００７】ロールコンベア１で搬送する異形なガラス
板２を所定の位置に停止せしめる検出センサー３を該コ
ンベアの上流側に設け、コンベアフレーム４の片側でそ
の外方側面に一対の軸受部５を固着して、該軸受部には
コンベアフレーム４に平行なシャフト６を軸支し、該軸
受部から突出する前記シャフト６の両端には、前記コン
ベアフレーム４の下を潜りセットネジあるいはキー等で
固着のＬ形部材７を介し、さらにその先端に固着する支
持杆８から立ち上がり、ロール９間に並設、上面に該ロ
ールの上面より約１ｍｍ程度低く上面を設置したフリー
ベア１０を複数個並設する俯仰アーム１１を軸支し、シ
ャフト６で回動自在な俯仰アーム１１の水平保持は、図
３に示すように前記支持杆８の下面に垂設する俯仰用レ
バー１２の下端を俯仰用モーター１３軸にセットした偏
心カム１４の周面を当接させ、該偏心カム周面のある位
置で水平を保ち、該水平の俯仰アーム１１は俯仰用モー
ター１３の回動により傾動する。

【０００８】次に、軸受部５、５間のシャフト６には、
方形で側面から見てＬ状の突起板１５を設けた一対の基
台１６を遊嵌状に支持し、該基台の上面には図４に示す
ようにシャフト６を軸として回動自在な下段ベース１７
を固着、その下面に下方に突起する突棒１８がコンベア
フレーム４の上面に当接して下段ベース１７の水平バラ
ンスを保持し、シャフト６の軸心から見て外方斜め下で
基台１６からＬ状に突出する突起板１５には、その下方
より上向きにボルト１９をねじ込み、一方前記シャフト
６に図示されない植え込みキーとセットボルト２０で固
着する突板２１を前記ボルト１９上に取り付け、該突板
とボルト１９の先端とは僅かな隙間、例えば２ｍｍ程度
空隙を設けるように該ボルトのねじ込みを調整し、俯仰
用モーター１３の回動により俯仰用レバー１２、支持杆
８、俯仰アーム１１、さらにＬ形部材７を介して回動す
るシャフト６から、遅延して突板２１がボルト１９に当
接して基台１６を回動させるが、該基台上の下段ベース
１７には上下動シリンダー２２と上下動ガイド２３、２
３を配設し、該上下動ガイドおよび上下動シリンダー２
２のロッド端には上段ベース２４を取り付け、該上段ベ
ースにもロールコンベア１の中心方向に突出往復動する
横行シリンダー２５を挟みその両側に横行ガイド２６、
２６を設置し、該横行ガイドおよび横行シリンダー２５
のロッド端には垂下し逆凹状の下端部に底辺ストッパー
２７を設けた底辺プレート２８を固着し、さらに該底辺
プレートのコンベア１側の側面にはレール２９を固着
し、図５に示すように該レールに装着して移動し、スラ
イド軸３０により横行自在、かつロック材３１で位置決
め固定する取付部材３３にＺ字状に曲がり前記スライド
軸３０端に固着する底辺補助ストッパー３２を装着し、
該底辺補助ストッパーの下端は前記底辺ストッパー２７
と同高、かつスライド軸３０により横行方向の位置決め
を行う。

【０００９】底辺プレート２８を上下動せしめる手段、
下段ベース上の上下動シリンダー２２等は、ガラス板２
の大きさ等必要に応じて設置すればよく、該底辺プレー
トに設けた底辺ストッパー２７および底辺補助ストッパ
ー３２の側面には、当接するガラス板２の緩衝を図るク
ッション材、例えばゴム材等を貼着することが望まし
い。

【００１０】以下、本発明の作動を説明する。ガラス板
２はロールコンベア１により搬送され、該コンベアの上
流側に設けた検出センサー３とロール９の回転に同期し
てパルス信号を発生させる図示されないエンコーダーに
よりガラス板２の搬送方向の測長を行い、ロール９の回
転停止と共にコンベア１の所定の位置に前記ガラス板２
を停止せしめ、続いて上下動シリンダー２２と横行シリ
ンダー２５の連動により底辺プレート２８が所定の位置
まで降下および突出し、該底辺プレートと一体な底辺ス
トッパー２７および前もってスライド軸３０やレール２
９により位置を設定した底辺補助ストッパー３２の下端
はロール９上面より約２ｍｍ程度の空隙を設けて停止
し、連動する俯仰用モーター１３の作動による偏心カム
１４の回動により、俯仰用レバー１２の下端をロールコ
ンベア１の中心側に押圧すると、シャフト６に軸着のＬ
形部材７と、該Ｌ形部材に固着の支持杆８、および該支
持杆に並設の俯仰アーム１１、１１・・は、前記シャフ
ト６の中心に回動し、回動するシャフト６に取り付けた
突板２１もボルト１９に当接し押圧により基台１６も遅
延追動して回動すれば、該基台上に設置した下段、上段
ベース１７、２４、該ベースに設置するシリンダー２
２、２５およびガイド２３、２６を介して支持する底辺
プレート２８も傾き、該底辺プレ−ト２８と一体、ある
いは取り付けた底辺ストッパー２７および底辺補助スト
ッパー３２も傾くが、俯仰アーム１１の端部の持ち上が
り回動で停止中のロール９に支持されたガラス板２は、
俯仰アーム１１に設けたフリーベア１０・１０・・によ
り底辺プレート２８側に滑動し、ロール９の上面と底辺
ストッパー２７および底辺補助ストッパー３２の下端と
の隙間は、俯仰アーム１１の回動角度に比べ該アームに
追従して傾く底辺プレート２８の回動角度が小さい、す
なわちシャフト６の回動角度は同一シャフト６に固着す
る突板２１とボルト１９との空隙に比例して遅延し基台
１６に設けた底辺プレート２８を回動せしめることによ
り前記隙間が縮まり、該隙間からガラス板２の底辺が突
出することなく底辺ストッパー２７や底辺補助ストッパ
ー３２によって滑動を遮って横行方向の位置決めを行
い、俯仰用モーター１３の逆回転により傾いた俯仰アー
ム１１および底辺プレート２８の復動、上下動シリンダ
ー２２および横行シリンダーの復動により底辺プレート
２８はロール９より離れ、底辺を位置決めしたガラス板
２はコンベア１の駆動により下流に移動し、該コンベア
の下流に設けた図示されない位置決め停止装置、例えば
ガラス検出センサーおよびパルス発生器並びにハードカ
ウンターの組合せによる高精度のガラス停止装置により
再度搬送方向の位置決めを行い、異形ガラス板における
精度の良い位置決めが可能となる。

【００１１】本発明の位置決め装置により凹凸な底辺を
設けた複雑な形状のガラス板、例えば自動車のサイドガ
ラス等の素板の位置決めには有効に作用する。

【００１２】

【発明の効果】センサーによりコンベア上で搬送方向に
ついて所定の位置に停止させ、横行方向に調整自在な機
械的手段のストッパーとガラス板を横行せしめる俯仰ア
ームとによりガラス板底辺の横行方向を位置決めするた
め、複雑な形状のガラス板でも位置決めが可能とり、再
度搬送方向の位置決めを行えば正確な位置決めが常時確
実に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る位置決め装置の一部を切欠、省略
する全体斜視図を示す。

【図２】図１を反対方向より見た一部を切欠、省略する
全体斜視図を示す。

【図３】俯仰アームの作動を説明する一部を切欠し、一
部を省略した斜視図。

【図４】底辺ストッパーの連動機構を説明する一部を省
略、切欠した部品組み立て図で、（イ）はその側面図、
（ロ）はその正面図を示す。

【図５】底辺補助ストッパーの取付斜視図を示す。

【図６】（ハ）、（ニ）は位置決めしたガラス板の底辺
と底辺ストッパーとの関係位置を示す平面図である。

【符号の説明】１ ・・・ロールコンベア ２・・・ガラス板 ３・・・センサー ６・・・シャフト ９・・・ロール １０・・・フリーベア １１・・・俯仰アーム ２７・・・底辺ストッパー ２８・・・底辺プレート ２９・・・レール ３２・・・底辺補助ストッパー

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ロールコンベア上で搬送中のガラス板を所
   定の位置に停止せしめ、該ガラス板の一辺を位置決めす
   るガラス板の位置決め装置において、前記コンベアのロ
   ール間に、複数のフリーベアを上面に並設し該コンベア
   の片側より離隔して設けたシャフトを介し傾動自在な複
   数の俯仰アームを配設し、該シャフト側の前記ロール上
   に立設し前記コンベアの中心方向に横行往復動自在／お
   よび上下動自在、かつ前記俯仰アームの傾動に追動して
   傾く底辺プレートの下縁に、前記フリーベアで滑動の前
   記ガラス板を当接停止せしめる底辺ストッパーを並設し
   たことを特徴とするガラス板の位置決め装置。
2. 【請求項２】前記底辺プレートの前記コンベア側にレー
   ルを固着し、該底辺プレートに並設する前記底辺ストッ
   パー間に前記レールに沿って搬送および横行方向に移動
   および固定可能な底辺補助ストッパーを設けた請求項１
   記載のガラス板の位置決め装置。