JP2639575B2 - 繊維角度の異なるプリプレグシートの製造装置 - Google Patents

繊維角度の異なるプリプレグシートの製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 <発明の技術分野> この発明は、FRPプリプレグシートの製造装置に係
り、特に繊維角度が零度のFRPプリプレグシートから任
意の繊維方向を持つFRPプリプレグシートを製造する装
置に関するものである。
<従来の技術> FRPプリプレグシート(以下プリプレグシートと称す
る)は、カーボン繊維、ケブラー繊維、ガラス繊維等を
一定方向に配列しまたは織物として形成し、これに熱硬
化性樹脂を含浸させて構成したものである。ところで現
在市場にあるプリプレグシートは、UDプリプレグシート
と称する繊維方向に沿って伸びるすなわち繊維角度が零
度のプリプレグシート原反である。従って、実際に使用
する際、例えば各プリプレグシートを45゜−90゜−45゜
−0゜のように積層しようとすると、かなり無駄な端布
が出るので、45゜や90゜の繊維角度を持つプリプレグシ
ートが望まれている。
<発明が解決しようとする課題> 現在は任意の繊維角度(例45゜,90゜)を持つプリプ
レグシートがない為、人手によってUDプリプレグシート
を希望する繊維角度になる小片に切断し、それを希望す
る繊維角度になるよう並べ替え、テープで貼り合わせて
作っているが、切断並べ替え及びテープ貼合わせ作業が
困難でり、非能率であった。本発明は、UDプリプレグシ
ートを希望する繊維角度に切断し、突合せ、テープ貼付
け並びに巻取りを自動的に行なうことにより、高効率で
希望する繊維角度を持つプリプレグシートを製作する装
置を提供することを目的としている。
〔発明の構成〕
<課題を解決するための手段> 本発明は、繊維角度が零度のUDプリプレグシートから
繊維角度θのプリプレグシート原反を製造するための装
置であって、UDプリプレグシートを巻出すための巻出し
装置と、この巻出し装置からUDプリプレグシートを定め
られた長さ引出してフィードするための第1供給ロール
装置と、この第1フィードロール装置によって供給され
たUDプリプレグシートを繊維方向に対し角度θを付けて
前記定められた長さ毎に切断するための切断装置と、切
断後のプリプレグシートを先に切断されたプリプレグシ
ートの隣りに並べて当接させ当接部をテープで貼合わせ
るためのシート位置決め及びテープ貼付け装置と、切断
装置によって切断されたプリプレグシートをシート位置
決め及びテープ貼付け装置まで搬送するためのシート送
り装置と、シート位置決め及びテープ貼付け装置によっ
て貼合わされたプリプレグシートをこのプリプレグシー
トの並列方向へ供給するための第2フィードロール装置
と、この第2フィードロール装置によって供給されたプ
リプレグシートの巻取り装置とを備え、巻出し装置及び
第1フィードロール装置を、第2フィードロール装置及
び巻取り装置に対し、繊維角度θに略一致させて配置し
たものである。
なお、巻出し装置、第1フィードロール装置、シート
位置決め及びテープ貼付け装置並びにシート送り装置
と、第2フィードロール装置及び巻取り装置との2つの
群の少なくとも一方の群を他の群に対して一体的に旋回
すべく旋回台上に設置することが好ましい。
<作 用> 巻出し装置に貯えられたUDプリプレグシートは、第1
フィードロール装置にて搬送され、切断装置により繊維
方向に対し角度θを付けて定められたシート幅になるよ
うに切断される。その後シート送り装置を経て、先に切
断されたプリプレグシートと隣りに並べて突合わされ、
テープ貼付け装置にて貼合わされる。貼合わされたプリ
プレグシートは繊維角度θの連続したプリプレグシート
となり、第2フィードロール装置にて搬送され最後に巻
取り装置にて巻き取られる。
なお、巻出し装置、第1フィードロール装置、シート
位置決め及びテープ貼付け装置並びにシート送り装置
と、第2フィードロール装置及び巻取り装置との2つの
群の少なくとも一方の群を他の群に対して一体的に旋回
すべく旋回台上に設置した場合には、この旋回台の旋回
により繊維角度θを容易にかつ任意に変更することがで
きる。
<実施例> 本発明の実施例を第1図〜第7図にて説明する。第1
図において1は巻出し装置であり、後述する旋回台3の
第1図において左上方端に設けられ、UDプリプレグシー
ト11を巻付けた原反11aをベアリングで回転自在に支
え、片側にパウダブレーキ(図示せず)のような軽くブ
レーキのかけられるような機構を備えている。
2は旋回台3上に設けられた第1フィードロール装置
であり、巻出し装置1からUDプリプレグシート11を巻出
すための2本のローラと、それらを決められた量だけ駆
動するための駆動機構からなり、UDプリプレグシート11
を決められた長さだけ巻出し装置1から繰出して決めら
れた位置まで移動させるようになっている。
旋回台3は、後述する任意の繊維角度θを持つプリプ
レグシート12を巻取るための巻取り装置8の巻取り方向
に伸びている案内台15に対して、製造しようとする繊維
角度θと等しく設定されている。
4はUDプリプレグシート11を切断する為の切断装置で
あり、旋回台3を跨いでカッタ切刃4a(第6図参照)が
案内台15と平行になるように床に設置されている。巻出
し装置1と第1フィードロール装置2及び後述するシー
ト送り装置5とシート位置決め及びテープ貼付装置6を
取付けている旋回台3は、切断装置4のカッタ切刃巾の
中心の位置を軸として、例えば第5図に示すように、任
意の角度の位置へ手動で旋回させることが出来る様にな
っており、カッタ切刃4aを空気圧等で上下に駆動するこ
とにより、第1フィードロール装置2により巻出された
UDプリプレグシート11を繊維方向に対し任意の角度θで
切断することが出来るようになっている。
5は旋回台3のシート受面に沿って設けられたシート
送り装置である。このシート送り装置5は、切断装置4
により切断されたプリプレグシート12を次工程のシート
位置決め及びテープ貼付け装置6まで送るためのもの
で、プリプレグシート12を旋回台3の先端に設けたガイ
ド板13に突当てる位置まで送る方向に設けられたナイロ
ン製の柔らかい繊維を用いた複数本の円形のブラシロー
ル16aと、ガイド板13に沿ってプリプレグシート12を第
1図において右へ送る方向に設けられた同様のプラシロ
ール16b、16cを有している。なお、ブラシロール16b、1
6cは旋回台3の設置角度θにより選択して使用する。
シート送り装置5より送られて来たプリプレグシート
12は、第1図において下辺が前記ガイド板13に当接し、
斜めの右辺が一つ前のプリプレグシート14の同じく斜め
の左辺にそれぞれ当接した形で位置決めされて停止す
る。この位置でこれら二つのプリプレグシート12、14の
当接部の上面を後述するように受けて下面を後述するテ
ープ貼付け機構29で貼り合わせる。
第2図〜第4図にもとづきシート位置決め及びテープ
貼付け装置6の構成を更に説明すると、21は二つのプリ
プレグシート12、14の当接部の上面を受ける押え板22を
作動させるためのシリンダであり、二つのプリプレグシ
ート12、14の当接部の下面には旋回台3の案内面23aと
案内台15の案内面23bとが間隔を置いて対向しており、
これらの案内面23a、23bより押え板22にかかる力を受け
る構造となっている。なお、第2図において、10はプリ
プレグシート12、14の裏紙である。
第3図において、29はテープ繰出し機構で、移動シリ
ンダ28により第2図に示した案内面23a、23bの間を押え
板22に沿って移動するようになっている。26は二つのプ
リプレグシート12、14を貼合わせるテープ27を巻出す為
のテープロールであり、テープ貼付け機構29の移動によ
りテープフィードロール25、貼付けロール24を介して二
つのプリプレグシート12、14の貼合わせ面にテープ27を
押付けつつ供給し、テープ27により二つのプリプレグシ
ート12、14の下部の貼合わせ面を貼合わせる。第4図
は、貼合わせた状態を示している。
第1図に戻ると、7は第2フィードロール装置であ
り、前述の第1フィードロール装置2と同様のものであ
るが、この装置の上部には第6、7図に示すように、巻
出し装置1と同じ様な巻出し機構7aが取付けられてお
り、貼合わされた後のプリプレグシート12と一諸に広幅
のポリエチレンカバーフイルム17を巻き込むことができ
るようになっている。8は巻取り装置であり、巻出し装
置1の機構のものにパウダブレーキ(図示せず)の代わ
りに巻取り用の電動機を取り付けた機構のもので、貼合
わせたプリプレグシート12、14を再び原反の形に巻取る
装置である。
以上のように構成されているので本実施例によれば以
下に述べるようなプリプレグシート12の製造が可能とな
る。
任意の繊維角度θを持つプリプレグシート12を最終製
品にして巻取るための巻取り装置8の巻取り方向に対し
て、任意の繊維角度θにセットできる旋回台3を手動に
て任意の繊維角度θにセットすることにより旋回台3上
に位置する巻出し装置1上のUDプリプレグシート11は旋
回台3と同じ繊維角度θにセットされる。この後UDプリ
プレグシート11は巻出し装置1、第1フィードロール装
置2及びシート送り装置5のブラシロール16aの運転に
より決められた位置まで移動し切断装置4にて定められ
たシート幅になるように切断される。
次に、切断したプリプレグシート12を次工程のシート
位置決め及びテープ貼付け装置6に送るべく、前記ブラ
シロール16aを回転させてプリプレグシート12をガイド
板13まで送った後、該ブラシロール16aを回転させたま
まブラシロール16bを回転させてプリプレグシート12を
先に切断された右方に位置するプリプレグシート14の左
横に当接させるいわゆる位置決め箇所まで搬送する。
ここで互いのプリプレグシート12、14は当接にて位置
決め可能な剛性と厚みを有している。
次にこの位置で二つのプリプレグシート12、14の当接
部の上面を押え板22にて押え、当接部の下面をテープ貼
付け機構29により貼合わせる。
貼合わされた後のプリプレグシート12は案内台15によ
って支持されつつ次工程の第2フィードロール装置7及
び巻取り装置8により任意の繊維角度θを持つプリプレ
グシート12として搬送及び巻取られる。このとき、プリ
プレグシート12の表面は粘着性を有しているため、第
6、7図に示す巻出し機構7aからのポリエチレンカバー
フイルム17と共に巻取ることが好ましい。なお、前記の
切断、貼合わせ等の一連の動作は順次繰り返えされ任意
の繊維角度を持つプリプレグシート12の原反が容易かつ
正確に製造されることになる。
なお、案内台15の第1図において左側への長さは、旋
回台3の設置角度θによって変化するため、分割して着
脱可能に設け、必要に応じて取付けることが好ましく、
この案内台15は適宜な間隔を置いて部分的にプリプレグ
シート12を支持すればよいことは言うまでもない。
また、ガイド板13も、第5図に示すように、旋回台3
の設置角度θによってその取付け位置を変更する。
前述した実施例は、切断装置4、第2フィードロール
装置7並びに巻取り装置8を固設し、巻出し装置1、第
1フィードロール装置2、シート位置決め及びテープ貼
付け装置6並びにシート送り装置5を旋回台3によって
旋回させるようにした例を示したが、これらも固設して
もよく、さらに第2フィードロール装置7及び巻取り装
置8を旋回させるようにしてもよい。なお、この巻取り
側を旋回させる場合は、その旋回角に応じて切断装置4
の設置角度も合わせて変更する必要があることは言うま
でもない。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明のプリプレグシートの製造装
置によればUDプリプレグシート原反から任意の繊維角度
を持つプリプレグシート原反を容易にかつ高性能に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明の実施例を示すもので、第
1図は装置全体の概要構成平面図、第2図はシート位置
決め装置の一部を示す断面図、第3図は第2図のA−A
線により断面して示すテープ貼付け装置の断面図、第4
図は貼合わせ後に第3図のB−B線の部分で断面した状
態を示す断面図、第5図は第1図の旋回台の設置角度を
90゜にした状態を示す装置全体の概要構成平面図、第6
図は第5図の正面図、第7図は第5図の右側面図であ
る。 1……巻出し装置、2……第1フィードロール装置、3
……旋回台、4……切断装置、5……シート送り装置、
6……シート位置決め及びテープ貼付け装置、7……第
2フィードロール装置、8……巻取り装置、10……シー
ト裏紙、11……UDプリプレグシート、12……プリプレグ
シート、13……ガイド板、14……一つ前のプリプレグシ
ート、15……案内台、16a,16b,16c……ブラシロール、1
7……ポリエチレンカバーフイルム、21……押付けシリ
ンダ、22……押え板、23a,23b……案内面、24……貼付
けロール、25……テープフィードロール、26……テープ
ロール、27……テープ、28……テープ移動シリンダ、29
……テープ貼付け機構、繊維角度……θ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維角度が零度のUDプリプレグシートから
    繊維角度θのプリプレグシート原反を製造するための装
    置であって、UDプリプレグシートを巻出すための巻出し
    装置と、 同巻出し装置からUDプリプレグシートを定められた長さ
    引出して供給するための第1フィードロール装置と、 同第1フィードロール装置によって供給されたUDプリプ
    レグシートを繊維方向に対し角度θを付けて前記定めた
    れた長さ毎に切断するための切断装置と、 切断後のピリプレグシートを先に切断されたプリプレグ
    シートの隣りに並べて当接させ当接部をテープで貼合わ
    せるためのシート位置決め及びテープ貼付け装置と、 前記切断装置によって切断されたプリプレグシートを前
    記シート位置決め及びテープ貼付け装置まで搬送するた
    めのシート送り装置と、 前記シート位置決め及びテープ貼付け装置によって貼合
    わされたプリプレグシートを同プリプレグシートの配列
    方向へ供給するための第2フィードロール装置と、 同第2フィードロール装置によって供給されたプリプレ
    グシートの巻取り装置とを備え、前記巻出し装置及び第
    1フィードロール装置を、前記第2フィードロール装置
    及び巻取り装置に対し、前記繊維角度θに略一致させて
    配置したことを特徴とする繊維角度の異なるプリプレグ
    シートの製造装置。
  2. 【請求項2】巻出し装置、第1フィードロール装置、シ
    ート位置決め及びテープ貼付け装置並びにシート送り装
    置と、第2フィードロール装置及び巻取り装置との2つ
    の群を少なくとも一方の群を他の群に対して一体的に旋
    回すべく旋回台上に設置したことを特徴とする請求項1
    記載の繊維角度の異なるプリプレグシートの製造装置。
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