JP2638141B2 - Y−c分離フイルター - Google Patents

Y−c分離フイルター

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コンポジットの映像(ビデオ)信号を輝度
信号(Y信号)とクロマ信号(C信号)に分離するY−
C分離フィルターに関する。
[発明の概要] 本発明は、判別ドットの映像信号cと、この判別ドッ
トに対し真上ドットの映像信号a及び真下ドットの映像
信号eと、前記判別ドットに対し左右隣接ドットの映像
信号b及びdとを抽出し、a−c=ac及びe−c=ecよ
り一応輝度信号からクロマ信号を分離し、ac∩ec=fよ
り垂直相関を見ると共にクロマ成分に漏れた輝度信号を
除去し、(f∩b)∪(b∩d)∪(d∩f)=gより
f∩bとd∩fでクロマ成分の水平相関を検出すると共
にb∩dでクロマ信号の連続性を検出し、(g∩ac)∪
(g∩ec)=hより前記b∩dでクロマ成分に漏れた輝
度信号を除去することにより、 非相関部におけるドット妨害、クロスカラー、ドット
ストラクチャ等を防止できるものである。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 映像信号の相関性を利用したY−C分離フィルターと
して第6図呼び第7図に示したものが従来から提案され
ている。
第6図において、コンポジットの映像信号は三路に分
離され、一ラインの映像信号は二つの1ラインディレー
線20,21を通りバンドパスフィルター22を介して、他ラ
インの映像信号は1ラインディレー線23を通りバンドパ
スフィルター24を介して、さらに他ラインの映像信号は
バンドパスフィルタ25を介してそれぞれ演算回路26に供
給されている。三個の前記バンドパスフィルタ22,24,25
はクロマ信号の周波数帯域(例えば3.58MHz±500MHz)
の成分を通し、前記演算回路26は下記する演算式を実行
する。
i=1/2[MAX{MIN(mH,(m=2)H,▲
▼} +MIN{MAX(mH,(m+2)H,▲▼}] ここで、MAXはアンド条件、MINはオア条件を示す。
而して、コンポジットの映像信号が入力されると、三
個のバンドパスフィルタ22,24,25からは隣接3ラインの
映像信号がパラレルに演算回路26に出力される。演算回
路26に例えば第8図に示すような映像信号が入力された
判別ドットをXとすると、この判別ドットXの映像信号
(0)と判別ドットXに対し上下ドットY及びZの映像
信号(1及び1)との間で演算が行われる。
即ち、1/2[MAX{MIN(1,1),0}+MIN{MAX(1,1),
0}]=1/2{MAX(1,0)+MIN(1,0)}=1/2(1+
0)=1/2という値が出る。
しかしながら、第8図に示す映像信号は1ライン目と
3ライン目が有彩色で2ライン目が無彩色▲
▼=0)であるにもかかわらず判別ドットXの映像
信号としての1/2の値が出る。又、上記と反対に1ライ
ン目と3ライン目が無彩色で2ライン目が有彩色である
場合にも判別ドットXの映像信号として1/2の値が出る
ため、以上のように垂直相関がない箇所ではドット妨害
がクロスカラーが生じるという欠点があった。
また、第7図において、コンポジットの映像信号は三
路に分離され、一ラインの映像信号は二つの1τディレ
ー線30,31を通りバンドパスフィルタ32を介して、他の
ラインの映像信号は1τディレー線33を通りバンドパス
フィルタ34を介して、さらに他ラインの映像信号はバン
ドパスフィルタ35を介してそれぞれ演算回路36に供給さ
れている。三個の1τディレー線30,31,33はクロマ信号
の1/2周期だけ信号出力を遅延し、又、三個の前記バン
ドパスフィルタ32,34,35はクロマ信号の周波数帯域(例
えば3.58MHz±500MHz)の成分を通過させる。前記演算
回路36は下記する演算式を実行する。
j=0τ∩−1τ∩2τ 而して、コンポジットの映像信号(例えば、1,−1,1,
1,−1,1,…)が入力されると、三個のバンドパスフィル
タ32,34,35からは隣接する3ドットの映像信号がパラレ
ルに演算回路36に入力される。演算回路36は演算を実行
し、下表のような演算結果を出力する。
しかしながら、上記<表>にてaで示す領域のように
クロマの位相が180゜変化する点ではクロマ信号がある
にもかかわらず演算結果が0となる。そのため、このよ
うに水平相関がない箇所ではドットストラクチャが生じ
るという欠点があった。
そこで、本発明はドット妨害、クロスカラー、ドット
ストラクチャ等を生じないY−C分離フィルターを提供
することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明のY−C分離フィル
ターは、一画面を構成するコンポジットの映像信号につ
いて、判別ドットの映像信号cと、この判別ドットに対
し上下隣接ラインの真上ドットの映像信号a及び真下ド
ットの映像信号eと、前記判別ドットに対し左右隣接ド
ットの映像信号b及びdとを抽出するデータ抽出手段
と、 前記真上ドットの映像信号aと前記判別ドットの映像
信号cとを減算し差信号acを出力する第1の減算部と、
前記真下ドットの映像信号eと前記判別ドットの映像信
号cとを減算し差信号ecを出力する第2の減算部と、前
記第1の減算部と前記第2の減算部の出力よりac∩ecを
演算し演算データfを出力する第1演算部と、この第1
演算部が出力する演算データfと前記左右隣接ドットの
映像信号b及びdより(f∩b)∪(b∩d)∪(d∩
f)を演算し演算データgを出力する第2演算部と、こ
の第2演算部が出力する演算データg及び前記差信号ac
及び前記差信号ecより(g∩ac)∪(g∩ec)を演算し
クロマ信号である演算データhを出力する第3演算部と
から成る演算手段と、 を備えたものである。
[作用] 第1及び第2の減算部の減算a−c=ac,e−c=ecよ
り一応輝度信号からクロマ信号を分離し、第1演算部の
演算ac∩ec=fより垂直相関を見ると共にクロマ成分に
漏れた輝度信号を除去し、第2演算部の演算(f∩b)
∪(b∩d)∪(d∩f)=gよりf∩bとd∩fでク
ロマ成分の水平相関を検出すると共にb∩dでクロマ信
号の連続性を検出し、(g∩ac)∪(g∩ec)=hより
前記b∩dでクロマ成分に漏れた輝度信号を除去する。
従って、映像信号の垂直相関のない箇所では、第2演算
部の演算(f∩b)と(d∩f)で左右隣接ドットのク
ロマ成分の水平相関を検出し、クロマ成分がないことに
より判別ドットの映像信号にはクロマ信号が含まれてい
ないことを判別する。又、映像信号の水平相関のない箇
所では、第1及び第2の減算部と第1演算部の演算で垂
直相関のあることを検出し、この結果を利用して第2演
算部の演算にて水平相関を見るため(斜め相関)、判別
ドットの映像信号にはクロマ信号が存在することを判別
できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に用いて説明する。
本発明を適用したY−C分離フィルターの一部回路ブ
ロック図が第1図に示されている。
第1図にはコンポジットの映像信号からクロマ信号
(c信号)を取出すブロックが示され、このブロックは
データ抽出手段Aと演算手段Bとから成る。
データ抽出手段Aは、演算に用いる所定ドット位置の
映像信号をパラレルに前記演算手段Bに送出するもの
で、以下の如く構成されている。即ち、一画面を構成す
るNTSC式のコンポジットの映像信号が入力され、この映
像信号が第1のバンドパスフィルタ(BPF)1と1ライ
ンディレー線(1HDL)2にそれぞれ導かれている。この
1ラインディレー線2の出力は第2のバンドパスフィル
タ3と他の1ラインディレー線4にそれぞれ導かれてお
り、この他の1ラインディレー線4の出力がさらに第3
のバンドパスフィルタ5に供給されている。二つの前記
1ラインディレー線2,4は入力信号を1ライン伝送時間
だけ遅延させて出力するもので、例えばガラス遅延線、
メモリ、CCD(固定撮像素子)にて構成されている。三
つの前記バンドパスフィルタ(BPF)1,3,5はクロマ信号
の周波数帯域(3.58MHz±500KHz)の成分のみを通過
し、例えばトランスバーサルフィルタにて構成されてい
る。前記第1のバンドパスフィルタ1の出力は1τディ
レー線(1τDL)6に、前記第2のバンドパスフィルタ
3の出力は他の1τディレー線7と下記する第2演算部
13に、前記第3のバンドパスフィルタ3の出力はさらに
他の1τディレー線8にそれぞれ供給されている。この
三つの1τディレー線6,7,8と下記する1τディレー線
9とは、入力信号をクロマ信号の1/2周期(140nsec)だ
け出力を遅延させて出力する。前記第1の1τディレー
線6の出力は第2の減算部11に、前記第3の1τディレ
ー線8の出力は第1の減算部10にそれぞれ供給されてい
る。前記第2の1τディレー線7の出力は前記第1の減
算部10及び第2の減算部11に供給されていると共に別の
1τディレー線9に導かれている。この1τディレー線
9の出力は第2演算部13に供給されている。
第2図において、隣接する三ライン(mH,(m+1)
H,(m+2)H)で、且つ、左右隣接する三ドット(n
τ,(n+1)τ,(n+2)τ)についてのドット位
置が示されている。各ドットの映像信号を第2図に示す
アルファベットで表わすと、判別ドットの映像信号がc
である場合には第1図にて示すように各映像信号(a,b,
…)が前記演算手段Bに出力される。
前記演算手段Bは、前記データ抽出手段Aから送られ
てくる映像信号(a,b,…)を演算してクロマ信号を取出
すもので、第1及び第2の減算部10,11と第1乃至第3
演算部12,13,14から成る。前記第1の減算部10は真上ド
ットの映像信号aから判別ドットの映像信号cを減算
(a−c=ac)し、差信号acを第1演算部12と第3演算
部14にそれぞれ供給する。前記第2の減算部11は真下ド
ットの映像信号eから判別ドットの映像信号cを減算
(e−c=ec)し、差信号ecを第1演算部12と第3演算
部14にそれぞれ供給する。第1演算部12は第1の減算部
10と第2の減算部11の出力により演算式(f=ac∩ec)
を演算し、この演算データfを第2演算部13に出力す
る。第2演算部13は第1演算部12の演算データf及び左
右隣接ドットの映像信号b及びdより演算式(g=(f
∩b)∪(b∩d)∪(d∩f))を演算し、この演算
データgを第3演算部14に出力する。第3演算部14は第
2演算部13の演算データg及び第1の演算部10の差信号
ac及び第2の減算部11の信号ecより演算式(h=(g∩
ac)∪(g∩ec))を演算し、この演算データhがクロ
マ信号として抽出される。輝度信号はこのY−C分離フ
ィルターに入力されるコンポジットの映像信号から前記
クロマ信号(演算データh)を減算することによって得
られる。
以下、上記構成の作用について説明する。
コンポジットの映像信号が一ライン目から順次データ
抽出手段Aに伝送されてくると、データ抽出手段Aは映
像信号を1ラインディレー線2,4と1τディレー線6〜
9にて所定時間遅延し、且つ、バントパスプィルタ1,3,
5にてクロマ信号帯域の成分のみを抽出して演算手段B
に出力する。今、第2に示すように(m+1)ラインで
(n+1)ドットの位置が判別ドットとすると、演算手
段Bの各部には第1図にてアルファベットで示す映像信
号が出力される。
演算手段Bの第1の減算部10及び第2の減算部11はそ
れぞれ減算a−c=ac,e−c=ecを実行し、一応輝度信
号からクロマ信号を分離する。第1演算部12は演算式ao
∩ec=fを実行して差信号acとecのアンド条件をとり垂
直相関を見ると共にクロマ成分に漏れた輝度信号を除去
する。第2演算部13は演算式(f∩b)∪(b∩d)∪
(d∩f)=gを実行する。演算データfは輝度信号を
含まないので、(f∩b)と(d∩f)とでクロマ成分
の水平相関を見、水平相関があればクロマ信号と仮定す
る。又、クロマ信号は帯域が狭いので、(b∩d)でク
ロマ信号の連続性を見、左右ドットの映像信号b,dにク
ロマ信号らしい信号が検出されればその中間である判別
ドットの映像信号cにもクロマ信号があると仮定する。
第3演算部1は演算式(g∩ac)∪(g∩ec)=hを実
行する。演算データgはb∩dの情報、即ち、クロマ成
分に漏れた輝度信号情報を含んでいる可能性があるた
め、かかる輝度信号情報が(g∩ac),(g∩ec)にて
排除される。
次に、具体的な映像信号を上記の演算式に代入してそ
の効果を検証する。
第3図には従来例の前者の場合(垂直相関がない場
合)の映像信号(データ)が示されており、実線で囲ん
だ中心線の判別ドットの映像信号cについて演算する。
ac=1−0=1 ec=1−0=1 f=1∩1=1 g=(1∩0)∪(0∩0)∪(0∩1)=0 h=(0∩1)∪(0∩1)=0 上記より従来ではクロマ信号の値が1/2であったが、
0となりドット妨害が防止される。即ち、第2演算部13
の演算(f∩b)と(d∩f)でクロマ成分の水平相関
の検出し、クロマ成分がないことにより判別ドットの映
像信号にはクロマ信号が含まれていないことが検出され
たことによる。
第4図には従来例の後者の場合(水平相関がない場
合)の映像信号(データ)が示されており、実線で囲ん
だ中心点の判別ドットの映像信号cについて演算する。
ac=1−(−1)=2 ec=1−(−1)=2 f=2∩2=2 g=(2∩1)∪(1∩−1)∪(−1∩2)=1 h=(1∩2)∪(1∩2)=1 上記より従来ではクロマ信号の値が0であったのが、
1となりドットストラクチャが防止される。即ち、第1
及び第2の減算部10,11と第1演算部12との演算で垂直
相関のあることが検出され、この結果を利用して第2演
算部13の演算にて水平相関(斜め相関)を見るため、判
別ドットの映像信号にクロマ信号が存在することを判別
できるためである。なお、点線で囲んだ中心点の判別ド
ットの映像信号c′についても同様である。
第5図には白黒の縦縞模様の映像信号(データ)が示
されており、実線で囲んだ中心点の判別ドットの映像信
号cについて演算する。
ac=1−1=0 ec=1−1=0 f=0∩0=0 g=(0∩−1)∪(−1∩−1)∪(−1∩1)=0 h=(1∩0)∪(1∩0)=0 従って、gの演算データのみではクロマ信号と判別さ
れるが、hの演算にてクロマ信号が存在しないことを判
別できる。
尚、上記実施例ではデータ抽出手段Aは遅延手段等を
用いて構成したが、メモリ等を用い読み出しを工夫する
ことにより演算に用いるドット位置の映像信号をパラレ
ルに演算手段Bに送出するよう構成してもよい。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、判別ドットの真上
ドットの映像信号aと判別ドットの映像信号cとを減算
し差信号acを出力する第1の減算部と、判別ドットの真
下ドットの映像信号eと判別ドットの映像信号cとを減
算し差信号ecを出力する第2の減算部と、ac∩ec=fを
演算する第1演算部と、判別ドットの左右隣接ドットの
映像信号b,dとし、(f∩b)∪(b∩d)∪(d∩
f)=gを演算する第2演算と、(g∩ac)∪(g∩e
c)=hを演算する第3演算部とから成る演算手段を設
けたので、非相関部におけるドット妨害、クロスカラ
ー、ドットストラクチャ等を防止できるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は本発明の実施例を示し、第1図はY
−C分離フィルターの一部回路ブロック図、第2図は演
算に用いるドット位置を示す図、第3図乃至第5図はそ
れぞれ各ラインのデータを示す図であり、第6図乃至第
8図は従来例を示し、第6図は垂直相関を利用したY−
C分離フィルターのブロック図、第7図は水平相関を利
用したY−C分離フィルターのブロック図、第8図は各
ラインのデータを示す図である。 A……データ抽出手段、B……演算手段、10……第1の
減算部、11……第2の減算部、12……第1演算部、13…
…第2演算部、14……第3演算部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一画面を構成するコンポジットの映像信号
    について、判別ドットの映像信号cと、この判別ドット
    に対し上下隣接ラインの真上ドットの映像信号a及び真
    下ドットの映像信号eと、前記判別ドットに対し左右隣
    接ドットの映像信号b及びdとを抽出するデータ抽出手
    段と、 前記真上ドットの映像信号aと前記判別ドットの映像信
    号cとを減算し差信号acを出力する第1の減算部と、前
    記真下ドットの映像信号eと前記判別ドットの映像信号
    cとを減算し差信号ecを出力する第2の減算部と、前記
    第1の減算部と前記第2の減算部の出力よりac∩ecを演
    算し演算データfを出力する第1演算部と、この第1演
    算部が出力する演算データfと前記左右隣接ドットの映
    像信号b及びdより(f∩b)∪(b∩d)∪(d∩
    f)を演算し演算データgを出力する第2演算部と、こ
    の第2演算部が出力する演算データg及び前記差信号ac
    及び前記差信号ecより(g∩ac)∪(g∩ec)を演算し
    クロマ信号である演算データhを出力する第3演算部と
    から成る演算手段と、 を備えたことを特徴とするY−C分離フィルター。
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