JPH0380395B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 産業上の利用分野 本発明は、カラーテレビジヨン信号の輝度信号
と色信号を分離するＹ／Ｃ分離装置に関するもの
である。

従来の技術 NTSC方式等の標準カラーテレビジヨン方式に
おいては、輝度信号と色信号とが周波数間そう
（インターリビング）されているため、受信側に
おいて両者を完全に分離することは、一般に困難
である。

従来行われてきたＹ／Ｃ分離の方式は、映像信
号の周波数スペクトルを利用して周波数軸上で両
者分離するものと、映像信号の隣接走査線間の相
関を利用して時間軸上で両者を分離するものとに
大別される。以下本明細書中では、前者を周波数
分離方式、後者を相関分離方式と称する。

周波数分離方式は、第２図Ａに示すように、入
力端子１上の映像信号を２分割して、それぞれを
低域通過濾波回路４と帯域通過濾波回路５に供給
することにより、出力端子２と３のそれぞれに、
Ｙ／Ｃ分離された輝度信号と色信号を得るように
構成されている。あるいはまた、第２図Ｂに示す
ように、入力端子１上の映像信号を２分割して、
一方を帯域通過濾波回路５に供給することによつ
て出力端子３に色信号を得ると共に、減算回路６
において映像信号から上記色信号を減算すること
によつて出力端子２に輝度信号を得るように構成
されている。

以下、本明細書中では、周波数分離方式によつ
て分離された輝度信号と色信号のそれぞれを、周
波数分離された輝度信号、周波数分離された色信
号と称する。

これに対して、相関分離方式は、第３図に示す
ように、映像信号に１走査線（水平走査線）分の
遅延時間を生じさせる遅延回路７、加算回路８及
び減算回路９を備え、出力端子２と３のそれぞれ
に輝度信号Ｙと色信号Ｃを得るように構成されて
いる。この相関分離方式は、隣接走査線上の同一
水平位置に同一の映像信号が出現する場合には、
輝度信号について同相、色信号については逆相の
位相関係が成立することを利用したものである。

以下本明細書中では、相関分離方式によつて分
離された輝度信号と色信号のそれぞれを、相関分
離された輝度信号、相関分離された色信号と称す
る。

発明が解決しようとする問題点 上述の周波数分離方式は、輝度信号が色副搬送
波の周波数程度の高周波成分を含む場合には、こ
の高周波成分が色信号側に混入することによる色
むら（クロスカラー）が生じるという問題があ
る。また、色信号が高周波成分を含む場合には、
色のにじみが生じるという問題もある。

一方、上述の相関分離方式は、走査線間走査線
が前提としているので、この前提がくずれると
Ｙ／Ｃ分離が不十分となつて画質が劣化する。特
に隣接走査線間の色信号の変化が大きい場合、例
えば画面内に色付きの横線が表示される場合や色
付きの輪郭が表示される場合には、色信号の変化
分が相関分離れた輝度信号に重畳されることによ
るドツトクロール妨害も付け加えると言う問題が
ある。

発明の構成 問題点を解決するための手段 上記従来技術の問題点を解決する本発明のＹ／
Ｃ分離装置は、相関分離方式によるＹ／Ｃ分離器
と、周波数分離方式によるＹ／Ｃ分離器と、これ
らＹ／Ｃ分離器から受けた輝度信号及び色信号の
それぞれを切替えて出力する切替え手段と、表示
画面内の水平成分を検出する手段と、この検出さ
れた水平成分の大きさに応じて上記切替え回路を
制御する手段とを備えることにより、ライン間相
関が大きいうちはライン相関分離された輝度信号
と色信号を出力し、ライン間相関がくずれた場合
には周波数分離された輝度信号と色信号を出力す
るように構成されている。

以下、本発明の作用を実施例によつて詳細に説
明する。

実施例 第１図は本発明の一実施例の構成を示すブロツ
ク図である。同図において、１０は相関分離方式
によるＹ／Ｃ分離器、２０は周波数分離方式によ
るＹ／Ｃ分離器、３１，３２はＹ／Ｃ分離器１０
及び２０で分離された輝度信号と色信号を切替え
て出力するスイツチ、４０は相関分離された輝度
信号と色信号の走査線間の変化量に基づいて表示
画面内の水平成分を検出する水平成分検出回路、
５０は検出された水平成分の大きさに基づきスイ
ツチ３１，３２を制御する切替え制御回路であ
る。

相関分離方式によるＹ／Ｃ分離器１０は、入力
端子INに入力した映像信号に１水平走査線間分
の（1Hの）遅延を与える遅延回路１１、加算回
路１２及び減算回路１３を備えている。このＹ／
Ｃ分離器１０に入力した映像信号の一部は、加算
回路１２において１水平走査期間前の映像信号と
加算され、相関部された輝度信号Ｙ１を発生させ
る。一方、Ｙ／Ｃ分離器１０に入力した映像信号
の他の部分は、減算回路１３において１水平走査
期間前の映像信号と加算され、相関分離された色
信号CIを発生させる。上記相関分離された輝度
信号Ｙ１と色信号Ｃ１は、それぞれスイツチ３
１，３２に供給される。

周波数分離方式によるＹ／Ｃ分離器２０は、色
信号の周波数帯域よりも低周波の輝度信号のみを
通過させる低域通過濾波回路２１と、3.58MHz
の色副搬送波の近傍の色信号を通過させる帯域通
過濾波回路２２を備えている。このＹ／Ｃ分離器
２０に入力した映像信号の一部は、低域通過濾波
回路２１の出力側に周波数分離された輝度信号Ｙ
２を発生させる。一方、Ｙ／Ｃ分離回路２０に入
力した映像信号の他の部分は、帯域通過濾波回路
２２の出力側に周波数分離された色信号Ｃ２を発
生させる。上記周波数分離された色信号Ｃ２は、
それぞれスイツチ３１，３２に供給される。

水平成分検出回路４０には、Ｙ／Ｃ分離器１０
で相関分離された輝度信号Ｙ１と色信号Ｃ１が供
給される。輝度信号Ｙ１と、遅延回路４１によつ
て１水平走査期間分遅延された輝度信号Ｙ１との
差分が、減算回路４２で抽出され、絶対値回路４
３で正極性の信号に変換されたのち、加算回路４
７に供給される。同様に、色信号Ｃ１と、遅延回
路４４によつて１水平走査期間分遅延された色信
号Ｃ１との差分が減算回路４５で抽出され、絶対
値回路４６で正極性の信号に変換されたのち、加
算回路４７に供給される。加算回路４７から出力
された輝度信号と色信号の走査線間変化量の絶対
値の和は、水平成分検出回路４０の出力として切
替え制御回路５０に供給される。これを受けた切
替え制御回路５０は、次のようなスイツチ３１，
３２の切替え制御を行なう。

すなわち、隣接走査線間における輝度信号と色
信号の走査線間変化量の和が所定値よりも小さい
うち、すなわち表示画面内の水平成分が弱いうち
は、相関分離された輝度信号Ｙ１と色信号Ｃ１が
スイツチ３１，３２を経て出力端子０１，０２に
出力される。この結果、輝度信号の高周波成分が
色信号側に漏込むクロスカラーや、色信号の高周
波成分に伴う色のにじみが有効に防止される。

一方、隣接走査線間における輝度信号と色付き
き変化量の和が所定値以上となると、すなわち表
示画面内の水平成分がある程度強くなると、周波
数分離された輝度信号Ｙ２と色信号Ｃ２がスイツ
チ３１，３２を経て出力端子０１，０２に出力さ
れる。この結果、クロスカラーや色信号が輝度信
号側に漏込むことによつて生ずるドツトクロール
が有効に防止される。

以上、相関分離方式のＹ／Ｃ分離器１０を１個
のライン遅延メモリで構成する場合を例示した
が、２個あるいはそれ以上のライン遅延メモリを
使用する構成であつてもよい。

また、輝度信号と色信号のライン変化量に基づ
き表示画面内の水平成分を検出する構成を例示し
たが、これらのいずれかから水平線分を検出する
ように構成してもよい。

発明の効果 以上詳細に説明したように、本発明のＹ／Ｃ分
離装置は、相関分離方式によるＹ／Ｃ分離器と、
周波数分離方式によるＹ／Ｃ分離器とを備え、ラ
イン間相関が大きいうちはライン相関分離された
輝度信号と色信号を出力し、ライン間相関がくず
れた場合には周波数分離された輝度信号と色信号
を出力する構成であるから、周波数分離方式のみ
による場合のクロスカラーや色のにじみを有効に
防止すると共に、相関分離方式のみによる場合の
垂直方向へのぼけやドツトクロール妨害を有効に
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のＹ／Ｃ分離装置の
構成を示すブロツク図、第２図と第３図は従来装
置の構成を示すブロツク図である。 １０……相関分離方式によるＹ／Ｃ分離器、２
０……周波数分離方式によるＹ／Ｃ分離器、３
１，３２……スイツチ、４０……水平成分検出回
路、５０……切替え制御回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 相関分離方式による第１のＹ／Ｃ分離器と、 周波数分離方式による第２のＹ／Ｃ分離器と、 これら各Ｙ／Ｃ分離器から受けた輝度信号及び
   色信号のそれぞれを切替えて出力する切替え手段
   と、 前記第１のＹ／Ｃ分離器の出力を受けることに
   より、隣接走査線間にわたる輝度信号の変化量の
   絶対値と色信号の変化量の絶対値との和を表示画
   面内の水平成分として検出し、 この検出された水平成分の大きさが所定値を超
   えた場合のみ前記切替え手段に前記第２のＹ／Ｃ
   分離器の出力を出力させる制御手段とを備えたこ
   とを特徴とするカラーテレビジヨン信号のＹ／Ｃ
   分離装置。