JP2638020B2 - 熱間鍛造用快削鋼 - Google Patents
熱間鍛造用快削鋼Info
- Publication number
- JP2638020B2 JP2638020B2 JP62325989A JP32598987A JP2638020B2 JP 2638020 B2 JP2638020 B2 JP 2638020B2 JP 62325989 A JP62325989 A JP 62325989A JP 32598987 A JP32598987 A JP 32598987A JP 2638020 B2 JP2638020 B2 JP 2638020B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- free
- less
- cutting
- hot forging
- machinability
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、熱間鍛造を施したままで使用される快削
鋼に関する。
鋼に関する。
従来の技術 各種の炭素鋼、合金鋼にS、Pb、Se、Te、Bi、Caなど
の快削性付与元素を加えて特に被削性を向上させること
は周知のことである。
の快削性付与元素を加えて特に被削性を向上させること
は周知のことである。
しかし、被削性は切削の諸条件や“削られやすさ”を
計る基準の変化により多様性があり、単一の数値で表現
することは困難である。そこで、一般には旋削、穿孔、
歯切り、ブローチなどの切削加工方法と使用工具の種類
により一定の条件下で数値的に表現したり、またある基
準材料との比較を用いて被削性を表現することが行われ
ている。
計る基準の変化により多様性があり、単一の数値で表現
することは困難である。そこで、一般には旋削、穿孔、
歯切り、ブローチなどの切削加工方法と使用工具の種類
により一定の条件下で数値的に表現したり、またある基
準材料との比較を用いて被削性を表現することが行われ
ている。
前記のごとく要求される被削性には多様性があるた
め、添加される快削性付与元素の添加量は一定しない
が、一般には被削性を向上し、しかも強度や塑性加工性
など実用上の機械的性質にも害を与えないような量に制
限する必要がある。しかし、実際には各種鋼材に対し、
どの位の添加量が最適であるか具体的な成分範囲は決め
られていいない。
め、添加される快削性付与元素の添加量は一定しない
が、一般には被削性を向上し、しかも強度や塑性加工性
など実用上の機械的性質にも害を与えないような量に制
限する必要がある。しかし、実際には各種鋼材に対し、
どの位の添加量が最適であるか具体的な成分範囲は決め
られていいない。
発明が解決しようとする問題点 この発明は、各種鋼材に対する快削性付与元素の最適
添加量範囲が不明な現状下において、熱間鍛造用鋼に優
れた被削性を付与することにより熱間鍛造のままで切削
加工を施して使用できることを目的として、快削性付与
元素の添加含有量を限定した熱間鍛造用快削鋼を提供す
るものである。
添加量範囲が不明な現状下において、熱間鍛造用鋼に優
れた被削性を付与することにより熱間鍛造のままで切削
加工を施して使用できることを目的として、快削性付与
元素の添加含有量を限定した熱間鍛造用快削鋼を提供す
るものである。
問題点を解決するための手段 この発明は、重量比で、 C 0.30〜0.60%、Si 0.70%以下、 Mn 0.60〜2.0%、Cr 0.50%以下、 V 0.03〜0.20%、solAl 0.06%以下 を含有し、さらに S 0.08〜0.40%、Pb 0.30%以下、 Te 0.10%以下、Se 0.10%以下、 Zr 0.30%以下、Ca 0.01%以下、 Ce 0.20%以下、Bi 0.10%以下 のうち2種以上を複合して、かつ下記式で示される快削
指数Fが5×10-3〜10×10-3であるように添加量を調整
して含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる熱間
鍛造用快削鋼である。
指数Fが5×10-3〜10×10-3であるように添加量を調整
して含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる熱間
鍛造用快削鋼である。
この発明の発明者らは熱間鍛造用鋼の種々の鋼種につ
いて被削性試験を行った結果、旋削、穿孔においては添
加した快削性付与元素の種類や含有量が異なっても、快
削性付与元素にある係数を掛けて求めた快削指数で整理
できることを知見した。この発明はこの知見に基いてな
されたものである。そして、この試験の結果より快削指
数Fを求める式を次式のとおり決定した。
いて被削性試験を行った結果、旋削、穿孔においては添
加した快削性付与元素の種類や含有量が異なっても、快
削性付与元素にある係数を掛けて求めた快削指数で整理
できることを知見した。この発明はこの知見に基いてな
されたものである。そして、この試験の結果より快削指
数Fを求める式を次式のとおり決定した。
また、この試験において旋削、穿孔と快削指数の関
係、工具寿命と快削指数との関係を調べた結果、旋削、
穿孔は快削指数が5×10-3未満では急激に悪化し、また
工具寿命は5×10-3〜10×10-3の範囲で最も良好である
ことがわかった。そのため、快削指数Fは5×10-3〜10
×10-3の範囲に限定した。
係、工具寿命と快削指数との関係を調べた結果、旋削、
穿孔は快削指数が5×10-3未満では急激に悪化し、また
工具寿命は5×10-3〜10×10-3の範囲で最も良好である
ことがわかった。そのため、快削指数Fは5×10-3〜10
×10-3の範囲に限定した。
この発明において対象となる熱間鍛造用鋼の成分を限
定したのは次の理由による。また、快削性付与元素は優
れた快削性を得るには2種以上を複合添加することが望
ましい。
定したのは次の理由による。また、快削性付与元素は優
れた快削性を得るには2種以上を複合添加することが望
ましい。
Cは固溶強化及びV、Crなどと炭化物を形成して鋼の
強度を増すのに必須の元素であるが、0.30%未満では機
械構造用鋼としての強度が得られず、また0.60%を超え
ると必要以上に硬化し加工性が低下するから0.30〜0.60
%とした。
強度を増すのに必須の元素であるが、0.30%未満では機
械構造用鋼としての強度が得られず、また0.60%を超え
ると必要以上に硬化し加工性が低下するから0.30〜0.60
%とした。
Siは脱酸剤として添加され、フェライト地の強度向上
に有効で、すべての鋼に含まれているが、多量に添加す
ると高硬度となり被削性が低下するので上限を0.70%と
した。
に有効で、すべての鋼に含まれているが、多量に添加す
ると高硬度となり被削性が低下するので上限を0.70%と
した。
Mnは固溶硬化作用が比較的大きくフェライトを強化す
る元素であるが、硬度を確保するため0.60%以上の添加
が望ましい。しかし、2.0%を超えると硬化し過ぎて加
工性が低下するので、0.60〜2.0%とした。
る元素であるが、硬度を確保するため0.60%以上の添加
が望ましい。しかし、2.0%を超えると硬化し過ぎて加
工性が低下するので、0.60〜2.0%とした。
Crは炭化物の形成により硬度を向上するのに有効であ
るが、コストから上限を0.50%とした。
るが、コストから上限を0.50%とした。
Vは熱間鍛造用鋼として必須元素てあり、その添加効
果を得るには0.03%以上が必要である。しかし、0.20%
を超えて多く添加しても添加効果の向上は見られず、ま
たコスト高となるから0.03〜0.20%とした。
果を得るには0.03%以上が必要である。しかし、0.20%
を超えて多く添加しても添加効果の向上は見られず、ま
たコスト高となるから0.03〜0.20%とした。
solAlは脱酸剤として有効な元素であるが、添加量が
多すぎると、逆に被削性に悪影響を及ぼすので上限を0.
06%とした。
多すぎると、逆に被削性に悪影響を及ぼすので上限を0.
06%とした。
Sは被削性を向上するのに有効な元素であるが、多く
添加すると赤熱脆性を引き起し、また被削性向上の効果
を狙い0.08〜0.40%とした。
添加すると赤熱脆性を引き起し、また被削性向上の効果
を狙い0.08〜0.40%とした。
Pbは被削性を向上するのに有効な元素であるが、多く
添加すると機械的性質が著しく低下するから上限を0.30
%とした。
添加すると機械的性質が著しく低下するから上限を0.30
%とした。
Te及びSeはSと同族元素であり、共に被削性を向上す
るのに有効な元素であるが、赤熱脆性の点からいずれも
上限を0.10%とした。
るのに有効な元素であるが、赤熱脆性の点からいずれも
上限を0.10%とした。
Zrは被削性を向上するのに有効な元素であるが、コス
ト及び添加効果の点から上限を0.30%とした。
ト及び添加効果の点から上限を0.30%とした。
Caは鋼中の酸化物を被削性に適したものに変化させる
性質があり、その結果被削性改善に有効であるが、添加
量が多くなると介在物が増加し、逆に被削性が低下する
から上限を0.01%とした。
性質があり、その結果被削性改善に有効であるが、添加
量が多くなると介在物が増加し、逆に被削性が低下する
から上限を0.01%とした。
Ceは被削性を向上するのに有効な元素であるが、コス
ト及び添加効果の向上の点から上限を0.20%とした。
ト及び添加効果の向上の点から上限を0.20%とした。
BiはPbに類似した効果があり、主にS、Pbと複合添加
して使用されるが、コスト及び添加効果の向上の点から
上限を0.10%とした。
して使用されるが、コスト及び添加効果の向上の点から
上限を0.10%とした。
実 施 例 この発明の実施により快削指数Fが5×10-3〜10×10
-3の範囲になるように成分調整を行った熱間圧延用鋼1
〜10を溶製した。また比較のため快削指数Fが5×10-3
〜10×10-3の範囲を外れた快削鋼11〜16を溶製した。そ
の溶製された各鋼の化学成分及び快削指数Fを第1表に
示す。
-3の範囲になるように成分調整を行った熱間圧延用鋼1
〜10を溶製した。また比較のため快削指数Fが5×10-3
〜10×10-3の範囲を外れた快削鋼11〜16を溶製した。そ
の溶製された各鋼の化学成分及び快削指数Fを第1表に
示す。
そして、各鋼1〜16から試料を採取し、快削指数Fと
穿孔個数との関係及び快削指数と工具寿命(旋削)との
関係について試験した。その結果を第1表に示すと共
に、グラフ化して前者の場合を第1図に、後者の場合を
第2図に示した。
穿孔個数との関係及び快削指数と工具寿命(旋削)との
関係について試験した。その結果を第1表に示すと共
に、グラフ化して前者の場合を第1図に、後者の場合を
第2図に示した。
なお、穿孔は 工具:SKH9 10φドリル 回転数:1300rpm 送り:0.25mm/rev 穴深さ:40mm盲孔 クーラント:湿式 寿命判定:工具摩耗まで で行い、旋削は 工具:P20 切削速度:160m/min 送り:0.25mm/rev 切込み:2mm クーラント:乾式 寿命判定:フランク摩耗0.2mm で行った。
第1図より快削指数Fが5×10-3未満では穿孔個数が
急激に低下するから穿孔は快削指数Fが5×10-3以上の
鋼を使用することが望ましく、比較鋼11〜13は穿孔に適
しないことがわかる。
急激に低下するから穿孔は快削指数Fが5×10-3以上の
鋼を使用することが望ましく、比較鋼11〜13は穿孔に適
しないことがわかる。
また第2図より旋削の場合は快削指数Fが5×10-3〜
10×10-3の範囲にある発明鋼1〜10はいずれも工具寿命
が長く優れた快削性を有するが、前記範囲を外れた比較
鋼はいずれも工具寿命が短く快削性が劣っていることが
わかる。
10×10-3の範囲にある発明鋼1〜10はいずれも工具寿命
が長く優れた快削性を有するが、前記範囲を外れた比較
鋼はいずれも工具寿命が短く快削性が劣っていることが
わかる。
発明の効果 この発明は、快削性付与元素を添加含有する熱間鍛造
用鋼において、所定の数式により求められる快削指数を
一定範囲に限定することにより旋削及び穿孔に最適の優
れた快削性を付与することができるから、熱間鍛造のま
まで能率良く機械加工を施すことができる。
用鋼において、所定の数式により求められる快削指数を
一定範囲に限定することにより旋削及び穿孔に最適の優
れた快削性を付与することができるから、熱間鍛造のま
まで能率良く機械加工を施すことができる。
第1図は第1表に示す各発明鋼及び各比較鋼に対し穿孔
を施した場合の快削指数と穿孔個数の関係を示すグラ
フ、第2図は同じく旋削を施した場合の快削指数と工具
寿命の関係を示すグラフである。
を施した場合の快削指数と穿孔個数の関係を示すグラ
フ、第2図は同じく旋削を施した場合の快削指数と工具
寿命の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相原 賢治 兵庫県尼崎市長洲本通1丁目3番地 住 友金属工業株式会社総合技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−56235(JP,A) 特開 昭55−138056(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】重量比で、 C 0.30〜0.60%、Si 0.70%以下、 Mn 0.60〜2.0%、Cr 0.50%以下、 V 0.03〜0.20%、solAl 0.06%以下 を含有し、さらに S 0.08〜0.40%、Pb 0.30%以下、 Te 0.10%以下、Se 0.10%以下、 Zr 0.30%以下、Ca 0.01%以下、 Ce 0.20%以下、Bi 0.10%以下 のうち2種以上を複合して、かつ下記式で示される快削
指数Fが5×10-3〜10×10-3であるように添加量を調整
して含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる熱間
鍛造用快削鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62325989A JP2638020B2 (ja) | 1987-12-22 | 1987-12-22 | 熱間鍛造用快削鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62325989A JP2638020B2 (ja) | 1987-12-22 | 1987-12-22 | 熱間鍛造用快削鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01165749A JPH01165749A (ja) | 1989-06-29 |
JP2638020B2 true JP2638020B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=18182852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62325989A Expired - Lifetime JP2638020B2 (ja) | 1987-12-22 | 1987-12-22 | 熱間鍛造用快削鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2638020B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60024495T2 (de) * | 2000-03-06 | 2006-08-24 | Nippon Steel Corp. | Stahl mit ausgezeichneter Schmiedbarkeit und Bearbeitbarkeit |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5853709B2 (ja) * | 1979-04-12 | 1983-11-30 | 住友金属工業株式会社 | 鍛造ままの高強度鍛造用鋼 |
JPS5887270A (ja) * | 1981-11-18 | 1983-05-25 | Hitachi Ltd | プレ−ナマグネトロン方式のスパッタリング電極 |
JPS6156235A (ja) * | 1984-08-28 | 1986-03-20 | Daido Steel Co Ltd | 高靭性非調質鋼の製造方法 |
JPS61183466A (ja) * | 1985-02-12 | 1986-08-16 | Teijin Ltd | 対向タ−ゲツト式スパツタ装置 |
-
1987
- 1987-12-22 JP JP62325989A patent/JP2638020B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01165749A (ja) | 1989-06-29 |
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Date | Code | Title | Description |
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EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
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