JP2637547B2 - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JP2637547B2
JP2637547B2 JP1072391A JP7239189A JP2637547B2 JP 2637547 B2 JP2637547 B2 JP 2637547B2 JP 1072391 A JP1072391 A JP 1072391A JP 7239189 A JP7239189 A JP 7239189A JP 2637547 B2 JP2637547 B2 JP 2637547B2
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英夫 砂塚
正毅 長谷川
明 吉野
高橋  功
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  • Organic Insulating Materials (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEK
と略記する。)からなる絶縁層を有する絶縁電線に関す
る。
〔従来の技術〕
PEEKは、340℃以上の高融点を有しかつ100〜300℃の
高温域において優れた熱安定性を具えているため、高耐
熱絶縁材料として期待されている。また、電気絶縁体と
しても、AC短時間破壊ストレスが100kV/mm以上であり、
薄肉絶縁材料としても有望である。
このため、耐熱用絶縁電線の絶縁層としてPEEKを押出
被覆して形成することが既に提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、PEEKは結晶性ポリマーであり、その結晶化
度によって機械的特性、電気的特性等が大きく変化す
る。
このため、絶縁電線の絶縁層としてPEEKを用いる場
合、絶縁層に要求される諸特性を満たすには、その結晶
化度がどの範囲にあれば好適であるかを知ることが必要
になってくる。
しかしながら、従来このような考案は全くなされてい
なかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、PEEKの結晶化度と機械的特性、電気的
特性との関係について詳細な検討を行い、比重が1.28以
上であるPEEKで絶縁層を形成することにより、優れた機
械的特性、電気的特性が知られることを知見した。
すなわち、本発明の絶縁電線は比重が1.28以上のPEEK
で形成された絶縁層を有するものである。ここでの比重
は23℃で測定されたものを言い、d23で表す。
PEEKの比重(d23)と結晶化度とは一義的に対応して
おり、結晶化度が0%ではd23=1.263であり、結晶化度
が100%ではd23=1.401である(Polymer、第24巻、1983
年)ことが報告されている。したがって、PEEKの比重
(d23)を特定することによってその結晶化度が特定さ
れ、ひいてはその機械的特性、電気的特性等の特性が特
定される。
第1図はPEEKの比重と引張強度との関係を、第2図は
PEEKの比重とカットスルー強度との関係を、第3図はPE
EKの比重と絶縁破壊電圧との関係を示したものである。
これらのグラフから明らかなように、引張強度、カット
スルー強度およびAC絶縁破壊電圧の変化はいずれもd23
が1.28において変曲点を示し、d23が1.28以上において
大きく向上していることがわかる。
したがって、d23が1.28以上であるPEEKで絶縁層を構
成することにより、その絶縁電線は優れた機械的特性、
電気的特性を有するものとなる。勿論、d23の上限は結
晶化度から1.401となる。
d23が1.28以上であるPEEKで絶縁層を構成するには、
予熱した導体上に押出被覆法により所定の厚さの絶縁層
を形成し、絶縁層の冷却速度を遅くして結晶化度を高め
る方法や、PEEKの結晶化温度に保たれた加熱炉に導入し
て結晶化度を高める方法などが採用される。
また、この発明の絶縁電線の絶縁層にあっては、PEEK
以外に種々の充填剤、着色剤などの添加剤を添加するこ
とができる。この場合、これによって絶縁層の比重が変
化するが、添加剤の比重と添加量とから添加剤による寄
与分を差し引き、PEEK単味の比重が1.28以上となるよう
にすればよい。
さらに、この発明の絶縁電線にあっては、比重が1.28
以上であるPEEKよりなる絶縁層上に任意の被覆を形成す
ることもでき、また導体とPEEK絶縁層との間に任意の樹
脂被覆を形成することができる。
〔実施例〕
径0.8mmの軟銅線を250℃に予熱して押出機のクロスヘ
ッドダイに送り込み、押出温度390℃でPEEKを押出被覆
し、直ちに温度200℃〜220℃の徐冷炉(炉長5m)に導入
し、PEEKを徐冷して厚さ0.2mmのPEEKからなる絶縁層を
持つ絶縁電線を得た。
この絶縁電線の絶縁層を一部剥離し、硫酸法によって
比重を求めたところ、d23=1.316であった。
この絶縁電線のAC絶縁破壊電圧は25kVであり、引張強
さは11.5kg/mm2であった。
比較のため、押出被覆後、直ちに温度20℃の冷却水槽
に導入してPEEKを急冷した絶縁電線について同様にその
絶縁層のd23を求めたところ、d23=1.268であった。こ
の絶縁電線のAC絶縁破壊電圧は18kVであり、引張強さは
8.9Kg/mm2であった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明の絶縁電線は、比重が
1.28以上のPEEKからなる絶縁層を有するものであるの
で、優れた機械的特性、電気的特性を有するものとな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はPEEKの比重と引張強度との関係を示すグラフ、
第2図はPEEKの比重とカットスルー強度との関係を示す
グラフ、第3図はPEEKの比重とAC絶縁破壊ストレスとの
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 明 静岡県沼津市双葉町9番1号 藤倉電線 株式会社沼津工場内 (72)発明者 高橋 功 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−73818(JP,A) 特開 昭61−198506(JP,A) 特開 昭61−197287(JP,A) 特開 平2−27611(JP,A) 特開 平2−250206(JP,A) 特開 昭60−217134(JP,A) 実開 昭58−37618(JP,U) 実開 昭62−31323(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比重が1.28以上であるポリエーテルエーテ
    ルケトンからなる絶縁層を有することを特徴とする絶縁
    電線。
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CN111145954A (zh) * 2019-12-22 2020-05-12 江苏银锡高温线缆有限公司 一种炼钢炉耐高温专用测温线缆

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