JP2636907B2 - ポリ−1−ブテン配合物接着剤を用いて製造した積層構造体 - Google Patents

ポリ−1−ブテン配合物接着剤を用いて製造した積層構造体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は良好な高温性能及び接着性を示す熱溶融接着
剤を用いて製造される積層構造体に関するものである。
殊に、本発明は熱溶融ブテン−1及びエチレン共重合体
接着剤に関するものである。本発明は米国特許第4,568,
713号の改善特許である。
熱溶融接着剤は感圧性に調整することができ、そして
無限のオープンタイム(接着剤を塗布してから接着しな
くなるまでの時間)を有するが、これらの接着剤は通常
軟質で、粘着性があり、そして限定された強さ及び接着
性を有する。通常の熱溶融物例えばポリ(エチレン/酢
酸ビニル)、ポリエチレン、ポリアミドまたはポリエス
テルの調製物は剛性であり、ある基体に対して良好な強
い結合を形成するが、通常1分間より短かい開口時間を
有する。更に、これらの接着剤は通常冷金属基体に体す
る接着に問題を有する。
溶媒塗布される接触接着剤は良好な結合力及び合理的
な開口時間を与えるために調製し得るが、これらのもの
は毒性、汚染及び火災の危険性を生じさせ得る溶媒の使
用を必要とするため、溶媒塗布される接着剤は重大な欠
点を有し得る。積層構造体を生成させるために本発明に
使用し得る本ポリブチレン熱溶融接着剤はこれらのもの
が溶媒を必要とせず、良好なT−ピール(peel)、良好
な剪断接着破壊温度(SAFT)を有し、そして冷金属基体
例えばアルミニウム基体に対する改善された接着性を示
すことから独特のものである。
ポリ−1−ブテン重合体はこれらのものが極めて徐々
に結晶化するために独特なオレフイン性重合体の群であ
る。他のポリオレフイン結晶性重合体例えばEVAs、ポリ
エチレン及びポリプロピレンの結晶化速度と比較して極
めて遅い結晶化速度は長い開口時間並びに冷却、加熱焼
結タイプの基体金属例えばスチレス・スチール及び陰極
析出したアルミニウムに対する良好な接着及び結合を与
えることが見い出された。
米国特許第4,568,713号にポリ−1−ブテン共重合体
またはポリ−1−ブテン均質重合体のいずれか及び粘着
性樹脂を含むポリブテンベースの熱溶融接着剤が教示さ
れている。この広範な特許は積層構造体を生成させるに
用いられる接着剤配合物中でポリ−1−ブテン均質重合
体とポリ−1−ブテン共重合体とのある注意して選んだ
比率を配合することにより得られるSAFT及びT−ピール
値に対するある予期されない結果を定義していない。
本発明に使用し得るポリブチレン重合体は1つのブテ
ンを1,2炭素二重結合を通して(エチレン鎖骨格にそつ
て)重合させる場合に生じるエチレン側鎖基であるペン
ダント基の規則的及び立体配列の配置を有する直鎖状分
子からなる(米国特許第3,362,940号参照)。溶融物か
ら冷却する場合、エチレン側鎖基は最初に四面体立体配
置をとり、半分より少し多い最終の結晶性(状態II)が
生じる。時間と共に、続いて追加の結晶性(状態I)を
生じさせながら四面体結晶相は安定な六面体立体配置に
移行する。これは極めて遅い工程であり、移行は単味の
重合体において数日間にわたつて完了する。
ブテン−1は種々のアルフア−オレフインと共重合し
て有用な共重合体例えば米国特許第3,362,940号に教示
されるものを与え得る。エチレン単量体が5,5〜20モル
%の範囲であるブテン−1/エチレン共重合体は米国特許
第4,568,713号及び同第3,362,940号に教示され、そして
今低エチレンコモノマー含有量(1〜6重量%)を有す
るこのタイプの共重合体が熱溶融接着剤に特に興味ある
ことが発見された。少量のエチレンコモノマーは低いガ
ラス転移温度(Tg)を生じさせ、そして重合体中の非晶
性相の量を増加させ得る。少量のエチレンは更に結晶化
速度を減少させ得る。これらの重合体は熱溶融接着剤の
開発において多くの利点例えば低いTg及び高い非晶性相
を与え得る。これらの重合体は相溶性の樹脂、ワツク
ス、油、フイラー及び添加剤と組合わせて広範囲の調製
物を与える。
驚くべきことに、(1)共重合体のエチレン含有量が
約1〜約20重量%の範囲であるポリ−1−ブテン/エチ
レン共重合体、並びに(2)ポリ−1−ブテン均質重合
体と粘着性樹脂、酸化防止剤、並びに随時ある量の微結
晶性ワツクス及び/またはある量のアタクチツク性ポリ
プロピレンのある配合物が積層構造体に使用でき、そし
てポリ−1−ブテン均質重合体及び粘着性樹脂のみ、並
びにポリ−1−ブテン共重合体及び粘着性樹脂のみから
なる接着剤と比較した場合に予期せぬSAFT及びT−ピー
ルの結果を示す接着性調製物を与えることが見い出され
た。
更に詳細には驚くべきことに、これらの構造体に対
し、構造体に用いる接着剤に対する高いT−ピール値が
得られる一方、剪断接着破壊温度(SAFT)を十分高い状
態に保持して制御し得ることが見い出された。
第1図はポリブチレン基体上に配置されたポリ−1−
ブテン均質重合体及びポリ−1−ブテン共重合体の50/5
0熱溶融接着剤並びに粘着性樹脂中に配合されたポリ−
1−ブテン均質重合体の重量%に関する剪断接着破壊温
度及びラツプ剪断(psi)の図であり、その際に有利な
均質重合体対共重合体の比はそれぞれ12.5:37.5〜25:25
の範囲である。
本発明の好適な共重合体は約1〜約20モル%のエチレ
ンコモノマーとのポリ−1−ブテン共重合体である。以
後検討する重合体の例はH−1−B(均質重合体性−1
−ブテン)及び1B−CoE6(エチレン6モル%を有する共
重合体性−1−ブテン)として定義する。
この全調製物をベースとして50重量%のH−1−B及
び1B−CoE6の配合物並びに50重量%の粘着性樹脂は重合
体配合物の10〜90%のH−1−B及び90〜10%の1B−Co
E6を粘着性樹脂と配合し、そしてポリプロピレン基体上
に配置してポリプロピレンベースの積層構造体を生成さ
せる場合に予期されない結果を示すことが見い出され
た。H−1−B20〜80%及び1B−CoE6 80〜20%を接着
調製物中に配合する場合、これらの調製物をアルミニウ
ム基体上に配置させる際に高いSAFTが高いT−ピールと
同時に得られた。
ポリブテン基体上でブテン−1の均質重合体(H−1
−B)のみ、またはブテン−1共重合体(1B−CoE6)の
みを用いて製造された比較対照接着剤のLAP剪断及びSAF
T特性を第1表に示す。
第2表は種々の比率の配合されたH−1−Bと1B−Co
E6及びEscorez粘着性樹脂からなる本発明の接着剤調製
物に対するアルミニウム及びポリプロピレン基体上のSA
FT及びT−ピールを示す。また対照例も示す。
第1図は本発明の有利な特徴を図示するものである。
本発明の積層構造体を生成させるに使用し得る新規な
接着剤は異なったメルト・フロー及び粘度を有するポリ
ブチレンの配合物約10〜約90重量%を用いて製造し得
る。これらのポリブチレンはペンワルト(Penwalt)か
ら入手されるLupersol101過酸化物0〜1000ppmをポリブ
チレンペレツトと混合し、そして混合物をブラベンダー
(Brabender)押出機を通して200℃で2分間の平均滞留
時間で押し出すことにより製造し得る。接着剤はより好
ましくは45〜55重量%のポリブチレン配合物を用いて製
造し得る。
新規な接着剤を調製するために、ブテン−1エチレン
共重合体及びブテン−1均質重合体配合物を実質的に非
極性の脂肪族粘着剤樹脂に加える。用いるポリブチレン
配合物の量に依存して、新規な接着剤を製造するために
10〜90重量%の粘着性樹脂を使用し得る。45〜55重量%
の粘着性樹脂を用いることが好ましい。実質的に非極性
の脂肪族粘着剤樹脂の定義にはポリテルペン樹脂が含ま
れる。殆んどの場合、部分的に水素化されたC9ベースの
炭化水素樹脂、並びにC5ストリーム樹脂(炭素数5のオ
レフインを重合した樹脂)、及びポリエルペンを約20〜
約60重量%、好ましくは約30〜約50重量%の量で使用し
得る。軟化点85℃[Arkon P−85(荒川化学社製石油樹
脂の商品名)及びEscorez 5380(エクソン社製石油樹脂
の商品名)]及び軟化点120℃[Arkon P−120(荒川化
学社製石油樹脂の商品名)]を有する樹脂を用いた。2
つの融点の樹脂は結晶性融点及び室温以上のTgを示し;A
rkon P−85に対してはTm=85℃、Tg=35℃、そしてEsco
rez 5380樹脂に対してはTm=80℃、Tg=29℃である。
両方の80〜85℃の融点の樹脂はポリブチレン重合体中で
冷却した際に透明な溶融物及び透明な固体を生成させ
た。Arkon P−120は125℃の結晶性融点及び67℃のTgを
示した。樹脂はポリブチレン重合体中で冷却した際に透
明な溶融物及び透明な固体を生成させた。
本発明のワツクスは微結晶性ワツクスである。ワツク
スは任意のものであり、そして全体の調製物の30phr
(調製物100重量部当り30重量部)まで、好ましくは全
接着剤組成物の重量をベースとして5〜15phrの量で加
え得る。Shellwax 500を使用し得る。接着剤の使用温
度を実質的に低下させずに低粘度に調整するために十分
な量のワツクスを使用し得る。
新規な組成物の30phrまでのアタクチツク性ポリプロ
ピレンを新規な接着剤に有利に加え得る。5〜20phrの
アタクチツク性ポリプロピレンを本発明の範囲内で使用
し得る。
全調製物をベースとして50phrまで、好ましくは約5
〜約25phrの量の少量の増核剤を新規な接着剤に有利に
加え得る。増核剤としてステアルアミド、N,N−エチレ
ン−ジ−ステアルアミドの如き置換されたステアルアミ
ド、重合体例えば高密度ポリエチレン、ポリプロピレン
及びパラ−アミノ安息香酸を新規な接着剤に加え得る。
全調製物をベースとして約0.1〜約0.5phrの量の酸化
防止剤を接着剤調製物に加え得る。
立体障害のあるフエノール性酸化防止剤が良好な結果
で接着剤配合物に用いられた。テトラキスメチレン(3,
5−ジ−t−ブチレ−4−ヒドロキシヒドロシンナメー
ト)メタン[チバ−ガイギー(Ciba−Geigy)製のIrgan
ox 1010]を約0.3phrの量で配合物に加え得る。同様の
量で使用し得る他の酸化防止剤にはGoodrite3114、Etha
nox330及びIrgnox1076がある。
一度接着剤を生成させた場合、新規な積層構造体を製
造し得る。
次のものは本発明を説明するものであり、そして本発
明の概念の範囲を限定するものではない。
接着剤調製物 上に記載され、そして第1及び2表に定義された接着
剤は小型ブラベンダー配合ヘツド(容量約50cc)または
1クオートのシグマ・ブレード(sigma blade)混合機
のいずれかを用いて製造し得る。試験調製物は予熱した
装置(170〜180℃)を用いて、2つのポリブチレン重合
体を導入し、軟質で均一な塊が生じるまで重合体を混合
し、次に残りの成分を好ましくは最初に粘着性樹脂と、
続いて残りの成分と一緒に徐々に導入することにより容
易に配合される。混合時間は20分間であるべきである。
接着剤フイルム 接着剤フイルム(125〜200ミクロン)を接着剤調製物
から、配合された接着剤を生じる接着剤の厚さに関して
所望の間隙を生じさせるように調整した一対の加熱され
たニツプ・ローラー(nip roll)を用いて離型(releas
e)被覆されたポリエステルフイルム上(即ち離型被覆
された側上)でキヤステイングすることにより製造し得
る。予熱された接着剤(約130℃で予熱)をポリエステ
ルフイルム上に注ぎ、そして加熱したニツプ・ローラー
を通して手で延伸する。この技術を用いて、長さ1m、巾
15cmの大きさの接着剤フイルムを少量(<60g)の接着
剤を用いて生成させることができ、従つて極めて少量の
接着剤を評価し得る。
積層構造体 一度冷却し、そして硬化させた場合、上の方法により
製造した接着剤を積層構造体を製造するために用いた。
構造体に対する基体としてポリプロピレン、アルミニウ
ム及びポリブチレンを使用し得る。積層構造体は接着剤
の四角いフイルムを基体間に置き、次にフイルム及び基
体を熱シーラー例えばSentinel熱シーラーを用いて中程
度の接触圧力下で結合させて積層構造体を生成させるこ
とにより製造される。次の試験は積層構造体の用途を示
すために行った。
試験方法 1.SAFT:剪断接着破壊温度−積層構造体における接触剤
の使用上限温度をSAFT試験により評価した。対象基体及
び基体表面間の中間層としての接着剤を用いて25×25mm
の積層構造体を製造した。25×25mmの構造体を温度プロ
グラミングした乾燥器中につるし、そして構造体の自由
な末端に500または1000gの荷重をかけた。温度が22℃/
時間の速度で昇温するようにプログラミングした。SAFT
は結合が切れ、そして重りが落下した温度で計った。
2.ラツプ剪断強さ−対象基体及び基体表面間の中間層と
しての接着剤を用いて25×25mmの積層構造体を製造し
た。結合を破断するに必要とされる最大の力が得られる
まで25×25mmの構造体をInstron試験機中で1.27mm/分の
速度で引き離した。これらの試験において基体として3m
m(125ミル)の陰極析出したアルミニウムを用いた。
3.T−ピール−対象基体及び基体表面の中間層としての
接着剤を用いて25×150mmの積層構造体を製造した。積
層表面をInstron試験機中にて1つの表面を低部ジヨー
(jaw)中に置いた。ジヨーを25cm/分の速度で分離し
た。表面を剥離するに要する時間を連続的に記録した。
最大及び最小値、並びに破壊モード即ち接着性、粘着性
またはその組合せを記した。試験は約180℃のピール角
度であつた。T−ピール試験はアルミニウム及びポリプ
ロピレン基体の両方に関して行った。
同時に生じる高いSAFT及び低いT−ピールは配合物中
のポリ−1−ブテン共重合体に対するポリ−1−ブテン
均質重合体の関数であつた。
上記の物質及び/または方法における逸脱は本分野に
通常精通せる者には明らかであり得る。
本発明の主なる特徴および態様は以下のとおりであ
る。
1.基体及び熱溶融接着剤からなり、該熱溶融接着剤がエ
チレン含有量が共重合体の約1〜約20モル%であるブテ
ン−1及びエチレンの少なくとも部分的に結晶性の共重
合体10〜90重量%、並びにブテン−1均質重合体10〜90
重量%の配合物約10〜約90重量%;粘着性樹脂約10〜約
90重量%;及び酸化防止剤約0.1〜約0.5phrの配合物か
らなる、積層構造体。
2.該熱溶融接着剤が該エチレンの含有量が該共重合体の
約1〜約20モル%であるブテン−1及びエチレンの該共
重合体10〜90重量%、並びに該ブテン−1均質共重合体
10〜90重量%の該配合物約45〜約55重量%;該粘着性樹
脂約45〜約55重量%;及び該酸化防止剤約0.1〜約0.5ph
rの配合物からなる、上記第1項記載の積層構造体。
3.該熱溶融接着剤の該粘着性樹脂がC5〜C9ストリーム樹
脂、ポリテルペン、及び70〜130℃の範囲の軟化点を有
する水素化樹脂よりなる群から選ばれる脂肪族の、実質
的に非極性の樹脂である、上記第1項記載の積層構造
体。
4.該熱溶融接着剤が更に30phrまでの微結晶性ワツクス
からなる、上記第1項記載の積層構造体。
5.該熱溶融接着剤が更に30phrまでのアタクチツク性ポ
リプロピレンからなる、上記第1項記載の積層構造体。
6.該熱溶融接着剤が更に増核剤からなる、上記第1項記
載の積層構造体。
7.該熱溶融接着剤の該増核剤が置換されたステアルアミ
ド、ステアルアミド、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン及びパラ−アミノ安息香酸の群の員である、上記第
6項記載の積層構造体。
8.該熱溶融接着剤の該酸化防止剤がテトラキスメチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナ
メート)メタンである、上記第1項記載の積層構造体。
9.該基体がアイソタクチツク性ポリプロピレン、アイソ
タクチツク性ポリブチレン、鋼鉄、紙、アルミニウム、
陰極析出したアルミニウム及び結晶性重合体の群の員で
ある、上記第1項記載の積層構造体。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の有利な特徴を図示するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体及び熱溶融接着剤からなり、該熱溶融
    接着剤が、 (1) エチレン含有量が共重合体の1〜20モル%であ
    るブテン−1及びエチレンの少なくとも部分的に結晶性
    の共重合体10〜90重量%、並びにブテン−1均質重合体
    10〜90重量%の配合物10〜90重量%と、 (2) 接着性樹脂10〜90重量%の配合物であって更
    に、 (3) (1)と(2)の配合物100重量部当り酸化防
    止剤0.1〜0.5重量部を含む 配合物からなる、積層構造体。
JP26299188A 1987-10-30 1988-10-20 ポリ−1−ブテン配合物接着剤を用いて製造した積層構造体 Expired - Lifetime JP2636907B2 (ja)

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