JP2636860B2 - 光磁気記録用薄膜の製造方法 - Google Patents

光磁気記録用薄膜の製造方法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、大きな光磁気効果を持つ、コバルトフェラ
イト(CoFe2O4)垂直磁化膜による光磁気記録用薄膜の
製造方法に関するものである。
従来の技術 コバルトフェライトは、λ8000Åの波長の光に対し
てフェラデー回転角は厚さ1μあたり約2゜、光吸収係
数は10/μmであって、経時変化も少く光磁気記録材料
として長年注目されていた。この材料を垂直光磁気記録
材料として利用しようとしたとき、その磁気異方性と膜
質が問題となる。コバルトフェライトは、スピネル構造
を持ち結晶学的には一軸異方性が存在しないが、これま
でに、薄膜とその基板との熱膨張率の差を利用して、薄
膜に引張り応力を与え、磁歪現象を通して膜面垂直磁気
異方性を得ていた。この最初の試みは、CVD法を使用
し、MgO単結晶基板を用いて行われた(文献;N.N.Evtihi
evet al.IEEE Trans.Mag.MAG−12(1976)773)。この
方法では、強い一軸異方性を持つコバルトフェライトの
単結晶膜が得られた。
発明が解決しようとする問題点 しかし、強い一軸異方性を持つコバレトフェライトの
単結晶膜の製造方法として、CVD法を用いているため
に、本質的に900℃の異常高温プロセスとなり、製造の
過程が複雑となり、かつコストが高くついていた。この
欠点を克服しようとして、コバルトクロムフェライト薄
膜をスパッタ法で作成し、基板としてアルミニウム基板
を使用し、やはり熱膨張率の差を利用して垂直磁気異方
性を得ようとする試みがなされた(文献;日本応用磁気
学会誌VoL19,No2。1985,133)。しかし、得られた一軸
磁気異方性は比較的小さく、保磁力Hcが低くなり、また
多結晶薄膜であったため、多数の粒界が存在して記録雑
音も多くなり、光磁気記録材料としては問題点があっ
た。
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、
比較的簡単な低温プロセスで、一軸異方性を持つコバル
トフェライトの単結晶膜による光磁気記録用薄膜の製造
方法を提供することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため本発明は、コバルトフェラ
イトの粉末により形成されたターゲットを用い、(10
0)面を基板面とするMgO単結晶基板上にスパッタ法によ
りコバルトフェライト垂直磁化膜を成長させるようにし
たものである。
作用 上記構成により、薄膜用の基板として結晶構造が酷似
したMgO単結晶の基板を用い、ターゲットとして、コバ
ルトフェライトの粉末により形成したものを用い、アル
ゴン酸素雰囲気中でスパッタすることにより、室温にお
いて強い一軸異方性を持つ単結晶薄膜の透明なコバルト
フェライト垂直磁化膜が得られた。この膜は粒界が存在
せず、保持力が大きく、強いファラデー効果を示し垂直
磁気記録材料としても、光磁気記録材料としても極めて
有望な薄膜となった。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明で使用する高周波スパッタ装置の概略
構成図である。このスパッタ装置1は放電プラズマ2を
安定化させるためスパッタ方式をマグネトロンタイプと
している。第1図において、3はコバルトフェライト
(CoF2O4)の粉末で水で固めて、ターゲットホルダー4
の上で乾燥させたターゲットであり、このターゲット3
はターゲット3の位置に存在する強いマグネトロン(図
示せず)の磁場に対して安定している。5は薄膜形成用
のMgO単結晶基板であり、求めるコバルトフェライト薄
膜のスピネル型の結晶構造に体してこのMgO単結晶基板
5のMgOはNaCl型の結晶格子を持ち、格子定数が5.94Å
であり、エピタキシャル結晶成長のための基板として適
していると予想される。また、コバルトフェライトの磁
化容易軸は[100]方向であるので、使用するMgO単結晶
基板5の基板面を(100)面としている。
アルゴン酸素雰囲気中で高周波電源6により放電プラ
イズマ2を形成し、コバルトフェライトにより形成した
ターゲット3を20分間スパッタし、これをMgO単結晶基
板5にたい積し、MgO単結晶基板5に膜厚約1000Åのコ
バルトフェライト薄膜を得た。MgO単結晶基板5の温度
が室温のときはコバルトフェライト薄膜はコバルトフェ
ライトの多結晶相を含む多相膜となり、この基板5の温
度が300℃以上となると酸素なしのアルゴン雰囲気だけ
で単結晶となる。第1図において、7はスパッタガス導
入口、8は排気口である。
次に第2図に単結晶のコバルトフェライト薄膜のX線
回析図を示す。(400)ピーク9を除いて他の回析ピー
クは見られない。正し、この薄膜では、コバルトフェラ
イトの(400)ピークとMgOの(200)ピークが、ほぼ重
なっているので、区別はできない。この試料では膜面垂
直方向が磁化容易軸の[100]軸となり、かつ大きな負
の磁歪を示す。コバルトフェライトは、MgO単結晶基板
5に成膜すると、室温では引張り応力膜となり、負の磁
歪定数を通して膜面垂直方向に強い磁気異方性が誘起さ
れる。MgO単結晶基板5の(100)面以外に形成した薄膜
では、その配向度が劣化し、垂直磁気異方性も格段に劣
るようになる。
第3図に、MgO単結晶基板5の温度475℃、アルゴン分
圧5×10-2torr、および放電電力150Wのスパッタ条件で
成膜したコバルトフェライト膜のヒステリシス曲線を示
す。第3図におて、10は膜面平行磁化曲線、11は膜面垂
直磁化曲線である。第3図からわかるように、膜面垂直
磁化曲線11の方が、膜面水平磁化曲線10よりも保持力が
大きくなっている。このことから、本実施例のコバルト
フェライト膜は典型的な垂直磁化膜となっていることが
わかる。この薄膜は、 飽和磁化力 Ms200 emu/cc 保 持 力 Hc4KOe 残留磁化力 Mr100 emu/cc であり、可視光に対してはうすい茶色でほぼ透明であ
る。
単結晶のコバルトフェライト膜の磁性は、基板温度、
放電雰囲気中の酸素濃度、放電のパワー、スパッタ後の
空気中アニールなどの諸条件によって大きく変化する。
それぞれの条件を変化させて最適値を探った結果、MgO
単結晶基板5の温度500℃以上たとえば800℃、スパッタ
ガス雰囲気5×10-2torrにてアルゴンガスに対する酸素
濃度10%以上50%以下のたとえば30%、放電電力200Wの
とき、最も強い垂直磁気異方性を示し、かつ優れたヒス
テリシスの角型特性を示した。なお、この他の条件で作
製した場合も、同様の効果が認められ、応用デバイスと
して使用できる。
また、このコバルトフェライト薄膜は、磁化特性のみ
ならず、大きな光磁気効果を有しており、特に、この透
明磁性体を、直線偏光している光が通過するとき、大き
なファラデー回転角を示す。一例として、半導体レーザ
の780nm波長の光に対して、2.4゜μmのファラデー回転
が得られた。なお、このとき外部磁界は20KOeであり、
外部磁化が零のときでも、残留磁化により飽和値の約50
%のファラデー回転角が得られた。
このように、室温において一軸異方性を有し、粒界が
存在せず、保磁力が大きく、経時変化が少なく、強いフ
ァラデー効果を有するコバルトフェライト垂直磁化膜を
得ることができる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、比較的簡単な低温プロ
セスにてMgO単結晶基板上にコバルトフェライト垂直磁
化膜を形成することができる。特に(100)面を基板面
とするMgO単結晶基板上に形成されたコバルトフェライ
ト垂直磁化膜は、室温において強い一軸異方性を持ち、
粒界が存在せず、保磁力が大きく、経時変化が少なく、
強いファラデー効果を示し、垂直磁気記録膜、光磁気記
録膜としての工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の光磁気記録用薄膜の製造方
法に使用するスパッタ装置の概略構成図、第2図は同製
造方法により作製された単結晶のコバルトフェライト膜
のX線回析図、第3図は同製造方法により作製された単
結晶のコバルトフェライト膜の磁化曲線図である。 1……スパッタ装置、2……放電プラズマ、3……ター
ゲット、5……MgO単結晶基板。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コバルトフェライトの粉末により形成され
    たターゲットを用い、(100)面を基板面とするMgO単結
    晶基板上にスパッタ法によりコバルトフェライト垂直磁
    化膜を成長させる光磁気記録用薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】MgO単結晶基板の温度を500℃以上とし、ス
    パッタ用ガス雰囲気として、アルゴンに対する酸素の濃
    度を10%以上50%以下とする特許請求の範囲第1項記載
    の光磁気記録用薄膜の製造方法。
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